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2022-09

大都市近郊区間大回り乗車・140円旅行についての徹底解説

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1.はじめに
 今日は久しぶりにJRのルール,大都市近郊区間大回り乗車に関するルールと140円旅行についてをお届けします。JRには大都市近郊区間内なら途中下車しなければ,その日のうちならどのルートを通ってもよいというルールがあり,僕は140円旅行と呼びますが,たくさんの人が大回り乗車に挑戦しています。インターネットには旅行記や指南記事が溢れていますが,意外とその根拠や意義を正しく説明したものは少ないです。今日はそのルールと楽しみ方について徹底的に解説を試みます。

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JRの旅客営業規則(昔は紙媒体の出版物があった)

2.JRのきっぷのルールのおさらい
 大回り乗車の前にJRの乗車券のルールの元々をおさらいしましょう。JRの乗車券のルールのうち利用者と係わりのある事柄は「旅客営業規則」に定められていて,駅に行けば閲覧させてもらえるし,今はJR各社のサイトでも公開されています。なお「旅客営業規則」はタイトルにはJR各社の名前が付きますが,基本的な規定内容は同じです。以下が大都市近郊区間の大回り乗車に関係する主なルールです。
・乗車券は実際に乗車するルートのとおりでなければならない(67条)
・運賃を計算するときは同一方向に連続するときは通算するが,環状1周となったら打切る(68条,68条-4)
 同一方向とはちょっと分かりづらいですが,折返してはいけないということです。
・乗車券の有効期間は100km以下1日,100km超~200km以下2日,以降200km増すごとに1日増。なお,往復は片道の2倍(154条)
・有効期間が切れても,途中下車ができないなどの制約があるが目的地まで乗車することができる(継続乗車,155条)
・乗車券の区間内の途中駅で下車,出場後,再び列車を乗継いで旅行できる(途中下車,156条)
おさらいを書いてもとくに変わったことはない,普段,仙台や大阪,ちょっと遠くへ行くときのきっぷはそうだよねと思うことでしょう。

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大宮~八王子周辺の路線図

3.大都市近郊区間大回り乗車・140円旅行の根拠になるルール
 これらのルールどおりだと路線網や列車の運転が稠密な区間では意外と窮屈です。例えば大宮から八王子に行くことを考えます。運賃計算に使われる最短ルートは埼京線・武蔵浦和・武蔵野線経由の47.9km,820円(今日の記事は全てきっぷ運賃)です。大宮駅の埼京線ホームは地下深くだし,本数も少ないので南浦和乗換えを考える人もいるでしょう。この場合,0.2km飛び出して運賃帯が違い,50.2km,940円です。2度の乗換えを嫌って,湘南新宿ラインで新宿をまわった方がよいと考える人もいるかもしれません。その場合は意外と遠回りで64.5km1,100円です。お客さんにいちいち経路を聞きながらきっぷを売っていたのでは煩わしいし,客もそんなこと考えていません。そもそもきっぷを買う時点では決まっていなくて,改札を抜けて時刻表や発車案内を見てから考える人もいるでしょう。

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武蔵野線・東北本線(貨物線)経由で八王子~大宮間を結ぶ「むさしの」号 2022.7.2

 善意の旅客が不正乗車になってしまっては困るので,国鉄の制度担当者は知恵を絞ったのでした。僕のイメージですが国鉄の制度担当というのは,東大法学部出のとてもアタマのよい人だったのでしょう。ある範囲を決めて,その範囲の中なら上に書いたルールの制約を外してもよいと考えたのでした。その範囲が大都市近郊区間で,東京のほか大阪,福岡にも設定されました。その後,2004年に新潟,2014年に仙台が追加されました。大都市近郊区間相互発着の乗車券に限り,以下のルールとしたのです。
・片道乗車券の有効期間は,距離にかかわらず1日(154条ただし書き)
・途中下車ができない(156条2号)
・券面に表示された経路にかかわらず,同区間内の他の経路を選択して乗車できる(157条2項)
・157条2項に基づき他の経路を乗車中に途中駅で下車したときは,区間変更として取扱う(157条3項)

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JRの旅客営業規則

 これが大都市近郊区間大回り乗車・140円旅行の根拠になっているルールです。要旨だけを書いたので,興味があればJR各社のサイトで条文も参照ください。ちなみに一連の規定の改訂があったのは1973年で,例に示した武蔵野線の府中本町~新松戸間開業のときでした。また,当時は武蔵野線の列車は3,40分に1本でしたが,今では10分間隔で走り,レアな存在ですが「むさしの」号もでき,新宿回りは時間では勝ち目はないようです。

4.5つの大都市近郊区間
 東京近郊区間ですが徐々に範囲が拡大されて,今では水郡線の常陸大子や長野県の松本など,これが東京近郊?というようなところまで拡大されています。これはSuicaの導入エリアにあわせて拡大されたもので,大都市近郊区間の,当日限り,途中下車はできない,経路は選択可の3点セットがSuicaによる乗車と親和性があるので,JR東日本はSuica導入エリアと東京近郊区間を一致させるようにしています。

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現在の東京近郊区間(交通新聞社JR時刻表2022年3月号から)

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他の4つの大都市近郊区間(交通新聞社JR時刻表2022年3月号から)

 われわれ東京人にとって,この大都市近郊区間内相互発着のきっぷは日ごろ目にするきっぷの大多数であるため,本来は例外であるルールがいつものルールになっています。このルールを無理くり拡大解釈して,途中下車せず,一筆書きであれば,1日限り東京近郊区間内をどう回ってもよいとするのが140円旅行です。なお,一筆書きであればというのは,規則の68条の同一方向と環状1周で計算打切りを分かり易く表現したものです。

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古いSuica(ペンギンやスイカのマークなし,ペンギンの顔の向きが違う)

5.大都市近郊区間に関するルールの応用と大回り乗車・140円旅行
 基本ルールを押さえたところで応用に入ります。山手線1周の運賃はいくらですかという問いは,一般には隣の駅までの2倍,今なら280円と言われています。東京駅から外回りの列車に乗って有楽町,新橋,浜松町…新宿…秋葉原と乗って,東京駅の一つ手前の神田で降りる,そこまでが大回り乗車のルールを使って140円です。その後,神田から東京駅に戻る140円が必要なので〆て280円です。

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通説どおりの山手線1周のきっぷ(国鉄時代の随分古いきっぷです)

 ところが,神田と秋葉原の2駅だけは,例えば神田発だと神田~秋葉原~御茶ノ水~神田の2.9km140円の経路が成立し,その大回りで140円で山手線1周ができてしまいます。これは応用中の応用なので,僕も一般には山手線1周は280円と言うようにしています。

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応用中の応用,神田発の140円旅行

 こう書くと大回りはかなり特別なことに見えますが,普段の生活でも大回り乗車をしていることがあります。成田空港~新宿の間には成田エクスプレスも走っていますが,このルートは96.6kmで経路どおりの運賃は1,690円です。ところが,大都市近郊区間のルールがあるので成田から我孫子に出て,日暮里から山手線経由86.3kmの最短経路で計算できて運賃は1,520円です。この例で分かるように,大回り乗車中に特急などの優等列車や指定席を利用することも全く問題ありません。

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成田空港から新宿のルート

 このような大回りを同じ駅を2度通らないように回るのが140円旅行で,僕の家の近くの例ですが,根岸線の新杉田から磯子までの140円のきっぷでこんな旅行をすることもルール違反ではありません。これが一般に言われる,東京近郊区間大回りの乗り鉄旅行です。

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新杉田から磯子の大回り乗車 2022.4.30

 世の中にはいろいろな計算をする人がいて,インターネットのサイトを探すと最長140円旅行のルートを計算した人がいます。140円旅行の最長は常磐線の馬橋~北小金のきっぷでなんと1035.4kmも乗れるそうです。また,このルートだと発駅がこの2駅に限られてしまうので,周回ルートだと1018.4kmだそうです。周回ルートの場合はルート上ならどの駅からでも始めれられ,何年か前に僕も乗ったことがあります。

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東京近郊区間最長の140円旅行ルート

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東京近郊区間最長の140円旅行周回ルート

6.大回り乗車と140円旅行に関する誤った俗説
 このような800km超の140円旅行は1日では完結できず,どこかで夜明かしが必要になります。1日で完結しない140円旅行は終夜運転のある大晦日でないとできないのような記事がありますが,これは俗説で2つの誤りがあります。誤りの一つは,終夜運転があるから1月1日まで使えるということで,きっぷの有効期間は時計が24時を過ぎて最初の駅まででおしまいで,それ以降は継続乗車の規則に拠っていることになります。もう一つの誤りはその継続乗車に関することで,有効期限が過ぎたら可及的速やかに目的地の駅へ向かわねばならず,悠長に大回りをすることなど認められないと考えられます。

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僕が1018kmの周回ルートの大回りをした時のきっぷ。残念ながら,千葉の特別下車印は押してもらえなかった

 それではどうすれば2日がかりの140円旅行ができるかというと,私見ですが,往復乗車券を使う,です。往復乗車券であればそもそもの有効期間が2日間なので,継続乗車にはなりません。厳密には最低で280円かかってしまいますが,どっちにしろ発駅に戻らなければいけないので,必要経費でしょう。

7.140円旅行の心得
 続いて,140円旅行の心得をいくつか書きます。これまで説明したように,大都市近郊区間の大回り乗車はルール違反ではないけれども,ルールの網の目をくぐるルール違反ギリギリの行為です。このため実行するときにはそれなりの覚悟が必要と思います。車掌さんや駅員さんに誰何されたとき,適切に答えられずしどろもどろになったら,ますます不審な客と思われてしまいます。自分の正当性を適切に説明できるようにしましょう。というと難しそうですが,なんならこの記事のページを印刷して持っているのでもよいでしょう。

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140円旅行の行程表の例 2020.6.20

 昔,僕が高校生の頃は国鉄の現場がすさんでいて,140円旅行をしていたら不正乗車扱いされたとか,不正乗車ではないからお金は請求されなかったけど列車からつまみ出されたのような逸話もありました。数年前にある大きな駅のお客さま相談窓口で伺ったときには,今どき旅客営業規則157条-2を知らない社員はいません,いたらモグリですと言っていました。実際,ここ10年くらいは券面表示の区間とかけ離れたところで車内改札に遭っても,140円旅行ですと言って嫌な思いをしたことはありません。

 正当な140円旅行であることを説明するために行程表をメモに書いて,そのルートで巡っていることを説明するのが有効です。僕の場合は,最近はExcelで作って印刷し,当日は乗った車両の車号を書込んだりしますが,ここまでする必要はまったくありません。上にも一つ付けましたが,最近はスマホのGPS loggerで記録しておくというのも一つのやり方と思います。

