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2023-09

2022年秋のアクティビティ4--秋の土曜日に神奈中バスを楽しむ

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 今日は去年(2022年)10月に行った神奈中バス乗り歩きをお届けします。2022年は京急バス,江ノ電バスのフリーきっぷを使って乗り歩きを楽しみ,その記事の中で次は神奈中バスと書きました。秋の3連休初日の10月8日土曜日は念願叶って,神奈中バスの乗り歩きに行ってきました。神奈中バス-神奈川中央交通はバス専業で国内最大手のバス事業者で,路線網や営業所の一部は東京都にもあります。到底1日で回り切れるものではないのですが,中心的な部分だけでもと思って,この日も朝から晩まで大旅行です。

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神奈中バスの路線図の例(平塚営業所)。見えないですが雰囲気のみ(拡大はこちら)2023.2.18ダウンロード

 僕の場合は乗り歩きに行くとなれば路線を勉強して,行程を計画します。このときの強い見方が全線を網羅した1枚モノの路線図なのですが,神奈中バスには全線路線図がありません。全線路線図の整備について去年調べましたが,事業者によって温度差があるようです(そのときのまとめはこちら)。一方,神奈中の場合は路線網が稠密で,1枚モノにしたくてもできないという事情もありそうで,むげには責められません。一方,上に示した平塚周辺の例で,平塚駅から伊勢原駅の間は伊勢原営業所持ちの路線が7つもあり頻繁にバスが走りますが,上の図からは把握できず不便です。ない袖は振れないので,17の営業所別の路線図を印刷して格闘した結果が下の行程表です。

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今日の行程表

 この日も朝は早く,我が家最寄りのJR駅の磯子を5:37の根岸線電車で出発です。大船で東海道線に乗換え,6:20に平塚に着きます。平塚駅のバスターミナルに着けば水色の神奈中高速塗装のワンロマ車が朝の準備をしています。

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平塚駅で見かけたワンロマ車 2022.10.8(特記以外,同じ)

 神奈中バスに乗るなら我が家から歩いて20分の上大岡に出れば多数の路線ががあるのですが,今日は敢えての平塚スタートです。というのも土曜日の6:40発1本--週に1便--しか走らない平塚44系統,小田原駅ゆきに乗るのが今日の行程の目玉の1なのです。神奈中はいわゆる免許維持路線が多いバス事業者とみていますが,西湘地区の中心の小田原へは路線を持っておきたいのでしょう。

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平塚駅3番乗り場の時刻表。小田原ゆきは土曜日しか欄がない

 6:35頃,週1便の小田原ゆきのバスがやってきます。バスは平塚営業所の「ひ22」番,西工96MCの車体を載せた日産ディーゼルのクルマですが,三菱自動車ブランドです。バスに乗れば先ずは1,050円ナリの1日乗車券をSuicaに書込んでもらいます。また,神奈中はこの時期,既に左側最前列の座席が解放されていて,久々のかぶりつき席が嬉しいです。

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1.平塚44,平塚駅~小田原駅 ひ22 @平塚駅

 6:40,時間になればバスは平塚駅を発車します。お客さんは僕のほかバス趣味者とおぼしき大学生くらいの2人組だけです。土曜日の朝の東海道は空いていて,停留所ごとに時間調整をしながら定時運行を維持します。途中,大磯プリンスホテル入口あたりからは東海道を走る通勤通学バスの初便になるので,ふつうに乗りのお客さんがあります。後続のバスも含め,神奈中の運転士さんは「前ヨシ,左ヨシ,右ヨシ,車内ヨシ」の喚呼や肉声による案内が徹底されていて気持ちよいです。

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国府津では同時刻発車の箱根登山バスを先に出す

 7:25,国府津駅着,発車は7:30で暫く止まります。隣のバス停に箱根登山バスの小田原駅ゆきが来て,先に出発します。国府津より西は箱根登山のシマで,免許維持の神奈中は遠慮して?箱根登山バスを先に出します。運行の現場では運転士さん同志は仲間で,丁重にあいさつを交わします。朝の通勤通学時間帯のこと,同時刻発車でなく10分でも時間をずらせば,1分でも長く布団に居たい高校生などには重宝されると思います。尤も通学の高校生は定期券でしょうから,このバスには乗れません。従って,国府津以西の乗りは定期外のお客さんばかりです。

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国府津~小田原間の箱根登山バス(左)と神奈中バス(右)の時刻表(ジョルダン,乗換案内,2023.2.18閲覧)

上はジョルダンの「乗換案内」で検索した箱根登山バスと神奈中バスの7:30便の時刻ですが,並べてみると微妙に違い面白いです。時刻表のうえでも国府津の出発は箱根登山が先で,国府津からしばらくは神奈中が遅れて走ります。一方,小田原着は神奈中のほうが9分も早いですが,箱根登山は最後の1停留所で余裕時分を盛っていて,その差が小田原着時刻に出ています。また,箱根登山便は高校生の降り乗りで時間がかかるのを見越してか,小田原東高校前でたくさん止まり,ダイヤ上はここで神奈中便が追い越す設定です。

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運賃表示はずらり並んで,始発からだと700円

 7:56頃,バスは時刻表より7分ほど遅れて,箱根登山バスを追い越すこともなく小田原駅に着きます。免許維持?の平塚44系統はいろいろな発見があって面白い1時間16分の旅でした。

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こちらは戻りの平塚45系統 @小田原駅

 週に1便の平塚44系統ですが,戻りの平塚駅ゆきは少しルートが変わり,平塚45系統を名乗ります。このバスにも乗りたい気はするのですが,今日は神奈中のいろいろなところに行きたいので,8:06の小田急の急行電車で秦野へスキップします。小田原から秦野は夏にも小田急乗りつぶしで来ましたが,酒匂川沿いの渓谷あり,富士山あり丹沢大山ありの景勝路線です。

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2.平塚76,秦野駅~平塚駅 は90 @平塚駅

 秦野では少々きびしい接続で,列車からバスの乗換えを5分でこなし,平塚76系統,平塚ゆきに乗ります。秦野から平塚へは平塚71,74,75,76の4路線があり,北口からは71,74の2系統が1時間4本見当で出ますが,南口の75,76系統は1時間に1本程度です。平塚76系統は途中,七国峠というバス停があるので乗ってみたかったのです。多分,関8州のうちの7国が見えるという意味だと思います。道は確かに峠道ですが,写真を撮る間もなく過ぎてしまいました。

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平塚は神奈中バスが集まる1大ターミナル

 平塚の市内中心部に来ると交差点で車がぶつかって渋滞しています。救急車が来るところで,ぶつかったばかりのようです。後の行程があるので気を揉みますが,何とか6分延くらいで駅前のターミナルに着きます。

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3.平塚53,平塚駅~本厚木駅 ひ117 @平塚駅

 平塚駅からはまたまた小田急線に向かって北上するルートで,今度は平塚53系統,本厚木駅ゆきです。平塚53系統は日中20分間隔の基幹路線です。基幹路線とはいうものの,相模川に沿った道路は細く,歩道もないような道です。

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平塚53系統の走る道

 10:27,時刻表より若干遅れて本厚木駅着。ここからは今日の行程の目玉の2,厚木20系統,宮ヶ瀬ゆきに乗ります。宮ヶ瀬は2000年に竣工した宮ヶ瀬ダムによってできた宮ヶ瀬湖の観光スポットです。何度かドライブで来たことがありますが,バスで来るのは初めてです。

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4.厚木20,本厚木駅~宮ヶ瀬 き103 @宮ケ瀬
5.厚木20,宮ヶ瀬~及川 

 平塚53のバスが遅れたこともあり,本厚木駅では13分しかありません。この間にコンビニに寄り,昼ご飯を仕入れ,ついでにお手洗いも借ります。バスはオレンジ色の特別塗装のサイクルキャリア付きのエアロスターです。バスに乗れば残席もあと僅かで,秋の行楽日和で宮ヶ瀬は賑わっているようです。

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土山峠には神奈川県内でも動物(鹿)注意の標識がある

 厚木20系統のバスは県道60号線,64号線を山に向かって登ってゆきます。相模川水系の小鮎川が拓いた平地で,急な峠道という感じではありません。小鮎川を上るだけ上ると最後に土山峠に至り,峠を越えると宮ヶ瀬湖の端っこです。そこから約10分,湖岸の道を行くと終点宮ヶ瀬です。

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宮ヶ瀬の園地から宮ヶ瀬湖を望む

 宮ケ瀬ダムは堤高156m,総貯水量1.9億m3でどちらも関東地方でベスト3に入る大規模ダムです。しかし,ダム自体は湖の北東方にあり,園地からではよく見えません。宮ヶ瀬のバス停はダム湖の西側の少し開けた湖畔園地にあります。

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宮ヶ瀬の湖畔園地

 湖畔園地には土産物屋や食事処が何軒かあり,家族連れがそれぞれの秋の休日を楽しんでいます。僕は昼ご飯の炭水化物は本厚木で買ってきたので,ここでは川魚の塩焼きをいただきます。深山の川魚といえばイワナやヤマメ,どこにでもいるのは鮎ですが,店のおばさんいわくアマゴだそうです。Wikiを牽けば,元来静岡以西に住むそうですが最近は人間が遊漁目的で適当に放流するので他の水域にもいて,ヤマメとの交配種もいるそうです。

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川魚屋さんとアマゴ焼き

 たった25分ですが宮ヶ瀬湖を楽しんで,次は半原に向かいます。宮ヶ瀬は小鮎川に沿った清川村ですが,半原は中津川に沿った愛川町で谷筋が違います。このため半原に行く厚木01や02系統に乗換えるには本厚木駅の程近くまで戻らなければなりません。この時間がもったいないので,本厚木より13分手前の及川から松蓮寺までを歩いてショートカットして,1本早い半原ゆきを捕まえます。

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松蓮寺にある神奈中バス厚木営業所

 及川から松蓮寺までは持参のGoogle mapで950m12分の行程です。松蓮寺には神奈中バスの厚木営業所があり,高速塗装のバス,西工96MCなどたくさんのバスが休んでいます。全国的に人手不足のこの頃ですが,神奈中も運転士さんのなり手が少ないようで,「バス運転士になろう」と背中にラッピングされたバスも頻繁に通ります。

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「バス運転士になろう」のラッピングバス @上大岡 2023.2.18

 13:08,時刻表よりだいぶ遅れて厚木02系統,半原ゆきのバスはやってきます。国道412号線の旧道のような道を上って行きますが,景色は先ほどの宮ヶ瀬への道とあまり変わりません。30分ちょっとの乗車でバスは終点,半原に着きます。半原は愛川町の中心を出はずれたところで,操車場になっています。

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6.厚木02,松蓮寺~半原 き105 @松蓮寺

 ところで,神奈中バスの社番ですが,営業所を表すひらがな1文字と数字から成っていて,数字は桁数がとても少ないです。新しければ大きい番号という訳でもなく,1から順に,廃車で空き番が出たらそこを埋めるようです。今日乗ったバスでは相模湖駅までの行程で乗った,「つ11」が一番若い番号です。

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7.三ケ木51,半原~三ケ木 つ38 @半原

 半原では約20分を過ごし,14:00の三ケ木51系統の中型のエルガミオで三ケ木を目指します。この辺りは相模川水系の支流群が複雑に入り組み,半原を流れるのは中津川,途中,串川を越えて,三ケ木は道志川に沿う集落です。半原から三ケ木までは小さな峠を2つ越えて20分の行程です。三ケ木は旧・津久井町の中心で,神奈中バスの津久井営業所も三ケ木にあります。

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津久井営業所併設の三ケ木ターミナル

 三ケ木は相模湖駅からほど近く,相模湖21系統のバスに乗れば19分の行程です。慌てて行ってもその先のバスがないので,途中の相模湖公園前でバスを捨て,湖畔の公園でゆっくりします。お腹も空いてきたので,コンビニの弁当で早い夕食です。

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8.相模湖21,三ケ木~相模湖公園前 つ603 @三ケ木

 相模湖では大学の端艇部のレガッタやスワン型の足漕ぎボートが湖上を走っています。また,公園の傍らには水力発電の発電機の先端のブラケットや羽根車などのモニュメントが置いてあり,メカ好きの目を楽しませます。

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公園に置かれた発電機の部品のモニュメント

 相模湖公園で45分を過ごし,15:45のバスで相模湖駅に向かいます。相模湖公園前から相模湖駅は6分で歩いても行けそうですが,今日は1日乗車券なのでしっかりバスで移動です。

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9.相模湖21,相模湖公園前~相模湖駅。ちょうど正面の湖の対岸をバスが行く つ11 @相模湖公園前

 相模湖からは八王子07系統で八王子駅を目指します。この2駅間は列車なら15.2km,16分の行程ですが,バスは国道20号線で大垂水峠を越えて59分かかります。今日の目玉の3番,やってきたバスは「つ27」,若い番号ですが一つ目のエアロスターで2020年導入の新しい車です。

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10.八王子07,相模湖駅~八王子駅 つ27 @相模湖駅

 八王子07系統は鉄道とも並行し,沿線住民も少ない峠越えの路線で,1日に平日2便,土休日3便の運転です。所定より少し遅れて相模湖駅を出れば,ほどなく甲州街道小原(おばら)宿のある小原です。ここは本陣が残っているそうで,街道歩きマニアとしては今度ゆっくり訪ねたいところです。小原を出ると道路はつづら折れの坂道になり峠に向かって登ってゆきます。

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小原の郷。この約150m手前に旧小原宿本陣がある

 国道20号線はJR中央本線の小仏峠の約2km南で都県境を越えていて,大垂水峠というそうです。サミットを越えた東京都側は多少カーブが減り,山を下ると圏央道の高尾山ICです。こんな猿しか住んでいないような山の中に高速道路のインターチェンジを作って不思議な谷の景色ですが,右に折れれば町田方面へのトンネルもできているようです。

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圏央道高尾山IC

 ICから1.4kmで京王の高尾山口駅,続いて高尾駅の駅前を過ぎればもう里です。土曜日夕方の甲州街道は空いていて,17:09,たった2分しか遅れずに八王子駅に着きます。さっき相模湖でコンビニ弁当を食べたばかりですが,今度は駅前の立食いそば屋で夕食その2をいただきます。中央線の線路を越えて南口に出て,次は八王子77系統,橋本ゆきです。

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11.八王子77,八王子駅~橋本駅 た86 @八王子駅

 八王子駅南口はケーキのコトブキくらいしかなかった印象ですが,ヨドバシカメラができ,バスターミナルも整備されて随分発展しました。バス停に行けば長蛇の列,17:34の橋本ゆきになるバスがまだ来ていないようです。そうこうするうち,めじろ台駅ゆきと法政大学ゆきの2台のバスに抜かれ,結局,7分遅れの17:41に八王子駅を発車です。八王子と橋本の間には多摩川水系と相模川水系を分ける分水がありますが,夜も真っ暗になり御殿峠というバス停の名でそれと分かります。道路は大渋滞,片倉高校前から片倉台を往復するという寄り道もあって,橋本駅に31分遅れの18:35に着きます。

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12.橋本55,橋本駅~相模原駅 も162 @相模原駅

 橋本からは横浜線沿いに上るべく18:10の町田30系統,町田駅ゆきを予定していましたが箸にも棒にもかからず,バックアップとして次の18:30便も考えていましたが,これもあと5分のところでアウトです。次の行程を考え始めたところにちょうど相模原駅ゆきのバスが入ってきます。どっちにしろ電車で移動と思っていたので,少しでも電車の区間が減ればよいと,このバスに乗ります。橋本55系統は横浜線の北側,三菱電機などの工場群のなかを走り,14分で相模原駅に達します。

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相模原~町田は横浜線電車でつなぐ

 相模原からは横浜線電車に乗って13分,168円で町田です。来たのは1816K,根岸線直通の磯子ゆきです。この列車に乗れば小1時間で磯子なので,このまま家に帰る誘惑にかられますが,初志貫徹,町田で降りて神奈中バスの旅に戻ります。電車の速達効果は絶大で,ここからは予定の行程を辿ります。

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13.町田87,町田駅~鶴間駅 や16 @鶴間駅

 町田駅ターミナルを19:41のバスに乗れば,39分で大和市にある鶴間駅に着きます。この区間はもともと行程を検討したときは所要52分でしたが,最近ダイヤ改正があったようで出発時間が11分繰下がり,所要41分になりました。今日は途中の道も順調で39分で着いてしまい,御殿峠の渋滞は何だったのかという感じです。

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14.鶴間01,鶴間駅~鶴ヶ峰駅。似たような写真ですみません な145 @鶴間駅

 この辺りからは夜になってバスの便が減り,30分を駅の周辺で過ごすことになります。お手洗いを借りがてら,コンビニでコーヒーで暖まります。以前は鶴間は横浜駅西口から直通の横浜04系統が多数出ていましたが,今は平日の早朝に1往復が残る--これも免許維持?--だけです。

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15.元横浜市営バス5系統,鶴ヶ峰駅~横浜駅西口 な26 @鶴ヶ峰駅

 鶴ヶ峰駅では13分の程よい待合わせで横浜駅西口ゆきに乗換えです。この路線は2006年から2008年頃に横浜市営バスが民営との競合路線の譲渡を進め,そのときから神奈中1社になりました。系統番号にターミナル名が付かないのは市バスの名残です。消化試合モードなので端折りますが,この区間もちょうど30分の乗車で横浜駅西口に着きます。横浜駅では10分の接続で戸塚駅ゆきに乗換えです。土曜の晩の人混みのなか,横浜駅西口のバスターミナルから横浜駅と第一京浜を横断して東口のバスターミナルへ急ぎます。今日はバスが2分遅れて着いたので実質8分で行かなくてはなりません。

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16.横浜43,横浜駅(東口)~井土ヶ谷 お21 @横浜駅

 なんとか時間までに横浜駅東口ターミナル9番停に辿り着き,今日の最終ランナー横浜43系統,戸塚駅ゆきに乗ります。横浜61系統,港南台駅ゆきか桜木町駅から大船20系統,大船駅ゆきにに乗れば自宅徒歩圏の上大岡まで帰れるのですが,どちらも土休日は19:32と20:27が最終です。仕方なく今日は井土ヶ谷から京急電車利用です。井土ヶ谷に着けばまだマクドナルドが開いているので,チーズバーガー1つを買い,今日3度目の夕食です。電車に乗れば7分で自宅最寄りの屛風浦着,今日の旅行の無事に感謝です。

