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2022-09

大都市近郊区間大回り乗車・140円旅行についての徹底解説

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1.はじめに
 今日は久しぶりにJRのルール,大都市近郊区間大回り乗車に関するルールと140円旅行についてをお届けします。JRには大都市近郊区間内なら途中下車しなければ,その日のうちならどのルートを通ってもよいというルールがあり,僕は140円旅行と呼びますが,たくさんの人が大回り乗車に挑戦しています。インターネットには旅行記や指南記事が溢れていますが,意外とその根拠や意義を正しく説明したものは少ないです。今日はそのルールと楽しみ方について徹底的に解説を試みます。

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JRの旅客営業規則(昔は紙媒体の出版物があった)

2.JRのきっぷのルールのおさらい
 大回り乗車の前にJRの乗車券のルールの元々をおさらいしましょう。JRの乗車券のルールのうち利用者と係わりのある事柄は「旅客営業規則」に定められていて,駅に行けば閲覧させてもらえるし,今はJR各社のサイトでも公開されています。なお「旅客営業規則」はタイトルにはJR各社の名前が付きますが,基本的な規定内容は同じです。以下が大都市近郊区間の大回り乗車に関係する主なルールです。
・乗車券は実際に乗車するルートのとおりでなければならない(67条)
・運賃を計算するときは同一方向に連続するときは通算するが,環状1周となったら打切る(68条,68条-4)
 同一方向とはちょっと分かりづらいですが,折返してはいけないということです。
・乗車券の有効期間は100km以下1日,100km超~200km以下2日,以降200km増すごとに1日増。なお,往復は片道の2倍(154条)
・有効期間が切れても,途中下車ができないなどの制約があるが目的地まで乗車することができる(継続乗車,155条)
・乗車券の区間内の途中駅で下車,出場後,再び列車を乗継いで旅行できる(途中下車,156条)
おさらいを書いてもとくに変わったことはない,普段,仙台や大阪,ちょっと遠くへ行くときのきっぷはそうだよねと思うことでしょう。

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大宮~八王子周辺の路線図

3.大都市近郊区間大回り乗車・140円旅行の根拠になるルール
 これらのルールどおりだと路線網や列車の運転が稠密な区間では意外と窮屈です。例えば大宮から八王子に行くことを考えます。運賃計算に使われる最短ルートは埼京線・武蔵浦和・武蔵野線経由の47.9km,820円(今日の記事は全てきっぷ運賃)です。大宮駅の埼京線ホームは地下深くだし,本数も少ないので南浦和乗換えを考える人もいるでしょう。この場合,0.2km飛び出して運賃帯が違い,50.2km,940円です。2度の乗換えを嫌って,湘南新宿ラインで新宿をまわった方がよいと考える人もいるかもしれません。その場合は意外と遠回りで64.5km1,100円です。お客さんにいちいち経路を聞きながらきっぷを売っていたのでは煩わしいし,客もそんなこと考えていません。そもそもきっぷを買う時点では決まっていなくて,改札を抜けて時刻表や発車案内を見てから考える人もいるでしょう。

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武蔵野線・東北本線(貨物線)経由で八王子~大宮間を結ぶ「むさしの」号 2022.7.2

 善意の旅客が不正乗車になってしまっては困るので,国鉄の制度担当者は知恵を絞ったのでした。僕のイメージですが国鉄の制度担当というのは,東大法学部出のとてもアタマのよい人だったのでしょう。ある範囲を決めて,その範囲の中なら上に書いたルールの制約を外してもよいと考えたのでした。その範囲が大都市近郊区間で,東京のほか大阪,福岡にも設定されました。その後,2004年に新潟,2014年に仙台が追加されました。大都市近郊区間相互発着の乗車券に限り,以下のルールとしたのです。
・片道乗車券の有効期間は,距離にかかわらず1日(154条ただし書き)
・途中下車ができない(156条2号)
・券面に表示された経路にかかわらず,同区間内の他の経路を選択して乗車できる(157条2項)
・157条2項に基づき他の経路を乗車中に途中駅で下車したときは,区間変更として取扱う(157条3項)

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JRの旅客営業規則

 これが大都市近郊区間大回り乗車・140円旅行の根拠になっているルールです。要旨だけを書いたので,興味があればJR各社のサイトで条文も参照ください。ちなみに一連の規定の改訂があったのは1973年で,例に示した武蔵野線の府中本町~新松戸間開業のときでした。また,当時は武蔵野線の列車は3,40分に1本でしたが,今では10分間隔で走り,レアな存在ですが「むさしの」号もでき,新宿回りは時間では勝ち目はないようです。

4.5つの大都市近郊区間
 東京近郊区間ですが徐々に範囲が拡大されて,今では水郡線の常陸大子や長野県の松本など,これが東京近郊?というようなところまで拡大されています。これはSuicaの導入エリアにあわせて拡大されたもので,大都市近郊区間の,当日限り,途中下車はできない,経路は選択可の3点セットがSuicaによる乗車と親和性があるので,JR東日本はSuica導入エリアと東京近郊区間を一致させるようにしています。

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現在の東京近郊区間(交通新聞社JR時刻表2022年3月号から)

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他の4つの大都市近郊区間(交通新聞社JR時刻表2022年3月号から)

 われわれ東京人にとって,この大都市近郊区間内相互発着のきっぷは日ごろ目にするきっぷの大多数であるため,本来は例外であるルールがいつものルールになっています。このルールを無理くり拡大解釈して,途中下車せず,一筆書きであれば,1日限り東京近郊区間内をどう回ってもよいとするのが140円旅行です。なお,一筆書きであればというのは,規則の68条の同一方向と環状1周で計算打切りを分かり易く表現したものです。

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古いSuica(ペンギンやスイカのマークなし,ペンギンの顔の向きが違う)

5.大都市近郊区間に関するルールの応用と大回り乗車・140円旅行
 基本ルールを押さえたところで応用に入ります。山手線1周の運賃はいくらですかという問いは,一般には隣の駅までの2倍,今なら280円と言われています。東京駅から外回りの列車に乗って有楽町,新橋,浜松町…新宿…秋葉原と乗って,東京駅の一つ手前の神田で降りる,そこまでが大回り乗車のルールを使って140円です。その後,神田から東京駅に戻る140円が必要なので〆て280円です。

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通説どおりの山手線1周のきっぷ(国鉄時代の随分古いきっぷです)

 ところが,神田と秋葉原の2駅だけは,例えば神田発だと神田~秋葉原~御茶ノ水~神田の2.9km140円の経路が成立し,その大回りで140円で山手線1周ができてしまいます。これは応用中の応用なので,僕も一般には山手線1周は280円と言うようにしています。

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応用中の応用,神田発の140円旅行

 こう書くと大回りはかなり特別なことに見えますが,普段の生活でも大回り乗車をしていることがあります。成田空港~新宿の間には成田エクスプレスも走っていますが,このルートは96.6kmで経路どおりの運賃は1,690円です。ところが,大都市近郊区間のルールがあるので成田から我孫子に出て,日暮里から山手線経由86.3kmの最短経路で計算できて運賃は1,520円です。この例で分かるように,大回り乗車中に特急などの優等列車や指定席を利用することも全く問題ありません。

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成田空港から新宿のルート

 このような大回りを同じ駅を2度通らないように回るのが140円旅行で,僕の家の近くの例ですが,根岸線の新杉田から磯子までの140円のきっぷでこんな旅行をすることもルール違反ではありません。これが一般に言われる,東京近郊区間大回りの乗り鉄旅行です。

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新杉田から磯子の大回り乗車 2022.4.30

 世の中にはいろいろな計算をする人がいて,インターネットのサイトを探すと最長140円旅行のルートを計算した人がいます。140円旅行の最長は常磐線の馬橋~北小金のきっぷでなんと1035.4kmも乗れるそうです。また,このルートだと発駅がこの2駅に限られてしまうので,周回ルートだと1018.4kmだそうです。周回ルートの場合はルート上ならどの駅からでも始めれられ,何年か前に僕も乗ったことがあります。

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東京近郊区間最長の140円旅行ルート

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東京近郊区間最長の140円旅行周回ルート

6.大回り乗車と140円旅行に関する誤った俗説
 このような800km超の140円旅行は1日では完結できず,どこかで夜明かしが必要になります。1日で完結しない140円旅行は終夜運転のある大晦日でないとできないのような記事がありますが,これは俗説で2つの誤りがあります。誤りの一つは,終夜運転があるから1月1日まで使えるということで,きっぷの有効期間は時計が24時を過ぎて最初の駅まででおしまいで,それ以降は継続乗車の規則に拠っていることになります。もう一つの誤りはその継続乗車に関することで,有効期限が過ぎたら可及的速やかに目的地の駅へ向かわねばならず,悠長に大回りをすることなど認められないと考えられます。

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僕が1018kmの周回ルートの大回りをした時のきっぷ。残念ながら,千葉の特別下車印は押してもらえなかった

 それではどうすれば2日がかりの140円旅行ができるかというと,私見ですが,往復乗車券を使う,です。往復乗車券であればそもそもの有効期間が2日間なので,継続乗車にはなりません。厳密には最低で280円かかってしまいますが,どっちにしろ発駅に戻らなければいけないので,必要経費でしょう。

7.140円旅行の心得
 続いて,140円旅行の心得をいくつか書きます。これまで説明したように,大都市近郊区間の大回り乗車はルール違反ではないけれども,ルールの網の目をくぐるルール違反ギリギリの行為です。このため実行するときにはそれなりの覚悟が必要と思います。車掌さんや駅員さんに誰何されたとき,適切に答えられずしどろもどろになったら,ますます不審な客と思われてしまいます。自分の正当性を適切に説明できるようにしましょう。というと難しそうですが,なんならこの記事のページを印刷して持っているのでもよいでしょう。

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140円旅行の行程表の例 2020.6.20

 昔,僕が高校生の頃は国鉄の現場がすさんでいて,140円旅行をしていたら不正乗車扱いされたとか,不正乗車ではないからお金は請求されなかったけど列車からつまみ出されたのような逸話もありました。数年前にある大きな駅のお客さま相談窓口で伺ったときには,今どき旅客営業規則157条-2を知らない社員はいません,いたらモグリですと言っていました。実際,ここ10年くらいは券面表示の区間とかけ離れたところで車内改札に遭っても,140円旅行ですと言って嫌な思いをしたことはありません。

 正当な140円旅行であることを説明するために行程表をメモに書いて,そのルートで巡っていることを説明するのが有効です。僕の場合は,最近はExcelで作って印刷し,当日は乗った車両の車号を書込んだりしますが,ここまでする必要はまったくありません。上にも一つ付けましたが,最近はスマホのGPS loggerで記録しておくというのも一つのやり方と思います。

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いろいろな改鋏印やスタンプが並んだきっぷ

 もう一つは使うきっぷで,僕は140円旅行をするときは紙のきっぷを用意します。Suicaで入場,出場すれば7円の節約になりますが,詳しい閾値などは知る由もありませんが,金額に比してあまりに長時間がかかっていると自動改札を通れないこともあるようです。そんなことなら,記念ににもなるし,初めからきっぷを買えばよいと思うのです。なお,山手線1周の神田発の例で示した発駅と着駅が同じ場合ですが,SuicaにはICカード乗車券取扱規則54条という特別のルールがあって,「実際乗車区間のIC運賃を支払う」ルールなので注意が必要です。厳密にはこの54条は一筆書き乗車を想定したものではなく,往復の場合も含めて任意の駅へ行って出場せずに戻ってきた想定ですが,これらの区別はつきません。

8.140円旅行とエキナカグルメ
 途中下車ができない140旅行では食事はエキナカで調達するしかないのですが,インターネットの情報などを見ると,エキナカグルメと題していろいろな記事があります。空腹を満たすことだけを考えればNEWDAYSでコトは足りるのですが,東京近郊区間に限ってですが,少し情報を載せます。NEWDAYSではちょっと...という向きには,ワンランク上の食材を扱う成城石井のエキナカ店舗がいくつかあり,新宿駅や東京駅は頻繁に利用しますが,川崎駅にもあるようです。

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東京駅京葉線改札近くの成城石井 2014.8.30

 エキナカの食事といえば駅そばスタンドです。日本レストランエンタープライズ(NRE)系列の「いろり庵きらく」などは多くの駅にお店がありますが,ここは敢えて地場の駅そば屋さんを楽しみたいところです。我孫子駅の弥生軒は山下清画伯が働いていたこともあることで有名ですが,メニューでもから揚げそばが有名です。この他,小山の中沢製麺は閉店,立川の奥多摩そばの中村亭,高崎の高崎弁当(たかべん)はNREの傘下入りで面白味がなくなってしまいました。

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我孫子駅弥生軒の駅そばスタンドとから揚げそば 2016.10.10

 反対に今どきのエキナカといえば東京,品川,大宮などの大きなターミナルにあるエキュートが代名詞で,食事のできるお店からお土産物や惣菜など何でも揃います。下にエキュート大宮で撮った1コマを載せますが,さながらデパ地下のようです。

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エキュート大宮風景 2014.5.5

 エキュートは大型のエキナカアーケードで目移りしてしまいます。その点,拝島のDila拝島などはドーナツのミスド,牛丼の吉野家,そばのいろり庵きらくなどがコンパクトにまとまっていて,僕は好きです。この他,Dilaは大崎と蘇我にあるようです。また家から近いので140円旅行で使ったことはありませんが,Atre大船も築地銀だこハイボール酒場があったりして,通る時間帯によっては楽しめそうです。

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Dila拝島風景 2018.4.28
 
 なお,総武本線・成田線や房総半島ですが千葉ペリエエキナカとDila蘇我以外には目立った供食施設がありません。供食施設どころかNEWDAYSも千葉支社管内には改札内にある駅が少ないので要注意です。成東は140円旅行で重要な結節点ですが,改札のすぐ先にNWEWDAYSがありますが,途中下車できないので利用したことはありません。高校生の通学時間帯に通ることも多く,お駄賃あげるからビール買ってきてと頼みたい衝動に駆られたことも一度や二度ではありません。一方,ビールを買うだけなら,房総地区では総武快速のグリーンアテンダントにお願いして売ってもらうことは可能です(直近では新型コロナ感染症対策でアルコールの取扱いを止めているようです)。

9.140円旅行の実例と旅行記
 最後に僕が実際に行った140円旅行のリンクをちょっとした見どころと共に並べておくので興味があれば参照ください。写真のキャプションがリンクになっているので,それぞれの旅行記に飛びます。
 140円旅行というとやはり東京近郊区間の外周,相模線,八高線,両毛線,水戸線です。それぞれ,丹沢の山々,秩父の山々,赤城山,筑波山など地図を片手に過行く景色を眺めるのは格別です。

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東京外周の140円旅行 2022.4.30

 また,140円旅行の観点でみると千葉県は意外と広く,房総半島1周と銚子の近くの松岸まで行くと,ほぼ1日かかってしまいます。この旅行ではおまけで武蔵野線にも乗っています。また,房総半島南部の木更津~上総一ノ宮は2021年から運転区間138.4kmの長距離鈍行になっていて,これに乗るのも楽しみです。

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房総半島と武蔵野線の140円旅行 2022.6.18

 運転日が限られますが,上手く工夫をすれば「リゾートやまどり」などのリゾート列車や,たった3駅ですがSL列車に乗ることもできます。

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大船発EL&SLみなかみ号に乗る140円旅行 2015.10.24

 鉄道好きであれば非電化区間のディーゼルカーに乗るのも楽しみです。八高線の高麗川~高崎間は東京近郊区間で唯一,140円旅行でディーゼルカーに乗ることができる区間です。

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八高線と松岸を巡る140円旅行 2016.10.10

 マニア向けに朝から晩まで乗るとなると,東京外周のほとんどと房総半島の一周を足して800km弱を乗ることができます。さすがにこれをやるとヘトヘトになり,家に帰って床に就いてもまだ揺れている感じがします。

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朝から晩まで東京近郊区間を乗りたおす140円旅行 2014.5.5(その1その2その3

 これも相模線をスキップした以外は上と殆ど変わらないルートですが,夏至の近くの陽が長い日を選んで旅行しました。記事のタイトルに決定版とつけていますが,景色を楽しむのを優先したため松岸をスキップしていますが,1日の140円旅行の行程としてはほぼ完璧です。

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陽の長い時期に決行したほぼ決定版の140円旅行 2020.6.20(前編後編

 東京近郊区間の最後はゴールデンウィークに2日がかりで行った周回ルートの最長140円旅行です。このときは千葉駅で夜明かししましたが,その時の改札係員さんはよく規則を知ったかたで,往復の片割れの乗車券を見せてなんの悶着もありませんでした。ただ,特別下車印を誂え中とのことで,途中下車印を押してもらえなかったのが残念です。なお,補遺には朝から晩まで乗りたおすモデルルートが右回り,左回りの2つついています。記事を書いた当時のダイヤで作ったものですが,今でもそんなに大きくは変わらないと思います。

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周回ルート1016kmの140円旅行 2018.4.28~29(その1その2その3補遺

 最後に新潟と仙台の140円旅行をつけておきます。回れる距離は小ぶりですが,われわれ東京人にとっては地方に出掛けて140円でいろいろな線区を巡れるのはとてもありがたいです。また地元の人にとっても,普段からよく知っているところでも鈍行列車に揺られて景色を眺めれば再発見もあるのではないでしょうか。

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新潟近郊区間の140円旅行 2017.5.3

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仙台近郊区間の140円旅行 2017.5.4

10.結び
 今日は以前から気になっていた140円旅行について,そもそものルールから実際の旅行の例まで,徹底的に解説を試みました。大阪近郊区間と福岡近郊区間の大回りに触れることができていないので,今度はそれらの線区の140円旅行にも行ってみたいと思います。この情報がサイト訪問者の皆さまの140円旅行の参考になれば望外の喜びです。(2022.9.17記)
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梅雨時にスーパーレールカーゴの写真撮りと千葉県&武蔵野線の140円旅行

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 今年も梅雨のシーズン,6月の週末はスーパーレールカーゴの写真撮りと140円旅行で1日を楽しみました。今日はそんな1日のアクティビティをご報告します。

 東京~大阪間を130km/h運転,6時間ちょっとで結ぶスーパーレールカーゴ(SRC)はこのブログでも何回か採り上げましたが,今年も陽の長くなった梅雨の土曜日,写真を撮りに出かけます。SRCで運転される50レは5:20東京貨物ターミナル着で,陽の長いこの時期でないと写真が撮れないのです。今年(2022年)も6月18日土曜日,鶴見に写真を撮りに出かけます。朝は3:30過ぎに起床,わが家最寄りの磯子駅を4:20の始発列車で出発です。

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出発はまだ暗い4:20磯子駅発の416B列車 2022.6.18(以下,特記以外同じ)

 4:45,鶴見着。この先の古市場という踏切がお気に入りの撮影ポイントです。歩いても20分前後で行けるのですが,辿り着く前にSRCが来てしまうとせっかくの早起きが無駄になるので,大枚をはたいてタクシーで移動です。去年はさあこれから仕事!という個人タクシーで深夜割増しはなかったと記憶しますが,今日はもうお疲れ,そろそろ上がりという徹夜明けのタクシーでしっかり深夜料金です。一般に深夜料金は5:00まで適用なので,今年の扱いが正ですが,気分は深夜というより清々しい朝なので,何となく損した気分になります。タクシーを使えば時間はあるので,3割高い分,3割手前で降りで,歩いて踏切に向かいます。

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50レ,スーパーレールカーゴ(安治川口~東京貨物ターミナル) @古市場踏切(以下,特記あるまで同じ)

 5:07頃,今日も定時運行でSRCはやってきます。朝焼けも青空もなく,曇り空の下ですが,お天気ばかりは仕方ありません。また,この場所は長大編成だと尻尾まで入らないのが残念なところです。せっかく早起きしたので,しばらくここで貨物列車の写真を撮って過ごします。次に来たのは52レ,福山レールエクスプレスです。福山通運のコンテナで揃ったきれいな編成なので,今日のとびらに使っています。