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いろいろな改鋏印やスタンプが並んだきっぷ

 もう一つは使うきっぷで,僕は140円旅行をするときは紙のきっぷを用意します。Suicaで入場,出場すれば7円の節約になりますが,詳しい閾値などは知る由もありませんが,金額に比してあまりに長時間がかかっていると自動改札を通れないこともあるようです。そんなことなら,記念ににもなるし,初めからきっぷを買えばよいと思うのです。なお,山手線1周の神田発の例で示した発駅と着駅が同じ場合ですが,SuicaにはICカード乗車券取扱規則54条という特別のルールがあって,「実際乗車区間のIC運賃を支払う」ルールなので注意が必要です。厳密にはこの54条は一筆書き乗車を想定したものではなく,往復の場合も含めて任意の駅へ行って出場せずに戻ってきた想定ですが,これらの区別はつきません。

8.140円旅行とエキナカグルメ
 途中下車ができない140旅行では食事はエキナカで調達するしかないのですが,インターネットの情報などを見ると,エキナカグルメと題していろいろな記事があります。空腹を満たすことだけを考えればNEWDAYSでコトは足りるのですが,東京近郊区間に限ってですが,少し情報を載せます。NEWDAYSではちょっと...という向きには,ワンランク上の食材を扱う成城石井のエキナカ店舗がいくつかあり,新宿駅や東京駅は頻繁に利用しますが,川崎駅にもあるようです。

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東京駅京葉線改札近くの成城石井 2014.8.30

 エキナカの食事といえば駅そばスタンドです。日本レストランエンタープライズ(NRE)系列の「いろり庵きらく」などは多くの駅にお店がありますが,ここは敢えて地場の駅そば屋さんを楽しみたいところです。我孫子駅の弥生軒は山下清画伯が働いていたこともあることで有名ですが,メニューでもから揚げそばが有名です。この他,小山の中沢製麺は閉店,立川の奥多摩そばの中村亭,高崎の高崎弁当(たかべん)はNREの傘下入りで面白味がなくなってしまいました。

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我孫子駅弥生軒の駅そばスタンドとから揚げそば 2016.10.10

 反対に今どきのエキナカといえば東京,品川,大宮などの大きなターミナルにあるエキュートが代名詞で,食事のできるお店からお土産物や惣菜など何でも揃います。下にエキュート大宮で撮った1コマを載せますが,さながらデパ地下のようです。

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エキュート大宮風景 2014.5.5

 エキュートは大型のエキナカアーケードで目移りしてしまいます。その点,拝島のDila拝島などはドーナツのミスド,牛丼の吉野家,そばのいろり庵きらくなどがコンパクトにまとまっていて,僕は好きです。この他,Dilaは大崎と蘇我にあるようです。また家から近いので140円旅行で使ったことはありませんが,Atre大船も築地銀だこハイボール酒場があったりして,通る時間帯によっては楽しめそうです。

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Dila拝島風景 2018.4.28
 
 なお,総武本線・成田線や房総半島ですが千葉ペリエエキナカとDila蘇我以外には目立った供食施設がありません。供食施設どころかNEWDAYSも千葉支社管内には改札内にある駅が少ないので要注意です。成東は140円旅行で重要な結節点ですが,改札のすぐ先にNWEWDAYSがありますが,途中下車できないので利用したことはありません。高校生の通学時間帯に通ることも多く,お駄賃あげるからビール買ってきてと頼みたい衝動に駆られたことも一度や二度ではありません。一方,ビールを買うだけなら,房総地区では総武快速のグリーンアテンダントにお願いして売ってもらうことは可能です(直近では新型コロナ感染症対策でアルコールの取扱いを止めているようです)。

9.140円旅行の実例と旅行記
 最後に僕が実際に行った140円旅行のリンクをちょっとした見どころと共に並べておくので興味があれば参照ください。写真のキャプションがリンクになっているので,それぞれの旅行記に飛びます。
 140円旅行というとやはり東京近郊区間の外周,相模線,八高線,両毛線,水戸線です。それぞれ,丹沢の山々,秩父の山々,赤城山,筑波山など地図を片手に過行く景色を眺めるのは格別です。

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東京外周の140円旅行 2022.4.30

 また,140円旅行の観点でみると千葉県は意外と広く,房総半島1周と銚子の近くの松岸まで行くと,ほぼ1日かかってしまいます。この旅行ではおまけで武蔵野線にも乗っています。また,房総半島南部の木更津~上総一ノ宮は2021年から運転区間138.4kmの長距離鈍行になっていて,これに乗るのも楽しみです。

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房総半島と武蔵野線の140円旅行 2022.6.18

 運転日が限られますが,上手く工夫をすれば「リゾートやまどり」などのリゾート列車や,たった3駅ですがSL列車に乗ることもできます。

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大船発EL&SLみなかみ号に乗る140円旅行 2015.10.24

 鉄道好きであれば非電化区間のディーゼルカーに乗るのも楽しみです。八高線の高麗川~高崎間は東京近郊区間で唯一,140円旅行でディーゼルカーに乗ることができる区間です。

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八高線と松岸を巡る140円旅行 2016.10.10

 マニア向けに朝から晩まで乗るとなると,東京外周のほとんどと房総半島の一周を足して800km弱を乗ることができます。さすがにこれをやるとヘトヘトになり,家に帰って床に就いてもまだ揺れている感じがします。

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朝から晩まで東京近郊区間を乗りたおす140円旅行 2014.5.5(その1その2その3

 これも相模線をスキップした以外は上と殆ど変わらないルートですが,夏至の近くの陽が長い日を選んで旅行しました。記事のタイトルに決定版とつけていますが,景色を楽しむのを優先したため松岸をスキップしていますが,1日の140円旅行の行程としてはほぼ完璧です。

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陽の長い時期に決行したほぼ決定版の140円旅行 2020.6.20(前編後編

 東京近郊区間の最後はゴールデンウィークに2日がかりで行った周回ルートの最長140円旅行です。このときは千葉駅で夜明かししましたが,その時の改札係員さんはよく規則を知ったかたで,往復の片割れの乗車券を見せてなんの悶着もありませんでした。ただ,特別下車印を誂え中とのことで,途中下車印を押してもらえなかったのが残念です。なお,補遺には朝から晩まで乗りたおすモデルルートが右回り,左回りの2つついています。記事を書いた当時のダイヤで作ったものですが,今でもそんなに大きくは変わらないと思います。

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周回ルート1016kmの140円旅行 2018.4.28~29(その1その2その3補遺

 最後に新潟と仙台の140円旅行をつけておきます。回れる距離は小ぶりですが,われわれ東京人にとっては地方に出掛けて140円でいろいろな線区を巡れるのはとてもありがたいです。また地元の人にとっても,普段からよく知っているところでも鈍行列車に揺られて景色を眺めれば再発見もあるのではないでしょうか。

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新潟近郊区間の140円旅行 2017.5.3

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仙台近郊区間の140円旅行 2017.5.4

10.結び
 今日は以前から気になっていた140円旅行について,そもそものルールから実際の旅行の例まで,徹底的に解説を試みました。大阪近郊区間と福岡近郊区間の大回りに触れることができていないので,今度はそれらの線区の140円旅行にも行ってみたいと思います。この情報がサイト訪問者の皆さまの140円旅行の参考になれば望外の喜びです。(2022.9.17記)
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20世紀の鉄道写真(26)--1985年(昭和60年)の写真その3・小旅行や近場の話題

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 20世紀の鉄道写真,1985年の3回目はこの年に行った小旅行や,自宅の近所で撮ったバスの写真をお送りします。僕はこの年は会社員生活2年目で,モーレツ社員という訳ではありませんが,休みをとることは少なかったです。仕事は会社に4台しかなかったコンピュータの運用担当でした。この頃の大型汎用コンピュータの保守作業は利用者がお休みの土曜休日が書き入れ時で,休日出勤をすると振替の休日がもらえるのが嬉しかったです。既にアップ済の正月の北海道旅行,夏休みの山陰・山陽旅行のほかにもちょこちょこと出掛けていました。

 職場では2月に部をあげてのスキー合宿があり,スキーをしない僕も飲み会・麻雀要員として参加です。同僚は貸切りバスですが,僕は自腹で列車で戸狩までを往復しました。

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1.長野電鉄には元東急5000の赤ガエルが大量にいました @湯田中 1985.2.11

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2.湯田中駅 1985.2.11
1927年(昭和2年)築のこの駅舎は2003年(平成15年)の駅舎改築時にも取り壊されず,「楓の館」という山ノ内町の交流・展示施設として残っているそうです。

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3.このときの乗車券。スキースケート往復割引きっぷのタイトルで多少の割引きがあったと思います。きっぷのコレクションはたくさんありますが,硬券で券番1は少ないです(これ1枚?)。

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4.このときの急行券。急行くずれのグリーン車は普通列車部分のBグリーン料金は免除のルール(興味があるかたはこちらの7.参照)ですが,窓口氏はそれを知らず押し問答になり,結局規定どおりの値段できっぷは売ってくれましたが,激昂のあまり行き先の「長野」が「長野原」になっています。ある面,貴重な発券ミス券ですが,もう時効でしょう。

 東海道新幹線は窓が狭くなったり,座席が改良されたりのモデルチェンジはありましたが,開業以来の0系が老朽置換えの更新車も含めて増備されていました。この年の3月にフルモデルチェンジをした一部2階建ての100系が開発されました。バス旅かなにかで通りかかったら,大井の運転所の一番端に置かれていたので,写真を撮ってきました。

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5.100系9000番台車。試作の1本はライトのキツネ目の角度が僅かに大きかった 1985.日時不詳 @東京第2運転所

 次の2枚は桜の時期の中央線のお堀端で,この景色は基本的には今も変わらないです。飯田橋駅の近くには貨物専用の飯田町駅があり,トビ色のワムを繋いだ紙輸送の貨物列車が走っていました。また,カナリア色(黄色)の中央線は101系で,この頃は残り少ない101系だったと思います。

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6.桜咲くお堀端を行く101系電車 @飯田橋~市ヶ谷 1985.3月~4月

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7.中央線を行く紙輸送貨物。EF65P+ワム @飯田橋~市ヶ谷 1985.3月~4月

 5月の連休は南東北地方に行っています。只見線から入り会津滝ノ原(現・会津高原尾瀬口)まで行きましたが,帰りは郡山に戻ったか,バスで鬼怒川方面に抜けたか定かでありません。