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井土ヶ谷からは京急電車で @井土ヶ谷

 〆てみれば乗った神奈中バスは16便,正確に積算した訳ではありませんが運賃で6,800円分です。GPS logで231kmとなりましたが,途中,小田原~秦野間20.8kmと相模原~町田間8.1kmを電車で繋いだので200kmちょっとです。今日の目玉は平塚44,免許維持の小田原線,厚木20,宮ケ瀬線,八王子07,大垂水の峠越えでしたが,まだまだ他にも見どころはありそうです。行程を計画したのが営業所ごとの路線図だったので見落としてしまいましたが,横浜04,横浜駅西口~鶴間駅や三ケ木53や橋本07で行く鳥井原ふれあいの里などは次回は是非乗ってみたいところです。

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今日の行程(電車で繋いだ2区間も含む)

 今日乗った,鶴間駅~鶴ヶ峰駅の鶴間01,鶴ヶ峰駅~横浜駅西口の5系統は中山営業所持ちですが,その2系統を足した鶴間駅~横浜駅西口の横浜04は大和営業所持ちで,中山営業所の路線図に全区間が含まれますが全く言及されません。また,鳥井原ふれあいの里は津久井営業所の路線図の端っこで,宮ケ瀬から約2.5kmしか離れていないとは気づきませんでした。これらは1枚モノの路線図がない弊害とも言えそうです。神奈中の場合は営業エリアが広いので,西武やしずてつのように大きなエリアごとに区分するとか,紙での提供は諦め大きなPDFにして電子版だけにするとか方法はありそうです。

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神奈中の秀逸なWebサイトの表示例(パソコン:2023.2.19閲覧,スマホ:2022.10.8閲覧)

 一方,神奈中のWebサイトは,パソコン版もスマホ版もよくできていて,さすが最大手です。とくに,便を指定すると途中の通過停留所の時刻と地図上の位置が分かる表示は他社ではあまり見ません。また,並行する複数系統の時刻表を一括表示し,チェックボックスで系統ごとに表示を選べるのも便利な設計です(江ノ電のサイトも同様の機能あり)。最後に大判路線図整備のお願いと,Webサイトの賞賛を書いて今日の記事を終わります。(2023.2.19記)
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2022年夏のアクティビティ4--江ノ電バス乗り歩き

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 今日は少し前の旅行記になりますが,夏に行った江ノ電バスの乗り歩きをお送りします。僕は基本的に旅行は鉄道派ですが,同じ位バスも楽しみます。列車に比べバスのほうがスピードが遅く,鉄の皮が薄い分だけ,景色や風物が身近に感じられるよさがあります。春から夏にかけて出掛けた三浦半島京急バスの旅をお送りし,最後のほうで江ノ電バス,神奈中バスについて言及しましたが,早速,江ノ電バス乗り歩きに出掛けました。

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江ノ電バスの1日乗車券。小田急グループのアプリ,EMot経由で購入する

 使ったきっぷはこれ,「江ノ電バスのり旅きっぷ(江ノ電バス1日乗車券)」という商品で,小田急の運営するEMot(Mobility with Emotiomをもじったもの)というアプリで購入します。きっぷはスマホの画面を見せるだけですが,画面コピーによる偽造ができないように日付や時刻が埋められた動画が表示されます。僕はきっぷ蒐集も趣味なので,少しの差なら紙のきっぷを買うのですが,この商品はEMot版しかありません。尤も,600円はかなり割安な設定なので文句は言えません。

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江ノ電バスの路線図(2022年12月5日現在Web改訂版)(細かくて見えません。雰囲気のみ)

 行程の計画は全線路線図を使いましたが,江ノ電の場合は横浜地区と湘南地区がそれぞれ1枚もので2枚ものです。江ノ電のウェブサイトでは適時更新されているようで,今は2022年12月5日現在Web改訂版が公開されています。紙に印刷したものは,旅行中に鎌倉駅の案内窓口でもらったもので,2020年6月27日現在とあります。この路線図には,ダイヤ改正に伴う改訂の案内とサイトのQRコードを書いた紙片が付いています。紙の路線図の製作には費用もかかるので,発行コストと適時の情報更新を考えた合理的なやり方に好感です。

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出発は磯子駅から洋光台駅ゆきD4系統 @磯子駅 2022.8.15(以下同じ)

 さて,旅行に出掛けたのは(2022年)8月15日月曜日です。この日はお盆の中日で月曜日ですが,会社はお休み,バスは休日ダイヤです。この日最初に乗る江ノ電バスはD4系統,JR根岸線磯子駅から洋光台駅へ行くバスです。磯子駅はわが家から歩いて15分,最寄りのJR駅なので,まあ地元のバスです。磯子と洋光台は根岸線で2駅しか離れていませんが,根岸線は海岸の工場地帯に沿って南東方向に大きくふくれているのに対し,この路線は山側の住宅街,団地の中を縫って走ります。休日ダイヤではこの7:35便が初便です。

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2便目も団地路線で洋光台駅から上大岡駅へのD1系統 @洋光台駅

 来たバスは横浜営業所の351号車,レジで5200番台はつい最近登録されたばかりの新車で幸先のよいスタートです。江ノ電の小型バスは京急の高速バスにも似たさわ風柄をしていましたが,最近は標準塗装を簡略化した柄にえのんくんの大書きの塗装に変わりました。このバスも,次の上大岡ゆきも,日野ポンチョで,この辺りの団地内をこまめに巡る路線には多いです。洋光台ゆきのD4も上大岡ゆきのD1も休日(?)の朝なのでお出かけの人を拾って,小さなポンチョはぎゅう詰めです。

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社番ちょっきり300,レジの希望ナンバー90はバス創業90周年を記念したもの? @上大岡ターミナル近く

 洋光台からのD1系統はぎゅう詰めですが,道路は順調でほぼ時刻表どおり上大岡駅に着きます。随分遠回りをしましたが,僕の自宅から上大岡駅までは歩いて20分もかからず,実は最寄り駅の一つです。次は大船ゆきに乗る予定ですが,上大岡から大船は鎌倉街道をまっすぐ進む基幹ルートで,路線バスも江ノ電と神奈中の共同運行です。次の江ノ電便まで15分位あるので,勝手知ったるバスターミナル周辺で写真を撮ります。

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こちらは江ノ電の電車の塗色をまとった特別塗装車 @上大岡ターミナル近く

 上大岡は京急電車の緩急接続駅ですが横浜南部の1大ターミナルで,20年位前に高架化,再開発で整備されたバスターミナルには江ノ電バスも頻繁に出入りします。

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上大岡バスターミナルで

 江ノ電バスには以前は系統番号がありませんでしたが,2019年12月に系統番号を付番することになり,洋光台はD,上大岡はAのように他社とは違ってターミナルをアルファベット1字で表します。最近は日本語が読めない外国人が増えたから?,後発なのでどこのターミナルもよい番号をとられてしまってインフレ番号になるから?理由は分かりませんが,ちょっと異質です。ところが神奈中との共同運行路線は漢字1字のターミナル名を使っていて,次に乗る大船ゆきも船05です。

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上大岡から大船の船05系統 @大船駅東口バスターミナル

 鎌倉街道を下る大船ゆきは道路も順調で概ね時刻表どおり走り,9:30前に大船駅東口バスターミナルに着きます。大船駅も大きな結節点で,横浜,戸塚方面と湘南の鎌倉,江ノ島方面で別のバスターミナルに止まります(このほかに線路の山側にも藤沢方面のバスターミナルがある)。バスターミナル間を移動し,次はN5系統鎌倉湖畔循環のバスに乗ります。

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N5系統鎌倉湖畔循環は少々古めのエアロ @大船駅東口交通広場

 鎌倉湖とはあまり聞きませんが鎌倉の建長寺の裏山を反対側に降りたところで,住所では今泉,高級住宅地です。昔は農村だったところで明治の初年にに代官が灌漑用の池を築造したのが始まりで散在ヶ池と呼ばれていましたが,1957年(昭和32年)に土地改良区による改修があったそうです。自宅から鎌倉へのハイキングの帰りに何度か通ったことがありますが,池自体を見たことはありません。

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大船駅近くの離山から鎌倉駅はA21系統 @鎌倉駅

 次には北鎌倉,建長寺,八幡宮を経て鎌倉駅への路線に乗ります。ここは大船~鎌倉間のN2が主体ですが,A21の上大岡からの便も幾本かあります。以前は上大岡~鎌倉直通便が1時間に1本位は走っていたと思いますが,今のダイヤでは平日朝夕のみ4本,土休日朝のみ2本になってしまいました。今日乗ったA21は栄警察署前始発でこれも1日4便の稀少なバスです。この路線は大船から鎌倉への観光ルートにあたりますが,鎌倉街道は片側1車線,途中に踏切もあり,行楽シーズンの休日ともなれば大渋滞で,今日も14分遅れて鎌倉駅到着です。

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鎌倉駅の裏,江ノ電側の駅舎

 次には藤沢方面を目指しますが,途中,桔梗山に寄り道する行程です。横須賀線のガードをくぐり,鎌倉駅の江ノ電側に出ます。表側は時計台の建つ瀟洒な駅舎ですが,こちらもJR,江ノ電のこじんまりした駅舎が並びよい雰囲気です。駅に寄ったついでに紙のバス全線路線図を所望し,改訂の案内の紙片がついたちょっと古い路線図をいただきます。鎌倉駅の西側はバスターミナルを作る用地もないので,到着便は駅前まで入りますが,出発便は少し離れた鎌倉市役所からの発車です。

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鎌倉駅の山側は紀伊国屋マーケットもあり落ち着いた街並み

 K6系統桔梗山ゆきは盆休みの渋滞で時刻表どおり走れず,折返しになる鎌倉駅ゆきがやってきません。発車時刻の11:30を過ぎた頃にようやく到着便が来て,始発時点から7分遅れです。お客さんも少なく,こちら向きは道路も空いていて,桔梗山に着く頃にはほとんど遅れ挽回です。この辺りは鎌倉と藤沢の間の緑の多い住宅地で,終点桔梗山の折返し場は低層の団地と緑の森の中です。

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鎌倉から乗ってきたK6のバスがそのままF12藤沢ゆきになる @桔梗山

 桔梗山から藤沢は湘南のふつうの通りを上って,約20分で12:20に藤沢駅に着きます。ちょうどお昼なので,美味しそうな弁当を調達すべくデパ地下を物色します。時期が違うような気もしますが,牡蠣めしがあったので,今日のお昼はこれに決まりです。次に乗るのは藤04系統辻堂団地ゆきで,ここも神奈中との共同運行路線です。後の行程の都合から,食事が済めば12:40の神奈中便--もちろん運賃を払って--でもよいと思っていたのですが,うっかり乗り場を間違えてこのバスをミスってしまいます。

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藤04系統辻堂団地ゆきは今日初めてのニューエルガ @藤沢駅北口

 250円得した気になり13:00ちょうどの辻堂団地ゆきに乗れば海岸道路(国道134号線)とも東海道(国道1号線)とも違う道を西へ走り,23分で終点に着きます。この後はこの道路を更に西進して汐見台というバス停まで歩くつもりです。辻堂団地から汐見台はGoogle Mapでちょうど1,000m13分,乗ってきた藤04は辻堂団地13:17,次のJ2辻堂駅ゆきは汐見台13:33が所定です。16分でもこの夏の気候を考えればきついのに,バスが6分遅れたので1,000mを10分で歩かなくてはいけません。藤沢駅で1便前のバスをミスったのが痛いです。

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J2系統辻堂駅ゆき。新設なのでポールが新しい @汐見台

 ところで,次のバスは汐見台から乗りますが,今,自分が住んでいるところも汐見台,同じ名前なので行ってみたいと思っただけです。また,今日もらった紙の路線図にはこの停留所がないので,2020年6月以降の新設停留所のようです。無理して汐見台まで歩かなくても,一つ手前の茅ケ崎学園入口からでもJ2のバスには乗れるのですが,バス停が見当たりません。探すのも面倒なので,ままよと汐見台を目指します。発車時刻を勘違いして急いだこともあり,13:30過ぎには設置したばかりの新しいポールの汐見台に着きます。もう1人この停留所から乗車のご婦人がいますが,汗だくの僕を見てナニモノ?と思ったことでしょう。

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F35系統藤沢駅ゆきは土休日のみ1日1便の運転 @辻堂駅

 汐見台のバス停を見て満足したので,辻堂駅ゆきのバスではクーラーの風を浴びてゆっくりします。辻堂からは今日の目玉路線の一つF35系統藤沢駅ゆきに乗ります。辻堂~藤沢間は神奈中バスも含めて多くのバスが走りますが,このF35系統は辻堂駅から南へ下って海岸に出た後,海岸通り(国道134号線)を江ノ島の渡り口まで下ってから藤沢駅に向かうルートで,土休日だけ1日1便の運転です。下にこのバスの時刻表をつけておきます。余談ですが,江ノ電バスのサイトの時刻表は似たような経路の路線をチェックボックスで選ぶようになっていていて,よくできています。また,ウェブサイト全体もとても使いやすく,行程の検討をしていて気持ちよかったです。

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F35系統の時刻表(江ノ電バスのサイト,2022.8.15閲覧)

 時間になればF35のバスが駅前のロータリからやってきますが,さっきJ2で汐見台から乗ってきたのと同じクルマです。昼前の桔梗山といい,今日は車両運用と一致した乗継ぎが多い日です。バスに乗れば駅から南へ下る路線は鵠沼車庫ゆきが頻繁に走りますが,松波町から先の海岸通りはこの系統だけです。免許維持路線のようではありますが,今日も大渋滞で,まともに運行するのも大変なようです。所定では藤沢駅に14:32に着くダイヤですが,その時間になっても江ノ島の渡り口に辿り着きません。

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江ノ島海岸のバス停で見かけた神奈中バスの時刻表(下のステッカー)

 今日の予定は藤沢駅までこのバスを乗り通して,藤沢から江ノ島ゆきのバスで戻って,江ノ島に渡ることにしています。藤沢駅往復をカットすれば,概ね予定の行程に戻ります。F35に全区間乗れないのは残念ですが,江ノ島海岸のバス停で降ります。所定では14:09のところ32分なので,既に23分遅れです。バスを降りてバス停を見ると「毎年海の日に限り運行 藤77 藤沢駅北口行 8:35...神奈川中央交通...」のステッカーが眼に止まります。神奈中は免許維持路線が多い印象ですが,年に1便だけとは究極です。その運転日を海の日にするあたり,人を小バカにしたようでもありますが,こういうのを見ると来年来たくなりワクワクします。

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江の島へは歩いて渡る

 予定の行程では15:00ちょうどに江ノ島を出るバスなので,ゆっくり歩いて橋を渡ります。この橋は江の島弁天橋,隣の車道の橋は江の島大橋といい,それぞれ1958年(昭和33年),1962年(昭和37年)の開通だそうです。夏の終わりの午後でジリジリと暑い訳でもなく,気持ちよい海上ウォークを楽しみます。島の近くでは幾台もの水上バイクがたむろしていて,これも気持ちよさそうです。ちょっと欲しくなって調べると,たかだか2,3人しか乗れないのに1.8l,300馬力ものエンジンを積み,300万円位するようで,道楽息子ののりものです。

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N3系統大船駅ゆき。橋が渋滞し,始発から遅れての出発

 島の入口のバスターミナルに着くと,久々の行動制限のないお盆休みとあってごった返しています。海の幸を食べたり,弁天様を拝んだりしたかったのですが,ここは大人しくバス待ちの列に並んで,時間を過ごします。江の島大橋は島から本土は空いていますが,本土から島は駐車場待ちのクルマと錯綜して大渋滞です。15:00便になる下りのバスもだいぶ遅れていて,15:00少し前に江の島に着き,3分位遅れての発車です。

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大船駅東口ターミナルは商業施設がグランシップとして再開発され広くてきれいになった。一番右の江ノ電バスが長沼まで乗ったT4になった

 大船ゆきのバスは行楽帰りのクルマで多少の混雑はありますが,10分程度の遅れで大船駅東口交通広場に着きます。ここは朝にも来たところで,今度ももう一つの大船駅東口ターミナルまで歩きます。以前はSATYの商業施設と併設のバスターミナルだったと記憶しますが,久しぶりに来たら再開発なった商業施設と共にバスターミナルも一回り広くきれいになりました。この「グランシップ(大きな船=大船!)」は2021年7月オープンで,大船駅北第二地区市街地再開発組合は2022年度の国土交通省の「2022年度まちづくりアワード」の功労部門を受賞したそうです。

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T1系統飯島団地循環

 大船からは家への帰り道になりますが,一旦,戸塚駅ゆきに乗り,少し寄り道です。T4系統は県道203号線を通って大船と戸塚を結ぶ路線です。途中の長沼から西に広がる飯島団地へは戸塚駅からT1飯島団地循環があり,これにも乗ります。飯島団地循環は土休日ダイヤでも日中15分間隔で,乗るのに何の造作もありません。実際,長沼16:06着の21分発で行程を組みましたが,1本前のバスを見ることができました。飯島団地は東海道線と根岸線に囲まれた三角地帯の団地で,これというものもなく一回りします。

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T85系統平島ゆき

 戸塚から自宅に帰るには神奈中の地盤を通るのが順路ですが,今日は江ノ電にこだわり少し西側を迂回してのルートになります。次に乗るのはT85系統平島ゆきですが,平島は江ノ電バスの鎌倉営業所前の停留所です。T85のバスですが記事を書きながらよく見ると朝に乗ったA21系統のバスと同じです。今日はよくよく同じバスにあたる日です。僕が辻堂のほうまで行っている間,どこを走っていたのでしょうか。朝のA21とこのT85は同じ鎌倉営業所持ちではありますが,方面としては随分違い,面白い運用ダイヤではあります。

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T85は造成地のなかの妙に広い道路を行く

 T85のバスは戸塚駅を出ると東郊の新しそうな造成地の広い道路を進みます。近くには小田急分譲団地,明治学院大学などが広がります。西の空が夕焼けに染まり,富士山がきれいです。通りはそのまま本郷台駅に至り,その先で鎌倉街道に出ると渋滞名所の公田交差点,その少し先が終点平島です。

