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2021-05

Nゲージ--京成3700形塗装済キットをつくる

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 今日は久しぶりNゲージの鉄道模型の製作記事をアップします。高校時代の鉄道研究会の友人が大量のNゲージ模型を譲り受けたと言うのでその整理を手伝いに行ったら,一部には組んでいないキットもありました。多忙を極めるサラリーマンの友人に,組むだけでも楽しいから代わりに自分が組むよとオファーしたものです。そんな訳で,自分のものでもないキットを組んだ製作記ですが,ある面,預かりもの故オーソドックスに組んだので,何かのご参考になろうかと思います。製作には5月の連休のほぼ1週間をかけました。

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先ずは部品集結

 キットはグリーンマックス(以下,GM)製の塗装済キットで,京成3700形 4両トータルと中間車4両のセット各1つです。ちなみにグリーンマックスのWebサイトには,懇切な組立て説明もアップされていて,この京成3700形を題材にしています。そちらが正式バージョンということで,本当にキットを製作するかたはそちらもご参照ください。

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キットの部品の一部。最近のキットはよくできている

 先ずは組立てを始める前に部品を一揃い並べてみます。ミスパーツがないかの確認もありますが,一種,製作記の始めの儀式みたいなものです。大学時代のプラモデルマニアの友人いわく,プラモデルを買ってきて組まずに一晩眺めることができたら,本物のモデラーだね...と言っていましたが,けだし名言と思います。さてこのキットですが,今どきのNゲージでは常識かもしれませんが,僕の眼にはなかなかよくできています。

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塗装済キットとはいえ床下,屋根上部品はスプレーで塗装する

 何と言っても,塗装済というのが大変ありがたいです。国鉄103系みたいな単色塗装なら簡単ですが,この電車のように2色の帯などあったら,自分で塗装するのは大仕事です。塗装済でなければ,代わりに組むなどというオファーもしなかったでしょう。また,ハコに組んであるのもありがたく,自分で組むとなると,接着のはみ出しを気にしながら直角を出すのに苦労します。このキットではクーラーも塗装済で,アンダーゲートというそうですが,ランナーからの切れ目が外に出ないように成型されています。

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塗装の済んだ床下器具と屋根上部品

 床下器具と屋根上部品は似たような色をしていますが,キットの指示に従い,床下器具はねずみ色,屋根上部品は灰色でスプレー塗装します。このとき先頭車の床下にダミーの連結器とスカートを取付けて,まとめて吹いてしまいます。

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各部品に車号と向きを書く

 塗装が済んだら,車体,屋根,床板に車号(成田寄りから何両目か分かる),上野方,成田方の向きを書込みます。8両を一気に組むとなると,組んでいる途中でどれがどれだか分からなくなってしまうからです。

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各部品の筆塗り塗装

 スプレーに続き各部品を筆塗りで塗装します。僕はNゲージ模型の内装や照明にはこだわらないのですが,今回は標準仕様ということでシートのみ塗装します。日頃の通勤でも京成3700形は頻繁にお目にかかるので,まあこんなもんだという感じに,通常座席はキット指定のマルーン,優先席はブルートレインの青をちょっとグレーで薄めた色で筆塗りします。塗装道具を出したついでに,貫通扉をステンレスの銀,運転台のインパネを艶消し黒に塗ります。また,このときに前照灯を銀,尾灯をマルーンで前面下部のライト部に色を差します。

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台車の加工。先頭台車の連結器を切断

 一通りの塗装が済んだので,ここからは小部品の加工です。先ずは台車の加工,先頭に使う台車はダミーの連結器とあたってしまうので,アーノルトの連結器を切断します。作業の邪魔になるので,一旦輪軸を外し,カッターで切ればすぐに切断できます。

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パンタグラフの加工―避雷器の取付け

 次は避雷器をパンタグラフに取付けます。私鉄電車の避雷器はパンタグラフの枠に取付けられている例が多いですが,この電車の避雷器もそのタイプです。避雷器から伸びた四角いボスを,パンタグラフの台枠の角孔に差込みます。と書くと簡単そうですが,結構,孔が小さく,ぴったりの位置で差込まないと上手く入ってくれません。差込むだけでもそれなりに強度はありそうですが,念のため,少量の接着剤をつけておきます。

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屋根上まわりの部品取付け

 屋根上にはパンタ脇のランボード,パンタ間の高圧引通し(のカバー),ヒューズ箱などの部品を取付けます。この例では2次車の想定で,引通しはカバー付きのものを選択しました。また,上野方の先頭車にはラジオアンテナのケースをつけますが,この分は取付孔が開いていないので,0.8㎜のピンバイスで事前に孔を開けておきます。

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クーラーの取付け

 次は屋根まわりの大物部品としてクーラーを取付けます。この電車の場合,ファンのある方が中央寄りですが,このキットは屋根側の取付け孔が左右非対称に開けてあるので,逆向きに取付ける心配はありません。

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前面へのシール貼り

 このキットのガラス部品は車体とほぼツライチになようにモールドされていて,一昔前のキットよりかなり良い出来です。行き先,運行番号,種別など各種のステッカーが用意されているので,好みのものを貼付けます。組んでしまうと変えられないので,念のため,持ち主に断ったうえで京成3700形としては一般的そうな77K・特急・成田空港にしました。灯火類の色差しは筆塗り塗装のところに書いたとおりですが,ライトケースは黒く縁取りされているので,多少粗くても組んでしまえばきれいに見えます。

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床下器具の取付け

 代わって床下器具ですが,この辺はちょっと手を抜いているようで,18mのVVVF制御車共通の部品がセットされています。見たところM1車用,M2車用,T車用があるようですが,組立説明書のガイドに従い接着します。

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車体小部品の取付け(1両分は取付け済)