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EF210-312牽引の5054レ(福岡貨物ターミナル~東京貨物ターミナル)

 今日撮った全部を載せても変わり映えがしないので,以降は気になった列車の写真を載せます。5054レはEF210-300番台の牽引です。EF210-300番台は僕が呉在勤時に瀬野八用との触れ込みで量産が始まった機関車ですが,以降は全部のEF210が300番台で製作され,今では39両を数えています。運用も東京から下関までのスルー運転にも充当され,東京でも300番台牽引の列車がふつうに見られます。

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若番号のEF210-2牽引の2068レ(大阪貨物ターミナル~東京貨物ターミナル)

 2068レはEF210の若番号の2号機の牽引です。最近の全検出場車は塗装が変わって,前面の黒い部分がなく,青も少し明るい色になりました。また,見づらいですが桃太郎のロゴの左に桃太郎とお供の犬,猿,雉のキャラクターがデザインされています。ここの踏切は3Dレーザー式の障害検知装置が2セット設置されていますが,ちょうど画面の隅っこに写っています。

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たまたまやってきたEF65の単機回送

 2068レに続き,EF65の単機回送がやってきました。2096号機は元の1096号機,1978年(昭和53年)製で東京機関区に配属,ちょうどその頃ブームだったブルートレインの先頭に立って東海道を上り下りしていた機関車です。僚機は殆どが廃車になり,残っているのはこの他2097号機と2101号機だけです。東京機関区から移ってきたグループよりも,新鶴見生え抜きの2057~2091号機あたりのほうが生存率は高いようです。

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EF66牽引の1096レ(名古屋貨物ターミナル~札幌貨物ターミナル)

 6:30も過ぎ今日の鉄ちゃんも終わり近くなって,EF66牽引の列車がやってきました。100番台は1960年代の国鉄原設計のEF66を,好調な貨物需要に対応するためにJR貨物になった後の1989~91年にリピート生産した機関車です。出力3,900kWはEF210よりも大きな力を持っています。上のEF65ともども最近見る機会が減ってきたので,撮れるうちに写真に残しておかねばと思います。

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京浜東北線565A

 僕は基本的に貨物狙いですが,ここは3複線の踏切で旅客列車もひっきりなしに通ります。貨物の隙間の時間に何本かアルバイトで京浜東北線のE233系電車を撮ります。広い線路敷に幅の広い架線柱が建つので,とてもすっきりとした写真が撮れます。本来は逆光ですが,曇り空なのでちょうどよい感じです。今日の最後は「サンライズ瀬戸・出雲」です。貨物列車を集中して撮った後のせいかどうも集中力を欠くようで,ここでサンライズの写真を撮るといつも失敗します。今日も前側に中途半端に架線柱があり,お尻も切れていて失敗写真です。

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5032M「サンライズ瀬戸・出雲」 @古市場踏切(ここまで)

 古市場踏切はこの周辺では写真の撮りやすい場所で今日も何人かの趣味者がいます。今日は小学校低学年くらいの子供を連れた近所の親子もいて和やかな雰囲気です。あと1本,7:00頃に来る66レまで撮って引上げと決めていたのですが,66レは1時間以上の遅れとの情報をちょうだいします。この列車は諦め,7:00少し過ぎに,古市場踏切を後にします。

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今日の140円旅行のきっぷ

 今日はまだ早いので残りの時間は140円旅行を楽しみます。ゴールデンウィークに春の大三角形と称して相模線から八高線,両毛線,水戸線と東京近郊区間の外周を巡る旅行をしたので,今日はそのとき行かなかった千葉県を巡る旅行の予定です。きっぷはこの近くの八丁畷から磯子に帰る400円の乗車券ですが,僕は大都市近郊区間の大回り乗車を金額に係わらず140円旅行といっています。
 旧東海道の畷道由来のまっすぐな通りを東へ歩けば,10分ちょっとで八丁畷駅に着きます。ここは駅入口が京急本線にあり,直交する南武支線のホームが跨線橋という不思議な造りです。手間をとらせて申し訳ない気もしますが,京急の駅員さんに持参のきっぷに入鋏スタンプを押してもらいます。僕はこういう時に鋏を入れてもらえますか?と言いますが,しばらくすると入鋏という言葉も死語になるのでしょうか。

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1.南武線(浜川崎支線)701H 八丁畷~尻手 @八丁畷

 Suicaの簡易端末が並ぶホームに上がればほどなく701H,尻手ゆきのワンマン列車はやってきます。そろそろ更新が囁かれ始めた改造先頭車の205系2両編成です。1駅2分のチョイ乗りで尻手着,次も川崎まで1駅のチョイ乗りです。尻手で乗換え列車を待っていると,奥の貨物線ホームに川崎市のゴミ輸送の専用貨物列車「クリーンかわさき」号がやってきます。知っていれば写真を撮ったのですが,惜しいことをしました。

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2.南武線606F 尻手~川崎 @尻手

 川崎では東海道本線に乗換え品川・東京方面に上り,またまた1駅のチョイ乗りです。ここは1駅といっても緩行電車で4駅なので9分の乗車です。7:45,品川着。この先,房総方面に行くと改札内にNEWDAYSがある駅がないので,10分の乗換えの間に昼ご飯を調達します。品川のエキナカはエキュート品川というショッピングモールになっているので,駅弁の常盤軒をはじめテイクアウトのお店も充実しています。目移りしてしまうのですが,時間もないので,手近にあったリトルマーメイドでちょっと贅沢なパンにします。

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3.東海道線3622E 川崎~品川 @品川

 買い物を早々に済ませ少し早めにホーム降りて,次に乗る横須賀線列車の写真を撮ろうとカメラの準備をします。なかなか来ないなと思ってふと見ると,列車は短い11両編成で既に到着済,自分の立っている場所より随分東京側に止まっています。慌てて走ってギリギリセーフで,危ないところでした。この列車は君津ゆき,この列車に乗らないと以降の行程が成り立ちません。

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4.総武線~内房線638S~639F~2639F 品川~木更津 @木更津

 電車は新鋭のE235系です。E235系は短区間では既に幾度か乗ったことがありますが,まとまった距離を乗るのは初めてで新しい電車を楽しみます。尤も,E235系はオールロングシートで,一部にセミクロスがあるE217系の方が長時間の乗車にはありがたいです。

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小湊鐵道では里山トロッコ号をチラ見 @五井

 9:00ちょうど,小湊鐵道と接続の五井着。ホームの向こうで里山トロッコ号が発車の準備をしています。牽引する機関車はDB4という2015年製のディーゼル機関車ですが,かつて在籍した4号機関車に似せて造っただけあって,遠くから見ればSL列車のようです。

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こちらはJRのローカル線のようなキハ40 @五井

 五井では更に機関区に休むキハ40の姿も見えます。キハ40も僕にとってはうんざりするほどお世話になった車両ですが,今ではJR東日本と東海では全廃,3島会社でも一部の地域で残りは僅か,JR西日本だけは手厚く更新のうえ盛んに使用という状況です。それを懐かしむお客さんを呼び込むためか,国鉄由来の朱色1色の塗装です。控えめなKTKの社名のほかは,JR時代と変わりない外装です。例年(2021年はなかった),秋に発売されるサンキューちばパスを期待し,今度ゆっくり旅行したいと思います。

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5.内房線~外房線3129M~3228M @木更津

 快速といいながら千葉以南は巌根以外の各駅に止まって,9:21,木更津に着きます。ここからは房総半島南部の鈍行に乗換え,館山,勝浦,上総一ノ宮を目指します。接続はよく,次の列車は9:31の上総一ノ宮ゆきです。この区間は去年,2021年のダイヤ改正でE131系が投入され,日中の時間帯は木更津から上総一ノ宮の区間を1本の列車で運転するようになりました。長距離鈍行には一家言あるので,距離で138.4km,時間で3時間超の列車の誕生は嬉しかったです。

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ドア上の停車駅案内もぎっしり

 9:31の3129Mは幕張から回送で来て木更津から客扱いを始める運用なのか,千葉方面から発車の間際の入線です。お約束の足回りを入れた写真のために隣のホームで構えますが,かなり慌ただしくなります。列車に戻れば席はかなり埋まって,密回避から暫くは立っての乗車です。

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青堀では上りのE131系の鈍行と交換

 君津では先ほどまで乗っていたE235系に追いつき,内房線を南へと進みます。君津から先は単線になり,青堀ではさっそく上り列車と交換です。この辺りは工場立地と税収が絡むのか僕の嫌いな平成の大合併は進まず,木更津も君津も富津もそれぞれが独立の市です。この先,上総湊から暫くは東京湾・浦賀水道がきれいな区間ですが,今日は雲が重たい海の景色です。海の写真を撮ろうと右側の車窓を見ていたら,竹岡駅のホームにはサルがいました。とっさのことで上手く写真が撮れなかったのが残念です。

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竹岡~浜金谷では東京湾がよく見える

 フェリーが出る浜金谷を過ぎると,少し水道の幅は広くなり,手前の海岸線には鄙びた漁港が点在します。房総の内海の景色を堪能し,10:36,館山に着きます。木更津~上総一ノ宮間の鈍行は9本あり,館山や安房鴨川,勝浦で長時間停車がある列車では3時間半以上かかりますが,この列車は最速の2時間59分で結びます。このため,館山での停車も僅かです。館山から九重,千倉の間で房総半島最先端の峠を越え,海は外房の海,太平洋になります。

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房総半島南部の漁港 @岩井~富浦

 線区としては安房鴨川まで内房線が続きますが,外房海岸になり海は岩場や荒々しい波が目立つようになります。11:09発の江見では上り列車と交換,2130MはE131系2本併結の4両編成です。JRとしては適正な輸送力に調整するための2両ユニットのE131系投入のはずですが,最南端のローカル区間では2両でも十分,北の方の木更津や上総一ノ宮の近くではそれなりの混雑で,輸送力の調整は難しそうです。

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江見では4両編成の2130Mと交換

 11:19,安房鴨川着,ここでも停車時間は短くすぐの発車です。この先,勝浦,御宿あたりまでは,温暖な南房総の気候と,太平洋の海の幸に温泉も出て,リゾート地が続きます。御宿を出ると線路はやや内陸寄りになり,海は見えず,意外と豊饒な田畑の車窓になります。

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外房に入ると海は荒々しくなる @江見~太海

 大原では7分止まって,下りの特急と交換です。やってきた特急は貫通路付,特急らしくないいかついお顔のE257系5両の身軽な編成です。その向こうにはいすみ鐡道のローカル然とした黄色い気動車も見えます。

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大原では「わかしお7号」と交換

 難読駅の東浪見(とらみ)はなぜかホームに案山子(かかし)が何体かいて,列車を見送ってくれます。東浪見から3分でこの列車の終点,上総一ノ宮に到着です。短い2両編成で座席定員が少ないことを除けば,内房線から外房線,乗換えなしの長距離鈍行は140円旅行にも嬉しい列車です。

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案山子の見送る東浪見駅風景

 上総一ノ宮での接続もよく,9分で京葉線回りの東京ゆき快速に乗換えです。列車はワインカラー帯のE233系10両編成ですが,折返しの時間は短く,6分でエンド交換をして発車です。上総一ノ宮を出た列車は八積,茂原と各駅に止まって上ってゆきます。京葉線に入る列車は快速といっても京葉線内のみ快速,総武線に入る列車は外房線内にも通過駅のある快速です。茂原を過ぎるとベッドタウンらしくなり,車窓に住宅地が目立つようになります。21分の乗車で13:00,大網に着きます。

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6.外房線4210A 上総一ノ宮~大網 @上総一ノ宮

 次に乗るのは九十九里海岸に沿って総武本線の成東と外房線の大網を結ぶ東金線で,途中に駅は3つ,全線でも13.8kmのローカル線です。最近は大網から千葉へ直通する列車も増えて,これから乗る1647Mも千葉始発です。千葉方面から東金線に入る列車は,もとの外房線のルートを通って東金線のホームに入ります。大網駅はかつては東金線方面に線路が繋がっていて,外房線列車はスイッチバックする形で茂原方面に向かっていました。これにより,内房線~外房線を1周しても編成の向きが変わることはありませんでした。スイッチバック解消のおかげで速達性や利便が向上しましたが,編成の向きが変わると厄介なのか,今は房総半島を1周するような列車の設定はありません。

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7.東金線1647M 大網~成東 @大網

 大網を出た列車は左にカーブしながら,旧大網駅だった保線基地を通過し,北を目指します。僕の記憶では,線路変更後も随分長い期間旧大網駅の駅舎などが残っていましたが,今はきれいに再整備されています。東金線の線路は真っ直ぐで田んぼの中を進んでゆきます。というのが昔からの印象ですが,最近は農業人口が減少しているのか,休耕地が目立つようになったような気がします。

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東金線の車窓。鷺のような鳥の休む緑地は休耕地の様子 @東金~求名

 17分の乗車で14:48,成東着,ここでは駅本屋側の切欠きホームの0番線に着きます。ここでも接続は24分です。本気で東京外周の140円旅行をするなら究極のよい接続を求めますが,今日は千葉を巡るだけなので,ゆったりとしたスケジュールで進みます。14:00ちょうどごろ銚子ゆきの353Mは到着し,上りの特急「しおさい10号」と交換して発車です。

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8.総武本線353M 成東~松岸 @成東

 総武本線もこの先は九十九里海岸に沿って進みますが,きれいな砂浜や海が見えるわけでもなく,東金線と似たような景色の中を走ります。本来ならこの時期は水を張り田植えが終わった田んぼの中を進みますが,休耕地が眼につくのは東金線と同じです。飯岡~倉橋間で坂を登り,海岸の平野部から段丘の上に出ます。

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飯岡~倉橋間で坂を登って段丘上に出る

 風力発電の風車を見ながら進めば,今日の目的地の一つ,松岸に着きます。松岸は,佐倉で別れた総武本線と成田線が再び合流する所です。松岸で面白いのはホームの配置で,駅舎前の下り線に面したホームが3番線,跨線橋を渡った上り線と成田線が使う島ホームが2,1番線です。国鉄~JRでは一般に駅舎(駅長事務室)に近いほうから1番線2番線とする慣わしなので,この付番は例外です。しいて言えば,総武本線と成田線なので線路名称的に格が上の方を1番線としたくらいしか思い当たりません。

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松岸は駅舎前の玄関ホームが3番線

 松岸でも接続は24分,時間に余裕があるので改札にいた年配の駅員さんに訊くと,自分も長くいるけど分からない,千葉支社管内には結構例外も多いとの由です。話好きなかたでSL,タブレット時代の久留里線の話など,いろいろ昔話を聞かせていただきます。15:12の454Mに乗れば,今日の行程全体から見れば帰りのスタートです。

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9.成田線454M 松岸~成田 @大戸

 松岸を出ると左手の丘の上には風車が立ち並び,太平洋から吹き付ける風の多い所であることが分かります。その先も両側の車窓は田んぼが多く,意外と千葉は米どころであることを感じます。 

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左の丘には風車が立ち並ぶ @松岸~椎柴

 また,松岸から成田の近くの滑河まで線路の右側には利根川が沿っているのですが,堤防が高いこともあり川沿いを実感する景色は少ないです。

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笹川~小見川では川が見えるがこれは黒部川という支流

 水郷の入口の佐原では今日は何かイベントがあったのか千葉県のマスコットキャラクターのチーバくんが駆り出されています。慌てて撮った1枚が下ですが,チーバくんは正面から見るとふつうのクマだか犬のような恰好をしています。横から見た姿が千葉県の地図に似せてあるのは承知していましたが,正面の顔は知りませんでした。

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佐原ではチーバくんを見かける

 松岸から1時間15分の乗車で16:27,成田着,ここでは同じ成田線ですが運転系統の異なる我孫子ゆきに乗換えです。16:38,成田を出た列車はこれまでと同じような利根川を右手に見るルートを辿ります。木下(きおろし)あたりで利根川がちらりと見える場所があったと思い目を凝らしますが,陽も暮れかけた曇り空でシャッターチャンスはありません。反対の左の車窓も印旛沼や手賀沼がちらりと見えるのですが,以下同文で写真には恵まれません。

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10.成田線874M 成田~我孫子 @成田

 成田からの帰りは東京駅や品川に出ると復乗になって140円旅行として成立しなくなるので,最低限新宿を回って中央線から帰らないといけません。そういえば武蔵野線は東京近郊区間の外周でもなく,中途半端な位置を環状運転しているので最近乗っていません。今日の行程は時間に余裕があるので,新松戸~府中本町を武蔵野線で行く計画にしました。

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11.常磐線(緩行電車)1740S 我孫子~新松戸 @我孫子

 17:20,我孫子に着けば,次は新松戸に向けて緩行電車で上ります。ここはATOによる自動運転導入区間で,それも面白いのですが,ATOは運用開始早々にレポートしたので今日は大人しくかぶりつくだけにします。

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12.武蔵野線1726E 新松戸~府中本町 @新松戸

 武蔵野線は国鉄時代に貨物輸送の都心への集中を分散するために計画されたバイパスルートです。僕が高校生の頃の1978年に新松戸~西船橋が延長開業しましたが,旅客列車は少なく下校時間帯は40分間隔程度の運転でした。船橋から志木まで通うクラスメイトもいましたが,乗れば早いけど列車がないから都心を回っても変わらないとぼやいていました。

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13.南武線1854F 府中本町~武蔵小杉 @武蔵小杉

 その後も用事があればときどきは乗っていましたが,まとまった距離を通して乗った記憶は少ないです。沿線は東京から放射状に伸びる各線との乗換え駅周辺は宅地化が進んでいましたが,中間の区間では畑も多く,まさしく武蔵野の野原を行く印象でした。一方,昭和の後年の鉄道建設公団製の線路なので複線で高架主体,高規格路線の印象でもあります。

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14.湘南新宿ライン2551Y 武蔵小杉~横浜 @武蔵小杉

 改めて時刻表を繰ると今の武蔵野線は10分間隔で列車が並び,列車によっては京葉線経由東京駅直通で隔世の観です。口さがない人は,府中の東京競馬場に始まり船橋競馬場まで,競馬に競輪,ボートレースとギャンブル施設を繋いで走るギャンブル電車とも呼びます。そんな武蔵野線に新松戸~府中本町まで1時間ちょっと乗れるので結構ワクワクしていたりします。

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15.根岸線1861A 横浜~磯子 @磯子

 実際に乗ってみると土曜日の夕方で人の動く時間帯,ちょっと密を心配するくらいの入りです。程なく日が暮れて景色は見えなくなってしまいますが,目を凝らして各駅を観察します。久しぶりに乗ったら気に入ってしまい,今度また昼間にカメラを持って貨物列車の写真を撮りに来たいと思います。

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今日の行程表

 武蔵野線は他線との接続駅での人の入替わりが多く,混んではいても座れないということはありません。しかし,今日は気分もよく,乗務員室扉の小さな窓からかぶりつきを続けます。夜になってしまいましたが各駅の造作などもメモして,今度,写真を撮りに来る際の参考にします。そんなことで結局,かぶりつきのまま府中本町まで来てしまいます。

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今日のGPS log

 府中本町からは武蔵小杉,横浜で乗換え,朝に通った尻手をかわしつつ自宅最寄りの磯子へ戻ります。帰りに武蔵野線で遠回りしたとはいえ今日は基本的には千葉県を1周する140円旅行でした。締めてみれば,朝の八丁畷から時間で13時間ちょっと,距離で516.1kmの大旅行でした。

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5月の連休に行った春の大三角形の140円旅行との重ね合わせ