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鎌倉営業所風景

 平島からは鎌倉街道の基幹路線,船05で上大岡に戻り,最後に江ノ電バスの横浜営業所を覗いて帰る行程です。上大岡ゆきに乗るには鎌倉街道を渡らなければいけません。すぐの接続でバスは来るのですが,押しボタン式信号をそれと知らずにつっ立っているというチョンボをしてしまい,みすみす乗り遅れてしまいます。がっかりしていると,奥から盆の送り火をするから集合との指令です。集合する先は京急追浜駅近くの奥の実家,ここからなら金沢八景ゆきの神奈中バスで1本です。時刻表を見れば次の上大岡ゆきよりも先に金沢八景ゆきが来るようです。

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今日の行程表

 という訳で,少々尻切れトンボですが,今日の江ノ電バス乗り歩きはここまでとし,金沢八景へのバスに乗ります。まとめてみれば,600円の1日乗車券で14便のバス,運賃では3,310円分乗りました。江ノ電バスは朝のポンチョの2路線や昼の桔梗山,夕方の飯島団地のような団地をこまめに回る路線も多く,これらと江の島・鎌倉の観光路線が上手く補完して経営の基盤になってる感じがします。

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今日のGPS log。細かいループもあり,意外ときめ細かく回れました

 また,1日乗車券600円というのも魅力的で,また訪れたくなります。おっとその前に,神奈中バスの乗り歩きも行かないといけません。(2023.1.7記)

2022年夏のアクティビティ3--京急バスで三浦半島めぐり・その2-2

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その2-1から

 今日は(2022年)8月1日月曜日に行った京急バスでの三浦半島めぐり,その2-2をお送りします。その1では三浦半島の京急バスの路線の中でも基幹的な路線を中心に巡りましたが,その2はその1で網羅できなかった路線や,企業向けの通勤路線などを巡っています。この日は朝から東海岸を巡り,横須賀市の西海岸,武山地区でお昼ご飯を食べ終わったところから今日のスレッドはスタートです。

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この日の行程表

 午後の部最初に乗るのは海3系統,横須賀市民病院から三浦海岸駅ゆきです。やってきたバスは三崎営業所のG3119,今どき珍しいワンステップです。この路線は三浦半島南部を北西から南東に斜めに横切るイメージですが,実際の路線はもっと立っていて真南に近い方角に進みます。通る道路は県道214号線で左手には武山,砲台山,三浦富士などが連なりますが,ふつうの開けた里山風景です。イチゴやミカンなどの観光農園もあり,三浦半島でも一番のどかなあたりかもしれません。

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10.海3,横須賀市民病院~三浦海岸駅 G3119(三崎)2022.8.1(以下全て同じ)

 三浦海岸駅に着けば12分の接続で,海35系統,三崎東岡ゆきに乗換えます。この海35は前回のその1でも乗っていますが,三浦半島最南部の岬めぐりの路線なので外せません。山本コータローとウィークエンドの岬めぐりのモデルとの説があるとはその1でも書きました。今日は前回とは逆コース,三浦海岸から三崎へと下ってゆきます。

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11.海35,三浦海岸駅~三崎港 G1358(三崎)

 12:48,時刻表どおり三浦海岸駅を出ると商店街の坂を下り,東京湾側の海岸に出ます。このあたりは砂浜がきれいな三浦海岸のビーチで,真夏の今日は海水浴の人がたくさんいます。右に曲がって金田の海岸を下りますが,平日ということもあり砂浜は人影まばらです。岩浦あたりからは砂浜と岩場が混在するような海岸になってきます。

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岩浦~鋒(とがり)あたりの海岸

 前回は自ら選んで曇りの日の旅行でしたが,今日は天気もよく岬めぐりの車窓を楽しみます。ひと山越えると次は松輪で,ここには漁港があります。松輪に揚がるマサバは松輪サバといって,九州の佐賀関の関サバと並ぶブランド魚で,ふつうのマサバの10倍もの値が付くそうです。それは本稿を書きつつ調べたことで,今度行ったらマグロだけなくサバも食べてみたくなりました。

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松輪漁港 @剱崎小学校あたり?

 松輪漁港のある入江--江奈湾--が尽きるとバスは高台に上がり,岬めぐりは段丘上からになります。夏のこの時期は三浦はスイカの出荷で賑わいますが,車窓にはスイカ畑が広がります。

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車窓に広がるスイカ畑 @毘沙門あたり?

 このあたりは三浦半島の最南部で道路はほぼ東西に走ります。更に段丘を登ると大乗で,今日は畑と風車の向こうの海の先に陸地が霞んで見えます。地図を見ると房総半島の東京湾側に付き出た岬,洲崎で,チーバくんのつまさきにあたります。

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畑と風車の向こうに海と房総の洲崎が見える @大乗あたり?

 更に段丘上の道を行くと城ヶ島大橋からの接続道路と合流,坂を下って三崎漁港の横の入江に出たところが椿の御所で,細長い入江を半周して三崎港に着きます。入江沿いの道からは漁港の施設の後ろに城ヶ島大橋がよく見えます。

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城ヶ島大橋 @日の出あたり?

 13:35,僅かに遅れて三崎港着。このバスはあと1つ先の三崎東岡ゆきですが,ここでバスを降ります。三崎の中心部では40分の昼食の時間をとってあったのですが,今日は早めに食事済なので1本早いバスで三浦海岸に上ります。三崎港の周辺にはいろいろな土産物屋や魚市場直結の産直市場などがあるのですが,只今,お腹は満腹だし,荷物にもなるので買い物は控えます。

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城ヶ島への渡船

 15分くらい時間があるので,漁港の近くをブラブラします。魚市場近くの岸壁には渡船「さんしろ」が停まっています。ここも渡船とは名ばかりで,運賃は片道500円の観光船です。三浦海岸ゆきのバスは,三崎東岡から回送でやってきて,1分遅れ位で出発です。

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12.海31,三崎港~三浦海岸駅 G1323(三崎)

 三崎から三浦海岸駅に行くバスは先ほど乗ってきた海35の逆向きのほか,ここ三崎港~三浦海岸駅の海31と1停留所,岡に上がった三崎東岡~三浦海岸駅の海30があります。京急バスの系統番号の付番は几帳面なところがあって,海30と海31は通るルートは同じで起終点が三崎東岡か三崎港か1停留所の違いです。ふつうなら同一の系統にしてしまうと思うのですが,誤乗防止の配慮なのでしょうか。一方,検索サイトによっては殆ど同じルートでも系統番号が違うばかりに1操作で検索することができず不便この上ありません。

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海30,31の直行ルートは段丘の上の野菜畑を進む @内込

 海30,31は三崎から三浦海岸駅を三崎街道経由で結び,先ほど乗った海35の47分の半分以下の22分の行程です。車窓は海岸段丘の上の野菜畑の中を淡々と走る感じです。三浦海岸に着けば,またまた電車でひと駅,三崎口へ行きます。やってきた電車は都営地下鉄から来た快速特急1260H,600形です。

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京急久里浜線1260H @三浦海岸

 電車に乗れば三浦海岸から三崎口は3分,14:25に三崎口に着きます。次に乗るのが今日の旅行の目的の一つ,三14系統,三戸海岸ゆきです。元々の行程ではここの列車からバスへの乗継ぎが5分しかなく,外せない所の割にはリスキーなのでした。幸い約40分前倒しで推移しているので,三崎口では少し列車の写真を撮って時間を潰します。三崎口駅のホーム端は駅撮りにしては上出来の構図で撮れる場所ですが,側面が蔭で,あと3時間くらい早く来ないとダメなようです。

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三崎口駅で軽く鉄ちゃん

 三崎口に着いた電車は,折返しの間に車体の前面に散水&モップ掛けの簡易清掃をしています。夏の強い陽射しのなか,シャワーの水が虹になって,とても気持ちよさそうです。その1で久里浜線末端部の日中のダイヤは10分ヘッドが20分ヘッドになったと書きましたが,実際のところは11,12,13時台だけで,8~10,14,17時台は概ね12分ヘッド,毎時5本が確保されているようです。約30分ホームにいる間に2本の到着列車が来ました。

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13.三14,三崎口~三戸海岸 G4529(三崎)

 三14のバスをミスってはいけないので,15:00少し前,ホーから上がり駅前のバスターミナルに向かいます。駅のバス溜りにはエアロキング改造の京急オープントップバスが停まっていて,15:00便になって出てゆきます。その1-1でも上げたので写真は省略です。三14のバスは三崎口始発ではないので時間ギリギリでやってきます。1日1便の貴重なバスなので方向幕をきれいに撮ろうとISO感度を下げたりしているうちにバスは来てしまい,少々思ったのとは違う構図になってしまいました。

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三戸海岸のバス停と時刻表

 15:03,バスは時刻表どおり三崎口駅を出発します。やはりというか,お客さんは僕一人です。途中,三戸入口,神田入口と通過し,たったの5分位で終点の三戸海岸に着きます。途中の車窓は段丘上の畑が主です。しかし,停留所が2つだけ,1日1便だけ,免許維持とも思えないような路線で,なんでこんな所にバス路線があるのか不思議なところです。いろいろ地図などを見ていると,京急はこの先で「三浦市三戸地区発生土処分場建設事業」という事業をやっていて,迷惑補償でバス路線を敷くと言ったのでやめられない...などと勘ぐってしまいます。

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三戸海岸からの回送バス

 次に乗るバスはバス停2つ分歩いて,三戸入口から三12系統,荒崎ゆきです。三戸海岸から三戸入口はGoogle mapで測って,1.3km17分の距離です。三戸海岸のバス停にタクシーを呼ぶことも考えましたが,それも失礼なので,今日はダメもとで歩くことにします。一昔前なら,回送で帰るんでしょ,三戸入口の近くまで乗せて行ってよと掛け合うのですが,近時はコンプライアンスがウルサイので,言っても無駄と諦めです。幸いバスが早めに着いたので3分位を稼ぐことができます。歩き始めて間もなく,さっき乗ってきたバスが回送になって追い越してゆきます。真夏の炎天下を小走りも混ぜながら汗だくになって歩き,14分位で三戸入口のバス停に辿り着きます。

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14.三12,三戸入口~荒崎 G1148(三崎)

 結局,三12のバスは2分位遅れてやってきます。今日の1番の目玉の三14のバスに乗り,その後もなんとか予定のバスに乗れてほっと一安心です。クーラーの効いた車内で汗だくの身体を寛げ,しばしゆっくりします。三崎口駅でお客さんは入替りますが,道は引続き三崎街道で,車窓は相変わらず段丘上の畑の景色です。

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三浦半島南部は大体がこんな野菜畑の景色 @小根岸あたり?

 操車場を持つ大きなバス停,長井を過ぎるとバスは左折し,長井の町の中に入ってゆきます。長井港,漆山漁港と鄙びた漁港と岩場の磯が続く海岸を走り,15:49,終点の荒崎に着きます。

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長井の海岸。岩場と漁港が交互に見える @漆山あたり?

 荒崎からは得意の盲腸路線の底を繋ぐ作戦で,ソレイユの丘まで10数分の道のりを歩きます。前回その1のときは丘から海岸に下る逆ルートでしたが,今回はやや登りのコースです。陽も傾き,時間的な制約も緩いので,今度は海風を感じながらゆっくり歩を進めます。また,今日のスレッドのとびらの写真はこのお散歩コースの漆山の近くで撮ったものです。

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15.三53,ソレイユの丘~三崎口駅 G1020(三崎)

 勝手知ったる道を15分位歩き,ソレイユの丘着。裏手の牧場のサイロが陽を受けてきれいなので,ここで到着するバスを撮ろうと思いますが,ちょうど電池切れになり空振りです。せっかくなので,ちょっと遠くですがサイロを背景に入れたバスの写真を上げておきます。

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三53,三崎口ゆきのバスの前面展望

 ソレイユの丘から三崎口方面に行くバスは2種類あり,この地域の中心の長井だけ停車する「急行」の三53,54系統と,長井を通らないショートカットルートで三崎口まで「直行」の三55,56系統があります。ソレイユの丘,16:13の三53は「急行」便で,この後,逗子方面に上りたい僕の行程には便利です。あいにく夕方のソレイユの丘からのお帰り時間帯で僕は立ちんぼ,前の方に移動し三崎街道の長井の交差点に来たら降車ボタンを押そうと前を見ます。そのうち上の写真のT字路に差し掛かり,ソレイユの丘の出口ってこんなに明るかったっけとは思います。僕のアタマは長井で降りる気満々なのですが,ふと見ると長井よりもずっと三崎口寄りの三浦市総合体育館が見えてきます。???かなりしっかり見ていたのに,長井での降車をミスってしまいました。長井では絶妙の7分接続で逗6,逗子ゆきに乗り,湘南国際村の高台から夕陽に輝く相模湾を見る予定だったのでガッカリです。

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長井周辺の地図

 三崎口から長井,葉山,逗子方面の三崎街道は平行する鉄道がなく,京急バスとしては三浦西海岸バックストレッチの幹線です。とにかく速攻で武山方面に上るべく,一番でバスを降ります。その時,後ろの方で「長井を通らなかった...」のような声がしましたが,こちらも急いでいるのでそんな声は無視です。残念なことに,16:24の荒崎ゆきがバス停を出て,バスターミナル出口で信号待ちをしています。結局,次の上りは16:34の須6,横須賀駅ゆきまでありません。

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16.須6,三崎口駅~林 G4529(三崎)

 このときは長井を見過ごして降りそこなったと思っていたのですが,後から上の写真やGPS logを見て冷静に考えると,そもそも通らなかったということのようです。路線バスがルートを間違えて通るべき停留所をスキップしてしまった...というのは酷いインシデントですが,翌日なってから気づくというのもおめでたい話です。上にも書いたように三53,54,55,56系統は「急行」と「直行」があり,間違い易いことは確かですが,やってくれましたね,です。バスを降りるときに聞いた「長井を通らなかった...」ですが,その場でゴネれば,タクシーを飛ばしてくれるとか補償があったのでしょうか。僕の場合は,国道に出る交差点で気付いていれば27分の逗子ゆきに多分間に合ったと思いますが,三崎口まで来てしまってからでは3.5kmを3分で瞬間移動せねばならず,どっちにしろ間に合わないと思われます。

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17.逗5,横須賀市民病院~長者ケ崎 D1910(逗子)

 三崎口で10分待って,須6,横須賀駅ゆきのバスで上りつつ,今日の行程のリカバリを検討します。前にも書いたようにソレイユの丘の後は湘南国際村に行き,湘南国際村と逗子を直結するルートの南郷トンネルを通るバスに乗るのがその次の予定でした。この南郷トンネルルートのバス(逗25,26)は本数が少なく,朝夕のラッシュ時しかないので乗ってみたいのです。この時点では自分でミスったものと思っていたので,気を取り直して続きの行程を進みます。

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長者ヶ崎海岸。ここはギリギリ葉山町

 三崎口から乗ったバスは横須賀駅ゆきなので林交差点で右折します。国道134号線を直進するバスは長井を17:15に出る逗6,逗子駅ゆきまでありません。少しでも早く北上することを考えると,林から横須賀市民病院までの2停留所を歩き,横須賀市民病院16:57のバスに乗るのがよさそうです。この区間は昼にも全く同じ道を歩いたので勝手は分かっており,この2停留所間を10分で歩き16:57の逗子ゆきに間に合わせます。

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長者ヶ崎~峯山にかけての海岸

 横須賀市民病院から葉山,逗子方面への国道は三浦半島の西海岸の海沿いを走ります。湘南国際村と池上十字路を端折ることにしたので,時間は十分にあり,海のきれいなところでバスを捨てます。降りたのは長者ヶ崎,ここは横須賀市と葉山町の境ですが,バス停近くには葉山町の入口のモニュメントがたっています。

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18.逗6,峯山~葉山大道 D1862(逗子)。右のポールは峯山バス停

 ここから峯山バス停に向けてぶらぶら歩きます。8月でも午後5時になれば陽も傾いて,気持ちのよい夕べの海岸歩きです。左の丘は葉山ホテル音羽の森ですが,只今,リニューアルの工事中で営業はお休みです。峯山のバス停のポールは京急バスの他のどこでも見たことのない特製のハート形の頭に相模湾の魚をあしらったものです。

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19.逗15,葉山大道~上山口小学校 E3364(衣笠)

 次に乗るのは逗子駅から葉山経由,衣笠駅に行く逗15系統です。時間的には余裕があるのでもっと逗子寄りまで行ってもよいのですが,途中ですれ違ってしまったら困るので,一番近い乗換え停留所,葉山大道で乗換えることにします。バスは5分位遅れて17:44頃,葉山大道に到着,信号を渡って,角を曲がった衣笠方面のバス停に行きます。やってきたのは衣笠営業所のブルーリボンシティハイブリッドです。このタイプのバスはハイブリッドバスの量産タイプの嚆矢で,多くの事業者に多くの台数が導入されていますが,今回の京急バスの旅では初めてです。

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20.逗25.上山口小学校~桜山7丁目 D4027(逗子)

 ハイブリッドバスで三浦半島の背骨の峠に向かって登ってゆきますが,ここでも無理はせず,南郷トンネルへの曲がり角から2つ目の上山口小学校でバスを降ります。乗ってきた逗15のバスが随分遅れていたので,ここでの接続は9分です。次に乗る逗25の逗子駅ゆきはほぼ定時でやってきます。湘南国際村入口の交差点を国際村とは反対の右に曲がればすぐに南郷トンネルです。トンネルは概ね2200m,厳密には新沢,竜神,南郷の3つのトンネルだそうですが,夕暮れ時の行程でもあり全体で1本のトンネルのようです(実際,竜神トンネルと南郷トンネルの間はシェルターになっている由)。楽しみにしてきた割には写真を撮る訳でもなく,逗葉新道に抜けてしまいます。

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逗子海岸では夕焼けの江の島を楽しむ

 トンネルを抜け逗葉新道終点のT字路を左折,長柄経由で逗子の市街地に向かいます。さすがに平日夕方で道路は混んでいて,降車予定の桜山7丁目には所定より6分遅れの18:36に着きます。ここからはだらだら坂を下って逗子の中心部に出て,田越川の川沿いを歩いて逗子海岸に出ます。この先が今日のアクティビティの一つで江ノ島と富士山と共に海に沈む夕陽を眺めるです。今日の逗子海岸の日の入りは18:46でちょっと遅く,残照の江ノ島を暫く眺めます。富士山も頂上は雲の中ですが,両肩の稜線は見えていて,真夏の時期を考えれば善しとしましょう。