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8.只見線は冬季の排雪運転に備え普通列車でもキハ58が多かったです @会津川口(?)1985.4.27

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9.ふらりと降りた新鶴で 1985.4.27

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10.磐梯山を背に快速「ばんだい」。この写真を気に入り大伸ばしして長く部屋に掛けていました @関戸~川桁 1985.4.28

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11.磐越西線の貨物列車。ED77の重連で牽くのは2軸車2,3両 @関戸 1985.4.28

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12.磐越西線の客車列車。ED77+マニ50+50系。晩年の50系化後の姿です @関戸 1985.4.28

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13.中山宿を行く快速「ばんだい」。スイッチバックのホームから本線を見る 1985.4.28

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14.湯野上(現・湯野上温泉)はホームの桜がきれいです 1985.4.28

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15.多分同じ列車と思いますが上はポジ,こちらはネガで撮影です 1985.4.28

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16.このときのきっぷ。福島・会津磐梯ミニ周遊券は安くて使い勝手のよいきっぷでした

 この年はつくばで科学万博が開催され,たしか振休の日に見学に行きました。展示で心に残っているものは殆どないですが,JALがHSSTとのタイトルでリニアモーターカーにお客さんを乗せていました。リニアモーターカーというとJR東海が建設を進める超高速新幹線を想起しがちですが,空港内でターミナル間の旅客移動に使われる装置(Automated People Mover,APM)だって,リニアモーターで駆動すればリニアモータカーです。

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17.HSST by JAL。@'85つくば科学万博。写りの悪い写真で申し訳ありません 1985.5.16

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18.HSSTの乗車券

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19.このときのきっぷ。恵比寿から常備券の往復きっぷがありました

 夏休みは山陰・山陽のほかに従弟が甲子園に出場したので,大垣夜行で応援に行きました。当時は大垣区の165系使用で,夏休みともなればご覧のとおりの大混雑です。これでは翌日がもたないので,沼津で降りて,駅のベンチで新聞をかけて寝ました。また,今でも後期の増備車が残っている伊豆急のリゾート21が運転を開始したのもこの年で,青春18きっぷで伊東,下田まで行っています。

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20.超満員の大垣夜行 1985.8

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21.登場して間もない伊豆急のリゾート21 @伊豆急下田(?) 1985.8

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22.伊豆急の「新型電車完成記念乗車券」えらく硬いネーミングですが材質もアルミ板製

 この年,1985年の9月30日には東北新幹線の騒音被害の見返りの通勤新線として埼京線(線路名称としては東北本線の別線)が開業しました。この日は月曜日でしたが会社が終わった後に初乗りに行ったようです。きっぷはありましたが,今時のようなコンデジもなく,写真は全くありません。

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23.埼京線開業記念フリーきっぷ

 この年のきっぷの中から,面白そうなものを4つばかり選んでみました。新鶴は9.の写真を撮りに降りたときに買ったものです。2番目と3番目は金額式の硬券ですが,2番目は280円と金額が大書きされたもの,3番目は地図式です。1,000円ともなると地図上のあちこちに行けるようになり,さっぱり分かりません。版を作るのも難しそうで,好きな種類のきっぷでしたが,必要があって買ったものしかないのでコレクションにも数はありません。最後の湯野上は桜の写真以来この駅が気に入り,何度も訪れています。

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24.1985年のきっぷから

 秋には体育の日の飛び石連休を使って会津線や桧枝岐を訪れています。このときはきっぷマニアの極みで「一般周遊券」を作ってもらいました。往路は東武鉄道鬼怒川線から入り,今の野岩鉄道のルートの会津西街道をバスで下り,桧枝岐(ひのえまた)村を旅行しました。滝ノ原と桧枝岐の間には中山峠がありますがここで見た紅葉は還暦の今をもってしても生涯で一番きれいな紅葉でした。なお,中山峠は2015年に新しい中山トンネルが開通し,ルートが付け変わったので今でもその景色が見られるかは分かりません。

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25.往きは東武経由で鬼怒川を目指す。どこで見たのか5700系です。恐ろしく時代がかった電車です 場所不詳 1985.10.10

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26.乗換えのジャンクションに集う会津バス 1985.10.10

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27.湯野上を発車する会津線列車 1985.10.11(?)

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28.第三大川橋梁を行く会津線列車。この橋は大川ダム建設に伴う付け替えで1980年に架け替えられたもので耐候性鋼材を鉄道橋梁として初採用の由 @湯野上~上三寄 1985.10.11(?)

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29.第四大川橋梁を行く会津線列車。この辺りは目覚ガ淵と呼ばれる景勝地でいくつかの高い鉄橋で淵を越えてゆきます @湯野上~弥五島 1985.10.11(?)

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30.このときのきっぷ 一般周遊券のうち国鉄の乗車券部分

 最後にこの年に撮ったバスの写真から幾枚かを上げます。1985年は都営バスの表記でいうとP代に相当しますが,なぜか2年前のM代の写真が多いです。1983年の時に書けばよかったですが,この年はバスメーカー各社のモデルチェンジが重なり,画期的な年だったようです。

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31.都営バス都01系統「グリーンシャトル」のB-M210(渋谷)。前年1984年の3月31日から都営バスに都市新バスの路線が設定され,嚆矢の渋谷~六本木~新橋の都01系統用に三菱の新車33台が揃えられました @渋谷駅 1985年日時不詳

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32.都営バス銀71系統のD-G480(杉並)。1979年のG代は白に水色帯最後の年です。また,銀71系統は1988年から都03系統に変わってしまいました @晴海ふ頭 1985年日時不詳

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33.都営バス海02系統のS-M272(深川)。いすゞ-富士重工のバスもM代からスケルトン車体になり,深川ではM271~が最初でした。また,海02はこの年の7月に開業した路線です @フェリー埠頭南ターミナル 1985年日時不詳

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34.都営バス東98系統のM-N423(目黒)。この年2月入籍のN代の日野ブルーリボン。確か日野ブルーリボンもM代からこのスケルトンタイプになったと思います。ちなみにもう一つのバス車体メーカ,川重車体のキュービックバスもM代からです。適切な写真がなくすみません @目黒通り 1985年日時不詳

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35.東急バス黒02系統のM688。都バスの都市新バスに刺激されたか東急も目黒通り系統の黒01~03にこの三菱車を大量21台を投入,バスロケーションシステムも運用されました @目黒駅前 日時不詳
(2022.7.3記)

梅雨時にスーパーレールカーゴの写真撮りと千葉県&武蔵野線の140円旅行

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 今年も梅雨のシーズン,6月の週末はスーパーレールカーゴの写真撮りと140円旅行で1日を楽しみました。今日はそんな1日のアクティビティをご報告します。

 東京~大阪間を130km/h運転,6時間ちょっとで結ぶスーパーレールカーゴ(SRC)はこのブログでも何回か採り上げましたが,今年も陽の長くなった梅雨の土曜日,写真を撮りに出かけます。SRCで運転される50レは5:20東京貨物ターミナル着で,陽の長いこの時期でないと写真が撮れないのです。今年(2022年)も6月18日土曜日,鶴見に写真を撮りに出かけます。朝は3:30過ぎに起床,わが家最寄りの磯子駅を4:20の始発列車で出発です。

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出発はまだ暗い4:20磯子駅発の416B列車 2022.6.18(以下,特記以外同じ)

 4:45,鶴見着。この先の古市場という踏切がお気に入りの撮影ポイントです。歩いても20分前後で行けるのですが,辿り着く前にSRCが来てしまうとせっかくの早起きが無駄になるので,大枚をはたいてタクシーで移動です。去年はさあこれから仕事!という個人タクシーで深夜割増しはなかったと記憶しますが,今日はもうお疲れ,そろそろ上がりという徹夜明けのタクシーでしっかり深夜料金です。一般に深夜料金は5:00まで適用なので,今年の扱いが正ですが,気分は深夜というより清々しい朝なので,何となく損した気分になります。タクシーを使えば時間はあるので,3割高い分,3割手前で降りで,歩いて踏切に向かいます。

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50レ,スーパーレールカーゴ(安治川口~東京貨物ターミナル) @古市場踏切(以下,特記あるまで同じ)

 5:07頃,今日も定時運行でSRCはやってきます。朝焼けも青空もなく,曇り空の下ですが,お天気ばかりは仕方ありません。また,この場所は長大編成だと尻尾まで入らないのが残念なところです。せっかく早起きしたので,しばらくここで貨物列車の写真を撮って過ごします。次に来たのは52レ,福山レールエクスプレスです。福山通運のコンテナで揃ったきれいな編成なので,今日のとびらに使っています。

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EF210-312牽引の5054レ(福岡貨物ターミナル~東京貨物ターミナル)

 今日撮った全部を載せても変わり映えがしないので,以降は気になった列車の写真を載せます。5054レはEF210-300番台の牽引です。EF210-300番台は僕が呉在勤時に瀬野八用との触れ込みで量産が始まった機関車ですが,以降は全部のEF210が300番台で製作され,今では39両を数えています。運用も東京から下関までのスルー運転にも充当され,東京でも300番台牽引の列車がふつうに見られます。

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若番号のEF210-2牽引の2068レ(大阪貨物ターミナル~東京貨物ターミナル)

 2068レはEF210の若番号の2号機の牽引です。最近の全検出場車は塗装が変わって,前面の黒い部分がなく,青も少し明るい色になりました。また,見づらいですが桃太郎のロゴの左に桃太郎とお供の犬,猿,雉のキャラクターがデザインされています。ここの踏切は3Dレーザー式の障害検知装置が2セット設置されていますが,ちょうど画面の隅っこに写っています。

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たまたまやってきたEF65の単機回送

 2068レに続き,EF65の単機回送がやってきました。2096号機は元の1096号機,1978年(昭和53年)製で東京機関区に配属,ちょうどその頃ブームだったブルートレインの先頭に立って東海道を上り下りしていた機関車です。僚機は殆どが廃車になり,残っているのはこの他2097号機と2101号機だけです。東京機関区から移ってきたグループよりも,新鶴見生え抜きの2057~2091号機あたりのほうが生存率は高いようです。

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EF66牽引の1096レ(名古屋貨物ターミナル~札幌貨物ターミナル)

 6:30も過ぎ今日の鉄ちゃんも終わり近くなって,EF66牽引の列車がやってきました。100番台は1960年代の国鉄原設計のEF66を,好調な貨物需要に対応するためにJR貨物になった後の1989~91年にリピート生産した機関車です。出力3,900kWはEF210よりも大きな力を持っています。上のEF65ともども最近見る機会が減ってきたので,撮れるうちに写真に残しておかねばと思います。