 ここまでのところは,部品も大きく,成果が目に見えるので楽しいのですが,ここからしばらくはしょっぱい作業が続きます。妻面のガラスは1両に4枚(中間車)ずつ,8両で28枚をつけます。透明部品なので接着剤は控えめですが,少ないと接着強度が不足するので,手は抜けません。併せて貫通扉も各車の成田側妻面に接着します。また,側面の窓ガラスもこのタイミングで取付けます。サッシと取合いもよくできていて,ガタつきもないので,接着剤は使わずに嵌めただけです。

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小部品の取付け終わった車体

 この先は総組立てといえるような作業で完成まであと僅かです。既に小部品とクーラーの付いた屋根にパンタグラフを取付け,屋根板を車体に取付ければ,上回りは完成です。なお,屋根板もしっくり嵌っているので,接着剤は使っていません。

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上回りの完成

 最後に台車を床板に取付け,上回りと下回りを合体すれば完成です。なお,床板は軽く四隅を止める程度に接着剤で固定しています。また,先頭車のおでこに付く大小の無線アンテナはこの段階で取付けました。とても繊細な部品なので取扱いは要注意です。また,取付孔が小さめなので,無理なく差込める程度に丸ヤスリで現物合わせで拡げました。

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京成3700形 8両編成完成

 預かりものと言いながら手塩にかけて作ると愛着も出てきます。出来上がり品を届けなければいけないのですが,途中の輸送の便も考え,市販のケースまで買ってしまいました。

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ケースに入れれば馬子にも衣裳で立派なもの(?)

 手許の製作工程表で締めてみると概ね4日がかり,約12時間半の作業でした。12時間半というと約半日ですが,そんなに長時間,根気も続かないので,やはり4日くらいはかけて作りたいものです。また,工作を始めたら楽しくなって,今度は自分のものを作ってみたくなりました。(2018.7.18記)
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2016年夏のアクティビティ3--NゲージED72真鍮キットの製作

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 今年の夏休みは遠出をしないことにしているので,ちょっと作り甲斐のある模型製作に取組むことにしました。そう思って探したらインターネットのオークションでED72の真鍮製キットがあり,これに取組むことになりました。
 ED72は,国鉄が九州初の電化開業に際して量産した旅客列車用交流電気機関車で,くの字型の前面とSG搭載による長い車体が特徴です。僕はなぜかこのED72が好きで,中学生のときにも珊瑚模型店のHOゲージのキットを作りました。今回オークションで買ったキットはなぜか車体が途中まで組んであり,キットの製作で一番難しい工程が加工済なのが嬉しいです。また,本来は別途購入の下回りやパンタグラフ,車号のインレタまでバンドルされていて,キット本体の定価よりずいぶん安かったので,売り主のかたには大変感謝です。

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キットの部品一式。なお,キット本体はスタジオフィール製

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定価16,000円もするのに組立て説明書はA3の1枚ペラだけ

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参考図書:毎度おなじみ「交流電気車要論(川添 雄司,1971年,電気車研究会)」と「資料ED75のメカニズム(2007年,機芸出版社)」。後者のED75は随分あとの形式ですが,屋上機器は参考になりました

 金属製の鉄道模型キットは基本的には半田付けで車体を組上げるものですが,僕は半田付けが苦手です。そもそも半田付けなど中学校の技術科で習っただけで,電気配線などの最低限必要なときしかしたことがありません。なので,工作のウデにに不安を抱えてのスタートです。

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難易度の高そうな車体の先頭部は組立て済で昔のベースキットのよう

 最初の工程は車体の組立てです。既に書いたとおり先頭部は組上っているので,先ずは屋根板を半田付けで取付けます。半田しろが車体裏側なので目立ちませんが,やっぱり半田付けは無理だと挫折するに足る工作で,以降は専ら瞬間接着剤と白ボンドによる接着に頼ることになりました。屋根板の他は、前面に付く誘導員用の手すりとステップ,屋上では車体全長にわたる歩み板,パンタ台,運転室助士席側の屋根の信号炎管までを取付けます。手すりはKATOや銀河のパーツも検討しましたが,結局は0.5㎜真鍮線から作りました。パンタ台はキットにパーツがあったのですが,加工が難しそうだったのと,高さが気に入らなかったのとで,ボナファイドという会社のホワイトメタル製パーツを使いました。

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車体パーツの取付け

 次は台車の製作です。下回り本体はTOMIX製のED76を使いますが,一旦台車のモールドを切落とし,真鍮板のブレーキ回りと真鍮の鋳物の台車枠を接着します。金属同士の接着は半田付けによるのがセオリーですが,強度的に不安ではありますが,ここも接着剤使用です。真鍮板で表現されたブレーキのてこなどはとても弱く,組立ての最中に何度も曲げてしまいました。

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台車の組立て。台車の関連部品と組立て後

 小組立ての次は塗装ですが,金属製の車体のため,3回の塗装が必要です。車体は,先ず金属の下地処理用のメタルプライマー,次に下塗り塗料のサフェーサーを吹いた後,赤2号の調色スプレーの手順です。赤2号は意外と透けやすい色なので,グレーや白などで下塗りをするときれいに仕上がると以前に聞いたことがあります。

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車体の塗装。メタルプライマー,サフェーサー,赤2号の3度塗り

 赤2号が十分に乾いたらマスキングをして,屋根と床下器具に黒を吹きます。床下器具のほうは,メタルプライマーだけは車体と同じときに吹いておきました。黒は本来は艶ありを使うのでしょうが,僕の趣味と在庫がなかったのとで艶消しを使っています。また,屋上器具の碍子は随分迷ったのですが,塩害対策の緑碍子ということで,緑に塗ってあります。この緑は,百均商品の緑のスプレー塗料ですが,ヘンな緑で,碍子の色としてはまずまずだった感じです。手許に古い紙粘土があったので,これに挿して必要数をまとめて吹きました。

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床下と碍子の塗装

 この後の作業は,細部の塗装と並行で進めてゆきました。先ずは屋上器具のうちのモニターなどの大物を取付けます。このくらいは半田付けでもよさそうでしたが,ホワイトメタル製部品のため高温で溶かしてはいけないので,ここも得意の白ボンドで接着しました。塗装のほうは,飾り帯や窓の桟などの銀色部分を一部はマスキングしながら色差ししました。