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21.逗12,切通し下~葉山 D1916(逗子)

 夕暮れの相模湾を眺めつつ渚橋を渡れば,橋の袂になぎさ橋珈琲店なる大きなカフェが建ちます。ここは以前はファミリーレストランのデニーズだったと記憶しますが,海を見るのには絶好のロケーションで奥とコーヒーでも飲みに来たいと思います。今日はまだ先の行程があるので,カフェの先の切通し下から旧道経由葉山ゆきのバスに乗ります。19:03頃,5分位遅れて来たバスは通勤帰りの時間帯なので,そこそこ混んでいますがお客さんは降りる一方です。

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22.23.逗8,葉山~電力中央研究所正門~大楠芦名口 D1064(逗子)。ブレブレですみません

 森戸海岸,真名瀬海岸,一色海岸と夜のビーチを過ぎ,終点,葉山には19:15に着きます。葉山からは懲りずに武山,長井方面に下る逗8のバスに乗り,電力中央研究所(以下,電力中研)に行きます。ここも朝行ったJAMSTEC,住重のような企業の敷地に乗り入れる路線のようで,今日最後のアクティビティです。逗8のバスは3分位遅れてきますが夜の国道はガラガラで,電力中研に着くころにはほぼ時刻表どおりです。ここでは守衛室の先のゲートの中まで入って行くので,電力中研の所員以外は乗れないようです。電力中研入口のバス停で待つこと10分ちょっとで,先ほど乗ってきたバスが研究所奥の折返し所から戻ってきます。

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24.須4,大楠芦名口~横須賀中央駅 E4957(衣笠)

 電力中研からの帰りは研究所近くの鹿島というバス停から大人しく帰ればよかったのですが,欲を出して葉山から乗ってきたバスの折返しで少し戻り,次に乗る湘南佐島なぎさの丘からのバスを迎えに行きます。この時間ならバスは所定の時間で走るだろうと思って作った行程表では乗換えは大楠芦名口,時刻は20:02着の20:06発です。さて大楠芦名口でバスは降りたものの,反対方向に下るバス停が見当たりません。夜も真っ暗で,バス停のポールなど全く見当たらず,今乗ってきた途中では見当たらなかったので進行方向に歩きます。すると逗子方向から20:01の長井ゆきのバスがやってきて,歩いているのとは逆方向の随分先で合図を出して客扱いをしています。ありゃ,これは確率2分の1を外したと思い,今来た方向に猛ダッシュです。なんとか長井方面の大楠芦名口バス停に辿り着き,20:06の横須賀駅ゆきに間に合わせます。多分,あの長井ゆき--少々遅れていた--が来なかったら,バス停に辿り着けずこのバスに乗れなかったでしょう。後から考えれば,湘南佐島なぎさの丘からのバスは海側から出て来るので,バス停は交差点より長井側にあるはずで,考慮が不足と反省です。

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横須賀中央から屏風浦への列車,2007レ @横須賀中央

 横須賀中央駅へは時刻表で34分,概ね時間どおり走って20:40に到着です。ゆっくり歩いて駅に行くと次の列車は20:47の快速特急ですが,この時間には金沢八景や金沢文庫での緩急接続はありません。結局,屛風浦に着くのは20:49の普通でも同じなので,この列車を選択です。自販機で飲み物を買って喉を潤し,普通列車に乗れば23分で自宅最寄りの屏風浦に到着です。

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今日のGPS log

 三浦半島京急バスの旅,その2はその1に比べると距離や値段の面では及びませんが,今度もいろいろなところを乗り歩けて楽しめました。また,今回の方が行程の計画ミスやら,バス停の降りそびれ(実はバスのルート誤りだった)など,いろいろなハプニングがありました。このようなことは机上旅行では絶対味わえず,リアルゆえの楽しみです。

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三浦半島京急バスの旅,その1,その2の重ね合わせ

 この2回の京急バスの旅のGPS logを重ね合わせたものが上です。バスの路線は支線系統では運行本数が少ない箇所も多く,全部を乗るのは到底無理として,ふつうの路線はかなり乗れたかなと思います。インターネットで情報収集すると,我が家の近くでは江ノ電バスが600円,神奈中バスが1,050円で1日乗車券を売っているので,今度はこれらを使って旅行してみたいと思います。(2022.9.4記)

2022年夏のアクティビティ3--京急バスで三浦半島めぐり・その2-1

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その1-2から

 少し前の記事で京急バス三14系統三崎口~三戸海岸線は1日1便,今度乗りに行きたいと書きましたが,今日は8月1日に行った三浦半島京急バスの旅,第2弾をお届けします。この日は自責他責いろいろなハプニングがあり,予定どおりゆかない点もありましたが,旅行の目的の大体は達成できました。

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この日の行程表

 この日の行程は1日1便の三14系統に乗ることを中心に据え,前後を前回5月15日に行っていない路線を巡る行程です。ここぞ京急バスというところは前回に行っているので,今回は少し変わったところが中心になります。使ったきっぷは三浦半島1DAYきっぷです。前回は1日の旅程なのに2DAYきっぷを使って勿体ないことになったので,今回は1DAYきっぷを前提に旅程を組みました。

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使ったきっぷは三浦半島1DAYきっぷ

 さて,実行は(2022年)8月1日月曜日です。この日は僕の会社は夏休み,三14系統は休日運休なのでこういう日しか機会がないのです。今朝も出発は早く,わが家の近くの京急線のターミナル,上大岡を5:50の特急電車です。金沢八景で乗換え,逗子線の終点逗子・葉山には6:12に着きます。

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逗子・葉山への電車2本。京急本線570Hと逗子線692レ @いずれも金沢八景 2022.8.1(以下全て同じ)

 最初に乗るバスは鎌40系統,鎌倉駅ゆきです。このバスは前回のその1でも乗っていますが,逗子マリーナや材木座海岸を巡って逗子~鎌倉間を繋ぐバスです。今日乗るのは6:27逗子・葉山駅発の初便です。平日なので各停留所では通勤のお客さんを拾って進み,逗子マリーナあたりからは立ち客も出ます。

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1.鎌40,逗子・葉山駅~鎌倉駅 C1769(鎌倉)

 この路線は海岸線に近い人口の多い地域を走りますが,海が見える車窓は少なく,家々の軒の間から覗く程度です。今回は2度目なので,軒の隙間の写真に挑戦しましたが,下の程度です。

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軒の隙間から材木座海岸を見る @材木座あたり?と鎌倉到着時の運賃表

 この路線は鎌倉方が起点で,逗子方はリバース形の循環ルートになっていますが,この運賃が面白く,一番最初の鎌倉駅から乗っても,帰りの起点の逗子から乗っても鎌倉駅まで240円で変わりません。今日はフリー乗車可のきっぷですが,運賃を払うなら鎌倉から乗れば,往復しても片道分です。

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2.鎌24,鎌倉駅~金沢八景駅 C1914(鎌倉)

 鎌倉からは朝比奈峠を越えて朝通ってきた金沢八景に戻る鎌24系統に乗ります。朝比奈峠は近くに朝比奈の切通しもあり,横浜側から鎌倉に入る古くからの往還です。行楽シーズンは渋滞名所でもあり,35年位前にこの路線に乗った時は,煙草を吸いたいお客さんは吸ってもよいし,降りたくなったらどこでも降ろしますと言うくらい運転士さんも開き直っていました。もう時効ですが,呑気な時代でした。今日は平日の朝なのでまずまず順調に走りますが,峠を越えて環状4号線との合流で信号4,5回待ちとなり,金沢八景には約7分遅れでの到着です。

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朝比奈峠の様子 @鎌倉霊園正門前太刀洗?

 金沢八景は元々の京急の駅に臨海部の埋立て地を走るシーサイドラインが乗入れる結節点ですが,なかなかシーサイドラインの駅の建設が進まず,長いこと暫定駅での営業が続いていました。2019年3月末にシーサイドラインが150m延伸し,国道16号を跨いで京急の駅と直結,2021年2月に暫定の1線だったこの区間が複線化され,ようやく完成しました。

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京急金沢八景駅構内の金沢八景の図(朝に撮ったもの)

 この工事は駅の移転も伴い,駅前の再開発も進んできれいに整備されました。今はその後掛りのような,片付けの工事が行われています。朝乗換えた京急の駅構内には金沢八景の図なども整備され,名勝金沢八景の玄関として機能を始めています。

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3.4,金沢八景~瀬ケ崎 A1863(追浜)

 金沢八景到着後は追浜駅周辺の京急バスに乗りに行きますが,金沢八景と追浜の間もバスで繋ぎます。また,次に乗る湘南鷹取循環は追浜駅よりやや北の内川橋が起点です。金沢八景からは国道16号線で磯子駅~追浜駅を結ぶ基幹的路線の4系統に乗りますが,4停留所のチョイ乗りです。時刻表を検索したり迷っているうちに内川橋より1つ南の瀬ケ崎まで行ってしまいますが,歩いて戻ってもわずか数分です。

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4.追5,内川橋~湘南たかとり1丁目~追浜1丁目 A2717(追浜)

 元々の予定では追浜駅で約30分の時間をとって,駅そばスタンド「えきめんや」で腹ごしらえと考えていましたが,鎌24や4系統が順調だったので,1本早い湘南鷹取循環のバスに乗れそうです。また,湘南鷹取循環には追1のふつうの循環と追5の大循環があり,1本早い内川橋8:11便は1時間に1本しかない大循環です。となると,駅そばはパスです。

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内川橋バス停近くの京急ファインテックの工場

 瀬ケ崎から内川橋まで歩いて戻れば,バス停近くには京急ファインテックの工場があります。ここが元の追浜営業所だったのか,敷地の一部を操車場として使っていて,新旧のエルガが休んでいます。8:11,時間になれば1番道路寄りの1台がでてきて,追5系統,湘南鷹取大循環になります。国道16号線を追浜駅の少し先の追浜1丁目まで下り,その先で左折し,ループ状の橋で線路をまたぎ,湘南鷹取台の団地に入ります。

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湘南たかとりセンターあたりで

 湘南鷹取団地は西武が開発した大きな団地で,3,300世帯,7,700人が住むそうです。追5のバスは団地内に入るとたかとりセンターの後,先ずはたかとり1丁目に行き,それから戻って追1の循環ルートを通って,追浜駅方面に戻ります。団地内の緑の隙間では夏の日らしいヒマワリが咲いています。

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5.追1,追浜1丁目~追浜駅 A7878(追浜)

 上に書いたようにこのバスは予定より1本早く,次に乗る追6・住友重機械循環は9:10が初便で,慌てて追浜に行っても仕方ありません。国道沿いの商店の裏には京急線が通っていて,列車も頻繁来るので,1便バスを落として鉄ちゃんを楽しみます。適当に降りた追浜1丁目のバス停近くには,細いながらも踏切もあるのですが,思った感じに写真は撮れず,収穫なしです。

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6.追6,追浜駅~海洋研究開発機構~住友重機械~追浜車庫 A7930(追浜)

 8:54,追浜駅に戻れば,次は9:10の追6・住友重機械循環です。この2台は追浜営業所の所属で日産ディーゼル/西工のスペースランナーです。追浜は元々,日産,住重の企業城下町で,追浜営業所にはスペースランナーの配置も多く,日産への気遣いを感じます。追6系統はこの9:10の便から,海洋研究開発機構,住重の両方に寄って追浜駅に戻ってくる運行形態になります。9:00も近づき,駅前周辺の人通りは多くありませんが,追6のバス停はフレックスタイムや時短勤務の通勤客がたくさんいて,30人位が列を作っています。

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海洋研究開発機構の門前で

 9:10,時間になれば,追浜の工業団地へ向けてバスは発車します。商店街を抜けると道路はだだっ広くなり,日産の工場街に入ります。完成車工場,研究所,テストコースなど詳しくは分かりませんが,日産の工場施設が続きます。日産の工場が終わり海が近づくと,海洋研究開発機構(JAMSTEC)の施設に至ります。以前,施設の公開で来たことがありますが,海洋地球研究船「みらい」や有人潜水調査船「しんかい6500」を持つ国の研究機関です。その先には日産の完成車出荷用の埠頭が広がり,自動車運搬船ももやっています。

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住友重機械の門前で

 住重の追浜工場は,その1で行った浦賀の湾奥にあって手狭な工場から,造船華やかなりし1970年代前半に移転新設した大きな造船所です。400tの門型クレーンは遠くからでもよく見え,住重追浜のシンボルです。その後,韓国,中国にこれを越える超大型の造船所ができ,今は多分,新造船はやらずに東京湾の地の利を活かした修理船事業しかやっていないはずです。この追浜工場は平成の中頃に研究拠点も迎え入れ,環境,半導体製造,レーザーなどの産業機械の開発・製造の拠点になっています。

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京急バス追浜営業所を覗く。奥にはリムジンバス塗装のワンロマ車も見える

 9:35頃,追浜車庫前で工業団地の循環バスを降り,田17・田浦駅ゆきに乗換えます。乗換えの間の時間に京急バス追浜営業所を門の外から覗きます。ここでもエルガがずらり並んでいるのですが,上にも書いたとおり,日産/西工のスペースランナーが結構な数いるのが特徴です。また,車庫の奥の方にはA7944という社番のリムジンバス塗装のワンロマ車もいます。

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7.田17,東京ファイン前~田浦駅 A7837(追浜)

 追浜営業所の近くの東京ファインから乗った田17のバスはまたまたスペースランナーで3台連続です。追浜から田浦にかけての道も深浦湾沿いに工場が続き,船越からは自衛隊基地になり,最後は東芝の工場となって国道16号に合流します。深く入り込んだ入江は天然の良港で,太平洋戦争時代の海軍工廠のサプライチェーンの工場群が民生品の工場となって集積しています。

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田17は深浦湾,船越の入江を行く

 9:56頃,時刻表より少し遅れて終点,田浦駅に着きます。JR横須賀線の田浦駅は山陽新幹線の新神戸のごとく駅の前,後ろに山が迫っていて,1両締切扱いをしますが,駅前の広場は森閑とした雰囲気です。12階建ての威圧的なマンションが東京近郊を感じさせますが,これがなければ静かな田舎の駅前です。

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JR田浦駅前。大きなマンション以外は静かな森の中の印象

 田浦からは前回のその1-2で上った八31・安浦2丁目ゆきで横須賀方面に下ります。4分くらい遅れて来たバスに乗れば,10分ちょっとで横須賀中央駅に着きます。今の時刻は10:20位ですが,なにをトチ狂ったか手許の行程表では横須賀中央駅着は10:56で,行程検討時にバス2便40分を間違ったようです。8月の暑い中40分も時間を潰すのは嫌なので,安浦2丁目までこのままバスに乗り,元・京急安浦の県立大学駅に出ることにします。

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8.八31,田浦駅(国道)~安浦2丁目 A4862(追浜)

 降って湧いたような40分を活用すべくバスの車内で行程を練りますが,この後,横須賀市民病院から三浦海岸まで乗る海3系統が1時間に1本の運転なので,40分というのはどうにも中途半端です。仕方がないので,40分はポケットにして,予定の行程を進みます。ここも少し遅れて10:25頃,終点,安浦2丁目着,歩いて県立大学駅を目指します。勝手は分かっているつもりでしたが多少遠回りをしてしまい,駅に着けばちょうど10:33の浦賀ゆき電車がやってきます。堀ノ内で京急久里浜ゆきに乗換え,久里浜でもすぐの接続で三崎口ゆきに乗換えと,短い区間ですが電車3本を乗継いで10:47にYRP野比に着きます。

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県立大学~YRP野比までの電車3本。本線992レ @堀ノ内,本線908A @京急久里浜,久里浜線866H @YRP野比(追いかけですみません)

 野比からは野2系統,横須賀市民病院ゆきで三浦半島を斜めに上がって,西海岸の中心,武山地区を目指します。野2は40分ヘッドのダイヤで,ちょうど予定より1本前の11:08便に間に合います。

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9.野2,YRP野比駅~林 F2552(久里浜)

 11:08,バスは時刻表どおりYRP野比駅を発車し,通研通りという道をYRP(横須賀リサーチパーク)の基となった旧・電気通信研究所に向かって登ってゆきます。左手には183mながら三浦富士なる山や武山(200m)も連なり,深い森の中です。研究開発拠点としては閑静なよい所で,山に入って研究するしかないような場所です。10分も登れば通信研究所・NTT横須賀研究開発センターの構内に入ります。

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YRPの周辺は重畳たる山の中

 通信研究所の本館前で小休止,時刻を合わせて,西海岸への道を進みます。本館前にはモニュメントか実際に使っているのか分かりませんが,衛星通信のパラボラアンテナがあります。また,西側への出口付近には,「CONNECTING WITH HOPE/ひとりひとりの,希望の光をつなぐ」と大書きされた大型トラックが止まっています。非常用発電機を積んだ災害用の通信中継車かと思いましたが,2021東京オリンピックの際の「聖火リレーセレブレーションステージ演出×超高臨場感通信技術 Kirari!」だそうです。

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通信研究所内のあれこれ

 通信研究所を抜けてしばらく走ると,横須賀中央駅と武山地区を繋ぐ県道26号線に至ります。バスは左折し,前回その1で何度も通った林交差点に出ます。バスは横須賀市民病院ゆきですが,林でバスを降り,昼食を食べる手頃な店を探します。三崎も近いのでマグロかしらすか海のものを食べる気でいましたが,手頃な店が見当たらず,適当にラーメン店に入って定食で腹ごしらえします。

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林の近くの自衛隊施設。横須賀教育隊の看板が出ているがいろいろな施設が集まる

 今日の午前中は金沢八景~追浜地区を中心に工場内に入る路線などにきめ細かく乗りました。午後は西海岸を中心にきめ細かく回りますが,その様子はその2-2に書きます。お楽しみに。(2022.8.28記)

その2-2につづく

京急バスで三浦半島めぐり・その1-2

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その1-1から

 今日は前回に続き(2022年)5月15日日曜日に行った,京急バスを乗りたおす三浦半島バスの旅その1-2をお届けします。その1-1では三浦半島の西海岸と半島を横断する主要路線に乗りました。三崎で昼食の後は,主に三浦半島の東側を旅行します。