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京浜東北線565A

 僕は基本的に貨物狙いですが,ここは3複線の踏切で旅客列車もひっきりなしに通ります。貨物の隙間の時間に何本かアルバイトで京浜東北線のE233系電車を撮ります。広い線路敷に幅の広い架線柱が建つので,とてもすっきりとした写真が撮れます。本来は逆光ですが,曇り空なのでちょうどよい感じです。今日の最後は「サンライズ瀬戸・出雲」です。貨物列車を集中して撮った後のせいかどうも集中力を欠くようで,ここでサンライズの写真を撮るといつも失敗します。今日も前側に中途半端に架線柱があり,お尻も切れていて失敗写真です。

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5032M「サンライズ瀬戸・出雲」 @古市場踏切(ここまで)

 古市場踏切はこの周辺では写真の撮りやすい場所で今日も何人かの趣味者がいます。今日は小学校低学年くらいの子供を連れた近所の親子もいて和やかな雰囲気です。あと1本,7:00頃に来る66レまで撮って引上げと決めていたのですが,66レは1時間以上の遅れとの情報をちょうだいします。この列車は諦め,7:00少し過ぎに,古市場踏切を後にします。

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今日の140円旅行のきっぷ

 今日はまだ早いので残りの時間は140円旅行を楽しみます。ゴールデンウィークに春の大三角形と称して相模線から八高線,両毛線,水戸線と東京近郊区間の外周を巡る旅行をしたので,今日はそのとき行かなかった千葉県を巡る旅行の予定です。きっぷはこの近くの八丁畷から磯子に帰る400円の乗車券ですが,僕は大都市近郊区間の大回り乗車を金額に係わらず140円旅行といっています。
 旧東海道の畷道由来のまっすぐな通りを東へ歩けば,10分ちょっとで八丁畷駅に着きます。ここは駅入口が京急本線にあり,直交する南武支線のホームが跨線橋という不思議な造りです。手間をとらせて申し訳ない気もしますが,京急の駅員さんに持参のきっぷに入鋏スタンプを押してもらいます。僕はこういう時に鋏を入れてもらえますか?と言いますが,しばらくすると入鋏という言葉も死語になるのでしょうか。

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1.南武線(浜川崎支線)701H 八丁畷~尻手 @八丁畷

 Suicaの簡易端末が並ぶホームに上がればほどなく701H,尻手ゆきのワンマン列車はやってきます。そろそろ更新が囁かれ始めた改造先頭車の205系2両編成です。1駅2分のチョイ乗りで尻手着,次も川崎まで1駅のチョイ乗りです。尻手で乗換え列車を待っていると,奥の貨物線ホームに川崎市のゴミ輸送の専用貨物列車「クリーンかわさき」号がやってきます。知っていれば写真を撮ったのですが,惜しいことをしました。

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2.南武線606F 尻手~川崎 @尻手

 川崎では東海道本線に乗換え品川・東京方面に上り,またまた1駅のチョイ乗りです。ここは1駅といっても緩行電車で4駅なので9分の乗車です。7:45,品川着。この先,房総方面に行くと改札内にNEWDAYSがある駅がないので,10分の乗換えの間に昼ご飯を調達します。品川のエキナカはエキュート品川というショッピングモールになっているので,駅弁の常盤軒をはじめテイクアウトのお店も充実しています。目移りしてしまうのですが,時間もないので,手近にあったリトルマーメイドでちょっと贅沢なパンにします。

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3.東海道線3622E 川崎~品川 @品川

 買い物を早々に済ませ少し早めにホーム降りて,次に乗る横須賀線列車の写真を撮ろうとカメラの準備をします。なかなか来ないなと思ってふと見ると,列車は短い11両編成で既に到着済,自分の立っている場所より随分東京側に止まっています。慌てて走ってギリギリセーフで,危ないところでした。この列車は君津ゆき,この列車に乗らないと以降の行程が成り立ちません。

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4.総武線~内房線638S~639F~2639F 品川~木更津 @木更津

 電車は新鋭のE235系です。E235系は短区間では既に幾度か乗ったことがありますが,まとまった距離を乗るのは初めてで新しい電車を楽しみます。尤も,E235系はオールロングシートで,一部にセミクロスがあるE217系の方が長時間の乗車にはありがたいです。

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小湊鐵道では里山トロッコ号をチラ見 @五井

 9:00ちょうど,小湊鐵道と接続の五井着。ホームの向こうで里山トロッコ号が発車の準備をしています。牽引する機関車はDB4という2015年製のディーゼル機関車ですが,かつて在籍した4号機関車に似せて造っただけあって,遠くから見ればSL列車のようです。

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こちらはJRのローカル線のようなキハ40 @五井

 五井では更に機関区に休むキハ40の姿も見えます。キハ40も僕にとってはうんざりするほどお世話になった車両ですが,今ではJR東日本と東海では全廃,3島会社でも一部の地域で残りは僅か,JR西日本だけは手厚く更新のうえ盛んに使用という状況です。それを懐かしむお客さんを呼び込むためか,国鉄由来の朱色1色の塗装です。控えめなKTKの社名のほかは,JR時代と変わりない外装です。例年(2021年はなかった),秋に発売されるサンキューちばパスを期待し,今度ゆっくり旅行したいと思います。

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5.内房線~外房線3129M~3228M @木更津

 快速といいながら千葉以南は巌根以外の各駅に止まって,9:21,木更津に着きます。ここからは房総半島南部の鈍行に乗換え,館山,勝浦,上総一ノ宮を目指します。接続はよく,次の列車は9:31の上総一ノ宮ゆきです。この区間は去年,2021年のダイヤ改正でE131系が投入され,日中の時間帯は木更津から上総一ノ宮の区間を1本の列車で運転するようになりました。長距離鈍行には一家言あるので,距離で138.4km,時間で3時間超の列車の誕生は嬉しかったです。

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ドア上の停車駅案内もぎっしり

 9:31の3129Mは幕張から回送で来て木更津から客扱いを始める運用なのか,千葉方面から発車の間際の入線です。お約束の足回りを入れた写真のために隣のホームで構えますが,かなり慌ただしくなります。列車に戻れば席はかなり埋まって,密回避から暫くは立っての乗車です。

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青堀では上りのE131系の鈍行と交換

 君津では先ほどまで乗っていたE235系に追いつき,内房線を南へと進みます。君津から先は単線になり,青堀ではさっそく上り列車と交換です。この辺りは工場立地と税収が絡むのか僕の嫌いな平成の大合併は進まず,木更津も君津も富津もそれぞれが独立の市です。この先,上総湊から暫くは東京湾・浦賀水道がきれいな区間ですが,今日は雲が重たい海の景色です。海の写真を撮ろうと右側の車窓を見ていたら,竹岡駅のホームにはサルがいました。とっさのことで上手く写真が撮れなかったのが残念です。

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竹岡~浜金谷では東京湾がよく見える

 フェリーが出る浜金谷を過ぎると,少し水道の幅は広くなり,手前の海岸線には鄙びた漁港が点在します。房総の内海の景色を堪能し,10:36,館山に着きます。木更津~上総一ノ宮間の鈍行は9本あり,館山や安房鴨川,勝浦で長時間停車がある列車では3時間半以上かかりますが,この列車は最速の2時間59分で結びます。このため,館山での停車も僅かです。館山から九重,千倉の間で房総半島最先端の峠を越え,海は外房の海,太平洋になります。

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房総半島南部の漁港 @岩井~富浦

 線区としては安房鴨川まで内房線が続きますが,外房海岸になり海は岩場や荒々しい波が目立つようになります。11:09発の江見では上り列車と交換,2130MはE131系2本併結の4両編成です。JRとしては適正な輸送力に調整するための2両ユニットのE131系投入のはずですが,最南端のローカル区間では2両でも十分,北の方の木更津や上総一ノ宮の近くではそれなりの混雑で,輸送力の調整は難しそうです。

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江見では4両編成の2130Mと交換

 11:19,安房鴨川着,ここでも停車時間は短くすぐの発車です。この先,勝浦,御宿あたりまでは,温暖な南房総の気候と,太平洋の海の幸に温泉も出て,リゾート地が続きます。御宿を出ると線路はやや内陸寄りになり,海は見えず,意外と豊饒な田畑の車窓になります。

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外房に入ると海は荒々しくなる @江見~太海

 大原では7分止まって,下りの特急と交換です。やってきた特急は貫通路付,特急らしくないいかついお顔のE257系5両の身軽な編成です。その向こうにはいすみ鐡道のローカル然とした黄色い気動車も見えます。

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大原では「わかしお7号」と交換

 難読駅の東浪見(とらみ)はなぜかホームに案山子(かかし)が何体かいて,列車を見送ってくれます。東浪見から3分でこの列車の終点,上総一ノ宮に到着です。短い2両編成で座席定員が少ないことを除けば,内房線から外房線,乗換えなしの長距離鈍行は140円旅行にも嬉しい列車です。

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案山子の見送る東浪見駅風景

 上総一ノ宮での接続もよく,9分で京葉線回りの東京ゆき快速に乗換えです。列車はワインカラー帯のE233系10両編成ですが,折返しの時間は短く,6分でエンド交換をして発車です。上総一ノ宮を出た列車は八積,茂原と各駅に止まって上ってゆきます。京葉線に入る列車は快速といっても京葉線内のみ快速,総武線に入る列車は外房線内にも通過駅のある快速です。茂原を過ぎるとベッドタウンらしくなり,車窓に住宅地が目立つようになります。21分の乗車で13:00,大網に着きます。

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6.外房線4210A 上総一ノ宮~大網 @上総一ノ宮

 次に乗るのは九十九里海岸に沿って総武本線の成東と外房線の大網を結ぶ東金線で,途中に駅は3つ,全線でも13.8kmのローカル線です。最近は大網から千葉へ直通する列車も増えて,これから乗る1647Mも千葉始発です。千葉方面から東金線に入る列車は,もとの外房線のルートを通って東金線のホームに入ります。大網駅はかつては東金線方面に線路が繋がっていて,外房線列車はスイッチバックする形で茂原方面に向かっていました。これにより,内房線~外房線を1周しても編成の向きが変わることはありませんでした。スイッチバック解消のおかげで速達性や利便が向上しましたが,編成の向きが変わると厄介なのか,今は房総半島を1周するような列車の設定はありません。

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7.東金線1647M 大網~成東 @大網

 大網を出た列車は左にカーブしながら,旧大網駅だった保線基地を通過し,北を目指します。僕の記憶では,線路変更後も随分長い期間旧大網駅の駅舎などが残っていましたが,今はきれいに再整備されています。東金線の線路は真っ直ぐで田んぼの中を進んでゆきます。というのが昔からの印象ですが,最近は農業人口が減少しているのか,休耕地が目立つようになったような気がします。