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赤,黒の塗装完了後の車体と大物部品取り付け後ようす

 次に屋上の高圧配線を取付けます。順序が前後しますが,高圧配線に使う碍子は,キットに碍子のみ同梱され,固定に使う割りピンは別売というヘンな構成でした。固定用の割りピンで適切なものが見つけられなかったので,少々もったいないですが,碍子は全て銀河モデルの6段碍子を使いました。前述のとおり緑に塗った碍子の上に燐青銅線を現物合わせで曲げて配線をつけてあります。ここも白ボンドで接着していますが,乾燥後に黒で塗ってあります。パンタグラフはオークションの売り主さまがKATOのPS101を付けてくださったので,碍子を緑に色差しして使っています。交流電機,とくにED75,ED76以前の形式は屋上機器が賑やかで,この部分の製作はえらく骨が折れますが,苦労した分達成感のある作業です。また,鉄道模型は上から見る機会が多いので,燐青銅線で作った屋上配線もリアリティは抜群に見えます。これらの作業と並行して,前面窓のHゴムにグレーの色差しをしました。

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パンタグラフ,高圧配線を取付け終わった車体

 更に車体回りの小部品の取付けが続きます。ヘッドライト,テールライトのレンズを取付け,機関士側の屋根にはホイッスルを取付けます。このホイッスルですが,真鍮挽き物製のホイッスル本体を割りピンで固定する仕様ですが,手持ちの銀河のホイッスル用の割りピンの余りを使いました。これが細かい仕事で,老眼の僕にはつらく,たった2個のホイッスルをつけるのに20分くらいかかってしまいました。また,このタイミングで前面の開放てこも取付けました。この開放てこは,他の部品を買いに模型屋に行った際に見つけたKATOのED79用のプラ部品を使っています。

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小部品の取付けが済んだ車体。左は各部品ですが,新聞紙の字と比べると小ささが分かります

 車体関係の最後に窓ガラスとスカートを取付けます。窓ガラスは,スーパーの惣菜の入れ物から適切な大きさに切り出して接着します。問題はスカートです。キットには真鍮製のスカートがついているのですが,動力のダイキャストブロックにあたるため絶縁に難があります。また,オークション商品には,ご親切に,部品取りになったED76のスカートを同梱してありました。折角なのでED76のスカートを使うつもりで塗装までしたのですが,ステップの切り欠きとほぼ垂直な点でイメージが合いません。結局スカートは,キットの部品を型にしてペーパーから切り出して自作し,ステップだけキットのものを使うことにしました。

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自作のスカート。エアホースは手持ちのパーツを付けました

 最後の作業は車号の取付けと大組立てです。車号はオークション商品に同梱のインレタを使い,6号機としました。日頃,インレタは使わないので,転写に難があるところができてしまいました。下回りは大組立てに先立ち,中間台車をねじ止めし,予め黒に塗装した台車間の燃料タンクのダミー部品を取付けておきます。それぞれ出来上がった下回りに車体をかぶせれば,大組立ても完了,完成です。なお,中間台車の車輪は適切なものがなく,KATOがラウンドハウスブランドで発売している,スポーク付の輪軸を使っています。銀座の某高級模型店で,もう少し安い部品はないものか探したところ,そんなに安いのが欲しければGMの台車を買って車軸だけ使えばとのことでした。なかなか上手い事を言うもんだと思いましたが,それも癪なので大人しく高い輪軸を使うことにしました。

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なぜか高級部品が集まった中央部

 夏のアクテビティのつもりがそんなこんなで9月中旬までかかってしまいましたが,ようやくED72の完成です。かれこれ2か月がかりでしたが,完成品を買ったのでは味わえない,満足の1両になりました。

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スタジオフィール製キット製作ED72。やはり,交流機は上から眺めるのがよい

 ところで,この車両は同梱されていたTOMIXのED76の下回りを履いています。キットを開梱したときに念のため動かしてみましたが,静かでスムーズとまでは言えませんが,一応動きました。しかしながら,絶縁に難点があるのと,取付け強度に不安がある部品がいくつもあるため,途中からは走らせることはあまり考えずに作ることになりました。そんな訳で,今は手許にあったプラ製のケースに収まっています。

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手許にあったケースに入れて飾っています

 このキットを落札したオークションではED71のキットも落札したので,冬休みにはこちらに挑戦しようと思います。また,交流電機のキットに取組んでいるうちに製作意欲がモクモクと湧いてきて,久びさにHOのED75でも組んでみたいとも思っています。最近はそのようなキットも見かけることは少なく,ときどきネットオークションに出品されるようです。先ずはキットを探すところから始まる,長い道のりになりそうです。(2016.10.2記)

Nゲージキット製作---京急1000形

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 今日は5月の連休前後に作った京急1000のNゲージキットについてをお届けします。とくに優れた技法を駆使しているわけでもなく,完成車両しか持っていない人がこの記事でキット製作に興味を持ってもらえればよいと思います。このキットですがグリーンマックス(以下,GM)のエコノミーキットで,15年くらい前に買ったものです。長らくホコリをかぶっていましたが,遠出をしないゴールデンウィークのアクティビティにとひっぱり出してきたものです。
 京急1000形ですが,わが家の近くを走る京急の一昔前の主力形式です。頑固とでもいうべき京急の車両開発ポリシーもあって,昭和34年から53年までの長期間にわたり350両以上が製作されました。この中でも中期に製造され,冷房化の重量増に対応するため台車をTS811に振替えた編成をモデルにしました。

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必要なもの一揃い。キット本体のほか台車,動力ユニット,パンタグラフと調色塗料が主な購入品

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キットの部品一式。エコノミーとはいってもステッカーまで入った親切な構成