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京急バスの路線図。見えないと思いますが,雰囲気のみ

 旅行に行ったのは5月15日ですが,旅行の計画は4月の中旬からたて始めました。こういう旅行の計画をたてるのに全体感をつかむのは大事で,どんなにサイトの検索機能が充実していても,上のような俯瞰的な路線図は必須のアイテムです。鉄道と違ってバスの場合,起終点が同じでも経由地が違ったり,系統番号が同じでも甲乙丙丁や枝番号で区分されることも多く,運行系統の正確な把握には大判の路線図は欠かせません。京急バスは全線路線図を制作しているにも拘らず,サイトから参照することができずもったいない限りです。

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今日の行程表(その1-1の再掲)

 さて旅行の後半ですが,スタートは三崎東岡です。マグロとしらすの丼ぶりを掻込んで,意外と早くに食事が済んだので,三崎の商店街の裏山を登り,次のバスの起点の三崎東岡まで歩きます。三崎東岡は三浦市の中心で,三浦市役所や三浦城址にも近く,京急バスの三崎営業所もこの近くです。営業所を覗くと新旧のエルガがずらり並んでいます。昼ご飯を食べたお店は食べ終わるやすっ飛び出してきたので,バスの営業所の隣の京急ストアでコーヒーを買って少しゆっくりします。

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京急バス三崎営業所

 営業所からほど近い三崎東岡のバス停に行けば,古レールで作られたホーム上屋をもつ昭和の時代の地方の私鉄駅のバスターミナルのようです。ホームの中央には操車・案内小屋があり担当も詰めています。待つこと数分で,海35系統,剱崎回りの三浦海岸駅ゆきのバスが一回り小さなエルガミオでやってきます。

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昭和の地方の私鉄駅のバスターミナルのような三崎東岡

 このバスは三崎東岡発14:33,三浦海岸着15:20ですが,この区間には海30,31系統も走っており,こちらは4分遅い14:37に出て14:57には三浦海岸に着いてしまいます。海35系統は一旦,三崎港に出て,東側の海岸線に沿って,岬めぐりをしながら上って行くので時間がかかるのです。岬めぐりといえば1974年の山本コウタローとウィークエンドの同名の曲は当地がモデルとの説もあるようです。

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15.海35,三崎東岡~三浦海岸駅 G1081(三崎)

 三崎街道の末端のだらだら坂を下ると先ほど城ヶ島に行く前にも通った三崎港,その先も城ヶ島大橋への登り口まで同じ道を走ります。岬めぐりといっても,海食崖の台地の上を走るので,波打ち際のようなところを走る訳ではありません。三浦は近郊農業が盛んな所で大根とキャベツが有名ですが,野菜畑,向こうには風力発電の風車,その先に東京湾と絵になる風景です。

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キャベツ畑,風車の向こうに海が見える海35の岬めぐり @大乗あたり

 毘沙門,剱崎,鋒(とがり)と岬めぐりらしいバス停が続き,三浦半島京急バスの旅,午後の部の白眉でもあります。金田あたりまで来ると海食崖の台地の景色は終わり,坂を下りると砂浜の海岸の景色に変わります。海が見える大きなマクドナルドが見えれば上宮田で,左に折れて少し登ると終点三浦海岸駅です。

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金田湾の砂浜の海岸がつづく @岩浦あたり

 三浦海岸の北は海沿いに京急久里浜線が通り,津久井浜,京急長沢,YRP野比と続きます。京急は電車に乗せたいのか,線路に並行するバス路線どころか,津久井浜,京急長沢の2駅には駅に入るバス路線もありません。三浦海岸から山側に迂回すればバスでYRP野比に出られますが,時間がもったいないので,この区間は列車利用です。そういえばこの区間の列車は10分ヘッドから20分ヘッドに,コロナ禍で大減便が実施されました。どうせガラガラなので,便数を半減にするなら全部の列車を久里浜で分割し,8連を4連にすればよいではないかと思いますが,電気代より人件費のほうが経費節減効果が大きいのでしょう。

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三浦海岸~YRP野比は列車で移動 1505A

 ホームに上がれば予定より1本早い15:21の泉岳寺ゆき快特に間に合います。線内クローズのAの快特は大抵が2100形で,車内はガラガラですが,運転席背後のかぶりつき席はしっかり埋まっています。京急にはマニアに好まれるいくつかのポイントがありますが,この座席も一つです。少し後ろのジャンプシートで数駅の列車の旅を楽しみます。京急ではこの時期は,乗務区に異動してきた運転士さんの座学が終わりハンドル教習の時期で,この列車も見習いくんの運転です。

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京急2100形の最前部座席。前面展望はすこぶるよい

 15:26,YRP野比着。次に乗るバスは野比海岸発で,Google Mapでは徒歩23分の距離です。三浦海岸で1本早い列車に乗れたので,時間は倍近い43分あります。お天気が残念ですが,東京湾を見ながらゆっくり歩いてゆきます。駅を出て国道を渡ると海岸に下りる道があり,3分も歩けば海岸の道路に出ます。この道は片側1車線の立派な道路で,調べれば県道212号線,下浦海岸通りとも呼ばれるそうですが,交通量は少なく不思議な道です。歩くこと20分位でマンションの脇にある野比海岸のバス停に着きます。この先の左側は海軍病院をルーツとする国立病院機構久里浜医療センターで,日本唯一のアルコール専門病棟を持つそうですが,目の前は東京湾ですこぶる眺めのよい病院です。なお,ここで撮ったのが今日のとびらの写真で,天気がよければ青い海がきれいなことでしょう。

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16.久8,野比海岸~開国橋 F2953(久里浜)

 16:09,時刻表どおり久里浜駅ゆきのバスは発車し,先ほど歩いてきた海沿いの道を北へ上ってゆきます。途中,右手には東電~JERAの横須賀火力発電所が広がります。内房線に乗ると対岸からも見ることができる馴染みの発電所です。1~8号機までの総出力は263万kW,いっときは日本一の火力発電所だったそうですが,今は廃止済,代わって65万kW2缶の新設工事が行われているそうです。

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ボイラの更新工事中の横須賀火力発電所と東京湾フェリー「しらはま丸」

 発電所の次には東京湾フェリーの久里浜港が現れ,チーバくんを船体に描いた「しらはま丸」がちょうど出て行くところです。次に乗るバスは,久19系統,浦賀駅ゆきですが,久里浜駅まで行っている時間はなく,開国橋での乗換えです。開国橋で降りて,目の前を行くフェリーの写真を撮っていると,入れ違いに東海汽船の大島航路のジェットフォイルがやってきます。「セブンアイランド友」という名のこの船は,1989年川重の建造のBoeing929-117で,久里浜から東京の竹芝,大島と,いずれもちょうど1時間で結びます。

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翼走するBoeing929-117,「セブンアイランド友」

 大島もいいなあと思いつつバス停に戻れば,すぐに久19系統のバスはやってきます。海岸線を辿ろうと今日は久19系統を選びましたが,このバスは1時間に1本程度しかない千代ケ崎経由という路線です。千代ケ崎は横須賀刑務支所,久里浜少年院の入口の前で,ここを往復した後,砲台跡のお鼻を越えて浦賀湾の方へ下ってゆきます。海沿いにしばらく走り,紺屋町というバス停でバスを降ります。

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17.久19,開国橋~紺屋町 F1780(久里浜) 

 次に乗るのは今日の行程の目玉の一つ?,浦賀の渡しです。浦賀の渡しは運航時間は7:00~17:00と案内されていますが,時刻表はありません。基本的に応需で,呼べば迎えに行くよというスタイルです。この時間(16:43頃)で運航があるか心配ですが,渡船場に行けば「運航中」の札がかかっています。

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浦賀の渡し西渡船場

 あいにく渡船の船「愛宕丸」は対岸にいます。案内板にあるボタンを押せば,船はすぐにやってきます。船に乗れば乗船料金400円ナリを払うとすぐに出発,住重の浦賀ドックなどを見ながら瞬間の船旅を楽しみます。調べれば,浦賀ドックは世界に4つしか残っていない煉瓦積みドライドックの1つで,2007年近代産業遺産指定,2021年には住重から横須賀市に寄付されたそうです。この次は,ドック周辺の散策に来たいと思います。また,1月22日の記事にのせた護衛艦「たかなみ」は浦賀のドックで建造された最後の船だそうです。

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渡船から見る浦賀湾

 渡船自体の所要時間はものの2分です。渡船は若戸(若松~戸畑,北九州市営,100円),音戸(警固屋~音戸,呉市営,2021年廃止),越ノ潟(越ノ潟~堀岡,富山県営,無料)に乗ったことがありますが,ここは実際のところは渡船でなく観光船です。営業主体もトライアングルという横須賀の軍港めぐりや猿島遊覧を手掛ける会社です。今日は単調なバス乗継ぎの旅行なので,ちょっとした無駄遣いもよいスパイスです。

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浦賀の渡し東渡船場

 僕が降りた後の「愛宕丸」は多少早めですが,もうすぐ17:00,終業の時間となり,東渡船場の近くの桟橋に引上げます。西渡船場は紺屋町バス停の真ん前ですが,東渡船場はバス停から多少離れています。新町というバス停が最寄りで徒歩3分の案内です。3分なので適当にバス通り方向に歩けば見つかるだろうと油断していたら90度違った方向に歩いてしまい,Google Mapに助けてもらって最後は走って次のバスに間に合わせます。

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本日の営業は終了。滞泊桟橋に引上げる「愛宕丸」

 渡船の次は観音崎で,乗るバスは堀25系統,観音崎ゆきです。新町,17:01のバスはやや遅れて来て,時間どおりならアウトのところで助かりました。バスに乗れば,車内には「けいきゅん」と「けいまるくん」のぬいぐるみが置かれ賑やかなバスです。約13分の乗車で,終点の観音崎に着きます。

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18.堀25,新町~観音崎 F1037(久里浜)左下は車内

 観音崎は三浦半島が東京湾に突き出した先端にあり,海を見るにも,地層の勉強にも,海の幸を食するにもよい所です。今日はあいにくの天気,時刻も夕方,乗継ぎ時間も12分なので何ごとも早回しです。

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観音崎公園の案内板。左手遠くには房総の富津岬が見える

 磯のほうに出れば,沖合を中国のコンテナ船が上ってゆきます。10万トンクラスと見ましたが,いつかゆっくり写真を撮りに来たいと思います。そうこうしているうちに帰りのバスが来てしまいました。海岸の通りを走るバスを撮ろうと思っていたのですが,慌てて撮ったので失敗写真です。

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浦賀水道を行くCOSCOのコンテナ船

 観音崎17:26のバスに乗れば,あとは基本的にお帰りのコースです。国道16号線をずっと上るルートですが,観音崎からは先ずは横須賀市中心部までです。その後は八31系統,4系統を乗継げば磯子まで上ることができます。

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19.須24,観音崎~横須賀中央駅 F3964(久里浜)

 夕方の横須賀市中心部を走りますが,雨が降り始めます。今日の天気予報は夕方16時で曇りマーク,降水量は0.1mm,夜は傘マークだったので大当たりです。行程表では次の八31系統は米ヶ浜~内川橋を乗る予定でしたが,上屋があったほうがよいので,横須賀中央駅乗換えにします。

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20.八31,横須賀中央駅~追浜駅 A2517(追浜)

 八31系統は横須賀市中心部と追浜地区を国道16号線(横須賀街道)経由で結ぶ路線で本数も多く,予定より1本早い便に乗ることができます。系統番号の八はかつて金沢八景まで走っていた名残のようです。路線が短縮されて頭文字のターミナルまで行かなくなった時はふつう系統番号を振り直しますが,追浜でも横須賀でも頭文字はあるのに不思議な話です。横須賀と追浜は仲が悪く,どちらかをとると他方が下風に立つのは嫌だとなるから,争いのないよう横浜市の八景のままにしているのでしょうか。

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21.4,追浜駅~金沢文庫 A4862(追浜)ブレブレですみません。このバスだけ写真なしともゆかず...

 片側2車線の広い国道を順調に上り18:26,追浜駅着。雨が本降りになったので,乗換えは大きな上屋のある駅前のバス停にします。次に乗るのは4系統,磯子駅ゆきです。ここでも予定より1本早いバスに乗るることができます。この路線は系統番号が数字だけで,ターミナルの頭文字が付きません。元々,横浜市営バスと京急で共同運行していた4系統ですが,2007年3月限りで市バスが撤退したので,系統番号はその名残です。僕の記憶では「この間」のようですが,もう15年も経ってしまいました。

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金沢文庫~屏風浦は列車で移動 1827レ

 18:52,金沢文庫着。このまま乗っていても30分弱で磯子駅まで行けるのですが,金沢文庫より北はフリー区間外,別途の運賃が必要です。せっかくの2DAYパスを活用したほうがよいので,大人しく列車で上ることにします。国道上のバス停から少し歩いて駅に着けば,ちょうど18:59の普通列車があります。乗れば8分の乗車でわが家最寄りの京急線の駅,屏風浦に到着です。

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今日のGPS log

 奥の三浦半島まるごときっぷに触発されて出掛けた三浦半島京急バスの旅ですが,始発バスから宵まで,約12時間半で21本のバスに乗りました。三浦半島の田舎といっても人口の多い地域を走るので,バスの本数も多く,楽しいバス旅行ができました。西海岸を中心に海の見える郊外バスも多く,景色もよかったです。運賃はざっと計算して6,000円以上で,三浦半島2DAYパスは1,540円だったので,概ね4倍です。京急さんどうもありがとうございました。また,あちこちで歩いたので歩数も稼いで,今日は26,000歩も歩きました。

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今日の歩数計

 この旅行についてfacebookに上げたら,会社の鉄道・バス友達から三14系統,三戸海岸ゆきは乗らなかったのかとコメントがありました。調べると三14系統は平日15:03の1本だけ,上りは三15系統といって平日朝の1本だけ,かつ休校日運休です。なんと挑戦的なバス。この路線のダイヤは彼に言われるまで知らなかったのですが,こういうのを見るとワクワクします。近いうちにこの三14か15系統を絡めて,京急バス乗りつぶしその2に出掛けてみたいと考えています。

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三14,15系統の時刻表 2022.7.17閲覧

 ところで,今日のスレッドの最初に1枚ものの路線図はインターネットサイトに必須,京急の場合は紙の1枚ものを制作しているのにもったいないと書きました。時間があったので国内の有力バス会社20社のサイトの路線図の提供状況をまとめてみました。民営・公営の別,営業エリアの広さなどで一概には言えませんが,お金をかけてアプリを作り込んでいる事業者,ちょっとしたことだが便利な工夫など,比べると興味深く,いつか記事に纏めてみたいと思います。なお,並び順はバス保有台数の多い順ですが,出典や年次が古いので僕がこんなもんだろうとした順とお考えください。(2022.7.17記)

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その2-1へつづく

京急バスで三浦半島めぐり・その1-1

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イメージ @湘南国際村つつじが丘 2022.4.24

 コロナ禍で遠出がはばかられるようになり久しいですが,近距離であればマイクロツーリズムなどと行政も支援する需要喚起策も現れ,まだら模様になっています。僕の住む横浜南部では,かながわ旅割と京急がコラボした特別の「三浦半島まるごときっぷ」が発売されたりしています。基本的に旅行好きの家族なので,わが家の奥はこのきっぷを買い,三崎にマグロ料理を食べに出掛けました。それに触発され,自分も三浦半島のバス旅行に出掛けてみたくなり,5月15日は朝から晩まで京急バス乗りたおしの旅に行ってきました。今日はそのご報告をします。

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かながわ旅割・三浦半島まるごときっぷの案内ページ

 ところで,各地のバス事業者,とくに観光輸送が盛んな事業者は1日乗車券を発売することが多いです。三浦半島に稠密な路線網を持つ京急バスにも1日乗車券があるとよいなとかねがね思っていました。実はバスの1日乗車券というタイトルではありませんが,京急電車として売る三浦半島1DAYきっぷがバスの1日乗車券としても使えるのです。長年,沿線に住んでいて,これはうっかりでした。もともとが電車のフリーきっぷのため発売額も安く,フリー区間内の金沢文庫発で1DAYきっぷがたったの1,110円です。2DAYきっぷのほうはフリー区間内および上大岡より南での設定がなく,一番安い上大岡発で1,540円です。なお,京急には電車・バスのフリーきっぷのほかいろいろなイベント券付の商品もあるので,出掛ける場合はホームページでアクティビティにあったものを選ぶのをお薦めします。

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三浦半島2DAYきっぷほか今日のきっぷ

 行程を計画するとスタートは鎌倉駅から逗子駅への鎌40系統の始発バスです。京急バスの三浦地区の営業エリアの端っこは大船駅ですが,大船界隈の京急バスは始発が遅いので,朝から乗りたおすには鎌倉始発が有利と考えました。ところが,三浦半島1DAYきっぷには前売りがなく,きっぷを買った日は1kmも乗らないけど,前日発の2DAYきっぷを用意することになりました。上大岡発で2DAYのほうが220円高いのですが,このきっぷで何千円分も乗せてもらうので220円は目をつぶることにしました。

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まずはJRで鎌倉を目指す。根岸線461A @磯子(右),横須賀線 685S @大船(左) 2022.5.15(以下,全て同じ)

 元々,この旅行は5月の連休中に敢行する計画でしたが,ジュニア曰く三崎街道は1本道で週末の渋滞が激しく,路線バスが時刻表どおり走るはずがないと一刀両断です。連休も過ぎ,一段落した(2022年)5月15日日曜日は天気予報も曇り夕方から雨で,行楽日和とは程遠い天気です。この日ならよかろうと前日のうちに三浦半島2DAYきっぷを用意します。朝のスタートは自宅最寄りの磯子駅からJRで大船へ出ます。8分の接続で,大船始発の久里浜ゆきに乗換え,鎌倉を目指します。

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朝の鎌倉駅。さすがに日曜日の6:10では人影もない

 6:06,時刻表どおり鎌倉着。さてこれから1日,京急バスの旅です。最初に乗るのは6:15発,鎌40系統逗子駅ゆきの初便です。鎌倉から逗子は横須賀線ではお隣ですが3.9kmあり,ひと山越える感じです。この間には山あいの県道をまっすぐ進む鎌30系統と逗子マリーナや小坪漁港などをつなぐ鎌40の2系統のバスが走りますが,鎌40のほうが主流です。バスは数人のお客さんを乗せて発車,鎌倉,逗子市内の建て込んだ細い道を走ります。逗子マリーナや小坪漁港の近くを通りますが,なかなか湘南の海らしい写真を撮れるところはなく,逗子駅に着いてしまいます。