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東金線の車窓。鷺のような鳥の休む緑地は休耕地の様子 @東金~求名

 17分の乗車で14:48,成東着,ここでは駅本屋側の切欠きホームの0番線に着きます。ここでも接続は24分です。本気で東京外周の140円旅行をするなら究極のよい接続を求めますが,今日は千葉を巡るだけなので,ゆったりとしたスケジュールで進みます。14:00ちょうどごろ銚子ゆきの353Mは到着し,上りの特急「しおさい10号」と交換して発車です。

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8.総武本線353M 成東~松岸 @成東

 総武本線もこの先は九十九里海岸に沿って進みますが,きれいな砂浜や海が見えるわけでもなく,東金線と似たような景色の中を走ります。本来ならこの時期は水を張り田植えが終わった田んぼの中を進みますが,休耕地が眼につくのは東金線と同じです。飯岡~倉橋間で坂を登り,海岸の平野部から段丘の上に出ます。

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飯岡~倉橋間で坂を登って段丘上に出る

 風力発電の風車を見ながら進めば,今日の目的地の一つ,松岸に着きます。松岸は,佐倉で別れた総武本線と成田線が再び合流する所です。松岸で面白いのはホームの配置で,駅舎前の下り線に面したホームが3番線,跨線橋を渡った上り線と成田線が使う島ホームが2,1番線です。国鉄~JRでは一般に駅舎(駅長事務室)に近いほうから1番線2番線とする慣わしなので,この付番は例外です。しいて言えば,総武本線と成田線なので線路名称的に格が上の方を1番線としたくらいしか思い当たりません。

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松岸は駅舎前の玄関ホームが3番線

 松岸でも接続は24分,時間に余裕があるので改札にいた年配の駅員さんに訊くと,自分も長くいるけど分からない,千葉支社管内には結構例外も多いとの由です。話好きなかたでSL,タブレット時代の久留里線の話など,いろいろ昔話を聞かせていただきます。15:12の454Mに乗れば,今日の行程全体から見れば帰りのスタートです。

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9.成田線454M 松岸~成田 @大戸

 松岸を出ると左手の丘の上には風車が立ち並び,太平洋から吹き付ける風の多い所であることが分かります。その先も両側の車窓は田んぼが多く,意外と千葉は米どころであることを感じます。 

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左の丘には風車が立ち並ぶ @松岸~椎柴

 また,松岸から成田の近くの滑河まで線路の右側には利根川が沿っているのですが,堤防が高いこともあり川沿いを実感する景色は少ないです。

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笹川~小見川では川が見えるがこれは黒部川という支流

 水郷の入口の佐原では今日は何かイベントがあったのか千葉県のマスコットキャラクターのチーバくんが駆り出されています。慌てて撮った1枚が下ですが,チーバくんは正面から見るとふつうのクマだか犬のような恰好をしています。横から見た姿が千葉県の地図に似せてあるのは承知していましたが,正面の顔は知りませんでした。

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佐原ではチーバくんを見かける

 松岸から1時間15分の乗車で16:27,成田着,ここでは同じ成田線ですが運転系統の異なる我孫子ゆきに乗換えです。16:38,成田を出た列車はこれまでと同じような利根川を右手に見るルートを辿ります。木下(きおろし)あたりで利根川がちらりと見える場所があったと思い目を凝らしますが,陽も暮れかけた曇り空でシャッターチャンスはありません。反対の左の車窓も印旛沼や手賀沼がちらりと見えるのですが,以下同文で写真には恵まれません。

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10.成田線874M 成田~我孫子 @成田

 成田からの帰りは東京駅や品川に出ると復乗になって140円旅行として成立しなくなるので,最低限新宿を回って中央線から帰らないといけません。そういえば武蔵野線は東京近郊区間の外周でもなく,中途半端な位置を環状運転しているので最近乗っていません。今日の行程は時間に余裕があるので,新松戸~府中本町を武蔵野線で行く計画にしました。

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11.常磐線(緩行電車)1740S 我孫子~新松戸 @我孫子

 17:20,我孫子に着けば,次は新松戸に向けて緩行電車で上ります。ここはATOによる自動運転導入区間で,それも面白いのですが,ATOは運用開始早々にレポートしたので今日は大人しくかぶりつくだけにします。

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12.武蔵野線1726E 新松戸~府中本町 @新松戸

 武蔵野線は国鉄時代に貨物輸送の都心への集中を分散するために計画されたバイパスルートです。僕が高校生の頃の1978年に新松戸~西船橋が延長開業しましたが,旅客列車は少なく下校時間帯は40分間隔程度の運転でした。船橋から志木まで通うクラスメイトもいましたが,乗れば早いけど列車がないから都心を回っても変わらないとぼやいていました。

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13.南武線1854F 府中本町~武蔵小杉 @武蔵小杉

 その後も用事があればときどきは乗っていましたが,まとまった距離を通して乗った記憶は少ないです。沿線は東京から放射状に伸びる各線との乗換え駅周辺は宅地化が進んでいましたが,中間の区間では畑も多く,まさしく武蔵野の野原を行く印象でした。一方,昭和の後年の鉄道建設公団製の線路なので複線で高架主体,高規格路線の印象でもあります。

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14.湘南新宿ライン2551Y 武蔵小杉~横浜 @武蔵小杉

 改めて時刻表を繰ると今の武蔵野線は10分間隔で列車が並び,列車によっては京葉線経由東京駅直通で隔世の観です。口さがない人は,府中の東京競馬場に始まり船橋競馬場まで,競馬に競輪,ボートレースとギャンブル施設を繋いで走るギャンブル電車とも呼びます。そんな武蔵野線に新松戸~府中本町まで1時間ちょっと乗れるので結構ワクワクしていたりします。

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15.根岸線1861A 横浜~磯子 @磯子

 実際に乗ってみると土曜日の夕方で人の動く時間帯,ちょっと密を心配するくらいの入りです。程なく日が暮れて景色は見えなくなってしまいますが,目を凝らして各駅を観察します。久しぶりに乗ったら気に入ってしまい,今度また昼間にカメラを持って貨物列車の写真を撮りに来たいと思います。

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今日の行程表

 武蔵野線は他線との接続駅での人の入替わりが多く,混んではいても座れないということはありません。しかし,今日は気分もよく,乗務員室扉の小さな窓からかぶりつきを続けます。夜になってしまいましたが各駅の造作などもメモして,今度,写真を撮りに来る際の参考にします。そんなことで結局,かぶりつきのまま府中本町まで来てしまいます。

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今日のGPS log

 府中本町からは武蔵小杉,横浜で乗換え,朝に通った尻手をかわしつつ自宅最寄りの磯子へ戻ります。帰りに武蔵野線で遠回りしたとはいえ今日は基本的には千葉県を1周する140円旅行でした。締めてみれば,朝の八丁畷から時間で13時間ちょっと,距離で516.1kmの大旅行でした。

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5月の連休に行った春の大三角形の140円旅行との重ね合わせ

 上にも書きましたが,僕はゴールデンウィークにも相模線から水戸線までの東京近郊区間外周を巡る140円旅行をしました(そのときの記事はこちら)。そのときの行程と今日の行程を重ねると上のとおりで東京近郊区間の要部を巡ったことになります。上手く行程を考えれば1泊2日で1枚の140円きっぷで旅行することも可能なのですが,2回に分けて行った方が昼間主体で景色も楽しめるし,身体もラクだしで,100倍よいと思います。そう頻繁には行けませんが,これからも時間を作っては140円旅行を楽しみたいと思います。(2022.8.4記)

京急バスで三浦半島めぐり・その1-2

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その1-1から

 今日は前回に続き(2022年)5月15日日曜日に行った,京急バスを乗りたおす三浦半島バスの旅その1-2をお届けします。その1-1では三浦半島の西海岸と半島を横断する主要路線に乗りました。三崎で昼食の後は,主に三浦半島の東側を旅行します。

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京急バスの路線図。見えないと思いますが,雰囲気のみ

 旅行に行ったのは5月15日ですが,旅行の計画は4月の中旬からたて始めました。こういう旅行の計画をたてるのに全体感をつかむのは大事で,どんなにサイトの検索機能が充実していても,上のような俯瞰的な路線図は必須のアイテムです。鉄道と違ってバスの場合,起終点が同じでも経由地が違ったり,系統番号が同じでも甲乙丙丁や枝番号で区分されることも多く,運行系統の正確な把握には大判の路線図は欠かせません。京急バスは全線路線図を制作しているにも拘らず,サイトから参照することができずもったいない限りです。

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今日の行程表(その1-1の再掲)

 さて旅行の後半ですが,スタートは三崎東岡です。マグロとしらすの丼ぶりを掻込んで,意外と早くに食事が済んだので,三崎の商店街の裏山を登り,次のバスの起点の三崎東岡まで歩きます。三崎東岡は三浦市の中心で,三浦市役所や三浦城址にも近く,京急バスの三崎営業所もこの近くです。営業所を覗くと新旧のエルガがずらり並んでいます。昼ご飯を食べたお店は食べ終わるやすっ飛び出してきたので,バスの営業所の隣の京急ストアでコーヒーを買って少しゆっくりします。

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京急バス三崎営業所

 営業所からほど近い三崎東岡のバス停に行けば,古レールで作られたホーム上屋をもつ昭和の時代の地方の私鉄駅のバスターミナルのようです。ホームの中央には操車・案内小屋があり担当も詰めています。待つこと数分で,海35系統,剱崎回りの三浦海岸駅ゆきのバスが一回り小さなエルガミオでやってきます。

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昭和の地方の私鉄駅のバスターミナルのような三崎東岡

 このバスは三崎東岡発14:33,三浦海岸着15:20ですが,この区間には海30,31系統も走っており,こちらは4分遅い14:37に出て14:57には三浦海岸に着いてしまいます。海35系統は一旦,三崎港に出て,東側の海岸線に沿って,岬めぐりをしながら上って行くので時間がかかるのです。岬めぐりといえば1974年の山本コウタローとウィークエンドの同名の曲は当地がモデルとの説もあるようです。

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15.海35,三崎東岡~三浦海岸駅 G1081(三崎)

 三崎街道の末端のだらだら坂を下ると先ほど城ヶ島に行く前にも通った三崎港,その先も城ヶ島大橋への登り口まで同じ道を走ります。岬めぐりといっても,海食崖の台地の上を走るので,波打ち際のようなところを走る訳ではありません。三浦は近郊農業が盛んな所で大根とキャベツが有名ですが,野菜畑,向こうには風力発電の風車,その先に東京湾と絵になる風景です。