 上にも書きましたが,僕はゴールデンウィークにも相模線から水戸線までの東京近郊区間外周を巡る140円旅行をしました(そのときの記事はこちら)。そのときの行程と今日の行程を重ねると上のとおりで東京近郊区間の要部を巡ったことになります。上手く行程を考えれば1泊2日で1枚の140円きっぷで旅行することも可能なのですが,2回に分けて行った方が昼間主体で景色も楽しめるし,身体もラクだしで,100倍よいと思います。そう頻繁には行けませんが,これからも時間を作っては140円旅行を楽しみたいと思います。(2022.8.4記)

2022年5月連休のアクティビティ1--春の大三角形の140円旅行

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 今年のゴールデンウィークはカレンダーの並びがよく,僕の勤め先の会社は10連休です。一方,うちの家族はゴールデンウィークのような時期は密のリスクといろいろな物価が高いので出歩かない方針です。そうは言っても10日間も家から出ずにいたら蒸れかえってしまうので,奥が勤めの日はお金のかからない外出で気を紛らします。お金のかからない外出の最たるものは140円旅行で,昔からゴールデンウィークには幾度も140円旅行に出かけています。始発から終電までとか最長ルートに挑戦するほどの意欲もないので,今年は程々の時間に出て無理なく回る気楽な140円旅行を計画します。

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今日の行程表

 このブログにおいては140円旅行は頻出語でほとんど常識ですが,念のために一言で解説しておきます。JRのきっぷのルールに,東京近郊区間から出なければ同じ駅を2回通らない限り経路は自由に選べるというルール(旅客営業規則157条2大都市近郊区間内相互発着の乗車券の選択乗車)があります。これを都合よく拡大解釈し,改札から出ずに両毛線や水戸線を回って140円で行けるお隣の駅に戻ってくる乗り方を僕は140円旅行と呼んでいます。140円旅行について詳しく知りたい方は,こちらの記事を参照ください。

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今日のきっぷ

 本当に気楽な140円旅行は140円のきっぷを買って,時刻表を持たずに行き当たりばったりで旅行することだと思います。しかし,八高線や両毛線は列車が少なく,下手をすると次の列車まで1時間以上あるなんてこともあります。また,時刻表を繰って,乗継ぎを組立ててゆく,その作業が面白いのです。なので,僕の場合はどうしても事前に行程を検討しての旅行になってしまいます。今回は東京近郊区間の外周を相模線,八高線,両毛線,水戸線と辿って戻ってくる行程です。

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出発は根岸線621B列車で @新杉田 2022.4.30(以下,全て同じ)

 決行は(2022年)4月30日土曜日です。以降は実際の行程に沿って書き進めてゆきます。今回の140円旅行は自宅最寄りの磯子駅のお隣,新杉田駅からスタートです。こうすればきっぷは新杉田~磯子の140円1枚だけで済むので,節約のため新杉田駅まで歩くことにします。きっぷを買う時間も考え早めに家を出たら,意外とすんなりとコトが運び,1本前の列車に乗ることができます。今度も乗った列車は全て写真を撮るつもりです。磯子駅のホームに止まる根岸線列車の写真はこのブログに何枚もありますが,新杉田は初めてです。新杉田は半分より磯子がたは真っ直ぐ,洋光台がたはカーブしていてなかなかに写真を撮りづらいホームです。

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第2ランナーは東海道線変1831E @大船

 横浜の南の丘陵地を築堤,堀割,トンネルと鉄橋で結び,13分の乗車で大船着です。東海道線ホームに行けば連休の土曜日で臨時の「踊り子」退避で,1831Eという列車が止まっています。茅ケ崎までの区間も予定より1本早い列車で進みます。スタートしたばかりで元気なので先頭の車両でかぶりつきをしますが,今日はお天気も良く富士山までよく見えています。

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東海道線からは富士山もよく見える @辻堂~茅ヶ崎

 8:48頃,茅ヶ崎着,ここで相模線に乗換えです。磯子駅から140円区間のきっぷで140円旅行をする場合,往きか帰りのどちらかに相模線を通らなければならないのですが,それが億劫で,往きも帰りも横浜がたに出る(その場合は磯子から東神奈川ゆきの210円のきっぷが必要)ことが多いです。今日は時間もあるので久し振りの相模線です。相模線は去年の11月にE131系が投入されたので,E131系での相模線の初乗りの意味もあります。

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第3ランナーは相模線963F @南橋本

 相模線ホームに行けば963Fは既に入線していて,クハE131-581を先頭にした4両編成です。581?えらく大きな車号だと思いじっくり見ると,この電車は走りながら線路の状態を確認するモニター装置搭載車で80番台のようです。調べると相模線用のE131系500番台は12本で車号81の1本だけが線路モニタリング装置搭載,82番は準備工事だけのようです。客室内にはモニタリング装置の搭載によって床下からあふれた機器を収容するスペースがあり,その部分は窓も小さいのが特徴です。どうでもよいことですが,12本のうちの1本にあたったので少しハッピーになります。

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線路モニタリング装置搭載車の車内と外観

 9:06着の上り列車を烏帽子岩のモニュメントのところで撮って(とびらの写真)列車に戻り,9:07時刻表どおり橋本ゆき発車です。相模線は単線電化ですが,意外とダイヤは密で,多くの駅に交換の設備があります。この列車は日中の等時隔ダイヤへの移り変わり時間帯のせいか,倉見,寒川と交換列車もないのに4,5分ずつ止まります。左側の車窓は近くに相模川が流れるのでその堤防越しに初めは富士山,寒川あたりからは丹沢方面の山々がよく見えます。下溝で相模川とはお別れになり,川より多少東寄りに進路を変えて段丘を登ります。

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相模線から見た丹沢の山々 @下溝~原当麻

 今日も乗った列車は全て写真を撮る考えですが,相模線各駅のホームは205系,E131系4両編成にピッタリの長さで,ホーム端に余裕がなくて写真が撮りづらいです。やっと南橋本でホーム端の足場,停車時間とも余裕があり,この列車の写真が撮れます。

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第4ランナーは横浜線905K @橋本

 10:13,橋本着。11分の接続で横浜線の八王子ゆき列車に乗換えです。橋本から八王子は4駅11分の行程ですが,相模川水系から多摩川水系への分水を越え,相原~八王子みなみ野間には985mの新相原トンネル(下り用,上りの相原トンネルは367m)もあります。片倉の先で京王線をオーバークロスし,左カーブを切って中央線と合流すれば終点八王子です。

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八高線は小宮~拝島で多摩川の本流を渡る

 10:35,時刻表どおり八王子着,4分の接続で八高線1071E川越ゆきに乗換えです。今日の行程のなかで一番のネックの乗換えで,ここを過ぎれば後の行程は比較的安心して旅行できます。八王子を出ると次の北八王子では早速,上り列車と交換です。小宮の先の多摩川本流を渡る鉄橋は終戦直後にSL牽引の客車列車同士が正面衝突するという大事故が起きた場所ですが,ここから見る上流側の景色は東京とは思えない緑豊かな川の景色で,いつも写真を撮りたくなります。

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拝島はエキナカの供食施設が充実

 10:52,列車は時刻表どおり拝島に着きます。ここでは9分止まるので,階段上のコンコースに上がりゆっくりします。拝島はそんなに大きな駅ではないですが,Dila拝島なるエキナカアーケードがあります。ミスタードーナツ,牛丼の吉野家,駅そばのいろり庵きらくなどのお店があり,改札口から出られない140円旅行では押さえておくべきポイントです。今はとくにお腹は空いていませんが,今日もドーナツを2つばかりおやつ用に調達します。

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東福生~箱根ヶ崎では横田基地をかすめて走る

 拝島を出ると,車窓から見える区間は僅かですが右手に米軍の横田基地が広がります。東福生を出ると,僅かな区間ですが左手にも基地関係者の住宅が並ぶ中を走り,瞬間,日本離れした風景が広がります。更に滑走路端を擁壁越しにまわると箱根ヶ崎に至ります。箱根ヶ崎からは丘陵地になり,金子の手前では入間茶の茶畑が広がります。

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箱根ヶ崎~金子では茶畑の横を行く。この辺りが多摩川,入間川の分水

 金子の手前にサミットがあり,金子駅は埼玉県,荒川水系入間川の流域です。金子からは東飯能に向けて下り勾配になり,ステンレスの電車は軽やかな刻み音をたてて転がってゆきます。丘陵地から飯能の街中に出たところで線路は入間川の鉄橋を渡りますが,ここへ向かう築堤からは秩父の山並みがきれいに見えます。

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入間川の谷の向こうに秩父の山々を望む @金子~東飯能

 終戦直後といえば1947年にはこの先の東飯能~高麗川間の小さな峠(鹿山峠というらしい)の下り勾配で速度超過で制御を失った列車の客車3両が築堤から転落する事故も起きています。この2つの事故は戦後国鉄の5大事故に入る事故で呪われた八高線という人もいたようですが,終戦直後という時代と大都市と地方の狭間という八高線の立地が少なからず関係していたと思います。

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第5ランナー八高線1071Eと第6ランナー八高線235Dが並ぶ @高麗川

 さて,旅行のほうは11:26,時刻表どおり高麗川着,6分の接続で高崎ゆき235Dに乗換えです。高校弓道の試合があるようで,大きな和弓を持った高校生が大勢いて賑やかです。この区間は東京近郊区間の大回り乗車で唯一,気動車列車に乗れる区間です。連休中の今日は,帰省や行楽のお客さんに乗り鉄風の旅行者もいて車内は混雑していますが,何とかデッキ近くのロングシート部分に座れます。車窓は気動車になってもあまり変わらず,新緑のきれいな丘陵地を登ったり下ったり,鉄橋で川を越えたりしながら進みます。小川町で一度,東武東上線と顔を合わせますが,別の谷筋を進み折原~寄居間で荒川の本流を渡ると寄居です。

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折原~寄居間で荒川の本流を渡る

 寄居を出ると急に車窓が開け,関東平野の肥沃な田園地帯を走るようになります。松久駅近くを流れる天神川は利根川水系で,先ほど寄居の手前で渡った荒川とは水系が異なりますが,分水を越えた感じはしません。12:28,児玉着,ここで上り列車と交換です。児玉はこの辺りの郡名でもあり,割と大きな駅ですが,児玉町は平成の大合併で2006年に本庄市に吸収されたそうです。

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児玉で。割と大きな明るい駅舎が残る

 丹荘と群馬藤岡の間で神流川を渡ると群馬県に入り,右手の車窓遠くには赤城山が見えるようになります。高崎線と合流し,八高線にしかホームのない北藤岡,線路戸籍上の終点,倉賀野と止まって,13:00,高崎着です。高崎までで142km,行程の3分の1を消化です。時間もよいので,駅そばで昼食にします。ホーム上の地場の駅そばスタンドは天ぷらが売切れ,やむなく階段上コンコースの八起家にします。ホームより1段高い所にある,いろり庵きらく似のお店はお値段も少しお高いようです。

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高崎駅のホーム案内板

 高崎はJRの支社もある交通の要衝ですが,昔からホームの使用が一定でなく,同じ路線でも列車によって使うホームが異なります。以前,高崎駅のホーム時刻表--出入りする全線の列車が書かれた大きなもの(参照はこちら)--をアップしたので,今日は各線の発車ホームの案内板を上げます。

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第7ランナーは両毛線変755M @高崎

 高崎では37分あるので売店も覗き,家への土産のお菓子などを買います。ここから小山までの両毛線は区間の距離が91.7km,乗車時間も1時間46分あり,ゆっくり列車の旅が味わえる区間です。高崎を出て高いビルの谷間を抜けると浅間山が見えるようになります。5月の連休のこの時期では北側の斜面にはまだ雪が残っています。10分ちょっとで新前橋着,ここは大きな車両基地で,リゾートやまどりが連休なのに昼寝しています。

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ビルの間から浅間山を望む @井野~新前橋

 新前橋までは正式には上越線ですが,ここから線路名称上の両毛線になります。両毛線は線路名称上は東北線グループに属し小山が起点ですが,運転上は高崎主体になっていて,上り列車が奇数番号を名乗る奇偶逆転の線区です。上越線を左に分けたあと暫くの間,白銀に輝く上越国境の山々を遠くに見ることができます。高架の線路を進むと県庁所在地--JTB時刻表で四角表示--前橋です。

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上越国境の山々が白銀に輝く @前橋あたり

 前橋あたりからは左手の車窓に赤城山が広がります。赤城山は高さこそ1,827mでそんなに高くはありませんが,たくさんの峰が連なり,裾野も広く存在感あふれる山です。

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多くの峰からなり存在感ある赤城山 @駒形~伊勢崎

 左手に赤城山,右手は先ほど走ってきた利根川の拓いた平野を見て,14:23,桐生着です。わたらせ渓谷鐡道は今日は信号トラブルがあったとかで列車が遅れ,ちょうど到着列車が来ます。桐生発の所定は14:27ですが,この列車を受けて僅かに遅れての発車です。

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桐生ではわたらせ渓谷鐡道の列車を受けて発車

 桐生の先,小俣までの間の小さな川を渡ると栃木県です。この先のあしかがフラワーパークは5月の連休は藤が見ごろで,各地から臨時列車が運転されます。単線の両毛線は臨時列車の運転で時刻変更が行われています。14:54,そのフラワーパーク最寄りのあしかがフラワーパーク駅に到着です。2年ぶりの行動制限のない連休ということもあり,大勢の行楽客が乗ってきます。

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あしかがフラワーパーク駅の賑わい

 15:00過ぎ,佐野着。ここから岩舟までの1駅間だけなぜか両毛線は複線になります。岩舟の駅前には,赤城山とは違った存在感の岩舟山が車窓前方から左手に見えます。岩肌むき出しのギザギザ山ですが,左の奥の方の切れ込みはどんなことであんな山容になるのでしょう。

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複線の線路の先に岩舟山が見える @佐野~岩船

 15:18頃,東武日光線と接する栃木着。右手の車窓には関東平野が広がり,天気がよければ遠くに富士山も見える区間ですが,今日は手近な筑波山くらいしか見えません。15:28頃,列車は終点の小山に到着です。元々の予定では小山で13分あったので,今日2杯目のそばを食べるとか,駅ナカショッピングを計画していましたが,時刻変更で8分しかないので,慌ただしくトイレに行ったり夕酌のビールと肴を買ったりで過ごします。

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第8ランナーは水戸線755M @下館

 小山から水戸線755Mに乗換え,交直両用のE531系電車で友部を目指します。小山を出ると小田林との間には栃木・茨城県境と直交セクションがありますが,E531系では電灯が消えることもありません。右手の車窓には筑波山が近づいてきて,男体山,女体山からなる特徴的な山容を現します。

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真岡鐡道の「SLもうか」号 @下館

 15:58,下館着。下館では2分止まります。隣の真岡鐡道のホームは「SLもおか」号がちょうど着いたところでごった返しています。せっかくなので自分もホームに出てSL列車と賑わう様子の写真を撮ります。今日は焼き物の町・益子で陶器市があり,SL列車はヘッドマーク付きで運転されたようです。

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水戸線からは筑波山がきれい @下館~新治

 下館から先も右手の筑波山はきれいで,新治あたりが一番見ごろと思います。その後も水戸線は筑波山の裏側を巡るように走りますが,岩瀬あたりからは加波山がより近くに見えるようになります。岩瀬で上り列車と交換のあと,お稲荷さんで有名な笠間を過ぎれば終点友部はまであと僅かです。

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水戸線後半は加波山を見ながら進む @羽黒

 16:41,友部着。東京近郊区間外周,大三角形の旅はバックストレッチの行程を終え,概ね3分の2完了です。ここからは常磐線で一路東京へ戻る旅です。友部駅を歩いていると上りの通過列車があるようなのでカメラを構えると,勝田の国鉄特急色のE653系が走ってきます。後で調べると,勝田から大宮を武蔵野線経由で走った「青の絶景ネモフィラ号」で,少し傾いた柔らかな日差しを受けてよい写真が撮れました。

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国鉄特急色E653系で運転の「青の絶景ネモフィラ号」 @友部

 臨時列車の運転で時刻変更があり,これから乗る常磐線426Mは2分繰下げでの運転です。この列車も心地よい日差しを受けての到着で,滅多にやらないですが,隣のホームから写真を撮ってから乗車します。

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第9ランナーは常磐線変426M @友部

 行程全体から見れば消化試合に近い行程ですが,前側にボックスシート2両のE531系は快適です。常磐線からも右側遠くには筑波山がよく見えます。増結車連結と特急退避の土浦で2分の時刻変更も吸収です。我孫子からは緩行電車も並走するようになり,小田急やメトロの車両が眼を楽しませます。

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常磐線からも筑波山がきれい。手前のホームは高浜駅

 東京スカイツリーが間近かに見えれば終点も近いですが,上野を目前の北千住で2度目の特急退避です。3分ばかり余計に止まって,18:41,時刻表どおり上野駅,高いホームの10番線に着きます。上野では18:50の1929Eを予定していましたが,要領よく乗換えができ,1本早い18:42の1625Eに滑り込みます。

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第10ランナーは東海道線1625E @横浜

 横浜でも接続はよく,11分遅れで横浜線から来た1814Kに乗ることができ,わが家最寄りの磯子には19:32の到着です。朝の新杉田から11時間12分,426.8kmの大旅行でした。140円旅行というと,ついたくさん乗りたくなってしまうのですが,最初にも書いたように今日は程々の行程で,ヘトヘトになることもなく楽しい旅行ができました。

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第11(最終)ランナーは根岸線1814K @磯子

 140円旅行では改札口から出ることもできず,電車に乗っているだけで楽しいの?とはよく訊かれる質問ですが,過ぎゆく山,川を見ているだけでも結構楽しいものです。高校時代によく一緒に旅行した友人に列車に乗る旅に行くときは地図を持って行けと教えられ,窓外の景色に興味を持つようになったのが始まりです。

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今日の行程のGPS log

 今日は東京近郊区間周遊全体でいえば「その1」です。常磐線より東側,銚子の近くの松岸から房総半島方面が「その2」にあたる訳ですが,近いうちにこちらも旅行して,2022年版東京近郊区間140円旅行を完成させたいと思います。(2022.6.4記)

2021年ダイヤ改正のおさらいに千葉への140円旅行・後編

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前編から

 2021年3月のJRグループのダイヤ改正で,千葉地区では常磐緩行線のATO(自動列車運転装置)運転開始とE131系投入による房総半島南部の列車体系の変更の2つのトピックがありました。4/4(日)はこれらのおさらいに140円旅行で現地に行ってきました。後編は房総半島南部の鈍行列車のスタートである上総一ノ宮到着からをご報告します。

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上総一ノ宮のホーム風景 2021.4.4(以下,全て同じ)

 大網から乗った外房線列車は通勤タイプのE233系10両編成,日曜日の昼の車内は空いています。12:32,終点の上総一ノ宮で中線の2番線に到着すれば,長い10両編成から吐き出されたお客さんの多くが,その先,大原,勝浦方面の列車に乗換えます。接続する外房線3239Mが今回のダイヤ改正で設定されたE131系使用の木更津ゆきです。ダイヤ改正から1か月経っていないので,ホームでは案内の腕章を巻いたJR社員が新しいワンマン列車の案内にあたっています。ホームに降りたときは10両から2両に減って大丈夫?乗り切れるのかな...と思いましたが,座席定員よりすこし少ない程度の乗りです。尤も,密を嫌う今のご時勢では,日曜日の真っ昼間でこれなので,平日の下校時間帯などは少々心配になります。

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外房線3239M~内房線3138MのE131系電車 @上総一ノ宮

 さて,期待のE131系電車とのご対面ですが,新しい電車は気持ちよいですが,それ以上のものでもありません。無理して探せば,側面の2色の帯と同じ色の前面の水玉模様がカワイイです。前編で書いた乗務員保護設計で広々とした運転台周辺,その場所を確保するためにオフセットした扉と4人しか座れない最前部座席は首都圏のE233系と変わりありません。E233系のような高運転台ではないので,幕板部が妙に広い運転台側面窓は,自分の印象ではJR四国のN2000系気動車のようです。