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1.鎌40,鎌倉駅~逗子駅 C1913(鎌倉)

 逗子は京急の逗子・葉山とあわせ,三浦半島西海岸の入口で,近い所では葉山から,遠くは横須賀市の南のはずれの長井まで,たくさんのバスが出ています。そのなかから,今日は6:48発,逗12系統旧道回りの葉山ゆきに乗ります。葉山は昔から葉山町で,この辺りでは珍しい市制が敷かれていない町です。独立性が強い割には,京急の駅が新逗子から逗子・葉山に変わるなどの動きもあります。その葉山町の中心部を縫うように走るのが逗12系統です。葉山港のある鐙摺(あぶすり)でちらりと海を見,程なく葉山マリーナに至ります。その先も森戸海岸,一色海岸と海岸の町を走ります。

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2.逗12,逗子駅~葉山 D1108(逗子)

 このバスの終点,葉山着の所定は7:10ですが,一つ前の一色海岸着の所定は7:04です。この2停留所の間は300mもなく,ふつうならバスで1分です。今回,研究して知ったのですが,京急バスのダイヤは終点停留所のところで,最近よく言う「盛って」あって,多少の遅れがでても,終点には定時で着くように設定されているようです。前回,予行演習(?)で4月24日に来た時には,終点の葉山で7:05の長井ゆきに乗ることができました。今日もそれを期待して,7:05の長井ゆきに乗れる想定で行程を組みましたが,さすがに柳の下に泥鰌は2匹いませんでした。今日の逗12のバスは7:08頃,葉山着,7:05の長井ゆきは影も形も見えません。

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なぜかハイセンスな響き漂う葉山マリーナ

 いくらなんでも所定の時刻で時刻が逆転する行程を強行はできないので,元々計画していた代案発動です。この代案では湘南国際村に行けなくなってしまいますが,そこを端折ることで,以降の行程は元に戻ります。約10分待って,7:17の横須賀市民病院ゆきに乗れば,その先は三浦西海岸のバックストレッチのような区間です。

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3.逗5,葉山~横須賀市民病院 D1456(逗子)

 長者ヶ崎から久留和海岸を通り秋谷あたりまで,相模湾の海岸線に沿って走ります。昔,マイケルジャクソンが来日時に訪れたというホテル音羽ノ森もこの左手の丘の上です。

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長者ヶ崎海岸あたりの車窓

 三浦半島最高峰--といっても242m--の大楠山の登山口,大楠芦名口を過ぎると,三浦西海岸の中心部になり,佐島マリーナ,電力中央研究所,横須賀市民病院,自衛隊武山駐屯地と大きな施設が続きます。逗5系統はこの中心の横須賀市民病院が終点で,10分の接続で須4系統,横須賀駅ゆきに乗換えです。このバスは横須賀市民病院発かと思っていましたが,少し北の湘南佐島なぎさの丘が起点です。

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4.須4,横須賀市民病院~本町1丁目 E4527(衣笠)

 横須賀市民病院の少し南の林交差点から横須賀中央駅に抜ける県道26号線は幹線道路で多くの路線バスが通ります。三浦半島の背骨をトンネルで抜け,それなりに峠越えの趣です。東京湾側に出て,衣笠駅にも程近い衣笠十字路はジャンクションで,立派な京急バスの案内所も建ちます。隣は京急バスの研修・教育センターになっているようで,白い教習車が3台も止まっています。

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衣笠十字路案内所と隣接の研修・教育センター

 聖徳寺坂,平坂の坂を下ると京急の横須賀中央駅のガードに至り,横須賀市の中心部に出ます。今日は日曜日ですが道路の流れは順調でほぼ時刻表どおりの運転です。次に乗るバスは汐入駅前から池上十字路のほうに登るバスですが,元々の無理な予定では8:20の湘南国際村センターゆき,現在発動中の代案では,8:42の衣笠駅ゆきです。今乗っている横須賀駅ゆきは汐留着が8:20で,湘南国際村センターゆきの汐入発と同時刻です。汐留でも一停留所手前の本町1丁目でも汐入駅までの距離はそんなに変わらないようなので,8:18 30秒くらいの本町1丁目でバスを降ります。

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5.汐16,汐入駅~湘南国際村センター E4957(衣笠)

 いい歳のおじさんが街の真ん中を猛ダッシュするのは絵になりませんが,何とか8:20の湘南国際村センターゆきに間に合わせます。日曜日で順調な運転を想定してか,発車は8:21になってからで,写真を撮れるくらいの余裕がありました。日頃は,始発停留所から定時で発車しない京急バスと憤慨していますが,今日ばかりは余裕の運行の恩恵に預かります。これで今日は諦めていた湘南国際村へも行けます。

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湘南国際村のなかを行く京急バス。後ろは相模湾

 汐16系統のバスは県道27号線,横須賀葉山線の坂本の坂を登ります。新池上隧道というトンネルを過ぎても登りはまだ続き,大楠登山口のあたりがサミットのようです。再び三浦半島の相模湾側に出て,上山口という集落でバスは左折し,湘南国際村に入ります。湘南国際村は葉山町と横須賀市にまたがる一大開発造成地で,主に葉山町側には企業の研修センターなどが建ち並び,横須賀市側はふつうの住宅が並ぶ分譲地になっています。都心からも程近く,温暖な気候,海の見える高台で研修の環境にはよいと思いますが,住むには少し不便な所です。

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湘南国際村はクルママニアの聖地?

 バスは8:44,終点の湘南国際村センターに着きます。所定は8:54で,1つ手前の湘南国際村つつじが丘は8:43なので,ここでは10分も盛っているようです。順調なときと渋滞の激しい時で差が大きな地域故,バス運行上の知恵でもあるので,それがいかんとも言えません。湘南国際村からの帰りは9:15,センター発の逗16系統,逗子駅ゆきです。30分くらい時間があるので,湘南国際村のなかでバスの写真を撮ったりして,ゆっくり過ごします。下の写真の奥には東京湾がうっすら見えているのですが,それにあわせて露出を設定する前に来てしまいました。

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6.逗16,湘南国際村つつじが丘~逗子・葉山駅(往路便のときに撮ったもの) D1015(逗子)

 湘南国際村センターの1つ前の停留所は湘南国際村つつじが丘ですが,湘南国際村はつつじがきれいなところで,3週間前に予行演習に来た時はその最盛期でした。ちょっと反則ですが,今日のとびらの1枚はその時のものです。たった3週間の違いですが今日は殆どつつじはありません。遅い朝ご飯とコーヒーを買いに少し下がったところにあるファミマに寄ります。ここは大きな駐車場を備えていて,ニュービートルのオーナー仲間が愛車で乗り付けて集まっています。反対の一角では,1960~70年代の国産車が3台集まっています。一番奥のコロナは僕が幼稚園の頃に祖父の家にあったので半世紀以上前の車,動ける状態で維持するのはお金もかかるし,大変な苦労と思います。

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7.逗6,逗子・葉山駅~長井 D4526(逗子)

 結局,湘南国際村からの帰りはつつじが丘から乗車で,今日2度目の逗子駅を目指します。次に乗るのは三浦西海岸の長井方面なので葉山大道で乗換えればよいのですが,なにもないバス停でボーッと待つのを避け,行けるところまで上ります。元々の行程表では横須賀市民病院乗換えで計画していましたが,ここは今朝,既に行っています。長井での乗換えが少々窮屈になりますが,直通の長井ゆきを選択です。逗子の中心部はそろそろ人が出始めているようです。長井ゆきをミスることはできないので,逗子駅は諦め,京急の逗子・葉山駅で折返すことにします。 

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葉山御用邸前

 逗子・葉山駅から長井へのバスは殆どの区間が今日,既に乗車済みの区間なので,ゆっくり外を眺めます。葉山の御用邸の緑,長者ヶ崎海岸,武山駐屯地から自衛隊の高等工科学校などを過ぎ,長井に至ります。長井からは三54系統,急行ソレイユの丘ゆきに乗換え,ソレイユの丘を目指します。ソレイユの丘は三浦半島南部,西海岸の荒崎の裏山に造られた農業体験型総合公園で,正しくは長井海の手公園ソレイユの丘というそうです。

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8.三54,長井~ソレイユの丘(復路便を撮ったもの) G4962(三崎)

 三54系統のバスは表示は「急行バス」と大書き,左に2段に三崎口駅,ソレイユの丘と書かれたもので,誤乗防止のためか急行をアピールしています。5分くらい遅れてやってきたバスは長井の町中と畑の中を走り,7分で終点ソレイユの丘に着きます。このような盲腸路線を往復するのは昔から嫌いで,別の盲腸路線の尻尾へのアクセスを考えます。今日の行程もそれで,ソレイユの丘からはGoogle Mapで11分の荒崎へ歩きます。

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ソレイユの丘。望んで曇りの日に来ましたが,少々残念なお天気

 ソレイユの丘から荒崎への道はなだらかな下り坂で歩き易く,最初は畑,途中からは相模湾の海を眺めながらのウォーキングです。1日中バスに乗っていても仕方ないし,健康のための歩数稼ぎにもなります。熊野神社や荒崎造船所などを見ながら,ゆっくりと歩を進めます。この辺りの海岸線は岩場がごつごつした海岸線ですが,リアス式海岸ではなく海岸段丘というそうです。その段丘の間の細い平らな所に人家やバス通りはあります。下の写真は熊野神社の近くで,後ほど乗るバスの往路便を撮ったものです。

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9.三22,荒崎~三崎口(往路便を撮ったもの) G1818(三崎)

 三22系統は荒崎から長井の漁港や町中を通り,国道に出たあとは南へ下り,三崎口駅に至ります。三崎口は京急電車の終点ですが,三浦市の中心まではまだかなり距離があり,えらく中途半端な所にあります。一方,この辺の地形は海岸段丘なのでこれ以上海岸に近付くと急勾配は必至で,ある程度まとまった広さの駅や駅前広場を作ろうとするとこの辺になってしまうのかもしれません。

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京急オープントップバス。レジをはじめ京急のフラッグシップの2100形電車をモチーフにしている

 三崎口駅には最近走り始めた,2階建てのエアロキング改造の京急オープントップバスが休んでいます。また京急バスの案内窓口があるので,バスの路線図を所望すると,最近改訂していないのですと申し訳なさそうに2020年10月版を差出されます。その1-2で詳述しようと思いますが,このような行程の計画には1枚ものの路線図は必須で,家では2016年版で計画をたてたので,2020年なら上等です。

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10.三4,三崎口駅~油壷温泉 G3427(三崎)

 三崎口からは三4系統油壷温泉ゆきで,一旦油壷に出ます。油壷には京急油壷マリンパークがありましたが,コロナ禍による客足の減少と施設の老朽化が重なり,去年の9月末で閉館しました。自分が子供の頃から,まだ幼いジュニアを連れて親としても何度か来たことがありますが,昭和の香りの漂う施設だったので時代の流れとも言えそうです。三崎口から油壷温泉までは13分,次の行程が忙しいので,写真を撮るのもそこそこに油壷温泉を後にします。

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三崎マリン油壷ヨットハーバー

 油壷温泉からは再度,盲腸の尻尾を繋ぐ作戦で,浜諸磯を目指します。バスのダイヤでは油壷温泉着が12:10,浜諸磯発が12:42,この間を歩くとGoogle Mapで29分です。携帯の地図を頼りに歩いてゆきますが,油壷湾に向かって人しか通れないような道を下りて行くと,湾の奥にヨットハーバーがあります。今度はまた坂道を登って,入江の鼻を越えます。道路には西海岸線という立派な名前がついていますが,ふつうの片側1車線の田舎道です。

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油壷の静かな入江を歩く

 海岸段丘の複雑な地形を歩いてゆくと,道路に高低差があるため,立体交差で交わっています。立体交差の脇には浜諸磯方面にショートカットできそうな脇道があるのですが,Google Mapでも指示が出ないので,念のため,ショートカットは諦めます。時間に余裕があれば,チャレンジしたいところです。曇り空の割には暑いので浜諸磯まで歩くのが面倒になり,近くにあった屋志倉というバス停からたった1停留所ですが,浜諸磯ゆきのバスに乗ります。

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11.三61,屋志倉~浜諸磯,12.東63,浜諸磯~三崎港 G1957(三崎)

 浜諸磯では5分の折返しで,乗ってきたバスが12:42の東63系統三崎東岡ゆきになります。三浦半島最南端の西側の海岸線を走り,13分で三崎港に着きます。ここは三崎漁港の中心で,卸売市場,三セクの産直品売り場うらりマルシェをはじめ,観光の物産店や飲食店が並んでいます。次は城ヶ島に渡るつもりですが,バスまで20分弱あるので,少しの街歩きを楽しみます。

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三崎港を街歩き

 三崎港の周辺には三崎で上がった新鮮なマグロを食べさせるお店が並んでいて,目移りします。青森の大間と違い三崎のマグロは遠洋ものなので,カチカチに凍った状態で水揚げされるので,ここで食べても築地の料亭で食べても味は変わらない気もします。一昔前は値段が魅力でしたが,京急の三崎まぐろきっぷなどもメジャーになり,段々都心並みあるいは観光地価格になった印象です。また,右の写真の右奥の羽床総本店の粕漬がジュニアの好物で,今日も何枚かを買って帰ります。

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13.三9,三崎港~城ヶ島,14.三9,城ヶ島~日の出 G1163(三崎)

 街歩きをすれば20分弱はあっという間で,13:08,三9系統城ヶ島ゆきのバスに乗ります。こんな日でも城ヶ島への観光客は多く,今日初めての立ちんぼうです。周りを見れば老若男女,中国語を話す人もいて,バラエティに富む客層です。入り江を半周した後,海岸段丘を登り,城ヶ島大橋を渡ります。以前はこの橋は普通車150円の有料でしたが,2020年4月から無料になりました。

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城ヶ島大橋の上からの車窓

 城ヶ島大橋は下を遠洋漁業の大型船が航行するため高さ16~23mの高い位置にあり,東京湾,相模湾の景色も楽しめます。島に渡れば,ループ状の取付け道路で海岸と同じ高さまで下りて,漁港の施設の中を進みます。埋め立て地の突き当りが城ヶ島のバス停で,バスは8分で三崎口駅ゆきになって折返します。三崎港から城ヶ島の13分もそんなに盛っている感じはしないので,交通渋滞時の運行は厳しそうです。京急バスもそういうときの定時運行は諦めてしまったのか,時間どおりにには動かないものとの掲示が三崎港のバス待合所に貼ってありました。

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京急バス掲示「土休日のバスの運行について」

 城ヶ島から戻れば13:30を過ぎよい時間なので,お昼ご飯にします。先ほど城ヶ島に渡る前に少し街歩きをしましたが,気に入ったお店はなく,三崎港の2つ手前の日の出というバス停で降りて,安くておいしそうなお店を探します。ガイドブックなどでも紹介される有名店はウェイトリストが溢れるほどの行列なので諦め,居酒屋併業の地味なお店に入ります。湘南といえば三崎のマグロのほかにしらすも有名で,しらすを使った料理は単価が下がるため若干安めのようです。今日はマグロとしらすのハーフの丼で1,100円はよい買い物ができました。

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今日のお昼は丼物でお安く仕上げる

 三浦半島京急バスの旅は午後も続きますが,以降はその1-2でご報告します。お楽しみに。なお,行程表はこの日の分をまとめて下に置いておきます。(2022.7.10記)

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2022.5.15,三浦半島の京急バスを乗りたおす旅の行程表

その1-2につづく

年度末の週末に横浜の新しいバス2路線に乗りに行く

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 少々古い話ですが,年度末の(2021年)3月27日土曜日は横浜に新しくできた2つの市バス路線に乗りに行ってきました。新しくできたといってもピアラインの開業は2019年10月31日,かれこれ1年半前です。新しもの,のりもの好きではあっても,ショッピングや人混みは好きではないので,新路線開業でもほったらかしになっていました。もう一つのベイサイドブルーは,それよりは新しく2020年7月23日の開業でした。地元,かつ初めての国産連節バスの導入なのでふつうなら早速乗りに行くところですが,コロナ禍の外出自粛で延び延びになっていたのでした。

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みなとみらいループバスの告知ちらし(拡大はこちら

 この3月は,横浜のみなとみらい地区内を環状運転する「みなとみらいループバス」の運行実験も行われました。実は,上の2路線のほか,この運行実験のバスも乗るつもりだったのですが,雑なサーベイのため運用実験は前日で終わり,見事な空振りでした。横浜駅と桜木町駅の間に広がるみなとみらい地区は,まんなかにみなとみらい線のみなとみらい駅もありますが,横浜市民にとっては意外と不便です。とくに休日はクルマが多く渋滞がちで,このような交通機関の需要はあると思います。コンベンションビューローのサイトでは当地区における交通ニーズの把握やバス交通の有効性を検証するとしていましたが,結果はどうだったのでしょうか。

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2系統みなと赤十字病院ゆきで出発 @関の下 2021.3.27(以降,同じ)

 さて出発は3月27日土曜の昼下がりです。土曜午前の日課のジムでひと汗,昼食の後,上大岡駅からベイサイドブルーの出る山下埠頭に向かいます。この区間には系統番号だけは立派な2系統,港南車庫~みなと赤十字病院線のバスがありますが,この2系統は地下鉄,鎌倉街道を上る神奈中,江ノ電のバスとダブるため本数は少ないです。行き先がみなと赤十字病院でもあり,敬老パス利用の通院のお客さんが主な利用者のようです。この4月1日にもダイヤ改正があり,平日はほぼ1時間半間隔で7本,土休日は2時間間隔で6本から,平日はでたらめな間隔の7本,土休日は半減で1日3本に減便されます。今日は市バスの一日乗車券なので,時間を合わせて14:36便に乗りますが,4月以降は簡単には乗れなくなりそうです。

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市バス2系統の時刻表。ダイヤ改正の前(左)と後(右)@上大岡駅