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キャベツ畑,風車の向こうに海が見える海35の岬めぐり @大乗あたり

 毘沙門,剱崎,鋒(とがり)と岬めぐりらしいバス停が続き,三浦半島京急バスの旅,午後の部の白眉でもあります。金田あたりまで来ると海食崖の台地の景色は終わり,坂を下りると砂浜の海岸の景色に変わります。海が見える大きなマクドナルドが見えれば上宮田で,左に折れて少し登ると終点三浦海岸駅です。

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金田湾の砂浜の海岸がつづく @岩浦あたり

 三浦海岸の北は海沿いに京急久里浜線が通り,津久井浜,京急長沢,YRP野比と続きます。京急は電車に乗せたいのか,線路に並行するバス路線どころか,津久井浜,京急長沢の2駅には駅に入るバス路線もありません。三浦海岸から山側に迂回すればバスでYRP野比に出られますが,時間がもったいないので,この区間は列車利用です。そういえばこの区間の列車は10分ヘッドから20分ヘッドに,コロナ禍で大減便が実施されました。どうせガラガラなので,便数を半減にするなら全部の列車を久里浜で分割し,8連を4連にすればよいではないかと思いますが,電気代より人件費のほうが経費節減効果が大きいのでしょう。

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三浦海岸~YRP野比は列車で移動 1505A

 ホームに上がれば予定より1本早い15:21の泉岳寺ゆき快特に間に合います。線内クローズのAの快特は大抵が2100形で,車内はガラガラですが,運転席背後のかぶりつき席はしっかり埋まっています。京急にはマニアに好まれるいくつかのポイントがありますが,この座席も一つです。少し後ろのジャンプシートで数駅の列車の旅を楽しみます。京急ではこの時期は,乗務区に異動してきた運転士さんの座学が終わりハンドル教習の時期で,この列車も見習いくんの運転です。

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京急2100形の最前部座席。前面展望はすこぶるよい

 15:26,YRP野比着。次に乗るバスは野比海岸発で,Google Mapでは徒歩23分の距離です。三浦海岸で1本早い列車に乗れたので,時間は倍近い43分あります。お天気が残念ですが,東京湾を見ながらゆっくり歩いてゆきます。駅を出て国道を渡ると海岸に下りる道があり,3分も歩けば海岸の道路に出ます。この道は片側1車線の立派な道路で,調べれば県道212号線,下浦海岸通りとも呼ばれるそうですが,交通量は少なく不思議な道です。歩くこと20分位でマンションの脇にある野比海岸のバス停に着きます。この先の左側は海軍病院をルーツとする国立病院機構久里浜医療センターで,日本唯一のアルコール専門病棟を持つそうですが,目の前は東京湾ですこぶる眺めのよい病院です。なお,ここで撮ったのが今日のとびらの写真で,天気がよければ青い海がきれいなことでしょう。

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16.久8,野比海岸~開国橋 F2953(久里浜)

 16:09,時刻表どおり久里浜駅ゆきのバスは発車し,先ほど歩いてきた海沿いの道を北へ上ってゆきます。途中,右手には東電~JERAの横須賀火力発電所が広がります。内房線に乗ると対岸からも見ることができる馴染みの発電所です。1~8号機までの総出力は263万kW,いっときは日本一の火力発電所だったそうですが,今は廃止済,代わって65万kW2缶の新設工事が行われているそうです。

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ボイラの更新工事中の横須賀火力発電所と東京湾フェリー「しらはま丸」

 発電所の次には東京湾フェリーの久里浜港が現れ,チーバくんを船体に描いた「しらはま丸」がちょうど出て行くところです。次に乗るバスは,久19系統,浦賀駅ゆきですが,久里浜駅まで行っている時間はなく,開国橋での乗換えです。開国橋で降りて,目の前を行くフェリーの写真を撮っていると,入れ違いに東海汽船の大島航路のジェットフォイルがやってきます。「セブンアイランド友」という名のこの船は,1989年川重の建造のBoeing929-117で,久里浜から東京の竹芝,大島と,いずれもちょうど1時間で結びます。

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翼走するBoeing929-117,「セブンアイランド友」

 大島もいいなあと思いつつバス停に戻れば,すぐに久19系統のバスはやってきます。海岸線を辿ろうと今日は久19系統を選びましたが,このバスは1時間に1本程度しかない千代ケ崎経由という路線です。千代ケ崎は横須賀刑務支所,久里浜少年院の入口の前で,ここを往復した後,砲台跡のお鼻を越えて浦賀湾の方へ下ってゆきます。海沿いにしばらく走り,紺屋町というバス停でバスを降ります。

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17.久19,開国橋~紺屋町 F1780(久里浜) 

 次に乗るのは今日の行程の目玉の一つ?,浦賀の渡しです。浦賀の渡しは運航時間は7:00~17:00と案内されていますが,時刻表はありません。基本的に応需で,呼べば迎えに行くよというスタイルです。この時間(16:43頃)で運航があるか心配ですが,渡船場に行けば「運航中」の札がかかっています。

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浦賀の渡し西渡船場

 あいにく渡船の船「愛宕丸」は対岸にいます。案内板にあるボタンを押せば,船はすぐにやってきます。船に乗れば乗船料金400円ナリを払うとすぐに出発,住重の浦賀ドックなどを見ながら瞬間の船旅を楽しみます。調べれば,浦賀ドックは世界に4つしか残っていない煉瓦積みドライドックの1つで,2007年近代産業遺産指定,2021年には住重から横須賀市に寄付されたそうです。この次は,ドック周辺の散策に来たいと思います。また,1月22日の記事にのせた護衛艦「たかなみ」は浦賀のドックで建造された最後の船だそうです。

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渡船から見る浦賀湾

 渡船自体の所要時間はものの2分です。渡船は若戸(若松~戸畑,北九州市営,100円),音戸(警固屋~音戸,呉市営,2021年廃止),越ノ潟(越ノ潟~堀岡,富山県営,無料)に乗ったことがありますが,ここは実際のところは渡船でなく観光船です。営業主体もトライアングルという横須賀の軍港めぐりや猿島遊覧を手掛ける会社です。今日は単調なバス乗継ぎの旅行なので,ちょっとした無駄遣いもよいスパイスです。

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浦賀の渡し東渡船場

 僕が降りた後の「愛宕丸」は多少早めですが,もうすぐ17:00,終業の時間となり,東渡船場の近くの桟橋に引上げます。西渡船場は紺屋町バス停の真ん前ですが,東渡船場はバス停から多少離れています。新町というバス停が最寄りで徒歩3分の案内です。3分なので適当にバス通り方向に歩けば見つかるだろうと油断していたら90度違った方向に歩いてしまい,Google Mapに助けてもらって最後は走って次のバスに間に合わせます。

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本日の営業は終了。滞泊桟橋に引上げる「愛宕丸」

 渡船の次は観音崎で,乗るバスは堀25系統,観音崎ゆきです。新町,17:01のバスはやや遅れて来て,時間どおりならアウトのところで助かりました。バスに乗れば,車内には「けいきゅん」と「けいまるくん」のぬいぐるみが置かれ賑やかなバスです。約13分の乗車で,終点の観音崎に着きます。

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18.堀25,新町~観音崎 F1037(久里浜)左下は車内

 観音崎は三浦半島が東京湾に突き出した先端にあり,海を見るにも,地層の勉強にも,海の幸を食するにもよい所です。今日はあいにくの天気,時刻も夕方,乗継ぎ時間も12分なので何ごとも早回しです。

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観音崎公園の案内板。左手遠くには房総の富津岬が見える

 磯のほうに出れば,沖合を中国のコンテナ船が上ってゆきます。10万トンクラスと見ましたが,いつかゆっくり写真を撮りに来たいと思います。そうこうしているうちに帰りのバスが来てしまいました。海岸の通りを走るバスを撮ろうと思っていたのですが,慌てて撮ったので失敗写真です。

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浦賀水道を行くCOSCOのコンテナ船

 観音崎17:26のバスに乗れば,あとは基本的にお帰りのコースです。国道16号線をずっと上るルートですが,観音崎からは先ずは横須賀市中心部までです。その後は八31系統,4系統を乗継げば磯子まで上ることができます。

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19.須24,観音崎~横須賀中央駅 F3964(久里浜)

 夕方の横須賀市中心部を走りますが,雨が降り始めます。今日の天気予報は夕方16時で曇りマーク,降水量は0.1mm,夜は傘マークだったので大当たりです。行程表では次の八31系統は米ヶ浜~内川橋を乗る予定でしたが,上屋があったほうがよいので,横須賀中央駅乗換えにします。

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20.八31,横須賀中央駅~追浜駅 A2517(追浜)

 八31系統は横須賀市中心部と追浜地区を国道16号線(横須賀街道)経由で結ぶ路線で本数も多く,予定より1本早い便に乗ることができます。系統番号の八はかつて金沢八景まで走っていた名残のようです。路線が短縮されて頭文字のターミナルまで行かなくなった時はふつう系統番号を振り直しますが,追浜でも横須賀でも頭文字はあるのに不思議な話です。横須賀と追浜は仲が悪く,どちらかをとると他方が下風に立つのは嫌だとなるから,争いのないよう横浜市の八景のままにしているのでしょうか。

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21.4,追浜駅~金沢文庫 A4862(追浜)ブレブレですみません。このバスだけ写真なしともゆかず...