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E131系の運転台。使っていないエンドで撮影

 運転台はE233系同様の左手操作のワンハンドルマスコンで,その上側に重要計器の圧力計と速度計の2連のメーターと各種の表示灯,正面やや右には液晶の表示画面の構成です。E233系では運転台を囲むように3連の液晶画面が装備されますが,コンパクトにまとめざるを得ないのは正面貫通方式の宿命でしょう。窓の上部にも2つの液晶画面があり,これらは駅でのホーム確認や車内のモニター用と見ましたが,どのような使われ方をするのかはチェックを漏らしました。トンネルが多い区間を走るため,運転士さんがいるほうの運転台はカーテンを下ろしているのです。

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E131系の先頭部と車内の車号表示。次世代ステンレス車両sustinaブランドを名乗る

 車内はロングシート主体ですが,クモハ,クハとも連結面寄りの扉の間に1つだけボックスシートがあり,長距離の旅行ユースにも配慮した設計になっています。僕の感覚では,20m4扉車よりも新潟地区用のE129系のような20m3扉車の方が適切と思いますが,ホームドア設置などを考えて編成によりドア位置が異なるのを嫌ったものと思います。

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E131系のトイレ部分

 車端にはトイレが設置されていて,最近のJR東日本の電車に多い円弧型の扉の巨大なサイズです。幕張の209系はときどきとんでもなく汚いトイレにあたったりしました。これは配置区の責任ではなくむしろ被害者と同情しますが,きれいに使ってほしいものです。

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E131系の運転室回り。ワンマン運転だが運賃箱の設備はない(後ろ側で撮影)

 また,編成両数が減ったので列車はワンマン運転になりました。現地に行ってびっくりしたのですが,E131系には運賃箱の設備がなく,運転士はドア扱いのみで,運賃収受はしません。全ての駅に駅員を配置すればこれでもとくに問題はありませんが,房総半島南部の区間では無人駅も多いようです。最近はSuicaが普及したので各駅に簡易型端末を置けば運賃はいただけると判断したのでしょうか。そういえば千葉地区は昔から組合が強い地区,乗務員の組合が運賃収受業務を拒否したのでしょうか。尤も,運賃収受をした場合,精算に時間がかかって定時運転が維持できないとか,高額紙幣の対応が難しいなどもありそうです。

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車内に掲出された「ワンマン列車をご利用いただく際のお願い」

 海外では無人駅もワンマン運転も多いですが抜き打ちの検札を行い,無札を発見したらとんでもなく高額を請求をすると聞きます。利用者の良識に期待するといえば聞こえはよいですが,ある程度の取りこぼしは織込んでいるのでしょうか。旅客営業規則を改訂するなどして,この区間だけでも海外のような制度とすればよいと思います。

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駅に掲出された「新型車両デビュー」のポスター

 E131系の運転区間周辺の各駅には新型車両デビューとワンマン運転開始のポスターが掲出されていますが,運賃収受に関して触れておらず,今一つ歯切れが悪いです。

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3239M~3138Mの停車駅案内。画面に入りきれないほどの数

 さて,この3239Mですが,上総一ノ宮発は12:40,終点の木更津着は16:10で,138.4㎞をちょうど3時間半で走り切ります。外房線・内房線の日中の列車は大体がこの区間の運転で,列車により3時間1分~3時間34分で走ります。従来は209系の4,6,8両編成だったものがE131系2両編成になりました。北のほうではそこそこ混んでいても,南のほうではガラガラで輸送力過剰だったので,2両で編成の組めるE131系はその解消を狙ったものでした。

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いすみ鉄道の黄色い気動車を見れば大原

 12:57,いすみ鉄道の黄色い気動車を見て大原着,ここで多少まとまった降りがあります。その先,御宿を過ぎると車窓に太平洋が見えるようになります。さらに13:12着の勝浦でもお客さんは減り,この辺では2両編成でも空席が目立つようになります。お天気がよければ海がきれいなのですが,今日はあいにく雲が重たい車窓です。

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勝浦~鵜原で。なぜか外房線の車窓はここで撮ったものが多い

 13:41,安房鴨川着,列車はここで18分止まります。この列車は君津での27分以外は長時間停車が少ないので,ここでは駅の構内をウロチョロして,140円旅行を楽しみます。菜の花がきれいそうな春先ですが,観光客は少なく駅も静かです。駅舎前のホームには14:06発の「わかしお14号」が発車の準備をしていますが,お客さんはまばらです。

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「ようこそ安房鴨川駅へ」のシーワールドの展示も寂しげ

 13:59,列車番号が3138Mに変わり,内房線の列車となって出発します。1両に海,山1こずつ,編成でも4つしかないボックス席の1つを占拠しかかりましたが,発車間際に幼稚園くらいの男の子とお父さんの2人連れが来て,ボックス3人掛けになります。密でもあるし,気づまりなので,ガラガラの車内のあちこちで気ままに過ごします。地図で見るとリアス式の海岸線が細かく入り組んでいるのは江見あたりまでです。

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細かく入り組んだ海岸線は江見まで @太海~江見

 江見では5分ほど止まって,下り列車と交換,この時に撮った写真が今日のトビラの写真です。江見から先は地図で見た海岸線は多少なだらかになり,線路は少し内陸側を走るようになります。線路が太平洋岸を走るのは千倉までで,その先,館山までの2駅間で房総半島最先端の野島崎の付け根を峠で越します。14:41館山着,南欧風の瀟洒な駅舎のターミナルですが,この列車は短い停車で先を急ぎます。

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千倉~館山はふつうの里山風景 @九重あたり

 14:50着の富浦は南房総市の代表駅(JTBの時刻表で◎表示)ですが,市という雰囲気ではありません。天気がよければ左後ろの遠くに伊豆大島の島影が見えるのですが,今日の曇り空では夢のまた夢です。なお,地図で測ったら,大島までは50kmありませんでした。この先,上総湊までは穏やかな内房の海がよく見える車窓です。

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内房海岸の穏やかな入江 @岩井~安房勝山

 15:08の浜金谷は久里浜とを結ぶ東京湾フェリーの接続駅,山の陰にフェリーがちらりと見えます。この辺りは東京湾の入口が一番狭くなっている浦賀水道で,いつもは対岸の横須賀火力発電所の煙突がよく見えます。冬の朝には富士山を見た憶えもありますが,今日は雲のなかです。また,浜金谷の駅ではパラリと雨も降ってきました。

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入江の向こうに東京湾観音が見える @竹岡~上総湊

 入江の向こうに東京湾観音が見え,15:18,上総湊に着きます。この先も内房線は海岸近くを走りますが,このような入江の景色は見納めになります。マザー牧場のある佐貫町を過ぎ,線路は丘陵地の中を走りますが,地図によれば左手の丘の上に先ほどの観音像は立っているようです。また,その先の大貫,青堀は房総地区によくある薄い水色に塗られた木造駅舎で,よい雰囲気です。

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君津では総武快速を先に出す

 15:35,君津着,ここで列車は27分の大休止です。隣のホームには4分の接続の15:39発久里浜ゆき4574Fが止まっていて,殆どのお客さんは乗換えます。E131系の旅のスタートの上総一ノ宮も8分の接続でしたが,終点側も東京直通列車に接続していて大変便利なダイヤです。磯子に帰る僕としては久里浜ゆきに乗れば楽ちんなのですが,長距離鈍行は始発から終点まで乗り通したいので,泣く泣く4574Fを見送ります。

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更に土休日運転の「新宿さざなみ2号」にも道を譲る(ピントが合ってません,失礼)

 この列車は君津での27分の間に総武快速ばかりか特急の退避も行います。こちらは再度,列車の写真や,上に載せたサイドビューやトイレの写真,駅のポスターを撮ったりで時間を過ごします。16:02,君津を出れば,8分で列車は終点の木更津に着きます。君津と木更津の2市を合わせると20万人以上の人口があり,工場街のせいはありますが,7.0kmにわたって途中に駅がないのは意外です。

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君津では再度,お約束の床下を入れて。左下は最終区間の車内表示

 16:10,木更津着,房総半島を半周する3時間半の長距離鈍行の旅は終了です。2両編成で輸送力が小さいのが少々難点ですが,ダイヤも工夫されて使い易くなりました。何度も乗っている区間ではありますが,今日も楽しい乗り鉄の旅でした。今度は天気のよい日にまた訪れたいと思います。雨のほうも大休止の間に本降りになってきました。

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木更津からの内房線176Mは在来の209系 @木更津

 木更津に着けば5分後の16:15に君津始発の千葉ゆきがやってきます。この列車で蘇我まで上ります。最初に行程を計画したときは総武快速で千葉から成田に入る行程だったので,帰りは京葉線経由の行程としました。後から常磐線経由に変えたので,京葉線経由の必然性はなくなったのですが,帰りの行程は変えていなくて京葉線経由です。蘇我ではすぐの接続の東京ゆきがありますが,1本おとして17:02の快速にします。

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京葉線1734A(エンドチェンジ前に撮影) @蘇我

 蘇我では最悪,駅そばを食べる計画でしたが,昼のパンで満足し,家までお腹は持ちそうです。蘇我には小規模ではありますがショッピングモールDilaがあるので,千葉土産などを買って京葉線の快速に乗込みます。

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雨に煙る千葉港 @千葉みなと~稲毛海岸

 雨に煙る東京湾岸を眺めながら,京葉線を上り,17:45,東京駅に着きます。東京駅では長い連絡通路を通って八重洲南改札に出て,きっぷに無効印をもらいます。ここの無効印は赤レンガ駅舎を模した巨大なものです。知人の情報では「散歩の達人」誌にも取り上げられていたそうで,ちょっと有名なスタンプのようです。

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今日のきっぷ(前編に出したものの再掲)

 今日はきっぷの都合でどうしても東京駅での下車が必要だったことも,京葉線選択の理由です。総武快速だと多分,グリーン車でビールを飲んでゆっくりして,降りるのが面倒になってしまいそうです。東京駅からは東海道線,根岸線を乗継いで磯子には18:47に帰り着きます。磯子でも風景入りの無効印をもらって出場です。

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帰りの列車2つ。東海道線1597E @東京,根岸線 1679C @横浜

 朝の出発が6:58だったので今日の行程は概ね12時間,距離は495.9kmでした。この位の乗車時間,距離だとヘトヘトになることもなく,気分よくまる1日旅行したなと思います。140円旅行では既に行ったことがある場所が多く新鮮味が欠けるのが難点ですが,今日はダイヤ改正での新しい話題の線区だったので充実の1日でした。

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今日のGPS log。往路の東京駅までが457.6km,復路分を足した合計は495.9km

 ところでJR東日本千葉支社は毎年秋の行楽シーズンの10,11月に「サンキューちばフリーパス/乗車券」を売ります。名前が似ていて紛らわしいですが,パスは千葉県内での発売(東京湾フェリーの利用を想定し,久里浜駅でも発売)で3,980円,乗車券は都区内発往復付きで4,790円です。千葉県内のJR線の他,県内の主な私鉄4社や房総方面の路線バスが2日間フリー乗車できます。この商品は前から気になっているので,今年の秋はこのきっぷでゆっくり千葉を楽しみたくなりました。また,パス提示でレンタカー50%割引の特典もあるので,味のある駅舎を訪ねるドライブもよさそうです。先のことは分かりませんが,こういう楽しみを持つことで,明日の仕事の労苦も乗り越えられそうです。(2021.4.25記) 

2021年ダイヤ改正のおさらいに千葉への140円旅行・前編

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 今年(2021年)も3月第2土曜日の13日にJRグループの全国ダイヤ改正が行われました。今回のダイヤ改正は,コロナ禍に伴う最終列車の繰上げや減便など異例のことが多いダイヤ改正でしたが,地味な話ではありますが千葉地区では2つの目玉がありました。上手く組み合わせれば140円旅行でも行けるので,3現主義とばかり,現地を訪れてみました。東京周辺は3/21(日)までは緊急事態宣言,4/12(月)からはまん延防止等重点措置の対象地域に指定されているので,その隙間をついての旅行です。そういう輩が出歩くから感染拡大が止まらないとも思いますが,空いた列車に乗っているだけなら,撒く方ももらう方もリスクはあまり高くはないと思います。

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今日の行程表(右はあわせて準備した平日ダイヤ用)

 さて,2つの目玉ですが,一つは常磐緩行線でATO(自動列車運転装置)運転を開始,もう一つは房総半島南部の外房線,内房線にE131系電車投入です。ATO自体は古くは昭和30年代からの技術だし,地下鉄では今ではふつうに使われている技術ですが,地上を走るJRでの導入は今回の常磐緩行線が初めてです。E131系の方は,この新形式の電車の投入により,上総一ノ宮~木更津間138.4kmを3時間半かけて走る長距離鈍行が設定されました。長距離鈍行には一家言あるので,是非とも乗りに行きたいと思ったのです(ライフワークの長距離/長時間鈍行リストはこちら)。

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今日のきっぷ。自宅最寄りの磯子から東京駅往復

 今日の旅行に用意したきっぷは自宅最寄りの磯子から東京駅までの往復きっぷです。このブログでは何度も大都市近郊区間大回り乗車を140円旅行といって説明しているので詳細は省略しますが,磯子から常磐線我孫子,成田を回って銚子の近く松岸へ,東金線経由大網に出て房総半島をぐるりと回って東京駅までの「の」の字乗車が往路,復路はふつうに帰るルートです(140円旅行の詳細についてはこちらを参照ください)。

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6:58,自宅最寄りの磯子駅を出発 @磯子 2021.4.4(以下,同じ)

 決行したのは4/4,日曜日です。前の週の3/28は雨の予報なのでパス,次の4/11は甲府へ墓参りの予定済,その次の4/18はマンションの管理組合業務が予定済と意外と出掛けられる日がありません。この日も木更津で夕方から雨の予報でしたが,これを逃すと行ける日がなくなりそうなので,僕にしては珍しく傘を持っての出発です。磯子駅に着けば,上のきっぷとともにNEWDAYSでお昼のパンも買っておきます。今日の行程は接続がよく,この先ずっと4~7分の乗継ぎが続くので,ここを逃すと食べ物が調達できない惧れがあるのです。

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停車駅案内は蒲田→大森間の表示

 磯子から乗った列車は636B,磯子の留置線から出区の列車です。どういう仕組みか知りませんが,制御装置が蒲田出区と勘違いしているようで,案内放送は次は大森などととぼけたことを言っています。こういう現象にあたるのは初めてではありませんが,どういう間違いで起きるのでしょうか。また,復旧にも時間がかかるようで,2つ目の山手でやっと正常になりました。

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東海道線1530E @品川と常磐線781H @上野

 横浜では4分で東海道線の上り列車に,上野では5分で常磐線の快速列車に乗換えです。どちらも勝手が分かった駅なのでロスなく行動してちょうどよい乗換えです。また,この先,成田まではトイレのない車両が続くので,上野東京ラインの間にトイレも済ませます。8:14,松戸着,最初の目玉の常磐緩行線に乗換えです。

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松戸~我孫子は東京メトロの16000系で @松戸

 常磐緩行線の4番線にゆき,程なくやってきた電車は東京メトロの16000系です。本当はJR車を期待していたのですが,後の行程がつかえているのでこの列車に乗ります。行程計画時に参照した「トレたび」では松戸を8:19の我孫子ゆきと小田急線上での列車番号の6000レまでで,どこの編成かまでは分からなかったのです。最初のひと駅は運転席後ろにかぶりついて,ATO運転の操作を見学します。

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ATOによる運転操作の様子。右下は2連のATO出発ボタン

 駅に停車した状態では,ブレーキは通常の駅停車時の位置にありますが,扉が閉まって知らせ灯がつくと,ブレーキを緩めて中立位置に戻します。この電車は左手操作のワンハンドルマスコンなので,右手では手許のATO出発ボタンを押します。最近のATO出発ボタンは誤操作防止のため2つ並んでいて,同時に押すそうです。運転操作はこれで完了,あとは電車は自動で加速し,適切な速度になったらノッチオフ,駅が近づけば自動でブレーキがかかり,停車位置にピッタリ停車です。電車が止まったら,運転士さんの操作で転動防止のためブレーキ位置にハンドルを置いて,一連の操作完了です。松戸から我孫子までの8駅に乗りましたが,どこも加速,減速ともスムーズで,少なくとも雑な運転操作をする運転士よりはだいぶ乗り心地もよい印象でした。

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常磐緩行線では少々恥ずかしいけどかぶりつき

 2駅間くらいで運転操作をゆっくり見学した後は,どこかにアップする訳でもないのですが,運転室風景の動画を撮ります。いろいろな角度で写真を撮ったり,かぶりついたりで,運転士さんには図々しいヤツだと映ったことでしょう。この場を借りてお詫びします。さて,常磐緩行線ですが,多分,北千住~取手間に踏切は1か所もなく,乗入れ先の東京メトロでは2018年からATOを使っていて全ての電車にATO装置が搭載済と,ATOを使用するための条件が整っていました。JR東日本はここでの自動運転の知見を蓄積して将来のドライバレスを目指すとしています。今でも新交通システムなどでは無人運転がふつうに行われていますが,それは軌道が独立していて線路を支障するリスクが少ないからできること,自然のなかを走り,踏切もある一般の鉄道でドライバレスが実用化されるのは当分先と思います。

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我孫子駅のトイレは工事中で現在は仮設の設備

 鉄道趣味のなかでも運転に関する分野はとくに好きなので,JR線でのATO運転は楽しみにしていましたが,乗ってしまえばあっけないものです。20分で8駅を見学すれば,8:39に我孫子に着きます。我孫子では7分の乗継ぎの間にトイレを済ませたいと思いますが,従来,橋上駅舎のコンコースにあったトイレは改修中で,仮設のトイレは東の端の8番線との案内です。また,この先改札の中に売店がある駅は当分--多分,夕方の蘇我まで--ないため,お菓子やビールを買っておきたいです。から揚げそばで有名な弥生軒の売店がホーム上にあるのですが,日曜日の朝のためかシャッターが下りています。 

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成田線835M @我孫子

 我孫子からは成田線835Mで成田を目指します。我孫子~成田間の成田線は各駅の周辺では宅地化が進んでいますが,駅の中間部では農地も多く,まさに近郊路線です。30分ヘッドの列車の半分は上野直通の10両編成,残りの半分は線内折返しで5両編成と,列車により輸送力がアンバランスなのも成田線の特徴です。天気がよければ右手には手賀沼が光って見えるのですが,今日はあいにくの天気でよく見えません。線路の左手には利根川があるのですが,地図を見て知っているからの感想で,車窓からは土手は見えても川が見えるところは少ないです。

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印旛沼のほうを望むが湖水はよく見えない @安食~下総松崎

 成田が近づくと右手には印旛沼が見えますが,こちらも天気が悪く,湖水が光っているようなことはありません。運転席後ろで車窓と前方を交互に見ていると,踏切障検の特殊発光信号が点滅しています。かなり余裕のある位置なので,列車は常用ブレーキで停車します。幸い成田での乗継ぎは14分ありますが,短い乗継ぎでは気を揉むところです。指令へ列車無線で報告の後,徐行運転で少し先に進みます。踏切も見えていて,とくに支障はないようですが,パトカーも来て物々しい雰囲気です。踏切非常ボタンが操作されたため現場検証が必要なのか,運転士さんも列車から降りて現場に行き,随分と復旧までに時間がかかるものです。

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下総松崎の手前では踏切安全確認で暫く停車 @成田街道踏切

 段々,時間がなくなってきて接続が心配になりますが,約12分の停車で,現場を発車します。下総松崎では上り列車と交換しますが,すぐの発車です。

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成田駅の場内信号機。下総松崎方からもどのホームに行けるよう