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お顔は京王や京成用もあり,各種形式に対応できる

 今回の製作はまず塗装から始めます。車体,床下器具,屋根板などの部品をランナーから丁寧に切取り,それぞれ白,灰(薄),灰(濃)を吹いておしまいです。京急の塗分けを見ると,一旦赤で吹いて,マスキングをして白の帯でもよさそうですが,薄い色から塗ってゆくというセオリーどおり,今回は白を先に塗りました。セオリーのほか,帯部をマスキングした方がドアなどの段差部分の対応がしやすいと思ったのも理由です。また,灰色は濃淡2種を使い分けました。床下に使ったニュートラルグレーは青みが強く失敗でした。屋根板は呉海軍工廠の軍艦色を愛用(単に呉に住んでいたので)していますが,こちらはまずまずの出来でした。

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塗装その1完了。1色で吹いておしまいのもの

 車体の白の塗装が済んだら,側板と妻板を接合してハコに組みます。強度的には屋根板も含めしっかりと接着した方がよいのでしょうが,マスキングをするのが面倒なので,屋根,床なしの4面だけの状態です。この場合,接着面の直角を維持するのが大変ですが,GMのキットはそれなりの精度があり,何とかこの方法でも組立てることができました。なお,動力車にする車両は床板受けが動力ユニットにあたってしまうので,車体を組む前に受けのモールドを削ぎ落としておくとよいです。

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車体のマスキング

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塗装その2は4階建てにして一気に赤を吹く

 4面だけの車体が組み上がったら,赤の塗装に備えてのマスキングです。帯の幅ですが,定規で測ったところで必要な精度は出ないだろうから目分量です。京急の帯の太さは15cmもないのでスケールどおりなら1mm以下ですが,そんな器用にマスキングテープを切ることもできません。塗装自体は写真のように4階建てにして,面積を節約できるようにしています。

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塗装が済んだボデー

 車体の塗装に続いては,サッシの塗装です。窓のサッシは完成品のNゲージ車両は大抵は窓ガラス側に印刷されていますが,旧世代のエコノミーなキットでは手作業で色差しをします。眼も悪くなったし,根も続かないので,サッシの上と下はマスキングをし,縦部分はフリーハンドとしました。この形式では戸袋窓はHゴム支持なので,例によってマジックペンで塗るだけ,ドア窓は内側から抑え金支持なので,色差しはなしで少し得をした気分です。続いてボデーにガラス部品を接着します。このキットではガラス部品は透明プラスチックの帯材なので,所定の長さに切って接着します。今回のキットではハンドリングのしやすさから車体の全長を2分割としてみました。

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サッシの色差しの済んだボデー

 ボデーの塗装,組立てと並行して,屋根への各部品の取付けを進めます。具体的にはクーラー風道,クーラーとパンタグラフの取付けです。風道とパンタグラフは位置を決める足がついているので,事前に穴あけが必要です。このキットは屋根板の裏側に穴の位置がモールドしてあるので,これを使えば簡単に正しい位置に穴をあけることができます。

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屋根板への部品の取付け

 かわって下回りの製作ですが,この種のキットでは床下器具はユニット化された部品になっているので,M1車,M2車と海側,山側を間違えないように床板に接着しておしまいです。先頭車と中間車で床下器具が全く同じということはないと思いますが,この辺は大雑把なものです。床板をいじったついでに,金属製のウェイトをはめて固定し,これで下回りの製作は完了です。なお,台車はGMから東急TS(京王用),TS804,京王TSなど近似の台車がいくつか出ているのですが,お店のかたと相談の結果,TS804を使うことにしました。形態的には京王TSが一番近いようですが20m車の6000系用のため,動力ユニットの長さが合わず採用できませんでした。

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下回りの製作

 ボデー,屋根,床板ができたら,それらを組立てる総組立に進みます。本来は塗装前に組んでおくべき屋根ですが,キットの各部品の精度も高く,あまり苦労することなく4面に組んだボデーにはめることができました。床下のほうは後日バラすことも考慮し,4隅を少量の接着剤で固着するだけにしています。最後に列車無線のアンテナとパンタグラフ脇のヒューズ箱をしっかりと接着します。また,ヘッドライトは面相筆で色差しするのを嫌って,百円ショップで売っているネイル素材を貼りつけてみました。京急1000形のシールドビームは意外と径が細く,なかなかピタリと合うものがありません。残念ながら,この手は企画倒れに終わっています。

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完成した京急1000形4両

 京急1000形ですが,実は僕は4両編成もう1本を持っています。何年か前に京急百貨店が売った鉄コレを電装したものです。並べてみるといくら鉄コレが相手でも,僕のキット製作品はだいぶ見劣りしますが,これでも苦労の一作です。最近はNゲージの完成車両の種類が増えたので,なかなかキットを組む機会が減っていますが,出来はともかく楽しい模型工作でした。(2016.8.24記)

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手持ちの鉄コレと共に

久びさのNゲージキット製作---スカ色の旧型国電6両

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 この(2015年)4月から6月にかけて,久びさにフルサイズのNゲージ模型の製作にいそしみました。Webで製作記をアップするほどのウデでも作品でもありませんが,何かしらご参考になることもあるかとブログ記事にしてみました。作った電車は戦前製の国鉄電車,晩年は身延線や飯田線で最後の活躍をしていたのが,僕の高校生~大学生の頃なので,随分古い電車です。製作後80年も経つというのに,各社からNゲージの完成車,キット,果てはBトレに鉄コレが商品化されているので,ある意味大変な人気車種ともいえます。具体的には以下の6形式,前の4つはグリーンマックス(GM)の4両セット,後ろの2つは同じく単品で買ったものです。

・クモハユニ44
・サハ45
・クモハ43
・クハ47
・クハユニ56
・クモハ51

 そもそもなぜ今更こんな形式の模型を作る気になったかです。これらの仲間の形式はBトレインショーティーでも製品化されていて,飯田線,身延線それぞれ4両セットの2種類が発売されています。多分,最初の発売は2007年秋ですが,スカ色の塗り分けもきれいで,お気に入りの部類でした。しかし,Bトレはいわゆる流電と切妻の顔の電車ばかりで,見慣れた丸っこい半流タイプのものがなく,当時のローカル線では普通に見られたクモユニやクモハユニの合造車もありません。これらの穴を埋めるべくクハユニ56のキットを買ったのが始まりです。キットを作るとなると,まとめて作業した方がやり易いので,もう1両,クモハ51も作ることにしました。