 片側2車線の広い国道を順調に上り18:26,追浜駅着。雨が本降りになったので,乗換えは大きな上屋のある駅前のバス停にします。次に乗るのは4系統,磯子駅ゆきです。ここでも予定より1本早いバスに乗るることができます。この路線は系統番号が数字だけで,ターミナルの頭文字が付きません。元々,横浜市営バスと京急で共同運行していた4系統ですが,2007年3月限りで市バスが撤退したので,系統番号はその名残です。僕の記憶では「この間」のようですが,もう15年も経ってしまいました。

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金沢文庫~屏風浦は列車で移動 1827レ

 18:52,金沢文庫着。このまま乗っていても30分弱で磯子駅まで行けるのですが,金沢文庫より北はフリー区間外,別途の運賃が必要です。せっかくの2DAYパスを活用したほうがよいので,大人しく列車で上ることにします。国道上のバス停から少し歩いて駅に着けば,ちょうど18:59の普通列車があります。乗れば8分の乗車でわが家最寄りの京急線の駅,屏風浦に到着です。

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今日のGPS log

 奥の三浦半島まるごときっぷに触発されて出掛けた三浦半島京急バスの旅ですが,始発バスから宵まで,約12時間半で21本のバスに乗りました。三浦半島の田舎といっても人口の多い地域を走るので,バスの本数も多く,楽しいバス旅行ができました。西海岸を中心に海の見える郊外バスも多く,景色もよかったです。運賃はざっと計算して6,000円以上で,三浦半島2DAYパスは1,540円だったので,概ね4倍です。京急さんどうもありがとうございました。また,あちこちで歩いたので歩数も稼いで,今日は26,000歩も歩きました。

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今日の歩数計

 この旅行についてfacebookに上げたら,会社の鉄道・バス友達から三14系統,三戸海岸ゆきは乗らなかったのかとコメントがありました。調べると三14系統は平日15:03の1本だけ,上りは三15系統といって平日朝の1本だけ,かつ休校日運休です。なんと挑戦的なバス。この路線のダイヤは彼に言われるまで知らなかったのですが,こういうのを見るとワクワクします。近いうちにこの三14か15系統を絡めて,京急バス乗りつぶしその2に出掛けてみたいと考えています。

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三14,15系統の時刻表 2022.7.17閲覧

 ところで,今日のスレッドの最初に1枚ものの路線図はインターネットサイトに必須,京急の場合は紙の1枚ものを制作しているのにもったいないと書きました。時間があったので国内の有力バス会社20社のサイトの路線図の提供状況をまとめてみました。民営・公営の別,営業エリアの広さなどで一概には言えませんが,お金をかけてアプリを作り込んでいる事業者,ちょっとしたことだが便利な工夫など,比べると興味深く,いつか記事に纏めてみたいと思います。なお,並び順はバス保有台数の多い順ですが,出典や年次が古いので僕がこんなもんだろうとした順とお考えください。(2022.7.17記)

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(その2-1へつづく:工事中)

京急バスで三浦半島めぐり・その1-1

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イメージ @湘南国際村つつじが丘 2022.4.24

 コロナ禍で遠出がはばかられるようになり久しいですが,近距離であればマイクロツーリズムなどと行政も支援する需要喚起策も現れ,まだら模様になっています。僕の住む横浜南部では,かながわ旅割と京急がコラボした特別の「三浦半島まるごときっぷ」が発売されたりしています。基本的に旅行好きの家族なので,わが家の奥はこのきっぷを買い,三崎にマグロ料理を食べに出掛けました。それに触発され,自分も三浦半島のバス旅行に出掛けてみたくなり,5月15日は朝から晩まで京急バス乗りたおしの旅に行ってきました。今日はそのご報告をします。

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かながわ旅割・三浦半島まるごときっぷの案内ページ

 ところで,各地のバス事業者,とくに観光輸送が盛んな事業者は1日乗車券を発売することが多いです。三浦半島に稠密な路線網を持つ京急バスにも1日乗車券があるとよいなとかねがね思っていました。実はバスの1日乗車券というタイトルではありませんが,京急電車として売る三浦半島1DAYきっぷがバスの1日乗車券としても使えるのです。長年,沿線に住んでいて,これはうっかりでした。もともとが電車のフリーきっぷのため発売額も安く,フリー区間内の金沢文庫発で1DAYきっぷがたったの1,110円です。2DAYきっぷのほうはフリー区間内および上大岡より南での設定がなく,一番安い上大岡発で1,540円です。なお,京急には電車・バスのフリーきっぷのほかいろいろなイベント券付の商品もあるので,出掛ける場合はホームページでアクティビティにあったものを選ぶのをお薦めします。

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三浦半島2DAYきっぷほか今日のきっぷ

 行程を計画するとスタートは鎌倉駅から逗子駅への鎌40系統の始発バスです。京急バスの三浦地区の営業エリアの端っこは大船駅ですが,大船界隈の京急バスは始発が遅いので,朝から乗りたおすには鎌倉始発が有利と考えました。ところが,三浦半島1DAYきっぷには前売りがなく,きっぷを買った日は1kmも乗らないけど,前日発の2DAYきっぷを用意することになりました。上大岡発で2DAYのほうが220円高いのですが,このきっぷで何千円分も乗せてもらうので220円は目をつぶることにしました。

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まずはJRで鎌倉を目指す。根岸線461A @磯子(右),横須賀線 685S @大船(左) 2022.5.15(以下,全て同じ)

 元々,この旅行は5月の連休中に敢行する計画でしたが,ジュニア曰く三崎街道は1本道で週末の渋滞が激しく,路線バスが時刻表どおり走るはずがないと一刀両断です。連休も過ぎ,一段落した(2022年)5月15日日曜日は天気予報も曇り夕方から雨で,行楽日和とは程遠い天気です。この日ならよかろうと前日のうちに三浦半島2DAYきっぷを用意します。朝のスタートは自宅最寄りの磯子駅からJRで大船へ出ます。8分の接続で,大船始発の久里浜ゆきに乗換え,鎌倉を目指します。

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朝の鎌倉駅。さすがに日曜日の6:10では人影もない

 6:06,時刻表どおり鎌倉着。さてこれから1日,京急バスの旅です。最初に乗るのは6:15発,鎌40系統逗子駅ゆきの初便です。鎌倉から逗子は横須賀線ではお隣ですが3.9kmあり,ひと山越える感じです。この間には山あいの県道をまっすぐ進む鎌30系統と逗子マリーナや小坪漁港などをつなぐ鎌40の2系統のバスが走りますが,鎌40のほうが主流です。バスは数人のお客さんを乗せて発車,鎌倉,逗子市内の建て込んだ細い道を走ります。逗子マリーナや小坪漁港の近くを通りますが,なかなか湘南の海らしい写真を撮れるところはなく,逗子駅に着いてしまいます。

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1.鎌40,鎌倉駅~逗子駅 C1913(鎌倉)

 逗子は京急の逗子・葉山とあわせ,三浦半島西海岸の入口で,近い所では葉山から,遠くは横須賀市の南のはずれの長井まで,たくさんのバスが出ています。そのなかから,今日は6:48発,逗12系統旧道回りの葉山ゆきに乗ります。葉山は昔から葉山町で,この辺りでは珍しい市制が敷かれていない町です。独立性が強い割には,京急の駅が新逗子から逗子・葉山に変わるなどの動きもあります。その葉山町の中心部を縫うように走るのが逗12系統です。葉山港のある鐙摺(あぶすり)でちらりと海を見,程なく葉山マリーナに至ります。その先も森戸海岸,一色海岸と海岸の町を走ります。

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2.逗12,逗子駅~葉山 D1108(逗子)

 このバスの終点,葉山着の所定は7:10ですが,一つ前の一色海岸着の所定は7:04です。この2停留所の間は300mもなく,ふつうならバスで1分です。今回,研究して知ったのですが,京急バスのダイヤは終点停留所のところで,最近よく言う「盛って」あって,多少の遅れがでても,終点には定時で着くように設定されているようです。前回,予行演習(?)で4月24日に来た時には,終点の葉山で7:05の長井ゆきに乗ることができました。今日もそれを期待して,7:05の長井ゆきに乗れる想定で行程を組みましたが,さすがに柳の下に泥鰌は2匹いませんでした。今日の逗12のバスは7:08頃,葉山着,7:05の長井ゆきは影も形も見えません。

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なぜかハイセンスな響き漂う葉山マリーナ

 いくらなんでも所定の時刻で時刻が逆転する行程を強行はできないので,元々計画していた代案発動です。この代案では湘南国際村に行けなくなってしまいますが,そこを端折ることで,以降の行程は元に戻ります。約10分待って,7:17の横須賀市民病院ゆきに乗れば,その先は三浦西海岸のバックストレッチのような区間です。

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3.逗5,葉山~横須賀市民病院 D1456(逗子)

 長者ヶ崎から久留和海岸を通り秋谷あたりまで,相模湾の海岸線に沿って走ります。昔,マイケルジャクソンが来日時に訪れたというホテル音羽ノ森もこの左手の丘の上です。

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長者ヶ崎海岸あたりの車窓

 三浦半島最高峰--といっても242m--の大楠山の登山口,大楠芦名口を過ぎると,三浦西海岸の中心部になり,佐島マリーナ,電力中央研究所,横須賀市民病院,自衛隊武山駐屯地と大きな施設が続きます。逗5系統はこの中心の横須賀市民病院が終点で,10分の接続で須4系統,横須賀駅ゆきに乗換えです。このバスは横須賀市民病院発かと思っていましたが,少し北の湘南佐島なぎさの丘が起点です。

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4.須4,横須賀市民病院~本町1丁目 E4527(衣笠)

 横須賀市民病院の少し南の林交差点から横須賀中央駅に抜ける県道26号線は幹線道路で多くの路線バスが通ります。三浦半島の背骨をトンネルで抜け,それなりに峠越えの趣です。東京湾側に出て,衣笠駅にも程近い衣笠十字路はジャンクションで,立派な京急バスの案内所も建ちます。隣は京急バスの研修・教育センターになっているようで,白い教習車が3台も止まっています。

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衣笠十字路案内所と隣接の研修・教育センター

 聖徳寺坂,平坂の坂を下ると京急の横須賀中央駅のガードに至り,横須賀市の中心部に出ます。今日は日曜日ですが道路の流れは順調でほぼ時刻表どおりの運転です。次に乗るバスは汐入駅前から池上十字路のほうに登るバスですが,元々の無理な予定では8:20の湘南国際村センターゆき,現在発動中の代案では,8:42の衣笠駅ゆきです。今乗っている横須賀駅ゆきは汐留着が8:20で,湘南国際村センターゆきの汐入発と同時刻です。汐留でも一停留所手前の本町1丁目でも汐入駅までの距離はそんなに変わらないようなので,8:18 30秒くらいの本町1丁目でバスを降ります。

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5.汐16,汐入駅~湘南国際村センター E4957(衣笠)

 いい歳のおじさんが街の真ん中を猛ダッシュするのは絵になりませんが,何とか8:20の湘南国際村センターゆきに間に合わせます。日曜日で順調な運転を想定してか,発車は8:21になってからで,写真を撮れるくらいの余裕がありました。日頃は,始発停留所から定時で発車しない京急バスと憤慨していますが,今日ばかりは余裕の運行の恩恵に預かります。これで今日は諦めていた湘南国際村へも行けます。

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湘南国際村のなかを行く京急バス。後ろは相模湾

 汐16系統のバスは県道27号線,横須賀葉山線の坂本の坂を登ります。新池上隧道というトンネルを過ぎても登りはまだ続き,大楠登山口のあたりがサミットのようです。再び三浦半島の相模湾側に出て,上山口という集落でバスは左折し,湘南国際村に入ります。湘南国際村は葉山町と横須賀市にまたがる一大開発造成地で,主に葉山町側には企業の研修センターなどが建ち並び,横須賀市側はふつうの住宅が並ぶ分譲地になっています。都心からも程近く,温暖な気候,海の見える高台で研修の環境にはよいと思いますが,住むには少し不便な所です。

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湘南国際村はクルママニアの聖地?