 ちょっとした林があってアクセス線の成田湯川駅の横を抜け,いかにもジャンクションらしい場内信号機を過ぎれば成田です。只今9:38で,踏切安全確認で遅れて気を揉みましたが,なんとか9:41の銚子ゆきには間に合いそうです。

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成田線2437M @成田

 銚子ゆきの2437Mは,成田線A?の上り列車も遅れていてその到着を待ち,2,3分遅れての発車です。滑川は自分としては記憶に残る踏切事故のあったところですが,地図を見ると慰霊碑が建っているそうです。ブログ原稿を書いていて知ったので,今度行ったときは手を合わせましょう。この事故は過積載のダンプカーと列車が衝突し運転士さんが亡くなった事故ですが,この事故以降,過積載に対するコンプライアンス遵守の機運が高まり,電車のほうも乗務員脱出口が設備されるなど乗務員保護の設計が強化されました。

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成田線の沿線は穀倉地帯,遠くには鹿島・神栖の工場が見える @小見川~笹川

 成田~松岸は140円旅行で何度も通った区間ですが,利根川の流れに恵まれ肥沃な穀倉地帯で,田んぼと里山の景色が続きます。香取では鹿島線を左に分け,利根川本流を渡る長い鉄橋も見えますが,堤防が高くてここでも列車から利根川は見えません。このあたりでは利根川は真東よりはかなり南東(南南東に近い)方向に流れていて,左手には利根川の向こうの鹿島や神栖の工場の煙突も見えます。

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松岸到着,成田線列車は乗換えの便宜を図って渡り線を渡る。止まっている列車は総武本線348M

 右手に風力発電の風車が見えてくると,銚子も近いです。列車は10:50,時刻表どおり松岸に着きますが,到着ホームは渡り線を渡った2番線です。松岸からの総武線は時刻表上は同時刻の乗換え,単線区間でもあり接続をとると分かっていますが,同一ホーム乗換えは利用者に優しいです。千葉支社は意外と柔軟なホーム使用をすることが多く,これもそのよい例です。

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風力発電の風車 @椎柴~松岸

 列車は先ほどの風車を反対から見ながら丘陵地を進みますが,飯岡で平地に出て,その後は九十九里の海岸に沿って走ります。沿線は旭,匝瑳(そうさ),山武(さんぶ)と市が続き,それなりに人口も多いです。匝瑳と山武は共に郡の名前をとった市で,平成の大合併であちこちにできたわけの分からない名前の市よりはだいぶマシと思います。しかし,匝瑳はこの郡名,市名以外では見たことのない字で,もちろん常用漢字ではないし,ふつう読めません。

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東金線1642M。成東の発車は駅舎横の切欠きホームの0番線から

 11:38,時刻表どおり山武市の代表駅の成東着。ここでは10分の接続で東金線に乗換えです。成東は市の代表駅の割には小ぶりな駅舎です。改札口の先に売店が見えるのですが,途中下車はできず寂しい思いをする駅です。東金線は地図のうえでは先ほど走ってきた総武本線の延長で九十九里の海岸線に沿って走りますが,海岸線からは5km以上離れているので海は見えません。それでもなぜかここに来ると車窓の写真を撮りたくなり,いつもこの辺で撮った写真をアップしています。今日は午後の遅くは雨を覚悟の旅行ですが,いよいよ雲が厚くなってきます。

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東金線の車窓。完全な曇り空になってきた @求名~東金

 12:05大網着,ここでも接続はよく,次に乗るのは12:08の外房線,京葉線から来た快速列車です。大網の東金線ホームは外房線とは少し離れた位置にありますが,何年か前に外房線下りホームとの間に連絡通路ができ,乗換えは便利になりました。

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外房線4103A。ワインレッドの帯のE233系 @大網

 連絡通路をとおり階段なしで外房線ホームへ行くと,ちょうど乗る列車,4103Aが入ってくるところです。E233系10両編成の一番後ろは空いていて,上総一ノ宮までの暫くの間ゆっくりとします。12:32,上総一ノ宮に着けば8分の乗継ぎで外房線を下ります。この列車は今回の旅行のメインイベントなので,以降は後編につづきます。(2021.4.24記)

後編につづく

夏至近くに決定版・東京近郊区間140円旅行・後編

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前編から

 都道府県またがりの外出が解禁になった土曜日の(2020年)6月20日,東京近郊区間大回りの140円旅行をしてきました。タイトルに決定版と書きましたが,非電化の八高線,東京近郊区間外周の両毛線,水戸線を通って,房総半島をめぐる約700㎞の大旅行です。今日はその後編,千葉県に入った我孫子から房総半島を1周して横浜に帰るまでをお届けします。この行程は帰りの総武線で市川の先,江戸川を渡るまで全部千葉県で,関東地方1都6県を考えると少々バランスが悪いです。

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8.成田線853M 我孫子(13:16)~成田(13:58) 32.9km 累計 392.6km

 我孫子駅で名物のから揚げそばで腹ごしらえをした後,最初に乗るのは成田線の成田ゆきです。この列車は上野始発の快速で,10両編成がローカルな単線区間に乗入れます。土曜日の昼下がり,車内はガラガラ,ちょっとお出掛けの家族連れが数組いる程度で,穏やかな時間が流れています。線路の右には手賀沼が広がるはずですが,家並みが途切れず,湖面を見ることはできません。湖北から安食あたりは利根川に沿って東へ走り,堤防が見え隠れします。安食の先では印旛沼の近くを通りますが,注意して見ないとそれと気づかない程度です。

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安食~下総松崎では印旛沼がかすかに見える

 木立ちが深くなって藪の中を進むうちに成田スカイアクセス線と交差します。スカイアクセス線の成田湯川駅も程近くに見えるのですが,こちらの線路に駅はありません。その先,左に右に小さなカーブが続き,終点成田に着きます。

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9.成田線4340F 成田(14:15)~佐倉(14:28) 13.1km 累計 405.7km

 成田では17分の接続で,14:15発の快速東京ゆきに乗換えます。この列車は成田~佐倉の2駅13分のチョイ乗りですが,大事な用事があります。我孫子の弥生軒の売店が空振りだったので,グリーン車のアテンダントからビールを買うのです。3号車から乗ってさっそく4号車の控室に赴くと,残念ながら今はCOVID-19対策でアルコールの販売は休止中だそうです。

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10.総武本線1357M 佐倉(14:33)~成東(14:59) 21.6km 累計 427.3km(エンド交換後に撮影)

 佐倉では5分の接続で14:33発の総武本線の成東ゆきに乗換えます。この電車は幕張の209系6両編成ですが,この先6本ずっと同じような電車が続きます。幕張の209系は元の京浜東北線ですが,4両または6両に短編成化の際に両端のクハをボックスシートにしたほか,2号車のモハ208にはトイレも設置されました。セコハンではありますが,乗り鉄としては好ましい装備で,以来,房総への140円旅行が楽しくなりました。

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総武本線も佐倉以東では田んぼが増え里山の景色

 26分の乗車で成東着。ここでは15:37の東金線まで38分の時間があります。成東は山武市の中心駅ですが,駅裏は田畑というか休耕地というか緑の野原が広がっています。時間に余裕があるので,昨日ネットで注文を入れた茂原のピザーラに確認と時間遵守懇請の電話を入れます。開け放たれた駅舎の窓の向こうにはNEWDAYSも見えますが,途中下車ができない身なのでビールはお預けです。電車を待つ高校生のお嬢さんに手間賃出すからと言ったら,買って来てくれるでしょうか。

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成東駅風景。「NEWDAYSあります」と

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11.東金線650M 成東(15:37)~大網(16:09) 13.8km 累計 441.1㎞

 東金線は駅舎横の0番ホームからの出発です。駅を出ると右にカーブし,九十九里の海岸に沿って走りますが,海岸までは10㎞位あるので海は見えません。東金では上り列車と交換,6分止まります。大網の旧駅跡の保線基地を過ぎて右に築堤上に上れば終点,大網です。

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東金線から九十九里海岸方向を見る @福俵~大網

 大網では12分の接続で16:09の茂原ゆきに乗換えです。12分は乗換えは乗換え時間としてはほどほどですが,この間に大網駅の内外を見分して回ります。東金線と外房線のホームに挟まれた駅前広場には小湊鐡道のバスが2台止まっています。よく見ると左の1台は富士重工製の2段窓,幕の方向幕と相当な年代物です。

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大網駅で。左の富士重工車は相当な年代物

 大網からは外房線を房総半島の先端に向かって下りますが,列車は茂原ゆきです。この列車は通学時間帯のためか209系4+4両の8両編成です。

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12.外房線265M 大網(15:57)~茂原(16:22) 11.4km 累計 452.4km

 16:22,時刻表どおり茂原着,ここでは大事なひと仕事です。茂原のピザーラに頼んだデリピザを受取るのです。念のため,時間指定は16:25ですが,配達の担当のピザーラくんはぴったり時間どおりにやってきました。改札の中と外を分ける柵はこういう荷物の受渡しを避けるためか二重のタイプでちょっと焦ります。ピザーラくんは全然臆することもなく,大丈夫,届きますよと応じてくれます。代金を払って,アツアツのピザを受取り,茂原でのミッション完了です。そういえば,confirmの電話のときに聞いたのですが,ピザーラではアルコールの取扱いはないそうで,今夜の晩酌は絶望的です。

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13.外房線267M 茂原(16:38)~安房鴨川(18:04) 59.0km 累計 511.5km @大原

 茂原からも209系の外房の旅は続きます。前々回の去年(2019年)の正月の140円旅行のときは1時間早い列車に乗り,この辺で夕暮れを迎えています。今日は陽が長いので,まだまだ景色が楽しめます。ただ,朝の快晴よりはずいぶん雲が出てきて,陽射しはなくなってしまいました。

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大原では「わかしお18号」と交換。E257系モノクラス5両の身軽な編成

大原では10分止まり,上りの特急と交換です。大原には木原線改めのいすみ鉄道が乗入れ,駅の売店が充実していた記憶ですが,ここでも途中下車はできずビールは買えません。仕方なく,缶コーヒーを買って,夕食のピザの共にします。大原を出ると海岸線が近づき,御宿からは海も見えるようになります。

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外房の海はなぜかいつもここの景色です @勝浦~鵜原

 空模様はあいにくですが,外房の海をばっちり眺め140円旅行は続きます。かぶりついて前を見たり,右手に広がる海を見たり忙しくするうち,列車は18:04,安房鴨川に着きます。

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陽があればまだまだ明るいはずだが...間もなく安房鴨川に着く

 安房鴨川では2分の接続で,内房線の館山ゆきに乗換えます。ホームを渡るだけなので2分でも余裕の乗換えです。列車は209系4両編成ですが,E131系の投入もアナウンスされたので,この次来るときは2両編成かもしれません。

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14.内房線3136M 安房鴨川(18:06)~館山(18:49) 33.5km 累計 545.0㎞ @南三原

 南三原を過ぎると線路は少し海から離れ,千倉からは峠越えになります。この間に,まだ多少は温かいうちにピザを半分ばかり食べてしまいます。

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15.内房線1122M 館山(18:51)~千葉(20:34) 89.7km 累計 634.7km

 館山でもまたまた2分の接続で,内房線の千葉ゆきに乗換えます。雲はいよいよ厚くなりますが,海岸線近くは晴れてかすかに夕焼けが見えています。館山から先,海は東京湾ですが,遠くに見える島影は伊豆の大島です。記事の最後につけた地図を見ると分かりますが,ここから大島は50kmもありません。

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夕焼けに大島の島影が浮かぶ。写真ではよく分かりません。夕食は温かいピザ

 内房海岸を陽のあるうちに乗るのを目標に今日の行程は組立てましたが,ぎりぎりの情勢になってきました。久里浜へのフェリーの出る浜金谷を過ぎ,竹岡~上総湊では浦賀水道がよく見えます。対岸の横須賀火力発電所などの灯りがよく見えますが,写真はISO12800の感度をもってしてもブレブレです。

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浦賀水道の対面に三浦半島の街の灯りが見える
(参考:天気がよければ後ろに富士山も見える 2017.12.29)

 夕暮れの内房を楽しめばあとは家に帰るだけの消化試合です。ピザの残りをいただき,小遣い帳をつけたり,メモを書いたりで時間を過ごします。館山ではガラガラだった列車も千葉が近づくと混んできて,五井あたりからは立っているお客さんも現れます。

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16.総武線1902F~1903S 千葉(20:42)~品川(21:33) 46.0㎞ 680.7km

 列車は時刻表どおり20:42に千葉に着きますが,千葉駅では大忙しです。トイレに行って,ビールを買って,家に土産のピーナツ最中を買ってを8分でこなさなければなりません。千葉駅は長いこと工事をしていましたが,2年位前に新装なって駅ナカが充実しています。時間も少々遅いし,夕食も済んでいますが,ようやくビールにありつくことができます。

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17.京浜東北線2033B 品川(21:41)~東神奈川(22:05) 20.2km 累計 700.3km

 千葉からの1903Sは横須賀線に乗入れるのでそのまま乗っていれば横浜まで行くことができますが,今日のきっぷは東神奈川ゆきです。面倒ではありますが,列車を品川で捨て,京浜東北線で東海道を下ります。横須賀線でそのまま行った場合,東神奈川駅は通りますがホームはなく,否応なしに横浜駅まで連れていかれてしまいます。一般には特定の分岐区間の区間外乗車(旅客営業取扱基準規程149条)というルールがあって,横浜から東神奈川に戻ることはOKですが,今日の行程では既に1度,横浜~東神奈川を乗っているのでNGです。一方,今日の行程で横須賀線で横浜で降りてしまえば,磯子~横浜間の170円でOKという説もあります。以前にそのきっぷでの140円旅行の経験もありますが,気持ちが悪いし,今日は「決定版」ということもあり安全サイドで行動します。

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おまけ.根岸線2021A 東神奈川(22:15)~磯子(22:32) 11.3km @磯子,引上げの準備中 

 今日1日,乗った列車は全て時間どおり走って,22:05予定どおり東神奈川着です。日本の鉄道の運行は正確ですが,こういう日もまた珍しいです。確かに外出自粛解禁直後の週末で,混乱要因が少ないことはありますが,JR東日本の関係者も立派です。東神奈川ではきっぷに無効印をもらい,帰りのきっぷで改札を入り直して,帰途に就きます。

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今日のGPS log(拡大はこちら

 22:15の磯子ゆき列車に乗れば22:32,自宅最寄りの磯子駅に着いて,本日の旅程完了です。乗って来た電車も今日の仕事を終え,ねぐらの磯子電留線に引上げてゆきます。今日の列車が全て定時運行だったことは上に書いたとおりですが,その他も何の混乱もなく旅行でき,今日の無事に感謝です。「決定版」として,陽のあるうちに八高線をはじめとする東京近郊区間の外周路線に乗ること,外房,内房の海の景色を楽しむこともまずまず達せられました。内房の海の天気がちょっと残念でしたが,時刻表を繰っていたら総武本線で「しおさい」を使うことで,1本前の内房線に乗れることが分かりました。次回はこの行程を楽しみにしつつ,筆をおきます。(2020.7.7記)

夏至近くに決定版・東京近郊区間140円旅行・前編

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 都道府県またがりの外出が解禁になった土曜日の(2020年)6月20日,東京近郊区間大回りの140円旅行をしてきました。タイトルには決定版と書きましたが,これぞ140円旅行というべき行程です。東京近郊区間の外周と房総半島を両立し,内房の海を陽のあるうちに通るためには,陽の長い夏至近くの時期に決行するしかありません。実はこの行程は去年から予定して行程表まで作ったのですが,去年のこの時期は週末になると雨で,実行しないままになっていたのでした。今年の初夏はCOVID-19禍で外出自粛となり気を揉みましたが,外出自粛令も解けたので,早速の旅行になりました。

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出発は夏至前日でも日の出前。駅への道中で 2020.6.20(以下,全て同じ)

 最初に今日の行程について少し解説しておきます。今日の行程は非電化の八高線から両毛線,水戸線と東京近郊区間の外周を回った後に千葉県に入り,外房線,内房線で房総半島を巡る行程です。八高線から水戸線の外周と房総半島を陽のある時間帯に回るのは陽の長い時期だからできることです。八高線の列車が少ないため,高麗川6:58の227Dに乗るのが必須になります。磯子のわが家からの場合,東神奈川4:54の横浜線の始発に乗るとぎりぎり間に合います。東京近郊区間の外周というと相模線に乗りたいところですが,端折らざるを得ませんでした。個人的には相模線は電化されて久しい,電車はトイレのない205系,県内なのでいつでも行けるということでここを捨てるのは抵抗ありません。八高線の後は両毛線,水戸線,常磐線と回りますが,高崎9分,小山13分,友部3分は乗継ぎとしてはかなり良い部類に入ります。以前,東京近郊区間の外周をめぐる行程を検討したことがありますが,相模線,八高線,両毛線,水戸線,房総半島の全てを満たす行程は成り立たず,外周の4線のうち1つは捨てざるを得ないようでした(そのときの記事)。

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今日の行程表

 成田に出た後は,佐倉経由で成東に出るか,松岸経由で成東に出るかが選べます。距離を稼ぐなら松岸経由にすると68キロ延びますが,東金線が1時間後の列車になります。以降の行程も1時間遅れになりますが,何とか磯子まで戻ることもできます。しかし,陽のあるうちに内房に達するのがこの行程のポイントなので,今日は佐倉経由を選びました。景色の見えない夜の列車は疲れるばかりだし,今朝は朝も早いので,これで十分です。

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今日のきっぷ

 次に今日のきっぷですが,僕は大都市近郊区間大回り乗車を140円旅行と呼んでいますが,きっぷは140円が必須ではありません。今日の行程は相模線に行けないので,磯子発とすると磯子~東神奈川が復乗になってしまいます。このため,磯子発,東神奈川を通って,ぐるりと回って東神奈川に戻ってくるまでの逆「の」の字乗車が220円の片道乗車券です。大回り旅行後,東神奈川から帰ってくるためのきっぷも要るので,これも220円,両方を往復乗車券で用意しました。なお,逆「の」の字乗車で大回りをすると,尻尾の付け根までの磯子~東神奈川間が220円なので,大回り分はまるまるタダ?の勘定になります。キツネにつままれたような話ですが,大都市近郊区間大回り特例(旅客営業規則157条2)と営業キロ等の計算方(同68条)からはこう解釈するしかないのです。

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1.根岸線418B 磯子(4:32)~東神奈川(4:49) 11.3km

 前置きが長くなりましたが,出発は磯子4:32の根岸線上り2番列車,大宮ゆきです。ちなみに1番電車は4:20の大宮ゆきで,僕の知る限りでは桜木町4:18発に次ぎ日本で2番目に早い1番列車です。駅に着いてきっぷを買ったり,トイレに行ったりしているうちに陽も昇り,毎度おなじみの上り列車@磯子駅の写真を撮ります。梅雨時ではありますが,今日は天気もよく,1日楽しめそうです。

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2.横浜線403K 東神奈川(4:54)~八王子(5:49) 42.6km 累計 53.9km

 東神奈川では横浜線の始発の403Kに乗換えます。八王子まで55分間トイレがないのがつらいですが,時刻表をよく見るとこの列車の後に小机始発があり,小机以北ならトイレに行って1本おとしても八王子で予定の行程に追いつけます。ネットの時刻表検索ではこういう列車ダイヤの全体感が分からないので,僕は紙の時刻表を放せません。

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小机~鴨居。横浜線の富士山スポット

 今朝は天気がよく,家から駅への道々では東京湾の向こう側,市原,姉ヶ崎界隈の工場群がよく見えました。横浜線のちょっと有名な富士山スポットでは富士山が見えます。雪もかなり減った今の時期では,この辺で富士山が見える日は少ないです。今日は八高線の金子あたりまで,富士山を見ることができました。

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3.八高線669E 八王子(6:08)~高麗川(6:54) 31.1km 累計 85.0㎞。左は改造の銘版