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事の始まりとなったBトレインショーティーの旧型国電

 まてよ。押入れの奥に結婚前に買った旧型国電のキットがあったんじゃないかな...と思いだし,探したら4両セットのキットが出てきたのでした。それらを見ているうち,せっかくのキットをわざわざちょん切ってBトレにするのは勿体ない,この際だから6両まとめて組立てようという気になったのです。

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キットのパッケージ

 まず最初に塗装前に必要な小組立てを行います。初期のGMのキットは金型費用削減のためか手の込んだ部品構成になっていて,1枚の枠にサハ45とサハ48の側面が1枚ずつつき,更にサハ48は車端部を切り継ぎするとクハ47にもできるという構成です。今回はクハ47を作るので,サハ48の側板の車端部分をクハ47用の乗務員室扉の部品と切り継ぎします。切り継ぐといっても,Bトレ化するようなわけではないし,裏面に切断線もモールドされていて簡単です。また,屋根部品にランボードやステップを付けたり,ベンチレーターの取付穴をあける等の小加工です。なお,ステップは小さい部品で,いくつかが飛んで行ってしまったので,一部の車両は銀河製のエッチングパーツをつけています。飛んで行ってしまった?---どういうつもりでキット製作しているんだ!!と言われそうですが,老眼になると探すのがとても大変なのです。

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段ボール箱の塗装ブース

 塗装は僕の嫌いな作業ですが,次の2点でセオリーと違うやり方で効率化しています。教科書的には,車体は側面,妻面,屋根を組んだ状態で塗装するのでしょうが,それだとマスキングや窓のガラス貼りが面倒なので,塗装した後で組立てました。これだと前面から側面への塗り分けが一直線にならない難がありますが,旧型国電の場合,ウィンドシルとヘッダーに塗り分け線を合わせれば大きくずれることはありません。もうひとつはスプレーを吹く順序で,セオリーでは薄いほうの色を先に塗りますが,僕の場合はマスキングが面倒なので,先に青を吹いて,腰以下と幕板をマスキングして,クリームを吹きました。これはこれで,落ち着きもよく,へんに滲むこともなく仕上がりました。

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テープの隙間から入り込んだ要補正箇所

 最近はパソコン配送用の大き目の段ボール箱を塗装ブースにして,準備や片付けが楽になりました。楽になったといっても,青,クリーム,床下の黒,屋根の茶色,ベンチレータ等の灰色と5色も塗るので,1日では済まない作業です。今まではマスキングに普通のセロハンテープを使っていたのですが,今回は百均商品のマスキングテープを使ってみました。紙なのでプラ系塗料に侵されないか心配でしたが,特段問題ありませんでした。セロテープでも同じ問題は起きるのですが,荷物扉のように彫りが深いところは,テープがうまくつかず塗料が入り込んでしまいます。これらのスプレー塗装の不良個所は筆塗りで補整しました。この程度の解像度の写真では目立ちませんが,手に取ると乱れが目立ちます。この辺の技はまったく自信なく,上手にできるかたに教わりたいところです。

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塗装の完了した側板,妻面

 また,旧型国電の屋根ですが,一般的な製作ガイドではグレーに塗ることになっていますが,僕の記憶ではグレーの屋根の電車など見たことなく,たいていはまっ茶色をしていました。ちょっと大袈裟とは思いましたが,今回は屋根を茶色(レッドブラウン,ミスターカラースプレー#41)で吹いています。イメージはちょうどよいのですが,実車のような汚れた感じがせず,ウェザリングが必要なのですが,その技も時間もないので,今はピッカピカの茶色の屋根になっています。また,ヘッドライトはキット付属のものはちゃちな感じがしたので,一部の車両は銀河製の挽き物部品に交換しました。

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茶色の屋根と屋上部品など

 次は塗装が終わった各部品に必要なパーツを取り付けてゆきます。屋根板にはベンチレーターやヘッドライトなどを接着します。床下はNゲージでは各床下器具が全部付いたユニット形式になっているので世話はありません。面倒なのは窓ガラスの接着です。同じGMの製品でもキットによって造作が違っていて,長手方向に1枚ものを貼りつけて完了のものもあれば,ドア部分を別部品とする構成のものもあります。また,荷物室扉などは彫りが深いので,当然別パーツにせざるを得ません。妻面のガラスも多いものでは3枚をそれぞれ別部品としなければいけないものもあって,3窓が1枚ですむようなものがあるとホッとします。6両もあると,このガラス貼りだけで1日仕事の感じです。ところで,便所部分の窓ですが,白色に塗ってあるもの,すりガラスのものなど旧型電車ではいろいろな仕様の電車がいました。実車とあっているかは気にしていませんが,ガラス部品をヤスリでやすってすりガラスとしたもの,裏から修正液を塗ったもの,両方をしたものと作り分けてみました。また,サハ45の窓がない部分は,塗装前に隙間をパテで埋めてツライチにしなければいけないのですが,面倒なので簡易的に窓だけ塞いでいます。

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便所窓3種

 この辺の造作の詳細は,浅原信彦著「国鉄電車ガイドブック(旧性能電車編)」(誠文堂新光社)を参考にしました。この本はなぜか中学校の図書室にあって,40年前に飽かずに眺めたものでした。うちにあるのは2006年にGMほかが出版したその再版ですが,旧型国電のバイブルみたいに活用しています。先日,神保町あたりを歩いていたら,今でも古書がぼつぼつ出ているようなので,旧国好きのかたにはお薦めです。