 バスは8:44,終点の湘南国際村センターに着きます。所定は8:54で,1つ手前の湘南国際村つつじが丘は8:43なので,ここでは10分も盛っているようです。順調なときと渋滞の激しい時で差が大きな地域故,バス運行上の知恵でもあるので,それがいかんとも言えません。湘南国際村からの帰りは9:15,センター発の逗16系統,逗子駅ゆきです。30分くらい時間があるので,湘南国際村のなかでバスの写真を撮ったりして,ゆっくり過ごします。下の写真の奥には東京湾がうっすら見えているのですが,それにあわせて露出を設定する前に来てしまいました。

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6.逗16,湘南国際村つつじが丘~逗子・葉山駅(往路便のときに撮ったもの) D1015(逗子)

 湘南国際村センターの1つ前の停留所は湘南国際村つつじが丘ですが,湘南国際村はつつじがきれいなところで,3週間前に予行演習に来た時はその最盛期でした。ちょっと反則ですが,今日のとびらの1枚はその時のものです。たった3週間の違いですが今日は殆どつつじはありません。遅い朝ご飯とコーヒーを買いに少し下がったところにあるファミマに寄ります。ここは大きな駐車場を備えていて,ニュービートルのオーナー仲間が愛車で乗り付けて集まっています。反対の一角では,1960~70年代の国産車が3台集まっています。一番奥のコロナは僕が幼稚園の頃に祖父の家にあったので半世紀以上前の車,動ける状態で維持するのはお金もかかるし,大変な苦労と思います。

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7.逗6,逗子・葉山駅~長井 D4526(逗子)

 結局,湘南国際村からの帰りはつつじが丘から乗車で,今日2度目の逗子駅を目指します。次に乗るのは三浦西海岸の長井方面なので葉山大道で乗換えればよいのですが,なにもないバス停でボーッと待つのを避け,行けるところまで上ります。元々の行程表では横須賀市民病院乗換えで計画していましたが,ここは今朝,既に行っています。長井での乗換えが少々窮屈になりますが,直通の長井ゆきを選択です。逗子の中心部はそろそろ人が出始めているようです。長井ゆきをミスることはできないので,逗子駅は諦め,京急の逗子・葉山駅で折返すことにします。 

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葉山御用邸前

 逗子・葉山駅から長井へのバスは殆どの区間が今日,既に乗車済みの区間なので,ゆっくり外を眺めます。葉山の御用邸の緑,長者ヶ崎海岸,武山駐屯地から自衛隊の高等工科学校などを過ぎ,長井に至ります。長井からは三54系統,急行ソレイユの丘ゆきに乗換え,ソレイユの丘を目指します。ソレイユの丘は三浦半島南部,西海岸の荒崎の裏山に造られた農業体験型総合公園で,正しくは長井海の手公園ソレイユの丘というそうです。

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8.三54,長井~ソレイユの丘(復路便を撮ったもの) G4962(三崎)

 三54系統のバスは表示は「急行バス」と大書き,左に2段に三崎口駅,ソレイユの丘と書かれたもので,誤乗防止のためか急行をアピールしています。5分くらい遅れてやってきたバスは長井の町中と畑の中を走り,7分で終点ソレイユの丘に着きます。このような盲腸路線を往復するのは昔から嫌いで,別の盲腸路線の尻尾へのアクセスを考えます。今日の行程もそれで,ソレイユの丘からはGoogle Mapで11分の荒崎へ歩きます。

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ソレイユの丘。望んで曇りの日に来ましたが,少々残念なお天気

 ソレイユの丘から荒崎への道はなだらかな下り坂で歩き易く,最初は畑,途中からは相模湾の海を眺めながらのウォーキングです。1日中バスに乗っていても仕方ないし,健康のための歩数稼ぎにもなります。熊野神社や荒崎造船所などを見ながら,ゆっくりと歩を進めます。この辺りの海岸線は岩場がごつごつした海岸線ですが,リアス式海岸ではなく海岸段丘というそうです。その段丘の間の細い平らな所に人家やバス通りはあります。下の写真は熊野神社の近くで,後ほど乗るバスの往路便を撮ったものです。

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9.三22,荒崎~三崎口(往路便を撮ったもの) G1818(三崎)

 三22系統は荒崎から長井の漁港や町中を通り,国道に出たあとは南へ下り,三崎口駅に至ります。三崎口は京急電車の終点ですが,三浦市の中心まではまだかなり距離があり,えらく中途半端な所にあります。一方,この辺の地形は海岸段丘なのでこれ以上海岸に近付くと急勾配は必至で,ある程度まとまった広さの駅や駅前広場を作ろうとするとこの辺になってしまうのかもしれません。

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京急オープントップバス。レジをはじめ京急のフラッグシップの2100形電車をモチーフにしている

 三崎口駅には最近走り始めた,2階建てのエアロキング改造の京急オープントップバスが休んでいます。また京急バスの案内窓口があるので,バスの路線図を所望すると,最近改訂していないのですと申し訳なさそうに2020年10月版を差出されます。その1-2で詳述しようと思いますが,このような行程の計画には1枚ものの路線図は必須で,家では2016年版で計画をたてたので,2020年なら上等です。

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10.三4,三崎口駅~油壷温泉 G3427(三崎)

 三崎口からは三4系統油壷温泉ゆきで,一旦油壷に出ます。油壷には京急油壷マリンパークがありましたが,コロナ禍による客足の減少と施設の老朽化が重なり,去年の9月末で閉館しました。自分が子供の頃から,まだ幼いジュニアを連れて親としても何度か来たことがありますが,昭和の香りの漂う施設だったので時代の流れとも言えそうです。三崎口から油壷温泉までは13分,次の行程が忙しいので,写真を撮るのもそこそこに油壷温泉を後にします。

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三崎マリン油壷ヨットハーバー

 油壷温泉からは再度,盲腸の尻尾を繋ぐ作戦で,浜諸磯を目指します。バスのダイヤでは油壷温泉着が12:10,浜諸磯発が12:42,この間を歩くとGoogle Mapで29分です。携帯の地図を頼りに歩いてゆきますが,油壷湾に向かって人しか通れないような道を下りて行くと,湾の奥にヨットハーバーがあります。今度はまた坂道を登って,入江の鼻を越えます。道路には西海岸線という立派な名前がついていますが,ふつうの片側1車線の田舎道です。

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油壷の静かな入江を歩く

 海岸段丘の複雑な地形を歩いてゆくと,道路に高低差があるため,立体交差で交わっています。立体交差の脇には浜諸磯方面にショートカットできそうな脇道があるのですが,Google Mapでも指示が出ないので,念のため,ショートカットは諦めます。時間に余裕があれば,チャレンジしたいところです。曇り空の割には暑いので浜諸磯まで歩くのが面倒になり,近くにあった屋志倉というバス停からたった1停留所ですが,浜諸磯ゆきのバスに乗ります。

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11.三61,屋志倉~浜諸磯,12.東63,浜諸磯~三崎港 G1957(三崎)

 浜諸磯では5分の折返しで,乗ってきたバスが12:42の東63系統三崎東岡ゆきになります。三浦半島最南端の西側の海岸線を走り,13分で三崎港に着きます。ここは三崎漁港の中心で,卸売市場,三セクの産直品売り場うらりマルシェをはじめ,観光の物産店や飲食店が並んでいます。次は城ヶ島に渡るつもりですが,バスまで20分弱あるので,少しの街歩きを楽しみます。

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三崎港を街歩き

 三崎港の周辺には三崎で上がった新鮮なマグロを食べさせるお店が並んでいて,目移りします。青森の大間と違い三崎のマグロは遠洋ものなので,カチカチに凍った状態で水揚げされるので,ここで食べても築地の料亭で食べても味は変わらない気もします。一昔前は値段が魅力でしたが,京急の三崎まぐろきっぷなどもメジャーになり,段々都心並みあるいは観光地価格になった印象です。また,右の写真の右奥の羽床総本店の粕漬がジュニアの好物で,今日も何枚かを買って帰ります。

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13.三9,三崎港~城ヶ島,14.三9,城ヶ島~日の出 G1163(三崎)

 街歩きをすれば20分弱はあっという間で,13:08,三9系統城ヶ島ゆきのバスに乗ります。こんな日でも城ヶ島への観光客は多く,今日初めての立ちんぼうです。周りを見れば老若男女,中国語を話す人もいて,バラエティに富む客層です。入り江を半周した後,海岸段丘を登り,城ヶ島大橋を渡ります。以前はこの橋は普通車150円の有料でしたが,2020年4月から無料になりました。

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城ヶ島大橋の上からの車窓

 城ヶ島大橋は下を遠洋漁業の大型船が航行するため高さ16~23mの高い位置にあり,東京湾,相模湾の景色も楽しめます。島に渡れば,ループ状の取付け道路で海岸と同じ高さまで下りて,漁港の施設の中を進みます。埋め立て地の突き当りが城ヶ島のバス停で,バスは8分で三崎口駅ゆきになって折返します。三崎港から城ヶ島の13分もそんなに盛っている感じはしないので,交通渋滞時の運行は厳しそうです。京急バスもそういうときの定時運行は諦めてしまったのか,時間どおりにには動かないものとの掲示が三崎港のバス待合所に貼ってありました。

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京急バス掲示「土休日のバスの運行について」

 城ヶ島から戻れば13:30を過ぎよい時間なので,お昼ご飯にします。先ほど城ヶ島に渡る前に少し街歩きをしましたが,気に入ったお店はなく,三崎港の2つ手前の日の出というバス停で降りて,安くておいしそうなお店を探します。ガイドブックなどでも紹介される有名店はウェイトリストが溢れるほどの行列なので諦め,居酒屋併業の地味なお店に入ります。湘南といえば三崎のマグロのほかにしらすも有名で,しらすを使った料理は単価が下がるため若干安めのようです。今日はマグロとしらすのハーフの丼で1,100円はよい買い物ができました。

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今日のお昼は丼物でお安く仕上げる

 三浦半島京急バスの旅は午後も続きますが,以降はその1-2でご報告します。お楽しみに。なお,行程表はこの日の分をまとめて下に置いておきます。(2022.7.10記)

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2022.5.15,三浦半島の京急バスを乗りたおす旅の行程表

その1-2につづく

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