 55分の乗車で5:49,八王子着。ここでは少し時間があって,19分の接続で八高線669E高麗川ゆきに乗換えます。八高線の電車は最近更新が進み,今日の編成は青森で改造したE231系3000台です。小宮~拝島では多摩川を長い鉄橋で渡ります。左手後ろにはまだ富士山が見えていますが,鉄橋上からは上手く撮れませんでした。

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小宮~拝島で多摩川を渡る

 拝島を出ると米軍横田基地をかすめて走り,東福生~箱根ヶ崎では基地の住宅の中を走ります。箱根ヶ崎からはローカルな景色になり,新緑のきれいな山の中になります。金子~東飯能は7分もかかりますが,ここで多摩川水系から荒川水系への分水を越えます。分水嶺というよりはちょっと丘を越える感じですが,考えようによってはかなり強引な線路の引き方です。

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金子あたりで。茶畑の向こうに富士山が見える

 東飯能へ向けての坂を下る区間では,視界が開けると左手に秩父の山々を望むことができます。冬は雪をいただいた山がきれいに見えるところです。

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金子~東飯能で。遠くに秩父の山々が見える

 6:54高麗川着,路線名は引続き八高線ですが,運転系統が分かれているのでここで乗換えです。高麗川からは今日の行程で唯一の気動車列車,キハ110系の2両編成です。トイレの心配もなくなったので,コーヒーを買い,持参のパンで朝食にします。外出自粛解禁になったと言っても土曜日の朝の車内は空いていて,最初はロングシート部分でしたが途中からは4人掛けのボックスを占拠できる程度の乗りです。

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4.八高線227D 高麗川(6:58)~高崎(8:27) 65.3㎞ 累計 150.3km

 7:24,小川町着,東武東上線と接するこの駅で8分止まります。東上線のホームを見るとセイジクリームに復刻塗装された8000系が見えます。僕は高校の3年間,志木に通ったので,東武東上線といえばこの色です。初めてお目見えした時は,東武もお金がなくなって,遂に下塗りだけで出場したと思われたそうです。

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小川町で。東武81111F

 この東飯能から寄居までの区間は八高線の白眉ともいえる区間で,右に左にカーブしながら入間川をはじめとする荒川の各支流を越えて進みます。寄居の手前では大きな鉄橋で荒川の本流を渡ります。

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寄居の手前で荒川を渡る

 寄居は八高線,秩父鉄道線,東武東上線が集まる交通の要衝ですが,七福神もあり町歩きも楽しそうです。列車からは寄居・日本(やまと)の里ルートなる看板も見え,なんとも大きく出たものです。

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寄居の観光案内板

 寄居を出ると急に車窓が開け,関東平野の西のヘリを進むようになります。大抵の田んぼは田植えが済んでいますが,コロナ禍で人手が集まらなかったのか,今日,田植えをしている田んぼもいくつかあります。

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寄居~用土で。今どき手での田植え風景は珍しい

 寄居の先は用土,松久と新しい駅舎の駅が続きます。何年か前に140円旅行で来た時に気づいたのですが,2駅とも円を多用した変わった意匠です。とくに松久のほうは丸い駅舎のほかに山小屋風の駅舎もあって,不思議なつくりです。また,用土~松久間は関東平野を淡々と走る感じですが,この間に荒川と利根川の分水があります。尤も,調べるとこの2つの川は流路が安定せず,長い歴史の中ではくっついたり,工事で流路を変更したりで,もともと分水のような概念は乏しいようでした。

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用土(左)と松久(松久)の駅舎

 関東平野の車窓を楽しむうち8:16,北藤岡着。ここはホームは八高線にしかありませんが,高崎線と合流し,終点高崎まであと僅かです。約1時間半の気動車の旅は終わり,次は今日の行程中で1番長いレッグの両毛線です。439Mは通学輸送も一段落の時間帯ですが,211系3+3両の輸送力列車です。高崎周辺の列車は最近になって211系1色になりました。東京,上野口で211系を見なくなって久しいので,地元ではボックスシート,国鉄型の115系の方が評判が良かったのでしょうか。

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5.両毛線439M 高崎(8:36)~小山(10:24) 91.7km 累計 242.0km

 両毛線439Mはガラガラで,ぐんまワンデー世界遺産パスをぶら下げた乗り鉄風の男性,140円旅行と思しき3人組の男の子などが目立ちます。列車は今度は関東平野の北辺に沿う形で東を目指します。前橋から伊勢崎にかけては赤城山が左手に広がります。冬場であれば,上州名物かかあ天下とからっ風が寒いですが,今日は穏やかな晴れ間が広がります。

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両毛線から見る赤城山 @伊勢崎

 小俣からは栃木県になりますが,渡良瀬川の段丘上を走る列車では県境を越えた感じはありません。足利市内のあしかがフラワーパーク駅は2年前の2018年4月の新設駅です。この問題は直近の3月のダイヤ改正で解消されましたが,あしかがフラワーパークと隣りの富田駅は0.9㎞しか離れていないにもかかわらず190円!の特定運賃が設定されていたそうです。僕は特定運賃解消のプレスで知りました。今日のフラワーパークは名物の藤も終わり,開園しているのかも分からない閑古鳥です。

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あしかがフラワーパーク駅

 左手の車窓には日光から尾瀬や那須へ連なる山々が見えますが,雲がモクモクと出てきて梅雨らしい景色です。

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富田~佐野で。左手の山々には雲がたくさん

 10分少々で列車は岩船に至ります。岩船駅前の岩船山は前回,両毛線に乗ったときにその独特な山容が興味を惹きました。調べると,日本3大地蔵の一つの高勝寺というお寺が建つ信仰の山で,東日本大震災のときには山の形が変わるほどの崩落があったそうです。それほどの山なので,列車から見ても,岩がごつごつ,印象に残る訳です。

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岩船山 @佐野~岩船

 10:24,列車は時刻表どおり小山に着きます。小山では程よい13分の接続で水戸線に乗換えです。小山の駅そばは紅生姜天が名物で味も良かったと記憶しますが,今日は昼もそばの予定なので控えておきます。小腹が減ったのでお菓子を買いたいですが,あいにくNEWDAYSは改装工事で休業中です。駅ナカではリトルマーメイドが開いていたので,サンドイッチとコーヒーで10時のブランチです。列車に乗っていると,ただ座っているだけでも蠕動(ぜんどう)が進むのか,お腹がすきます。

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6.水戸線743M 小山(10:37)~友部(11:41) 50.2km 累計 292.2km

 小山からの水戸線743Mは教習中の運転士さんで,指導運転士との2人乗務です。乗っている分にはとくに変わりはないのですが,運転席の一番右のモニター画面が指導運転士用に運転士の主画面と似た画面になっているのが興味を惹きました。ソフトによる画面表示なのでいろいろな応用表示ができ,便利になったものです。

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筑波山 @玉戸~下館

 水戸線では右側の車窓の筑波山を始めとする筑波山塊が眼を楽しませてくれます。主峰の筑波山は男体,女体の2峰があるのですぐ分かります。岩瀬は桜川市の中心駅ですが,駅の周囲は緑地が広がりのどかな雰囲気です。昔はここから土浦まで筑波山の麓を筑波鉄道が走っていましたが,1987年に廃止になっています。近いところでは関東鉄道常総線と10㎞と離れずに並行していたので,よくやっていたなと思います。

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岩瀬駅前風景。名所案内は絵入りで,周囲の駅も似たタイプ

 岩瀬を出ると筑波山塊の北側に分け入り,いよいよ山の緑が深くなります。

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こちらは加波山 @羽黒~福原

 この先,友部では3分で常磐線に乗換えです。乗遅れても,次の普通列車では予定の成田線に間に合いませんが,友部~土浦を特急に乗れば(料金さえ払えば140円旅行でも特急利用は問題ない)我孫子で挽回できることは確認済です。列車は幸い時刻表どおり,11:41,友部に着きます。

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7.常磐線380M 友部(11:44)~我孫子(12:49) 67.5㎞ 累計 359.7km

 友部からの常磐線は3月にも下った行程なので暫くゆっくりします。12:32藤代発,この先で交流電化区間は終わりです。そういえば交直セクションをカブリツキで見たことなかったなと思い出します。最近の電車は自動化が進んでいるので,特段の儀式めいたことはなく,電車線の入力電源が変わります。運転士さんはセクション内でノッチオンしてはいけないとか注意はしているのでしょうが,今は客室の電気が消灯するようなこともありません。

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交直セクション通過

 取手では「ときわ72号」を退避,この間に列車の写真を撮ります。高校生の頃,列車の写真は足回りが入ってないとダメと教わって以来,駅撮りでもなるべく隣りのホームに行くのがマニアのこだわりになっています。ちょうど水戸線の写真が下回りなし,常磐線はちょっとホチキスが目障りですが下回りありです。どんなもんでしょうか。

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我孫子駅の弥生軒。駅そばスタンドは営業中なるも売店はお休み

 12:49,時刻表どおり我孫子着。成田線は47分に出たばかりなので,次の13:16の列車まで27分あります。我孫子の駅そばの弥生軒はかつて山下 清画伯が働いていたこととから揚げそばで有名です。今回の行程でも昼食時にちょうど良い時間が取れたので,お昼は迷わずから揚げそばです。お昼時のホームは人影まばらですが,駅そばスタンドは営業しています。

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弥生軒のから揚げそば

 巨大なから揚げ入りのそばで満腹になり,140円旅行,後半戦に備えます。先ずは燃料のビールを仕入れたいところで,我孫子ではそばと売店と念じてきたのですが,売店のほうはCOVID-19対策で休業中でした。この先も,成田,佐倉,成東,大網,茂原...とNEWDAYSは全て改札の外で,弥生軒の売店をあてにしていたのでガックリです。
 今日の行程は概ね700km,我孫子で359.7㎞と約半分を消化です。続きは次回をお楽しみに。(2020.7.5記)

後編につづく

2019年夏のアクティビティ2/夏休みの平日に房総半島1周と八高線の140円旅行

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千葉地区はどこに行っても209系が幅を利かせる @青堀 2019.7.31(以下全て同じ)

 たまたまですがこの3回バスの話題が続いたので,今日は鉄分100%の話題でお送りします。タイムリーにアップしたい記事を優先したので季節感がずれてしまいましたが,夏休みに行った房総半島1周と八高線の140円旅行をお届けします。前回も書きましたが,今年の夏休みは東北旅行でお金を使い過ぎ,一方,会社の夏休みは9連休とお金をかけずに夏休みを過ごすのに腐心しました。こういう時に一番なのが140円旅行--東京近郊区間大回り乗車--です。東京近郊区間大回り乗車とは,JRの大都市近郊区間における選択乗車の規定(旅客営業規則157条2)を最大限活用した「乗り鉄」で,詳細はこちらの記事を参照ください。

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140円旅行で行ける非電化区間の八高線 @明覚

 さて140円旅行といってもどこに行くかです。今年の正月にも八高線と房総の140円旅行は行っていますが,陽の短い季節だったので房総の海は殆ど見ることができませんでした。同じ所で面白くないきらいはありますが,今回は概ねその逆ルートをたどることにしました。また,前回はルール上怪しげな「の」の字乗車でしたが,今回は時間に余裕があったので相模線を回り,本当に1周乗車のルートとしました。僕の場合はスタートが根岸線の磯子駅なので,磯子~新杉田往復の280円でもよいのですが,帰りに新杉田で列車を捨てるのを避けるのと,話のタネに磯子発桜木町,戸塚,本郷台経由磯子ゆきのきっぷ640円ナリを用意しました。僕は大都市近郊区間大回り乗車のことを140円旅行と言いますが,実際のところは140円のきっぷである必要はありません。

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この日のきっぷ。風景入りの大きなハンコは根岸線各駅の特製使用済印

 この日の行程ですが,房総半島1週と八高線を昼間に乗ることを考えると高崎15:50の236Dまでに房総を1周して高崎(倉賀野)に着かねばなりません。房総各線の昼前の列車の接続が悪いこともあって,両毛線利用などは夢のまた夢でです。蘇我7:04の内房線に乗っても千葉に戻ってくるのが12:31で,房総と八高線を繋ぐ移動が結構きつい行程です。ポイントを絞った140円旅行の割に早起きになってしまいました。

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この日の行程表

 前置きが長くなりましたが,実際に旅行したのは(2019年)7月31日水曜日です。出発は自宅最寄りの磯子駅を4:59の450B大宮ゆきです。この列車は大船からの根岸線の1番列車で,夏休み期間中の平日の早朝ですが,不思議と横浜までのほうが混んでいました。東海道線や横須賀線に乗っても東京着はほとんど変わらないので,このまま東京駅まで上ります。

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1.根岸線~京浜東北線450B 磯子~東京 38.3km
(今日も乗った列車は全て写真を撮っていて,1.2.3.…は乗車順です)

 5:53,時刻表どおり東京駅着。長い通路を通り京葉地下ホームに行って,6:10の637Y蘇我ゆきに乗換えます。この列車の舞浜着は6:30前,さすがにディズニーランドに向かうお客さんも少なく余裕で着席できます。ところで京葉線の時刻表ですが,少し前からJTB版では全列車掲載ではなくなり,不便になりました。

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2.京葉線637Y 東京~蘇我 43.0km 累計 81.3km(蘇我到着後に撮影)

 葛西臨海公園,ディズニーランド,京葉工業地帯の工場や倉庫,幕張メッセなどの見慣れた景色を眺め,千葉港が見えれば終点蘇我です。

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朝のディズニーランド風景。今日も良い天気になりそうだ

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千葉港,その奥には製鉄所や発電所が立ち並ぶ

 蘇我では6分の接続で内房線129Mに乗換えです。既に朝の通勤ラッシュが始まっていますが,ぎゅう詰めではないので暫くの間我慢です。木更津,君津を過ぎても結構混んでいて,7:51着の青堀まで来てやっと工場群への通勤客がいなくなった感じです。ちなみに木更津,君津,青堀はそれぞれ木更津,君津,富津と別の市で,工場からの税収も豊かなのでしょう。

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港の景色も漁港の雰囲気になる @上総湊あたり

 君津を過ぎると線路は単線になり,ローカル線の旅行の雰囲気になります。千葉支社管内のローカル電車は全て京浜東北線のおさがりの209系ですが,クハはクロスシートに改造されていて快適です。

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今日の浦賀水道

 東京湾大観音の観音様が見えなくなると,線路は海に沿い始めます。浦賀水道では今日は大きな自動車運搬船のような船が航行していて,その向こうには横須賀の火力発電所が見えます。天気が良いとこの辺りから遠く富士山を望むこともできます。

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岩井あたりで。山が迫ってくるとふつうの里山風景が展開される

 房総半島も先の方になると山がせり出してくればトンネルで抜け,山が引っ込むと開けた土地に畑がありと,日本のふつうの里山風景が続きます。列車は8:46,時刻表どおり館山に着きます。館山駅は南欧風の瀟洒なとんがり屋根の駅舎で,ここまで来ると随分と旅行をした気になります。

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3.内房線129M 蘇我~館山 85.9㎞ 累計 167.2㎞(左)
4.内房線3129M 館山~安房鴨川 33.5km 累計 200.7km(右)

 この先,安房鴨川までも内房線ですが列車は切れていて,14分の接続で3129M安房鴨川ゆきに乗換えます。館山を出て2駅の千倉までが房総半島の先端を横切る山越え区間で,千倉からは外房の海を見る景色になります。東京湾の穏やかな海と太平洋の大海原の両方を楽しんで640円では申し訳ないような車窓です。

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江見では上りの3124Mと交換。ホームのチューリップ(?)がきれい

 43分の乗車で安房鴨川着,ここでの接続はよく4分で256M千葉ゆきに乗換えです。安房鴨川は内房線と外房線の接続する駅ですが,運転上は切れていて直通列車はありません。最近の電車には向きがあるので,直通して蘇我に戻ったら逆向きになってしまうのです(1972年までは大網でスイッチバックをしていたので,1周しても向きは変わらなかった)。乗務員の運用なども切れているので,われわれ素人が考える以上に直通は難しいのでしょう。

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5.外房線256M 安房鴨川~大網 70.4km 累計 271.1㎞

 今日の256Mですが,乗務員の査察でもあるのでしょうか,乗務員室に4人もの社員が乗ってものものしい雰囲気です。こちらは平日の10:00前,のんびりしたひと時を空いた車内で過ごします。

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勝浦の手前で。なぜか外房の海はここの写真が多い

 外房線に入っても,山がせり出せばトンネルで抜けて,山が引っ込めば少しの平地が開けての景色が続きます。海もたっぷり見えますが,こちらの外房海岸は太平洋の荒々しい海岸です。湿度が高いせいか,海水浴場の向こうの海岸線には海霧が立ち込めています。

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勝浦の海水浴場。向こうの海岸線には海霧が

 海女の街,御宿を過ぎると線路は少し海岸線から遠ざかり,海は見えなくなります。地図では海岸線からいくらも離れていませんが,景色は田園風景になってきます。

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茂原では「わかしお10号」を退避

 上総一ノ宮からは両側とも田んぼの風景になり,茂原では後続の「わかしお10号」に道を譲ります。茂原を過ぎると近郊の住宅が増えてきて,11:23,大網に着きます。

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東金線からの田園風景。この向こうが九十九里海岸

 大網での接続はよく,ほぼ同時に反対側から下り電車が入ってきて,渡りを通ってそのまま東金線の1643Mになります。大網を出ると列車は高架を降りながら左に大きく曲がって旧大網駅跡の群線の保線基地をかすめ,九十九里海岸に沿って走ります。地図を見ると海岸から5kmくらい離れているので,砂浜や海を見ることはできません。

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6.東金線1643M 大網~成東 13.8km 累計 284.9km

 17分の乗車で11:43,成東に着きます。ここは駅舎寄りの切欠きの0番ホーム着で,簡易な車止めがローカルな雰囲気です。成東では3分の接続で総武線上りの348Mに乗換えです。本来,駅舎前の1番線が上り本線ですが,この時間は数少ない特急が来るので,階段を渡っての乗換えです。

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7.総武本線348M 成東~千葉 37.7km 累計 322.6km

 千葉ゆきの列車もガラガラで引き続きゆっくりした旅行を楽しみます。先頭のクハにいると中学生くらいの少年が乗ってきて,写真やビデオを撮って,やはり鉄道旅行のようです。自分の精神年齢はこの子くらいかと,若干,恥ずかしくなる瞬間です。総武本線は単線の割には列車頻度が高く,八街,佐倉などでは数分の停車があります。

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大きくカーブしつつターミナルの千葉駅着

 佐倉からは成田線と合流し,成田エクスプレスが頻繁に走る幹線を走ります。東千葉を出て大きく右にカーブすると終点千葉で,列車はしずしずと駅に入ってゆきます。ここ千葉駅は総武線方面の線路と房総(千葉~蘇我間は線路戸籍上は外房線)方面の線路が股裂き状態の変わったつくりの駅です。千葉駅は最近ようやく新装がなり駅ナカが充実しているので,昼食のパンや家への土産などの買い物を済ませます。

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8.総武緩行線1299B 千葉~津田沼 12.5km 累計 335.1km
9.総武緩行線1215B 津田沼~秋葉原 25.3km 累計 360.4km

 この先は最終的には高崎線に乗れればよいので武蔵野線経由や錦糸町まで快速利用などいろいろな経路がとれます。快速に乗ってもあまり時間短縮にはならないので,今日は普段乗らない黄色の緩行電車で秋葉原まで上る予定を組みました。ホームに行くと総武緩行線はホーム安全確認の影響で遅れている由で,1299Bという表示の電車が止まっています。1299B?臨時かな,なんかイヤな感じと思っていると,津田沼で抑止,そのうち隣りのホームに別の電車が来て,そちらが折返しで先発との案内です。元々,今日の行程ではここがボトルネックだったので,遅れは困ります。困ったなと思いつつ,先発の1215Bに乗換えます。そういえばこの2本はどちらもE231系500台,山手線のE235系も増えてきましたが,こちらも置換えが進んでいるようです。