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参考にした「国鉄電車ガイドブック(旧性能電車編)」

 これで車体は概ね完成で,あとは下回りです。床下器具は既に書いたので台車ですが,これらの電車は大体TR23/DT12を履いていたのでGMの該当の台車を取り付けました。実際にあったのかは分かりませんが,一部の電動車は軸受けをコロ軸受化したように見立てて,DT13を履かせています。

 ところで,今回作ったキットは6両,その中に2両の郵便荷物合造車があります。飯田線や身延線のローカルにそんな編成はあり得ないので2両増備することにしました。探してみると,トミーテックの鉄道コレクションに身延線のクモハ51+クハ47のセットがあることが分かり,早速このセットを買いました。パンタをGM製のものに換装し,最小限の手を加えていますが,廉価版の鉄コレで僕のキット組立ての電車たちとはちょうど釣り合っている感じです。口絵(スレッドの先頭)の写真を見ると,屋根がグレーで妙にきれいな車両が2両ありますが,それが鉄コレです。

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ほぼ完成のクモハユニ,クハユニを先頭にした旧型国電2編成

 現在のところ,郵便荷物合造車を先頭にした4両編成×2に組成していますが,実車にはなかった編成だと思います。また,GMの動力ユニットが市場全体で欠品状態(7月再販との情報もある)なので,鉄コレのクモハ51のみ電装してありますが,キット組立てのほうは部品待ちになっています。

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キット組立ての旧型国電たち。5者5様の顔をしている

 旧型国電は101系以降の新性能電車と違い,量産されたといっても数十両,しかも年次ごとに微妙な差異があるうえ,長年の運用の過程でいろいろな改造が加えられました。極端にいえば,1両ずつが個性のある車両たちです。自分の経験から,暑い,汚いというイメージで旧型国電を嫌っていましたが,今回の模型製作で旧型国電の魅力を再発見しました。またの機会はなかなか訪れそうにありませんが,この8両の仲間を増やしたいと思いつつ,今日の報告を終わります。(2015.6.20記)

Nゲージ--デュアルキャブコン

 今日は最近作ったNゲージ用のデュアルキャブコンについてご説明しよう。去年の正月にジュニアがNゲージデビューしたことは既に書いたけど,僕も40年来のNゲージャーなので,ジュニアの模型を見ていると自分も遊びたくなってしまう。2つのパワーパックで小判型の複線の内側と外側で別の列車を走らせることはすぐできるが,何かと制約が多い。2台のパワーパックで2つの列車を自在に走らせるためにはそれなりの工夫がいる。それを実現するのがデュアルキャブコン--デュアル:2台の,キャブ:運転台,コン(トローラ):制御器--だ。それも手に入り易いもので,かつ比較的安価に作るところが,僕流の作なのだ。考え方の基本は高校時代の鉄道研究会のHOゲージのレイアウトのものだが,大体は現代のNゲージでも通用する。

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使用中のデュアルキャブコン

 先ず制御器箱本体,これは手近かにあったお菓子の箱だ。大きさを測ってみたら外寸で127×261mmだった。どうでもよいことではあるが,風月堂のサピニエールというお菓子の箱を使った。大きな穴をあけたうえに,しばらく使うので,ともかく頑丈ならば何でもよい。本当は缶のほうがよいのだが,金属だと万一ショートすると危険なので,紙の箱にした。なお,この261mmというサイズが実はちょうどよく,B5サイズの長辺の257mmに近似のため,あとの作業がやり易かった。

 制御盤のパネルは紙に印字したものをクリアケースに入れてある。線路の配線図や文字はEXCELの簡易CADで作り,パソコン用のプリンターでちょっと厚めの紙に印刷したものだ。地色を黒,文字の色を白をしたら,それらしい仕上がりになった。上にも書いたとおり,長辺の長さが近似のB5サイズの硬質クリアケースを使い,高さ方向は現物合わせでカットした。

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制御盤の様子(黒地にしたら見ばえがよくなった)

 ところで,デュアルキャブコンの仕組みについて,簡単に触れておこう。レイアウトの線路を駅構内とかエンドレスなどの一定の区間ごとに区切り,そこへ給電するフィーダー線をA,B2台のパワーパックから接続しておき,スイッチで切り替えるものだ。こうすることで,2台のパワーパックで任意の区間を走る2つの列車を制御することができる。通常は1つの区間は1つのパワーパックで1つの列車を制御して使う。これは本物の鉄道でも閉塞の考え方があるので,それに則っているものと考えよう。同じ区間に2つ以上の列車を入れる荒業も模型ならば可能だけど,当然ながら,走る方向は同じになる。なお,フィーダー線の+と-を同時にAまたはBのパワーパックと切り替えるので,スイッチは6PのON-OFF-ONのものを使う。真ん中のOFFを使うことにより,待避線に停車させるなどして,2つのパワーパックで3つ以上の列車を運転することも可能だ。

 今回の僕の作では,駅の1~4番線とエンドレスの内回り,外回り,そしてまだできていない計画線だが外回り線から接続する留置線で閉塞区間を構成している。写真も撮ったので,一応載せておくが,要は片端から並列に接続してあるだけだ。真ん中の2つをフィーダー線につなぎ両端の2つずつを左2つはAから,右2つはBからのように配線する。なお,スイッチにトグルスイッチ(作例のようにカチカチと操作感の良いスイッチ)を使う場合は,スイッチのメカの構成上,スイッチを倒したのと逆側の2極がONになるので注意が必要だ。

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裏側の様子(トグルスイッチを並列につなぐ)
 