 バスはブルーリボンシティのハイブリッドバス,横浜の市バスにはこのタイプのバスがたくさんあります。乗れば,乗換えなし約40分弱で山下町に着きます。天気もよいので山下公園を散策しながら,山下埠頭のベイサイドブルー乗り場を目指します。

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山下公園をちょっと散策

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ガンダムファクトリー横浜

 山下公園を出はずれると隣には巨大なガンダムの立つガンダムファクトリー横浜があります。ここは空想ロボットのガンダムをテーマにした期間限定のイベントで,2022年3月末までの開催です。僕としてはバンダイの製品ならガンプラよりBトレインショーティーですが,ガンダムファクトリーへの人波は途絶えません。そして,今日の目当てのベイサイドブルーはこの隣の山下埠頭ターミナルが横浜駅ゆきの乗り場です。

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横浜の連節バス,ベイサイドブルー @山下埠頭

 ベイサイドブルーの人気はあり,20人ぐらいが行列して,次の15:30便を待っています。メタリックの青色をまとったバスは,いすゞニューエルガ/日野ブルーリボンIIの連接版でレジは横浜201・あの1番です。局番は規則どおりの付番で2019年度導入の日野車なので9-3513です。乗れば新しいバスは気持ちよく,車内のいろいろなところに眼がゆきます。CO2排出抑制対策事業費等補助金の助成を受けた標識などの写真を撮ります。

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車内の行き先表示と補助金の表示

 山下埠頭から横浜駅へは一般の路線バスも頻繁に走りますが,このバスは中華街入口,赤レンガ倉庫,パシフィコ横浜などの観光の拠点を巡りながら走ります。決して広くはない横浜の中心部の道路を全長18mの連節バスが走るのは楽ではなさそうです。運転するのは技量だけでなく,接客も含めて局内から選抜された運転士さんが担当するそうです。途中の景色は省略して,約40分の乗車で横浜駅改札口前に着きます。

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日産グローバル本社ギャラリー

 さて,次に乗るのは桜木町駅とハンマーヘッドを結ぶピアラインです。横浜駅から桜木町駅は電車に乗れば1駅3分ですが,それでは能がありません。横浜駅近くには1年ちょっと前に京急ミュージアムもオープンしているので,外側だけでも覗いてみることにします。この博物館は京急の名車230形の実車をはじめとした展示があり,以前から見学したいと思っていますが,予約制だったり,コロナ禍で外出自粛だったりで,未実現なのです。横浜駅からは再開発のエリアへ続くはまみらいウォーク,日産グローバル本社を通って歩くのがよさそうです。

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京急ミュージアムは予定どおり外側のみ

 日産グローバル本社ギャラリーは通路からギャラリー内部の様子が見えるようになっていて,日産の新旧のクルマを展示しています。ここも時間をとってゆっくり見れば楽しそうです。今日は上から2,3枚写真を撮るだけで,先を急ぎます。京急ミュージアムに着けば,やはり閉館後で外から覗くだけ,次回の訪問に期待です。

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新高島駅前のバス停と時刻表

 さてこれから桜木町駅までどうするか,横浜の新都心なのでバス位あるだろうとタカをくくってきましたが,意外と不便なものです。近くには新高島駅前という立派な名前のバス停がありますが,時刻表を見ればここにバスが来るのは週に3本だけ,設備過剰も甚だしい感じがします。気候もちょうど良いので,そのまま桜木町まで歩くことにします。冒頭に横浜駅~桜木町駅間のループバス実験運行について書きましたが,やはりこの区間にはニーズはあると思います。

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「赤いくつ」の時刻表の新旧 

 桜木町に着けば,駅前の一等地は観光路線バス「赤いくつ」の乗り場です。ちょうど時刻表が目に入りましたが,コロナ禍の客足減,利用減は著しいようです。平日は30分ヘッドから1時間ヘッドに半減,休日も15分ヘッドから20分ヘッドに減便です。そしてその隣がピアライン,ハンマーヘッドゆきの乗り場です。

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ピアライン寄り道便の最終バス

 ピアライン,系統番号Pの路線は2種類あり,日中の10:30~17:00の間は少し寄り道をして,ワールドポーターズと国際橋カップヌードルミュージアム前を経由するルートで,今度の16:45便はその最終です。このバスも乗ってしまえば12分(所定)で終点に着きます。桜木町駅からハンマーヘッドへは「赤いくつ」でも来ることができ,この路線はハンマーヘッド=旅客船ターミナルに発着する外航船のお客さんのための路線のようです。不案内な人が多いので,系統番号は付せず単に「P」の系統表示などと思います。

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ハンマーヘッド終点で。施設の名前の由来になったクレーンの横で

 ハンマーヘッドに着けばもう夕方です。日も傾いてきたので,周辺でいくつか写真を撮って過ごします。この埠頭の隣は海上保安庁の横浜海上防災基地で,いくつかの巡視船が眼にとまります。JAPAN COAST GUARDと書かれたPL艦は舳先も尖っていて,船足も早そうです。

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PL31,巡視船「いず」

 湾の向こうには瑞穂埠頭の米軍基地と風力発電の風車が見え,のりもの,メカ好きの僕には嬉しい景色です。この稿を書いていて気づきましたが,後ろの米国艦は補給艦でしょうか面白い艦型をしています。 (8/26追)Victorious級音響測定艦(T-AGOS)という艦種で,文字がよく見えませんがT-AGOS19であれば,同級の1番艦Victoriousです。任務海域を太平洋としているので,母港が横浜・瑞穂なのか,たまたま来航した珍しい艦なのかは分かりません。

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「赤いくつ」。後ろは瑞穂埠頭の米軍基地と風力発電所

 ここは元来,大桟橋に次ぐ2つ目の客船ターミナル(厳密には横浜ベイブリッジ外側の大黒にも客船ターミナルがあるので3つ目)で,パスポートコントロールや検疫の設備が並んでいますが,今のところはインバウンドの来港船も少なく,単なる商業施設のようです。僕も初めての来館なので,ブラブラと店を眺めて過ごします。

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開業を待つ都市ロープウェイのエアキャビン @ワールドポーターズ近く

 帰りも一旦はバスに乗りますが,1停留所,万国橋でバスを捨て,ワールドポーターズのほうへ歩きます。とくに用事があった訳ではありませんが,桜がきれいだったのと,もうじき開業する都市ロープウェイの様子を見に行きたくなりました。桜のほうは見ごろで,コロナ禍などものともしない人出です。ロープウェイのほうは開業まであと1か月をきっていますが,搬器がないとそれらしくありません。

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最後は市バス113系統で帰途に就く @磯子駅

 気持ちのよい春先の汽車道を歩いて桜木町駅に戻り,最後はまたバスで磯子へ戻ります。まったくもって新規路線のレポートにはなっていませんが,久しぶりに横浜の都心をバスで乗り歩いて,楽しい午後を過ごすことができました。また,記事中に載せたバスのダイヤは減便の話ばかりで,コロナ禍による利用減はバス事業者にはきついようです。コロナ禍の終息とこれらの減量ダイヤの回復を期します。(2021.7.27記)

2019年夏のアクティビティ1/青梅の都バス乗り歩き

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 僕の勤める会社の夏休みは毎年9連休ですが,既報のとおり今年は7月に東北を旅行したので,鉄分補給は十分,お金もありません。さて長い夏休み何をするかで思い立ったのが,青梅を走る都バスの乗り歩きでした。一昨年の7月に埼玉県を走る都バスの写真を撮りに行きましたが,午後は別の事に使ってしまったので,再度行こうと思っていたのでした。旅程はあまりたてておらず,行き当たりばったりの乗り歩きです。

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東京1DAYきっぷ(B券)

 使ったきっぷは京急の「東京1DAYきっぷ」,わが家最寄りの屏風浦発で泉岳寺までの往復に都営交通の1日乗車券が付いて1,300円の設定です。都営交通の1日乗車券は都営地下鉄,都電,日暮里舎人ライナー,青梅地区も含む都営バスの全線がフリー乗車できて700円です。屏風浦~泉岳寺の片道運賃は430円なので,往復運賃の30%引き(602円)を足して端数調整をしているようです。同じようなきっぷを「東京探索きっぷ」というタイトルで京王も売っていますが,こちらは20%引きで,京急のほうがお得のようです。

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京急603C。「京急120×養老鉄道100」のヘッドマーク付 @上大岡 2019.7.29(以下,同じ)

 また,23区内のバスの車内で売っている都バスだけの1日乗車券は「23区内」と明示されていて500円です。東京1DAYや東京探索のようなきっぷで青梅地区のバスに乗れるのかはとくに明記されていません。以前,心配になって都営地下鉄の駅で確認したことがありますが,交通局が指定した路線(※)を除く全てなので,青梅地区も問題ない由です。運転手さんにも適切に教育されているようで,この日1日で1度もダメと言われるようなことはありませんでした。
※ かつての上野~浅草間の2階バス,深夜バス(こちらは深夜加算分を現金で追加すれば可)など

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中井~花小金井は西武線で繋ぐ @鷺ノ宮

 (2019年)7月29日(月),6:00前に家を出て,最寄りの屏風浦6:13の列車で出発です。緩急接続駅の上大岡で来た列車は6:18の特急・羽田空港ゆきです。すぐ2分後の6:20にも特急・青砥ゆきが雁行しているのですが,少しでも空いた羽田空港ゆきを選びます。京急蒲田に着くと,驚いたことに京急蒲田始発の特急・品川ゆきが待っていて,後続の青砥ゆきより早く品川に着きます。この辺の小刻みなダイヤ設定が京急がマニア受けする所以です。

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花小金井からは梅70系統青梅車庫ゆきで都バスの旅スタート @花小金井

 品川から泉岳寺,大門,都営大江戸線と乗継ぎ,中井に出ます。中井での乗換えは初めてですが,商店街がゴチャゴチャしていて分かり易いとは言えませんが,距離は近く,予定より早い西武線の列車に乗れます。丸い顔がかわいい30000系が来たので,そのまま座って30分ちょっと,8:16に花小金井に着きます。花小金井では長丁場に備え,トイレを済ませて,北口駅前広場に向かいます。

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この辺は西武の線路が稠密で踏切がたくさんある @小川

 花小金井からは待望の都バスの旅,先ずは8:27発の梅70系統青梅車庫ゆきです。花小金井~青梅車庫間29kmは現在,都バス最長路線ですが,2015年までは西武柳沢~青梅車庫間で,その昔は阿佐ヶ谷~青梅車庫間でした。高校生の頃,阿佐ヶ谷~青梅間を乗ったこともあるので,それに比べると少々物足りない感じがします。来たバスはP代の日産ディーゼル・西工製スペースランナーで,わが家のジュニアのお気に入りです。

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新青梅街道も東大和まで来ると緑が濃くなる @小川

 バスは概ね座席定員位のお客さんを乗せて出発,停留所ごとに少数の降りと乗りがあって,田舎のローカルバスとは違った雰囲気です。道は新青梅街道,片側1車線のふつうの道路,地図で見ればほぼまっすぐです。すぐ右手には村山貯水池/多摩湖があるはずで,貯水池下なる停留所もあるのですが,湖は見えません。

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青梅市内まで来ると奥多摩の山並みが随分近くになる

 ほぼ全線を通してこんな調子の車窓が続き,10:00過ぎ青梅市内に着きます。このバスは青梅駅を通り越して青梅車庫まで行くので,終点まで乗ります。車内に掲げられた運賃表を見れば180円~560円がぎっしりですが,よく見ると上り幅が10円から60円までまちまちです。始発からの券なしは560円,東京都交通局の取り分700円相当の1DAYきっぷでは申し訳ないようです。

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180円~560円が並ぶ運賃表示

 バスの旅でつらいのはトイレで,今日も花小金井駅で行っておきましたが,この先は駅に行くことも少ないです。青梅車庫まで来たついでにトイレも借りて,この先の行程に備えます。営業の窓口を覗くと参考用に1996(平成8)年,まだ杉並営業所傘下だった時の路線図が貼ってあり,興味深いです。

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営業所内に貼られた1996年の路線図(拡大はこちら

 車庫内を覗くと,朝のラッシュ時が終わったところで,奥多摩の山並みを背に緑のバスが並んでいます。次に乗るのは青梅車庫10:38の梅76甲,上成木ゆきです。旅程はあまりたてず,行き当たりばったりと書きましたが,このバスは1日5便しかないので,ここまでは時刻を調べてきました。

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青梅車庫(正しくは早稲田営業所青梅支所)の様子

 青梅の市街は意外と古い町並みが残るところもあり,タウンウォーキングも楽しそうです。道路上のバス停近くの酒屋には「此処に駅有りき」と書かれた碑があり,そんなものに触れるのもバスの旅の魅力です。

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中武馬車鉄道森下駅跡の碑と岡崎酒店,隣りは旧稲葉家住宅

 10:40頃,先ほど青梅車庫から裏宿町に回送で出て行ったL代のレインボーが上成木ゆきになって折返して来ます。外はかなり暑くなってきたので,エアコンの効いた車内は天国です。

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新吹上トンネルの入り口近くで

 柳川を過ぎると緑が濃くなり,バスは自由乗降になります。新吹上トンネルは結構長いトンネルで長さ604m,1993年の供用開始だそうです。

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青梅地区の都営バス路線図(拡大はこちら

 この梅76甲の運行経路は面白く,1日5便のうちの3便は行止りの北小曽木に寄ってから上成木に行きます。尤も,黒沢から先の盲腸路線巡り区間では,客は僕一人です。

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上成木折返し場で

 11:24,バスはほぼ時刻表どおり,上成木に着きます。ここは配布用の都バス路線図「みんくるガイド」に「都バス最高地点」の吹出しが付き,高水山登山口とも案内される停留所です。せっかくなので4分の折返し時間にバス停周辺を見分します。荒川の支流の入間川の支流にあたる成木川の沢がきれいな山間の小集落です。

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上成木折返し場近くの成木川。赤い幟の所にバスが見える

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上成木の時刻表

 11:28,折返しの梅76甲のバスで上成木を出発します。この成木川に沿った道は成木街道という名前もついていて,採土場があるため盛んにダンプカーが走っています。広くはない道路を大型車同士がすれ違うのは怖いくらいで,ダンプカーの中には丁寧に減速する車もあります。

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北小曽木からの松の木通りを走るダンプカー

 まだ,昼には早い時間ですが,坂下というバス停でバスを降ります。新吹上トンネルの出口のところにドライブインがあり,そば,うなぎの幟がたっているのを往きに見たので,お昼はここにします。車窓から見るのと,実際に行くのとではイメージが少々違い,ドライブインというよりは割烹ですが,場所柄昼間はランチ営業もやっています。

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新吹上トンネル出口,坂下の割烹「うらしま」

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坂下で。上成木往復でお世話になったL639。北小曽木から戻ってきたところ

 天ざるととろろのセットで腹ごしらえ後,次に乗るのは梅74乙・成木循環河辺駅ゆきです。この路線は都営バスが埼玉県内を走る越境路線で,その写真が撮りたくて2年前にも来たことがあります。今日のスレッドの冒頭の写真は実はその時のものです。坂下バス停は先ほど降りたバス停の反対向きですが,道を間違えてしまい,ダンプカーのじゃんじゃん通る暑い道路で大慌てです。幸いバスは数分遅れてやってきて,青梅の山間部らしい写真も撮ることができました。

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坂下で。こちらは成木街道を下る方向

 やってきたのはA607,エルガの最終年代の比較的新しいバスです。道路は成木川に沿って下流方向に進み,そのまま行けば飯能方面に抜けます。上畑,下畑と埼玉県内にある停留所を通過し,冒頭の写真の富岡1丁目からはまた都内に戻ります。

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直竹川を渡ると道路は埼玉県に入る

 岩井堂からは黒沢川に沿う小曽木街道を上って,環状ルートを一周し柳沢に出ます。このバスは東青梅に出た後,左に曲がって終点は河辺駅です。河辺駅は三角のとんがり屋根が瀟洒だったはずですが,ペデストリアンデッキが覆いかぶさりちょっと残念です。河辺からは市内北東寄りの塩船から吹上を通って,青梅車庫の先の裏宿町に行く梅77甲のバスに乗ります。

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三角のとんがり屋根が瀟洒な河辺駅

 河辺駅13:35の便は先ほど坂下から乗って来たバスがそのまま運用に就きます。大きな病院や塩船観音の入口などを通って,30分前にも通った東青梅に出ると踏切を渡ります。線路の南側の商店街を通って,再び青梅駅前ターミナルに入り,30分もかからず終点,裏宿町に着きます。

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裏宿町折返し場で。このA607には2区間でお世話になった

 浦宿町は,途中に多摩高校もあり通学利用が多そうですが,青梅中心部の街はずれといった感じです。とはいっても,青梅車庫からわざわざここへやってきて,折返しで各方面に行く便が多数あり,青梅市内のバスの「ターミナル(終点)」として機能しているようです。次は吉野に行くつもりですが,ここから吉野ゆきはないので,一旦,青梅駅に出ます。

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裏宿町折返し場。ここもトイレ完備。一般の人が使えるかは分からない

 青梅駅に着くと15:18の吉野ゆきがまだバス停に止まっていますが,無理はせず,1本後の15:35便にします。この間に青梅の駅前でのアクティビティをこなします。先ず青梅の駅舎ですが駅の規模に似合わず立派です。遡ると,青梅線は戦時中の1944年に国有化されましたが,それ以前は青梅電気鉄道という私鉄で,ここに本社を構えていました。1924(大正13)年築だそうなのでそろそろ100年,見るだけなら立派ですみますが,執務するうえでは不便なことも多そうです。

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JR青梅駅。青梅電気鉄道の本社ビルを受継ぐ

 青梅車庫のあたりでも書きましたが,青梅は昭和の昔が残る街で,市もそれを観光資源にしようとしているようです。また,青梅は漫画家の赤塚不二夫とゆかりがあるようで,駅の改札前では天才バカボンのパパがいきなり逆立ちで迎えてくれます。青梅線は最近,東京アドベンチャーラインの愛称で売り出し中なので,今度は列車で来たいと思います。

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ようこそ昭和の街青梅へのPRボード

 駅の見分が済んだら,家への土産を仕入れに駅前の「まちの駅青梅」なる土産物店に飛び込みます。道の駅はよくありますが「まちの駅」はあまり聞きません。青梅の地酒-澤乃井のワンカップ,山菜の天ぷらとお菓子などをお買い上げです。