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10.山手線1338G 秋葉原~上野 1.6㎞ 累計 362.0km
11.高崎線1870E 上野~倉賀野 97.2km 累計 459.2km

 総武線の1215Bはダイヤ上は7~8分の遅れで,13:34頃に秋葉原に着きます。手許の行程表では13:36の山手線に乗れれば予定どおり,乗遅れた場合は京浜東北線で赤羽に出れば,湘南新宿ラインから来た快速に乗って籠原で追いつくバックアップ乗継ぎになります。秋葉原では人混みの中を駆け込み山手線に乗れ,なんとか予定の行程をキープできました。そんな訳で,上の山手線の写真は撮れただけマシの品質ですが悪しからずです。

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鏑川の鉄橋を渡ると倉賀野

 上野からの1870Eは付属編成なしの10両編成で,結構混んでいます。そうは言ってもお腹もすいたので,千葉で買ったパンと上野で買ったコーヒーで昼食にします。高崎線も昼下がりの時間帯で全体としては穏やかな空気の流れる車内です。この1870Eは八高線236Dにちょうど接続する列車なので,他にも数組の140円旅行と思しき人が乗っています。この1870Eの後ろには湘南新宿ラインから来た2834Yが続行していますが,不思議なダイヤで,大宮を10分後に出るのに籠原で追いつかれてしまいます。

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旧小野信号場の北藤岡

 神保原を過ぎて神流川の鉄橋を渡ると群馬県,更に新町の先の鏑川の鉄橋を渡ると倉賀野です。この辺りからは天気がよければ浅間山も見えますが,今日は夏空でそれより手前の妙義荒船の山々までしか見えません。倉賀野では八高線に向かう140円旅行者幾人かと共に下車,八高線236Dを待ちます。やってきた気動車はキハ110系の2両編成ですが,下校時間帯とあって座れません。

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八高線の停車駅案内。2004年開業の高崎問屋町駅は未掲載

 八高線の気動車は倉賀野を出て暫くは高崎線の本線を上り,北藤岡駅の直前で3線となって下り本線を横切り,北藤岡駅に着きます。以前は小野信号場と呼ばれていたそうですが,1961年の北藤岡駅の開業時に信号場設備も含めて北藤岡駅となり,高崎線側はホームがない全列車通過の扱いになりました。北藤岡を出ると列車は関東平野の西のはずれを走りますが,意外と線形はよく,まっすぐな線路を飛ばします。藤岡は市だし,児玉も本庄市内で家も多く,降り乗りも多いです。寄居が近づくと右側に山が迫ってきて,寄居~折原間で荒川を渡ります。

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荒川の橋梁上から上信国境の山々を望む

 下校時間帯で車内が混んでいるので,最後部後ろ側のデッキ付近に避難します。本来はゆっくり座って気動車の旅を楽しみたいところですが,ここのキハ111/2は通路を挟んで2+1人掛けのボックスシートで座席定員が少なく,走り去る線路を眺める車窓で我慢です。明覚では下りの2267Dと交換,今日のとびら2枚目の写真が撮れました。寄居から高麗川の区間は秩父の山の麓を横切って進む感じで,山とカーブの連続で高原列車の趣です。1時間21分の乗車で17:15高麗川着,ここからは同じ八高線ですが電車に乗換えです。

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12.八高線236D 倉賀野~高麗川 60.9km 累計 520.1km(左)

 高麗川からは元りんかい線電車の209系3100番台の1773E列車に乗り,八王子を目指します。

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13.八高線1773E 高麗川~八王子 31.1km 累計 551.2km(右)

 高麗川の次の東飯能を出て箱根ヶ崎までは八高線最後の山の景色がきれいなところです。右手の車窓に重畳たる山並みが見えますが,地図で見ると秩父や前回の記事でアップした青梅の北の山のようです。

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東飯能~金子の車窓。秩父とその入り口の山々を望む

 18:04,時刻表どおり八王子着。ホームからふと見ると赤い真新しいディーゼル機関車が止まっています。JR貨物の新しい入換え用機関車のようで,去年12月の新製です。日本中で見られたDE10/11も世代交代のようです。

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JR貨物の新しいスイッチャーHD300。八王子で

 普段の140円旅行だと横浜線で帰るのですが,今日は完全周回ルートなので帰りは相模線経由です。相模線はラッシュ時のみ横浜線に乗り入れる列車があり,この1874Fも八王子始発で乗換えが1回減り助かります。

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14.横浜線~相模線1874F 八王子~茅ヶ崎 42.1km 累計 593.3km

 相模線の沿線に用事は少なく,昔から相模線に乗るのは140円旅行の時でした。昔はキハ20やキハ35の気動車でしたが,1991年3月に電化,205系500番台車が投入されて随分雰囲気が変わりました。夕方の時間に乗ると列車が増えて,ネットダイヤかと思うほど頻繁に交換します。下り列車の写真を撮りたいところですが,列車写真には光量不足で上手く撮れませんでした。西側には丹沢の山々がそびえ,夕焼けに染まっています。実際はほとんど夜で残照という感じなのですが,人間の目とデジタルカメラのセンサーの違いか,随分違って撮れます。

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丹沢の山に陽は落ちて。入谷で(?)

 19:36,ここも時刻表どおり茅ヶ崎着。東海道線ホームに行けば,乗る予定の1934Eは上野東京ライン以北が運休になって,東京ゆきとの案内です。大船で降りてしまうので,気にすることもありません。大船では3分の乗継ぎで少々慌ただしいですが,19:57の大宮ゆきに乗ります。大船からは今日の最終行程ですが,乗り慣れた横浜の丘陵地の団地のなかでとくに見るべきものもなくゆっくり過ごします。

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15.東海線1934E 茅ヶ崎~大船 12.1㎞ 累計 605.4km
16.根岸線1936A 大船~磯子 12.6km 累計 618.0km

 本来の140円旅行であれば新杉田で降りて次の列車を待たなければなりませんが,今日は奮発して(?)640円の環状きっぷなので,そのまま磯子まで行くことができます。磯子着は20:12,朝の出発と同じ1番ホームに15時間13分ぶりに戻ってきました。

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今日のGPS log。千葉・蘇我の間が狭く,くっついてしまいそうですが,何とか一筆書きルートです

 今日は朝は早かったですが,帰りはぼつぼつ,家の夕食にも間に合いそうな時間です。総武線で想定外のの乗継ぎがありましたが,その他は予定どおりの行程でした。総武線の2本を含めて乗った列車は16本,距離では618kmの大旅行ができました。東京近郊区間の最外縁を回ろうとすると,せっかくの景色のよい区間が夜になってしまうので,この位のほどほどのルートが身体にも優しく乗って楽しい140円旅行ではないかと思います。そんな訳で,僕の140円旅行は懲りることがありません。実は夏至の陽が長い時期に決行すべく決定版140円旅行ルートも検討済なのですが,今年の6月後半は雨の日が多く,用意した行程表は埃をかぶることになりました。次回はこの決行を期して,今日の140円旅行の報告を終わります。(2019.10.27記)

2019年お正月休みのアクテビティ--年末にちょっと140円旅行に行ってきました

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 ふつうの人は大掃除などで忙しい年の瀬,なぜかわが家には時間があり,僕は日帰り旅行を楽しませてもらっています。今年は年末の12月21日~22日に予定外の旅行に行ったのでお小遣いがなく,2年連続の140円旅行になりました。140円旅行はどこにポイントを絞るかが悩ましいですが,今回は八高線の気動車と房総の海を(明るいうちに)楽しむと決めました。東京近郊区間の路線図を眺めると,あっちとこっち,陽の短いこの時期にこの2つを両立するのは結構難しいです。

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今日の行程表(実績入り)

 僕の自宅最寄りのJR駅は根岸線の磯子駅,ここからだと大船に抜けて相模線から回れば純粋な140旅行になりますが,横浜線で直接,八王子に出る場合は磯子~東神奈川間が復乗になってしまいます。このため1枚目のきっぷは,磯子発たっぷり140円旅行を楽しんで東神奈川に戻ってきたところで運賃計算は打切り,「の」の字乗車の220円です。ここから磯子に帰るための220円が要るので,きっぷは磯子~東神奈川往復が必要な計算です。ところが,日ごろスマホで使っている乗換検索ソフトで検索すると,横須賀線で戻ってきた場合は磯子~横浜の乗車券でよいと出てきました。鶴見では横須賀線から京浜東北線への乗換えができないため,特定の分岐区間の区間外乗車(旅客営業取扱基準規程149条)の特例が使えるようです。気になったのでこのソフトの開発元に照会しましたが,一周を越えるルートの運賃計算は保証しない,規程の解釈についてはJRに訊いてくれとつれない回答でした。時間があればJRにも確認したいですが,現時点ではできていません。

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磯子~横浜線~八王子~大回り~横須賀線~横浜の検索結果
(経由地が5つしか入れられないので品川としていますが,高崎~館山を回っても理屈は同じ)

 前置きが長くなりますが,年末の140円旅行できついのは,途中下車ができないため食べ物とお酒の補給ができないことです。とくに千葉支社管内は売店が改札内にある駅が少ないので要注意です。実際,この日のルートでも我孫子の後は千葉まで改札内のNEWDAYSはお目にかかりませんでした。

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こんなものを持って,いざ出発

 さて実際の旅行ですが,実行は(2018年)12月30日(日),今日も早朝4:33の出発です。陽のあるうちにという条件が厳しく,横浜線の始発列車にあわせて磯子発の上り2番列車です。もう1本4:22発の416Bという列車がありますが,僕の見た限りでは,この列車は全国で2番の早起き列車です。ちなみに1番は桜木町4:18の414Bで,これらが山手線の始発(4:25,池袋からの外回り列車)よりも早いのはちょっと意外です。

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1.磯子(4:33)~東神奈川(4:50) 根岸線418B 11.3km

 年末の早朝,駅への道は寒いですが,仕業点検を始めた時から暖房を入れているのか,車内は暖かいです。通勤でも慣れたルートで17分の乗車で東神奈川着,横浜線に乗換えです。お約束の,乗る電車の写真を撮って,トイレに行ってと忙しく4分を過ごします。高校時代の鉄道研究会の先輩のおしえで,電車の写真は足回りが写っている方がよいとの考えを今もって信奉しています。

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2.東神奈川(4:54)~八王子(5:49) 横浜線403K 42.6km 累計 53.9km

 小1時間の乗車で5:49八王子着。ここまで来ても夜は明けません。反対側の5番線ホームでは,まだ夜間停泊の電車が寝ています。八王子では19分ありますが,あまりに寒いので一旦6番線に戻って,折返し待ちの横浜線の電車で暖を摂ります。ふと携帯の天気情報を見ると磯子の1度に対し,八王子は-4度で,学校や会社で八王子は寒いと言われるのを実感します。

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八王子は寒い。スマホの画面から

 5:58,八高線669Eになる電車が入ってきたので,2番線に移動し,電車に乗ります。電車が動き出すと,ようやく夜が白み始めます。小宮~拝島間の多摩川を渡る鉄橋ではきれいな朝焼けが見え,今日もよい天気になりそうです。

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3.八王子(6:08)~高麗川(6:54) 八高線669E 31.1km 累計 85.0km

 毎年末の鉄道旅行ですが,実はもう一つの目的があって,車内で年賀状を完成させるのです。裏の印刷面と表のあて名を印刷した年賀はがきを持って出て,車内で宛先ごとのコメントを書くのです。このため僕の年賀状は元旦に着くことはまずなく,3日に着くのを目指しています。今日もこの作業をしますが,出発が早く景色も見えないので,生産性が上がります。

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小宮~拝島の多摩川橋梁で

 拝島を過ぎると車窓はローカル然としてきて,田畑が増え左手には秩父の山々が見えてきます。西武のSトレインが見えて東飯能,程なく高麗川に着きます。高麗川では4分の接続で,今日のポイントの一つ,八高線の気動車に乗換えです。

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4.高麗川(6:58)~高崎(8:26) 八高線227D(左) 65.3km 累計 150.3km

 期待の気動車ですが,先ずは高麗川で買った缶コーヒーと共に持参のパンで朝ご飯です。というのも,ここまでの列車は通勤型の電車でトイレなし,これからはトイレを気にせずに飲み食いができます。

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朝の陽を受けて秩父の山々がきれい @小川町付近

 前回5月に訪れたとき八高線の非電化区間は最近改装されたきれいな駅が多い印象でした。今回はよく見ていましたが,用土と松久だったようです。3駅くらい連続していた印象でしたが,人の記憶はあてになりません。

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松久駅。駅舎が二重にある不思議なつくり

 中央線と上信越線をショートカットするルートには一定の需要があるようで,年末の今日は帰省とおぼしきお客さんも多く,2両の気動車はほぼ座席が埋まっています。寄居の近くで荒川を渡ると,以降の行程は関東平野が広がり,肥沃な田畑の景色が続きます。左手の稜線の向こうには浅間山が白銀に輝いています。北藤岡を出るとすぐ小野信号場があり,高崎線と合流,高崎線の線路上を倉賀野,高崎と進みます。

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遠くに浅間山が見える @北藤岡~倉賀野,鏑川橋梁

 高崎では10分と程よい接続で両毛線に乗換えます。高崎で見かけた上越線から来た電車は雪だるま状態です。上越国境といわず,今日は水上あたりでも相当な雪のようです。この年末は湯檜曽温泉に浸かって飯山線を巡る青春18きっぷの雪見旅を計画していたので,ちょっと残念になります。

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高崎で見かけた上越線の電車

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5.高崎(8:36)~小山(10:24) 両毛線439M 91.7km 累計 242.0km

 高崎を8:36に出発,10分で新前橋に着きます。ここは上信越線の電車の1大基地です。今日は「リゾートやまどり」とお座敷電車「宴」の2本が並んで,お正月の臨時列車の準備を整えています。

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高崎車両センター(本所,旧新前橋電車区)で準備を整える485系改造車2本

 両毛線は91.7km,乗車時間も1:48あり,朝の通勤通学輸送対応か211系3+3両の6両編成で,ロングシートではありますがゆっくりすることができます。左手には赤城山が独特な山容を現しています。赤城山から奥羽山脈の南端の山々が雪雲を遮ってくれるので,群馬はかかあ天下と空っ風が名物です。今日もそれらの山々の向こうは大雪のようです。

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赤城山。山々の向こうは雪のよう @前橋付近

 両毛線の車窓,反対の右側は関東平野が広がり,はるか遠くに富士山も見えます。この他,線路近くの岩船山やあしかがフラワーパークなど見るべきものも多く,両毛線の車窓は飽きません。列車は10:24,時刻表どおり小山に着きます。

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広がる関東平野の向こうに富士山が @思川

 小山から水戸線で友部回りで我孫子に出ると筑波山の景色を楽しむことができるのですが,我孫子着が14:49で2分足りません。仕方なく,小山からは東北本線の普通列車で上野に上ります。大宮から我孫子のルートは,武蔵野線経由でも,田端経由日暮里乗換えでも行けますが,乗換えが煩わしいので上野乗換えです。また,東北本線の1555Eが遅れた場合,上野ならエキナカが充実しているので,常磐線を待つ間に昼食が摂れるということもあります。上野での乗継ぎは3分ですが,幸い1555Eは時刻表どおり--厳密には少し早いくらいで--走ってくれ,余裕で367Mに乗ることができました。

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6.小山(10:33)~上野(11:49) 東北本線1555E 77.2km 累計319.2km

 ところで,この乗継ぎをすると厳密には日暮里~上野間が復乗になってしまいます。日暮里駅には尾久方面から来る線路にホームがないので,日暮里~上野にも特定の分岐区間の区間外乗車の特例が設定されているので,制度的にOKです。なかなかに国鉄~JRのルールはよくできています。

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7.上野(11:52)~我孫子(12:27) 常磐線367M 33.5km 累計352.7km

 常磐線の367Mですが,松戸で後続の「ひたち11号」に道を譲ります。ところがこの特急が遅れているとのことで,松戸の発車が5分遅れます。我孫子では乗継ぎの20分の間に名物のから揚げそばを食べる予定なので,ここでの遅れは避けたいです。

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我孫子名物,弥生軒のから揚げそば

 幸い367Mの遅れは5分程度で済んで,12:32我孫子に着きます。駅そば屋さんの弥生軒は12月30日も営業していて,お昼時なのでお客さんの入りもほどほどです。自分も含めいろいろな人がブログ記事などで140円旅行で我孫子のから揚げそばが美味しかったと宣伝するので,いつの間にか我孫子の名物であるばかりか,140円旅行の昼食の定番にもなってきました。待つこともなく食券を買い,定番のあら揚げ(1個)そばを美味しくいただきます。

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我孫子の弥生軒。駅そばスタンドだけでなく売店も弥生軒ブランド

 この先の行程ではずっと売店がないことを知っているので,階段を上がってNEWDAYSを探します。残念ながらここもNEWDAYSは改札の外,140円旅行では行けません。今度はホームの売店を探して上りホームに降りると,NEWDAYSはありませんが,弥生軒ブランドの売店が開いていました。さっそくビールを買い,後の行程に備えます。夏なら温くて不味くなってしまいますが,今の気候なら強い暖房にさえあてなければ,常温でも飲み頃です。  

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8.我孫子(12:47)~成田(13:28) 成田線851M 32.9km 累計385.6km

 我孫子からの成田線Bは上野直通の常磐線快速電車と線内折返しのチョン行電車が概ね交互に走りますが,この851Mは5両編成のチョン行電車です。5両でも十分な輸送力で,ガラガラの車内でかすかに見える手賀沼や印旛沼を探したりしてゆっくりします。行程のうえでは乗る列車の数,営業キロともざっと半分消化です。140円旅行のブログ記事などでは,疲れたとか尻が痛いという記述をよく見ますが,生来の汽車旅好きの僕は全くそんなことはありません。209系以降のJR東日本の電車は,座った感じは少々硬めですが,着席区分も明確な深めのシートで長く座っていても疲れないようです。

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成田線から陽射しをあびて輝く印旛沼を望む @小林~安食

 ほぼ40分の乗車で13:28,成田に着きます。ここ成田は大晦日に2日がかりの140円旅行で年越しをする人も多く,140円旅行のメッカ?です。ホームに降りれば「謹賀新年 歓迎」の横断幕がそこここにかかり,新年を迎える準備も万端です。成田でもNEWDAYSの場所を確認しに駅舎に行きますが,ここもやはり改札の外です。

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9.成田(13:37)~佐倉(13:50) 成田線448M 13.1km 累計398.7km

 成田からは13:37発の千葉ゆき電車で佐倉を目指します。成田から成東は,一旦,銚子方面に下って松岸で乗換えるルートもあり,こちらの方が距離も時間も稼げます。今日は陽のあるうちに外房海岸に行かなければならないので,短い方の佐倉経由です。

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10.佐倉(14:03)~成東(14:28) 総武本線1355M 21.6km 累計420.3km

 佐倉では13分の乗継ぎで,総武本線1355M成東ゆきに乗換えます。千葉県でもこの辺りは田んぼが広がる穀倉地帯で,日本中のどこにでもある里山風景の車窓が続きます。成田空港へ向かう飛行機がひっきりなしに降りてきて,のりもの好きの僕の目を楽しませてくれます。

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総武本線の車窓は田んぼと里山風景 @日向~成東

 成東での乗継ぎは20分ですが,飛行機の写真を撮ったりして暇をつぶします。14:40過ぎ,総武本線の上り列車,これから乗る648Mになる上り列車が入ってきて,更に本線には最近数が減った房総ビュー特急の「しおさい5号」が到着し,成東駅の4つのホームが埋まります。成東駅のいっときの賑わいで,今日のとびらの写真です。