 ここから暫くは50おじさんのぼやき節だ。というのも,この制御盤はポイントの転換もできるよう設計してあったのだが,この機能は使わないままホコリを被ることになってしまったのだ。最近のポイントマシンは直流で制御するそうで,僕の知る,コモンと定位,反位の3線ではなく,2線で制御するようになったらしい。たまたま近所のデパートでNゲージの運転会をやっていたので訊いてみたら,TOMIXは直流専用,KATOは切換えによって交流仕様「にも」できるそうだ。更に,12Vの流れるテスター棒でネジの頭をつつく方式で運用したところ,小6のジュニアは火花が飛ぶのを怖がって使えなかったのだ。こんなわけでポイントの転換はTOMIXのFineTrack純正の転換スイッチで運用することになった。僕とすれば,3円のネジ1本で済むものを,800円も1000円もする転換スイッチを使うなんて許せないところだが,レールを単品で買わずに待避線セットなどのセット商品にすると,ちょうど転換スイッチ代くらいが割安なので,これで我慢している。

 ところで,フィーダー線だが,これもぼやきたくなる1つだ。というのも,こんなものは赤黒のリード線をレールに直接はんだ付けで済ませたいところだが,ジュニアが使うので一応TOMIXのフィーダー線を使っている。線路わきの信号配線に似せたモールドもあって見た目もよいのだが,1つ500円とはとんでもない値段だ。僕はヨドバシカメラで買ったので税込420円だったけど,5こで2000円は目玉が飛び出そうな値段だ。なお,たくさんの配線を1度に間違いなく接続するため,プラ製の12芯コネクターを,パワーパックと制御盤の間は,純正のフィーダーケーブルをちょん切った反対側を使っている。

 さて,最後に注意書きと費用を書いておこう。先ずは注意書き。配線の作業ははんだ付け作業を伴うので,中学校の技術科で習ったかそれ以上の腕のあるお兄さん,お父さんにやってもらってください。費用のほうは,トグルスイッチは6P中切れ仕様で,僕は秋葉原のパーツショップで買ったので1こ350円くらいだったが,ホームセンターなどで買うと500円くらいするものが,閉塞区間の数だけ必要になる。大物はそれだけで,パワーパックからの端子盤が2こで300円,路線図を入れるクリアケースは百均商品,箱本体は廃物利用,あとは,ネジと電線が少々といったところで,スイッチを除けば1000円前後しかかからない。今回は少々難しいネタかつ,写真はあるけど図もなく分かりづらい記事になってしまったが,何かのご参考になればありがたい。(2014.1.4記)

Nゲージ--ED78

 今日は初めてのカテゴリで(フルサイズの)Nゲージの1両について書いてみたい。約30年前の思い出話&自慢話だけど,当時のNゲージ製品とはこんなものだった。Bトレインショーティーの項でも書いたけど僕は昔から赤い電気機関車,とくに東北方面の交流機が好きだった。未だNゲージの交流機の品揃えも多くなかった昭和60年,TOMIXからED76が発売された。大好きな板谷峠の機関車を作ろうと,早速1両買い求め,ED78へ改造したものだった。これは「鉄道模型趣味」誌の記事になるかと思ったが,記事を書いている暇もなければ,投稿する伝手もなく,そのまま埋もれてしまった。今はブログのような便利な情報発信ツールもできたので,当時を思い起こしつつ書いてみたい。

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ED78-901

 まず車体,ED76は非貫通だが,ED78は貫通タイプだ。このとき既にホビーセンターKATOはあったので,西落合に出向き,ED75・2次量産型(ひさし付)本体と700番台(サイリスタ制御)の屋根板などの部品を買い揃えた。そして,カッターでED76の前面を切取り,ED75のそれとを取り替えた。メーカーも違うが,それなりにスケールどおりできていて,あわせもバッチリだったと記憶している。側面のグリルの造作や車体の長さだが,ED76は6このグリルが等間隔で並ぶのに対し,ED78は中央の1本だけ柱の幅が広い。しかし,元ED94の901号機だけは若干全長も短く,ED76同様に等間隔に6こが並ぶことを知っていたので,これに決めた。また,運転室の窓も,TOMIXのED76は当時最新だったユニットサッシだが,ED78は基本的には前側がHゴム支持の引き戸のタイプだ。これまた,よく調べると,板谷峠の機関車の多くは冬季の隙間風対策のためユニットサッシに改造されたものが多く,ED78-901もどうやら施工されたようだった。という訳で天祐とも言うべきまぐれが重なり,TOMIXのED76の車体側面はED78-901への改造にちょうど良かったのだ。実際は数十センチ長さが違ったはずだが,そこは気にしないことにした。

 次は屋上器具,これはもともとのED76のものと,ED75-700の屋根板から切り出したものを適当に切継ぎしてそれらしく仕上げた。ところが僕もぬかっていて,ED76の屋根についていたSG(客車暖房用蒸気発生器)の煙突--もちろん電暖仕様のED78にはない--をつけたままで,これは失敗作だった。屋上の高圧配線は,賑やかなED76の部品のうち碍子だけを取付け,導線は燐青銅線を付けてある。この燐青銅線製の導線はちょっとオーバースケールだが,本物の銅の線なのでリアリティは十分だ。そのほか九州のED76と東北のED78では警笛が違うので,前面を取った部品取りのED75から電気笛を上手くそぎとって,機関士側の屋根に取り付けた。助士席側はカバー付きの空気笛がつくが,取り付ける場所もないので信号炎管だけ付けて,笛は省略した。なおパンタグラフは,ひし形のPS101の部品が当時でも簡単に手に入ったので,これを付けている。

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屋上周辺(リアルな高圧配線とマヌケなSGの煙突)

 下回りに移って台車はいずれもDT129を履くが,ED78のそれは枝番は忘れてしまったが,板谷峠の急勾配対策でシリンダロック機構付きのものだ。そして,種車のED76だが,当時TOMIXではEF71を商品化していて,その型を流用したのか,考証不足か理由は分からないが,シリンダロック機構がついていたのだった。中間台車はというと,TR103を履くのだが,ブレーキシリンダの位置は1位側か2位側かは分からないが左右同じエンド側の線対称につくのが正しい。ところがTOMIXのED76のは右も左も向かって見て同じ側,つまり点対称についていた。どうせプラの部品を一体整形するだけなので,どうついていてもそんなに手間は変わらないはずだが,こんな違いが出るのは考証に手を抜いてHOゲージの模型か何かから模型化したのではないかと思った。ホビーセンターKATOに行った際にDD51用のTR103を見たら,こちらは正しい向きにブレーキシリンダがついているので,中間台車はこれに履き替えた。

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台車(転動防止用のシリンダロック機構が付くのは勾配線区用機関車の証左)

 などと細かいところにはこだわっているが,下回りの大物部品として台車間の機器箱が間抜けになってしまった。ED76では多分SG用の燃料タンクだったはずで,当然のことながらED78に燃料タンクはなく,他の機器箱がついている。が,単に機器箱といっても大きさも,形も分からず,作りようがなかったので,これは元のまま燃料タンクになっているのだ。

 こんなことでED76から改造したED78は出来あがった。いろいろな面の幸運が重なった思い出深い1両だ。ところで,文中では随分TOMIXの模型の不出来を書いたが,それをあげつらうつもりもなく,当時のNゲージ模型はみんなそんなものだった。その後に出てきたマイクロエースのED78ときたら,プラ製車体のグリルの数こそ7つと6つで違うが,EF71とED78で同じダイキャストの動力ユニットを使っていたくらいだ。それらに比べると,最近のNゲージ模型のディティールはすばらしい。KATOに追いつけ追い越せでTOMIXもがんばったのだろう,今では本当に両社変わらない出来だ。もうディテールはそのくらいにして,低価格化で切磋琢磨してもらえるとありがたい。

 ところでこの記事だが,意外と細かい記述が随所に出てきているが,実はソラで書いている。高校時代から20代前半で覚えたことはいまだに忘れることはない。しかし,50歳を過ぎた今では,お風呂の掃除しといてね~というかみさんの言葉など3歩も歩けば忘れてしまうのだ。20歳前後の若い人たちよ,今こそ何でも吸収してください。勉強したり,覚えたりするのは,今でしょ!でした。(2013.11.10記)

模型三昧のお正月--Bトレ名鉄1000系とNゲージ京急1700

 今年(2013年)の正月はわけあって遠出ができず,横浜に帰省したのが唯一の旅行だった。その合間を縫って,名鉄1000系パノラマスーパーのBトレとNゲージの京急1500形(VVVF制御車は1700番台を名乗る)のキットを組立てた。今回はその概略から報告しよう。

 その前に先ずジュニアのNゲージャーデビューについてを書かないといけない。わが家はのりもの趣味一家だが,ジュニア(小学校5年生)には今までNゲージ鉄道模型を与えていなかった。値段ばかりはって,レールがないと使い物にならないし,小学校低学年のうちはプラレールのほうが余程楽しいと思うからだ。クリスマス・お年玉シーズンにデパート(今は家電量販店)に行くと年端のいかない子供に高額の鉄道模型を買っている風景をよく見るがいかがなものかと思う。わが家の近所の京急百貨店--11フロアのうち2フロアがヨドバシカメラになっていてとても便利なのだ--が,今年の初売りの福袋で,2万円,3万円のNゲージセットを売るという。このデパートの初売りはわが家の正月2日の恒例行事になっているのだが,ジュニアも小学校5年生,そろそろ鉄道模型を始めてよい歳かと考え,お年玉をはたいてこの福袋を買うことにした。1月2日朝9:00ほぼ開店と同時にNゲージの福袋売り場に行く。事前に広告でサーベイしたとおり,京急600×8連+TOMIXのレール・パワーパック基本セット+その他もろもろの我楽多をゲット。こうしてジュニアもNゲージャーデビューを果たしたのだった。

 ジュニアがフルサイズのNゲージならこちらもBトレの600を走らせたいということになり,BトレのNゲージ化セット(電車用動力車+トレーラー用台車3組)を買い込んだ。うちには京急600のBトレは赤,青各4両ずつがあったが,古いのから改造するより,新品を用意したくなり,横浜の専門店(ポポンデッタ)に行ってみた。残念ながら,京急600の在庫はなく,せっかく専門店に来たので珍しいものを買って帰ることにした。呉では手に入らないBトレがいろいろあるなかで,一番僕の気を引いたのは名鉄1000/1200系電車だった。ということで,名鉄電車を買ってご帰還と相なった。

 名鉄電車を組んでみたら,極めて嵌りが硬い。気持ちよく嵌るをとおり越して硬い。しかしながら組んでみると,うすいアイボリーと名鉄スカーレットの塗装が美しく,とてもきれいな仕上がりになった。もともとは横浜の家において帰るつもりだったのだが,呉に持って帰って模型棚に飾ることにした。今回初めてBトレのSHGシャーシを組んだが,これは今一つぞっとしない。どうしてか理由は分からないが,どうもHGシャーシのほうがよいように思える。設計・製作側からすれば点対称で湯(プラ)のまわりもよさそうだが,どうも縦にまっ2つに割れる構造と車軸を掴んだだけの構造がしっくりこないようだった。そしてもう一つ,連結器の固定が悪く,ちょっとお辞儀してしまうのが難点に思えた。

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ほとんど衝動買いの名鉄電車。でも僕のBトレのなかでも秀逸なでき

 そして京急電車のNゲージ模型というとずっと前に買った1700のキットがあることを思いだした。僕が独身貴族だった頃,自分へのクリスマスプレゼントとして買った京急1700が埃をかぶったままになっているのだ。保証書の日付印を見たら平成6年12月24日,18年も前に買ったものだが,ようやく陽の目を見ることができた。呉に持って帰って,1月4日に組む。事前に作った工程表では概ね4時間仕事,始めてしまえば意外と簡単なもんだなと思いつつ組んだのが下の1700だ。

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18年ぶりに陽の目を見た京急1700

 ジュニアにはかわいそうだが今年の正月は彼は体調をくずし散々だったと思うが,家から出られない僕は模型三昧で楽しませてもらった。これからはNゲージャーデビューを果たしたジュニアといつまで親しんでいられるだろう。親離れするのが期待のような寂しいような今日この頃ではある。(2013.1.5記)

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