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成東で。折返し待ちの電車の向こうを飛行機が飛んで行く

 成東から乗る東金線は九十九里海岸に沿って総武本線の成東と外房線の大網を結ぶ13.8kmのローカル線ですが,140円旅行のルート上はとても重要な存在です。房総半島を140円旅行で回る場合は,この線を通らないと経路が成立しません。また,最近は大網から外房線経由千葉に直通する列車も増え,便利になりました。

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11.成東(14:48)~大網(15:05) 東金線648M 13.8km 累計434.1km

 成東からの東金線列車は大抵はローカルな雰囲気が漂う駅舎前の切欠きホームの0番線から発着します。14:48発の648Mは6両編成で,休日の昼下がりとあって僕の乗った5号車は他に誰もいない空気輸送でした。九十九里の海岸と並行はしていますが,7~8㎞離れているので海を見ることはできません。総武本線と同様の田んぼ主体の車窓ですが,その尽きたところに松林があって,その向こうには大海原が広がっているのだろうと想像します。

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東金線から海の方を望む。右下は成東~求名間の車内

 たった4駅なので20分もかからず終点の大網に着きます。大網はかつて外房線がスイッチバックで運転していた頃の本線で,なにか中途半端な位置のホームです。大網での接続は悪く,28分待って15:33の263M安房鴨川ゆきに接続です。時刻表を見ていたら更に21分後の快速列車でも上総一ノ宮でこの列車に追いつくことが分かりました。大網は駅撮りの割によい写真が撮れそうなので,49分滞在して快速で行くことにしました。

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12.大網(15:54)~上総一ノ宮(16:10) 外房線4493F 20.1km 累計 454.2km

 ここで総武快速直通の列車を利用するメリットはもう一つあります。今日は我孫子で準備したので安心ですが,快速列車のグリーン車に行けば車内販売のビールを買うことができます。この区間で時間に余裕があるということは...4年半前に140円旅行でここを通ったとき,茂原のピザーラの配達を駅の改札口で受け取りました。140円旅行でデリピザを食べるという画期的な食糧調達には好都合で,またやってみたいと思います。

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13.上総一ノ宮(16:12)~安房鴨川(17:14) 外房線263M @大網 50.3km 累計 504.5km

 上総一ノ宮では先ほど大網で見送った263Mに追いつき,この列車に乗換えます。この列車は下校時間帯にもかかわらず4両編成で,大網で見た上りの270Mの4+6の10両編成に比べると随分短編成に感じます。今日のポイント2は明るいうちに海を見るですが,冬の短い日は房総半島の背骨の山に沈んでゆきます。明るいうちに海沿いまで辿り着けるか時間との闘いです。

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冬の日は山かげに沈みゆく @三門

 左の車窓に陽はおちましたが,海は右側です。上総一ノ宮を出てほどなく,東浪見(とらみ)~太東(たいとう)間でもちらりと水面が見えますが,地図で調べるとこの区間にはため池が2つあり,海かどうかは定かでありません。16:38発の御宿まで来ると,海沿いの景色になり,勝浦の先では下のような海を見ることができました。日没後ではありますが,夜になる前に何とか海岸まで来ることができました。今日はこれで佳しとしましょう。

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念願の外房の海に夕闇が迫る

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14.安房鴨川(17:17)~千葉(20:02) 内房線1120M 123.2km 累計 627.7km

 安房鴨川では3分の接続で,1120M千葉ゆきに乗換えます。この列車の123.2㎞は今日の行程のなかで1列車としては最長です。年賀状書きも完了しているので,持参の肴と我孫子で買ったビールでゆっくり寛ぎます。安房鴨川~千倉は内房線ですがまだ外房海岸で,千倉~館山で房総半島先端の小山を越えて内房海岸に出ます。この先も上総湊あたりまでは内房の海が見え,とくに浜金谷~竹岡あたりでは浦賀水道越しに三浦半島を間近かに見ることができます。1本後の1122Mの上総湊発が19:28なので,夏の陽の長い時期なら海の景色が楽しめそうです。千葉が近づくと,年末の盛り場に繰り出す若者が増えて,車内に活気が戻ります。

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15.千葉(20:21)~横浜(21:31) 総武本線~横須賀線1946F~1947S 70.9km 累計698.6

 1120Mは2:45かかって20:02に千葉に着きます。千葉駅は最近,駅ビルが整備され,とてもきれいで大きな駅になりました。エキナカも充実していて,ペリエと名付けられた商店街は千葉の名品から東京や神戸のスイーツ店,雑貨,輸入食料品,カフェにレストランと何でも揃う感じです。先ずは家への土産に定番のピーナツ最中を買い,あとは自分の夕食を探します。元々は駅そばを食べる気でいたのですが,多くの店を見ているうちにご飯粒が食べたくなり,「ニッポンのお茶漬け日和-こめらく」に決めます。

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今日のきっぷ

 10分くらいでお茶漬けをかきこみ,20:21の快速久里浜ゆき1946Fにとび乗ります。この列車に乗れば1時間ちょっとで横浜です。車内ではゆっくりしたいところですが,旅行中に気づいたキーワードやお小遣い帳といろいろな記録の整理に時間を費やします。21:31,時刻表どおり横浜着,今日も無効印と共にきっぷをいただいて,140円旅行は完了です。本当は最初に書いた区間外乗車のナゾを確認したいところですが,きっぷの券面上は磯子→横浜170円で何ら不都合ありません。この手のややこしい質問を改札の担当に訊いてもご迷惑なので,別の機会とします。

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12月30日の横浜中央便局

 運賃計算の切れ目のため一旦,改札口を出ますが,今日は大事な用事がもう一つあります。車内で完成した年賀はがきを投函します。幸い横浜駅東口の隣が横浜中央郵便局なので便利です。こんな時間でも時間外の発送や受取りで郵便局の窓口は長蛇の列ですが,こちらは巨大な投函箱に入れるだけで終わりです。帰りのきっぷで入場すれば,ほどなく21:43の根岸線電車が来て帰途につきます。

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帰りの電車 横浜(21:43)~磯子(21:57) 根岸線2017C

 14分の乗車で21:57,自宅最寄りの磯子駅に着きます。〆てみれば乗った列車は16本,距離708.1km,時間では14時間24分の大旅行でした。少々朝は早かったですが,深夜までかかってヘトヘトになるということもなく,とても楽しい140円旅行でした。

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今日の行程のGPSログ

 最後に今日の2つのポイントですが,八高線の気動車は文句なしです。明るいうちに海を見るに関してはギリギリでのクリアとしておきましょう。上でも書きましたが,陽の長い時期であれば水戸線経由で内房の海を見ることも可能なので,次回の140円旅行は是非このルートで回ってみたいと思います。(2019.1.20記)

東京近郊区間大回り最長140円旅行・その3--2日目・千葉県1周と妙に遠回りをする旅

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千葉支社管内はどこに行っても209系の天下

 最長140円旅行のその3は2日目の行程をお届けします。(2018年)4月29日(日)早朝4:30前,清々しい空気の中をカラオケボックスから駅へ向かいます。140円旅行の途上なので本来は駅から出られませんが,今日は旅客営業取扱基準規程に則り,許可を得ての出場なのでシャバの世界を楽しみます。という訳で,途中コンビニに立寄り,お弁当や朝のコーヒーを仕入れます。有人改札で断って入場し,成田線の始発423Mの乗客になります。ローカル列車には珍しく4時台の出発ですが,仕事や遊びで朝帰りの人,ゴルフに出かける人など,コンコースの雰囲気よりは多くのお客さんがいます。もちろん定時に出発,またまた長い1日が始まります。

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23.千葉4:50~松岸6:40 総武本線~成田線423M 91.5km 累計668.6㎞

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薄靄たなびく田んぼの向こうから陽が昇る @物井

 千葉を出る時点で空は白んでいましたが,物井あたりで日の出です。水を張った田んぼから薄靄がたなびき幽玄な景色ですが,これを写真に収めるのは難しいです。電車が混まないうちに持参の弁当をいただき,腹ごしらえを済ませます。昨日は3食駅そばだったので,ご飯粒が恋しく,ヘルシーな軽めのお弁当です。

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朝ごはんはコンビニのあじ御飯

 今日の朝の行程は実は緊張で,松岸,東金,大網と3列車連続で降りるのをミスることができません。もし,松岸で降りるのをミスると次は銚子で,140円旅行は成立しません。磯子~銚子の区間変更扱いになって,158.8㎞2,590円-140円=2,450円を請求され,当然帰りのきっぷも必要になります。お金はともかく,昨日からの苦労が水泡に帰すことのほうがこたえます。昨晩はゆっくり休めませんでしたが,幸い眠くなることもなく,列車の旅を続けられそうです。車窓を見ていると千葉県北部は肥沃な平野で,水田も多く米どころのようです。

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成田線は田んぼのなかを行く @大戸
銚子が近づくと風力発電の風車が増える @松岸

 風力発電の風車がたくさん見えてくると陸地のはずれも近づき,あと少しで銚子です。銚子は水産業や醤油醸造の街でいろいろなものがありそうですが,140円旅行では1つ手前の松岸までしか行けません。松岸駅も銚子市内ですが,駅前にヤマザキデイリーマートがあるくらいで何もない所です。140円旅行では途中出場もできず,ここに来るとあのコンビニをうらめしく思うのが常です。ところで,松岸の駅舎は最近改築された風でもありませんが,駅舎前の玄関ホームが3番線です。国鉄~JRの駅ではホームの番号は駅長室(駅舎)に近いほうから順に振るならわしですが,ここは数少ない例外です。支線の成田線に対し,総武本線のほうに敬意を表しているのでしょうか。

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24.松岸6:54~成東7:49 総武本線332M 40.4km 累計709.0km
松岸で。ホームのよく手入れされた松が松岸をアピール

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松岸駅風景。玄関ホームがなぜか3番線

 松岸からはまた千葉ゆきに乗り,総武本線を上ります。成田線に比べこちらのほうが起伏が多いようですが,似たような景色です。線路の規格は分かりませんが,なぜかこちらのほうがスピードを出しているように感じます。朝なので,猿田,干潟と頻繁に下り列車と交換があります。どの列車も朝日を受けて,140円旅行中の写真としてはよい出来の写真が撮れます。そんなことでワクワクしているので眠くなることもなく,7:49成東に着きます。

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25.成東8:03~大網8:21 東金線1630M 13.8km 累計722.8km

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東金線の海側の車窓。残念ながら九十九里の海は見えない @東金

 成東からの1630Mは通勤時間帯とあって,千葉直通の6両編成です。東金線の列車は大抵は駅舎寄りの切欠きホームの0番線から出ますが,この列車は総武本線の副本線の3番線からの発車です。更に面白いことに,この列車は成東着8:02の千葉からの列車の接続をとっての発車ですが,本線の列車を待たせて,本線を横断して東金線に入ってゆきます。東金線は九十九里の海岸線に沿って走る線形ですが,海岸線からは遠く,景色はこれまでと変わらない田んぼの景色です。

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大網では数少なくなった房総view特急を先に通す

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26.大網8:41~安房鴨川10:13 外房線237M 70.4km 累計793.2km

 大網では週末のみ運転の新宿からの行楽特急「新宿わかしお」を先に通し,ゆっくり鈍行で房総半島の先端を目指して下ります。寝過ごしのできない列車3本の行程を無事に終わったので,この列車ではゆっくりすることにします。大原を過ぎ勝浦あたりまで来ると左手に太平洋が見えてきます。この辺の海の景色は外海の荒々しさがあり,海辺ではサーフィンを楽しむ人も見えます。

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外房海岸の景色 @鵜原

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元をたどれば臨時乗降場の行川アイランド駅。テーマパークは閉鎖されて久しいが駅名は変わらない

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27.安房鴨川10:42~館山11:24 内房線3126M 33.5km 累計826.7km

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房総半島でサイクリングを楽しんでもらうための改造車BB Base @安房鴨川

 安房鴨川では内房線の3126Mへ30分弱の乗継ぎです。時間もあるのでゆっくりしていると,周囲にいた鉄道少年とおぼしき子供がBB Baseだ!というので,この写真を撮ったりします。また,駅舎を覗くと改札の外にスタンプがあるので押しに行ってよいか尋ねたら,140円旅行ではダメとのこと,意見は分かれるところですが事実のみ書きます。内房線は館山で運転系統が分かれていて,日中の列車は全て館山乗換えです。館山~安房鴨川間のローカル列車は4両編成,以北は6両編成という運用を考えれば合理的ですが,この3126Mは6両編成でした。長距離鈍行好きの僕としてはスジはつながっていた方がきれいなのですが,お客さんの流れが切れているのでしょう。

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28.館山11:47~君津12:45 内房線2126M 47.6km 累計874.3km

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「新宿さざなみ」が着いて館山駅のいっときの賑わい

 館山でも23分とゆったりとした乗継ぎで,引続き内房線を上ります。内房線も東京湾の海の景色がきれいな車窓ですが,意外と入江が入り組んでいて,山越えの景色も多いです。浜金谷~竹岡~上総湊あたりが浦賀水道で対岸の横須賀の発電所がまじかに見えます。東京湾観音の大仏が見えてくると房総半島の旅も終わりに近づきます。

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内房線の車窓。入り江と海岸線の景色を繰返す @岩井,竹岡

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29.君津12:52~蘇我13:31 内房線4268F 38.3km 累計912.6km

 列車は君津で始発の快速,4268Fに接続するので,乗換えます。内房線の快速はダイヤ改正の度に停車駅が増えて今では巌根だけが通過駅で,面倒だから千葉以南各駅停車にしてしまえばとも思います。君津から北は1999年の制度改正以前から東京近郊区間だった区間で,列車も東京直通となり気分も東京近郊に戻ってきた感じがします。

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30.蘇我13:50~東京14:33 京葉線1382A 43.0km 累計955.6km

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蘇我駅いろり庵きらくの天ぷらそば

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ディズニーランド,木場から都心のビル群を見る

 今乗っている4268Fでも東京駅には14:22に着くのですが,最長140円旅行のルートは京葉線なので,蘇我で乗換えです。今日のお昼ご飯は,東京駅は高いので神田で駅そば,でも乗換えも面倒だし時間あるかな...などと思案していたのですが,調べると蘇我にもいろり庵きらくがあることが分かりました。このお店は元の日本食堂の日本レストランエンタープライズの経営でどこにでもありますが,お腹は空いているので,迷わずここでこの旅行4杯目の駅そばです。東京湾岸の物流拠点群,ディズニーランドと葛西臨海公園など見慣れた景色を見て,京葉線を上ります。蘇我~東京間は京葉線,総武本線どちらを通っても43.0kmで距離は変わりませんが,この列車は蘇我でのロスタイム19分なのに東京着で11分差なので,8分挽回した計算になります。

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31.東京14:46~御茶ノ水14:50 中央線1479T 2.6km 累計958.2km
ローレル賞の銘板の添えられたクハE232-1の車号

 東京着後はいい加減家に帰りたい気分ですが,最長140円旅行ルートの特徴の無駄な遠回りをしなければならず,先ずは代々木へ向かいます。東京駅の京葉線の長い乗換え通路を歩き,今度は長いエスカレーターで中央線ホームへ移動です。この辺はもともと食事をしようと余裕がとってあたったので,1本おとして神田側のホーム端で写真を撮ってからの乗車です。こうして乗った1479Tの先頭10号車は何千両も製作されたE233系のトップナンバー,クハE232-1でちょっとワクッとします。お茶の水に着くとちょうど緩行電車が入ってきたのでこちらに乗換えます。元々の行程は四ツ谷乗換えでしたが,お茶の水のほうが乗換えが楽なのと,四ツ谷をミスるといけないのでリスク低減です。

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32.御茶ノ水14:52~代々木15:05 中央線1443B 7.0km 累計965.2km

 お茶の水,代々木とホームを渡るだけの楽な乗換えで,品川を目指します。山手線各駅ではホームドアの導入が進んでいますが,ホームドアのあるホームでは乗る電車のスナップを撮るのが難しく,乗り鉄もやりづらい時代になりました。幸い代々木は駅のつくりを昔から知っていたので,柵の内側で安全に,進入する列車の写真を撮れました。

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33.代々木15:10~品川15:29 山手線1402G 9.9km 累計975.1km

 代々木からの山手線は連休中とあって激混みですが,写真を撮って,一番後ろの扉に潜り込みます。渋谷を過ぎれば混雑も一段落です。そういえば,今回の旅行では家への土産を買っていないことに気付きました。今からでも品川のエキュートなら何かを買うことができそうなど算段をしていたのですが,後続列車の遅れで大崎で抑止になり,買い物の時間を侵食されます。

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34.品川15:35~川崎15:43 東海道線1569E 11.4km 累計986.5km

 品川では手近な和菓子屋で土産を買って,東海道線ホームへ急ぎます。東京近郊区間と和風マロングラッセは全く脈略ありませんが,あれこれ選んでいる時間はなく,お店のレジが空いていることが第一条件です。もともとの予定より1本早いのでゆっくり買い物すればよいのですが,お疲れモードなのでそんな余裕はありません。そんな訳でこの列車の写真は携帯で撮ったものが一番まともでした。

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35.川崎15:53~武蔵小杉16:05 南武線1555F 7.5km 累計994.0km

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ゴールまであとわずか,少し元気も出て新幹線の写真を撮ったりする @武蔵小杉

 せっかく東海道線に乗ったのにたった一駅,川崎でこの列車を降ります。川崎からは南武線を武蔵小杉まで下り,横須賀線に乗換えて,横浜を目指します。ここも最長140円旅行ルートのなかで際立ったくさび形遠回り区間で,川崎~鶴見間はまっすぐ行けば1駅3.5kmのところを15.3kmの旅行をします。しかし,武蔵小杉駅開業前は川崎~尻手~浜川崎~鶴見11.5kmが最長ルートで,乗換えは面倒,列車は極端に少なく,考えるだけでぞっとするようなルートです。

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36.武蔵小杉16:21~横浜16:34 横須賀線1465S 14.9km 累計1008.9㎞

 武蔵小杉の横須賀線ホームは最近増設したホームで,長い連絡通路を通っての乗換えです。しかし,浜川崎を回るのに比べたら屁でもないなどと考えながら,歩きます。ホームに着くと直近の16:19の湘南新宿ラインの列車が遅れている由で,先に来る16:21の横須賀線に乗ります。この列車に乗れば横浜まで2駅,ようやくゴールが見えてきます。

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37.横浜16:38~根岸16:50 根岸線1521B 7.1km 累計1016.0km

 横浜からは乗り慣れた根岸線でこの旅行のゴール,根岸を目指します。12分の乗車で根岸着,昨日の朝から32時間半の旅行のゴールです。感慨にひたるというよりは疲れたので早く家に帰りたいと思いつつ,改札を出ます。改札ではお約束の無効印ですが,根岸駅の無効印も風景入りの最近調製したものです。担当はいかにも新入社員のような感じで,右上の余白部分に巨大なパンチ穴をあけてくれました。これでは入鋏時の配慮が台無しなのですが,僕は使用済の乗車券は絶対回収の時代を体験しているので,もらって帰れるだけでありがたいと思います。

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最長140円旅行の行程(拡大はこちら

 さて最後にまとめると,最長140円旅行で乗った列車は37本,所要時間は32時間32分,距離は1016.0kmでした。これはこれで「最長」としての価値はあると思いますが,無駄に遠回りする区間があって妙に手間がかかる,また,夜明しをするのにとても苦労をします。以前からやってみたかったことなので1回はよいのですが,またやりたいかと問われればNoです。八高線,両毛線,松岸,房総方面と東京近郊区間の外縁部を回って1日で旅行するほうが断然楽しいと思います。これなら時々,また何度でもやってみたいです。最後につけた表は,この旅行の行程表,終わってみればログです。お薦めはしませんが,挑戦したいかたへの参考につけておきます。(2018.6.3記)

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知って楽しいJRの旅客営業制度1--大都市近郊区間と140円旅行

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