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「まちの駅青梅」。とりあえずいろいろ揃っていました

 青梅駅から吉野への梅76丙は,平日は概ね6時から20時台まで1時間に3本は確保され,頻繁運転といってよい路線です。青梅駅を出ると万年橋を渡り,多摩川の南岸に出ます。この辺では多摩川の北岸には青梅線の線路と国道411号線の青梅街道が,南岸には都道45号線吉野街道が走りますが,南岸の方が開けていて人家も多いようです。吉野線の梅76丙はこの地域を走るので,お客さんも多く賑わっています。

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和田町あたりで。南側の山は森がきれいさっぱり刈りとられてハゲ山状態

 今日は森が美しい景色が多いですが,人によっては花粉がかなわないと思いそうです。まさか花粉を嫌って刈りとってしまった訳ではないでしょうが,和田町あたりの裏山は森がさっぱり刈りとられています。大雨の時の水はけの調節機能が心配になる景色です。

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吉野折返し場で

 梅76丙は青梅駅をターミナルとして市内の住宅地とを結ぶ路線なので,停留所ごとにお客さんは減り,終点まで乗り通す人は僅かです。畑も増えてきて青梅の中心部のはずれといったところで路線は尽きて,吉野の折返し場です。バス路線は約2.6km先の玉堂美術館までありますが,この梅01系統は土休日のみの運転です。

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軍畑大橋からの眺め

 ここなら1本おとしても18分後には次のバスがあるので,折返し場の近くを見分します。近くの交差点に軍畑大橋南とあるので,この橋まで行ってみることにします。橋の上から上流方向を望むと滔々と流れる多摩川の向こうに奥多摩の山々が見え,次は東京都最高峰の雲取山に行ってみたくなります。

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万年橋からの眺め。バス車内から下流方向を望む

 15:16,吉野から青梅駅ゆきのバスに乗り,先ほど来た道を戻りますが,今度は途中の万年橋で降ります。たまたま乗換えの都合でこの停留所で降りたのですが,青梅の市内中心部で多摩川を跨ぐこの橋は由緒ある橋のようです。橋の傍らには架橋の技術遺産の展示や記念碑も建っています。また,河川管理の境界になっていて,ここより下流は国土交通省,上流は東京都の管理だそうです。

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万年橋の歴史と河川管理境界の看板。右下は記念碑や技術的展示

 万年橋からは青梅市内の多摩川南岸の駒木町の循環ルートの梅77乙系統に乗ります。段々に乗るバスの運行経路が小ぶりになってきます。万年橋から見えた瀟洒な建物はかんぽの宿青梅で,郷土博物館入口が近いようです。その他は商業地域とも住宅地ともつかない街をまわって,10分も走れば今日4回目の住吉神社です。再び目抜き通りの商店街を走り,終点,青梅駅には15:50頃着きます。

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帰りの梅70は青梅で最新(?)のB代のニューエルガ

 全ての路線完乗という訳にはゆきませんが,青梅の都バスのあらかたに乗ったので,そろそろ引揚げです。帰りもまた梅70系統のお世話になりますが,次の便は16:04,長時間の乗車に備えてトイレに行ったりすれば丁度よい乗換えです。途中を省略しますが,来た時と同じ道を上り,1時間40分の乗車で花小金井駅に着きます。朝,8:30から約9時間半,乗ったバス10便の大旅行でした。

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帰りも西武新宿線,大江戸線,京急線を乗継いで帰る @沼袋

 花小金井からは往路の逆で西武新宿線,都営大江戸線経由で大門へ。ここからは通勤で通い慣れたルートで,品川から京急の快特に乗れば35分で上大岡に帰着です。電車を見れば607F,朝の特急と同じ編成でびっくりです。

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今日のGPSログ(拡大はこちら

 今日は元々,費用をかけずに1日の旅行を楽しむのが目的でしたが,たっぷりバス旅行を楽しむことができました。交通局が開示している都バスの路線別収支リストを見ると青梅地区の各系統は営業係数200近い赤字路線も多く,この先も安泰かは分かりません。青梅支所の健闘を祈って,今日の稿を終わります。(文中の値段は7月時点のものです)(2019.9.22記)

2017年夏のアクティビティ1--埼玉県を走る都バスを求めて

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 (2017年)7月16日(日),この日は思い立って,埼玉県を走る都バスの写真を撮りに,飯能から青梅に行ってきました。埼玉県を走る都バス? こんな路線があるのは「みんくるガイド(都バスの路線図)」を隅から隅まで熟読していたジュニアから2年位前に聞いていましたが,なかなか訪れる機会がありませんでした。以前は東京ワンデーパスを使って,都営地下鉄とバスで行く計画をしていたのですが,あれこれ見ているうち,飯能からバスの便があることを知り,「東急西武線まるごときっぷ」で行くことにしました。せっかくフリーきっぷを買うので,本題は午前中で済ませ,おまけの用事を2つこなしてのショートトリップとなりました。

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「東急西武線まるごときっぷ」

 最初に埼玉県を走る都バスについてをおさらいしておきましょう。都営バスの青梅地区の梅74系統は,青梅市中心部から北郊の成木,小曽木地区を循環する系統ですが,その北側の一部が都県境を越えて埼玉県にかかっています。停留所で2つ,距離で約1.5kmの区間ですが,都バスは都内を走るものという常識からすると,ちょっと異色です。かなり昔の話ですが,千葉の浦安地区へは多数の都バス路線があったし,我が家の近くの横浜市営でも4系統が横須賀市の追浜まで足を延ばしていました(現在は京急バスに譲渡)。探せばこのような越境路線は多数あるのだろうと思いますが,話のタネにはなりそうです。なお,この梅74系統ですが,昭和50年頃,元々路線を持っていた西武バスが撤退したため,住民の請願で都バスが走ることになったようです。下の地図でループになっている区間はフリー乗降で,相当な過疎路線のようなので,いつまでもつでしょうか。

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梅74(甲)系統の路線図(Google Mapに加筆)

 さて当日ですが,朝に横浜から飯能への移動です。当然,3月末から走りだした,みなとみらい線~東横線~副都心線~西武線直通の指定席制列車,S-Trainに乗りたいと検討します。しかし,飯能からのバスが9:25しかないので,あまり早く行っても仕方ありません。この春から,家には西武の時刻表もあるので,S-Trainの次の特急小手指ゆきがちょうどよいことが分かりました。15分余計に寝られて,860円も安いので,即決定です。それに合わせて,自宅最寄りの磯子駅7:03の電車で出発になりました。

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この日もそこそこ早く7:03の602Aで出発 @磯子

 横浜では,今日1日を楽しむ「東急西武線まるごときっぷ」を買い,トイレを済ませて,ホームに向かいます。やってきた電車は,なんと幸先良い,ヒカリエ号でした。2年前にこのきっぷで西武線の乗りつぶしに行った時も黄色い6000系がきたので,どうもこのきっぷを買うと珍しい電車にあたるようです。東横線~副都心線を乗りとおし8:18練馬着,ここからは西武線の旅です。

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この日の東横線~副都心線の電車はヒカリエ号 @石神井公園

 練馬で池袋からの地上線から来た準急飯能行きに接続するので,この電車に乗換えますが,これがまた京急カラーラッピングの9000系でした。この電車にそのまま乗っていれば飯能に9:05に着くのですが,ヒカリエ号の走りの写真を撮るため,石神井公園でこの列車を捨て,後続の急行に乗換えです。ヒカリエ号が来たばかりに朝から慌ただしいことになってしまいましたが,とりあえず飯能には9:16に着きました。

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練馬~石神井公園のちょい乗りの京急カラーの9000系 @練馬

 飯能からは青梅線の東青梅行き飯能41-1系統の西武バスで今日の最初の目的地,岩井堂に向かいます。9:25発の東青梅ゆきは部活らしい高校生10人くらいと普通の利用者2人くらいを乗せて出発です。賑やかだった高校生が飯能南高校で降りてしまうと社内はガラガラです。少し森が深くなったかなと思うと「東京都」の標識が出て都県境を越え,小曽木街道に入ったところの岩井堂には9:37の到着でした。

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飯能41-1系統の西武バス。乗ったバスの折返し便 @岩井堂

 さて,目当ての梅74のバスは10:35のつもりでしたが,時刻表を見ると9:44にももう1本あることが。小1時間の間にゆっくり撮影場所を探すつもりが,あと7分できてしまうので,大忙しです。事前にストリートビューで見てきたのであまり迷うことなくバス通りを西に進むと,富岡1丁目のバス停,その先に「埼玉県」と「飯能市」の標識のたつ都県境がありました。先ずはここで1枚です。なお,この便は梅74乙系統,河辺駅ゆきで,休日ダイヤでは1日1便だけです。tobus.comの時刻表では梅74甲と梅74乙が別の時刻表で表示されるので,現地の時刻表を見るまで,この便の存在に気づきませんでした。サーベイもれではありますが,そんなに多くの便があるわけでもないので,バス停ごとに表示される時刻表は両系統併記が望ましいと思います。

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埼玉県を走る都営バス!?富岡1丁目で。梅74乙は休日は1便しかない

 元々予定していた10:35便まで時間があるので,この近くでぶらぶらします。岩井堂には都営バスの折返し場があるので,まずはそこを見ます。現在,岩井堂折返しの便があるのか分かりませんが,トイレもありきれいに整備されていました。更には常秀院なるお寺や,趣味でやっているような古道具屋などを覗いて,時間をつぶします。この古道具屋ですが缶コーヒーや産直野菜なども売っているので,飲み物や家への土産(きゅうりといんげんで200円!)を購入です。都県境の標識のたつ場所から富岡1丁目のバス停までは近いので,写真を撮って走ればそのバスに乗ることもできそうです。また,この区間はフリー乗降区間なのでそこで手を挙げれば乗せてもらえるはずです。どっちにするか迷いましたが,安全をとって,写真は望遠にして,走って乗ることにしました。それで撮ったのが今日のスレッドの扉の写真で,なんと最新のB代のニューエルガでした。

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岩井堂折返し場。周囲は里山の風情

 元々は10:35便は写真だけで11:06の飯能ゆきで戻る計画だったのですが,今日は1本得していることもあり,このバスで東青梅に抜けることにします。東青梅からはJRで拝島までくだり,そこからは西武の旅に戻ります。次は今日第2の目的地,所沢航空発祥記念館に向かいます。拝島からはお顔のかわいい新鋭30000系,小平で乗換え,航空公園駅には12:03に着きました。

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新鋭西武30000系 @拝島

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航空公園駅を降りるとANKマーキングのYS-11がお迎え

 所沢は航空とゆかりの深い街で,昔は大きな飛行場や航空基地があり,今でも東京航空管制部は航空公園と隣接の場所にあります。以前から,ここに航空公園とちょっとした博物館があることは知っていたのですが,訪れる機会がありませんでした。今日はちょうどよい機会なので,博物館の見学に行きます。博物館というには規模が小さいですが,そこは遠慮して「記念館」というタイトルになっているので,そのつもりで見れば満足の内容です。なお,入館料金はJAFの割引き(僕はスマホ版電子会員証にしていますが,意外なところで使えます)を使って,410円でした。

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所沢航空発祥記念館の建物。右手のドーム状のところに実機が展示されている

 館内の展示は,航空発祥の地にゆかりの展示のほかは,基地としての経緯から陸上自衛隊関係のものが多いです。写真のように,置いてある展示のほか軽い飛行機は天井から吊られていて,結構な数の実機が展示されています。この辺は,米国の博物館(興味あるかたはご参考にこちらもどうぞ)なども参考にしたのでしょう。

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所沢航空発祥記念館,館内の様子

 その他,航空博物館によくある空を飛ぶ仕組み--揚力など--の体験型展示もそこそこあって,子供とじっくり見れば勉強にもなります。シミュレーターも何台かあり,休日でもそんなに待たずに体験できました。ちなみに中級で100点が出ましたが,誰でもそうなのか,それなりのウデだったのかは分かりません。ミュージアムショップでは多数の模型のほかプロペラ動力やゴム発射の飛ばせる飛行機も売っていて,博物館前の芝生エリアは格好の飛行機遊び場になっています。時間があれば,これらで遊ぶのも楽しそうです。

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記念館前の公園のC-46の実機

 1時間ちょっとで見学を済ませ,航空公園駅から電車で所沢に戻ります。僕にとっては,所沢,飯能は縁遠く,エキナカの勝手が分かりません。腹も減ってきたのでお昼にしたいですが,所沢は物価が高く気に入った店が見つからないので,とりあえず飯能まで行くことにします。このとき所沢から飯能まで乗った電車がこれまたラッピング,銀河鉄道999の20158Fでした。メーテルのような長い髪ではなかったですが,すらりと長身の女性の運転士さんで,なかなかによい巡りあわせでした。

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西武池袋線は銀河鉄道999柄の20158F

 飯能でもこれといったエキナカの店はなく,エキナカホテルのベーカリーのパン,コンビニおにぎり,ビールを買って,今日3番目の目的地,秩父を目指します。現在,西武秩父線の列車は4000系を主体に運用されていますが,トイレ付,ボックスシートのこの電車は列車の旅を落ち着いたものにしてくれます。秩父に行くといってもフリーきっぷを有効に使いたいだけで,さしたる目的がある訳でもありません。もともとは,西武秩父線の景色のよさそうなところで鉄ちゃん(鉄道写真を撮ること)をするつもりでしたが,道々の車窓を見る限り,ここだ!という所はありませんでした。西武の架線柱は単線でも両持ちのものが多く,えらく架線柱がうるさいな~という印象でした。秩父に着いて時刻表を確認すると,SLパレオエクスプレスは1時間くらい前に行ってしまったようです。

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秩父鉄道の電車。元東急8590の7500系 @御花畑

 天気も曇りがちになってきたので,秩父鉄道の電車を何本か撮って帰ることに決めます。中小私鉄の電車は,大手私鉄の画一的な車両と違って,個性的な車両が多いのも楽しみです。元東急の7500系,元西武の6000系など懐かしい電車がやってきましたが,これらを個性的というかは微妙です。僕としては自社発注の旧型国電みたいなのを個性的と言いたいところですが,アコモ改善や冷房化の要請もあり,それらの電車はもうほとんどないようです。

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御花畑駅の様子。昭和のローカル駅の雰囲気が残っている。入場券はもちろん硬券

 帰りの電車どうするか,往きにS-Trainに乗らなかったので,帰りこそはと検討します。東京メトロ,東急と会社をまたがるごとに料金が高くなるので,石神井公園までなどと考えます。時刻表を見ているうち,西武秩父を14分前に出る地上線経由池袋直通の急行に乗れば,飯能でFライナーに接続し,横浜まで逃げ切るどころか,所要時間も短いことが分かりました。それなら,敢えて無駄遣いすることもあるまいと,あっさり帰りもS-Trainは諦めです。

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御花畑駅で。池袋直通の4000系電車,西武直通用の2番線の時刻表

 雨も降ってきたし,秩父鉄道の電車もいくつか撮ったので,予定より若干早めですが,帰途につきます。御花畑15:49の池袋直通急行に乗ろうと「東急西武線まるごときっぷ」を見せると,若い駅員氏はかなりじっくりきっぷを眺めた後,そのまま乗ってくださいとの案内でした。御花畑は秩父鉄道の駅なので,わずか数十メートルでも秩父鉄道の線路を走れば最低運賃は必要だろうと覚悟していたのですが,いわく,西武線直通電車に関しては御花畑は西武秩父と同じ扱いですとのこと。分界点がどこにあるのか知りませんが,これは意外と良心的な設定です。お礼かたがた入場券を買うと,鋏はご自分でどうぞとのこと,若いのにしっかりした駅員さんでした。

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御花畑~西武秩父連絡線。左に分岐する線路の左手には西武秩父駅が広がる

 帰りもお気に入りの4000系で正丸峠の坂を下り,飯能でFライナーに乗換えです。この列車は東京メトロ10000系でした。飯能から横浜までは1時間28分ですが,秩父への往路に飲んだビールも醒め,トイレもなんとか持ちそうです。秩父などでハイキングをした後のビールは格別のもの,トイレ付き通勤電車S-Trainはこのためにあるのではないでしょうか。

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S-Trainは武甲山のふもとの横瀬でお昼寝中

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S-Trainより速いFライナーと西武秩父駅の広告

 今日はタイトルのとおり埼玉県を走る都バスが目的だったのですが,使ったきっぷのおかげもあり,1日で3つのアクティビティをこなし充実の一日でした。青梅地区の都バスも魅力があるので,今度は都営まるごときっぷで都バス乗車を目的とした小旅行もしたいです。また,今日は鉄分(乗り物分)の濃い旅行でしたが,秩父周辺の山歩きも楽しそうです。どっちにしても,次回の訪問が楽しみです。(2017.7.22記)

呉のバス民営化-その後

 営業譲渡まぢか呉市営バス最後の勇姿ということで3本のスレッドをお送りしたが,4月1日の民営化後について少しレポートしよう。今回も写真主体の手抜き版ですがお許しください。また,5月の連休に向けて仕事が忙しく,写真も息子撮影のものを拝借したもの((Jr)とあるものがそれ)があります。

 まずは,4月1日の阿賀南営業所のようす。広電バス移行に伴い,阿賀南営業所は廃止になったが,4月1日の時点では表札も事務所の表示もそのまま残っていた。また,広い所内には廃車待ちだろうか,方向幕やナンバープレートをはずされた車両が留置され,つわものどもが夢の跡といった感じだった。

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4月1日の阿賀南営業所のようす 2012.4.1

 広電は三菱車もあるが,日野車が多く,三菱車が優先的に廃車になるようで,ここに留置されている車も三菱車が多いようだった。

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F931号車 局紋が消されナンバープレートもない 2012.4.1

 進む塗り替え。手間ひまもお金もかかることから,バスの塗り替えはゆっくり進むものと思っていたが,意外と急ピッチで進んでいる。クレアライン用の高速車は「Kure City Bus」と車体に大書きされていたので,とくに優先的に進められているようで,10日もしないうちに広電カラーで走り始めたようだった。

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14797(もとH965)号車 広電一般色で通い慣れたクレアライン(広島)線を走る 2012.5.5(Jr)

 バスの塗り替えなどバスのライフサイクルのちょうど中間の,電車でいうなら全検のときでよく,旧年式車は廃車まで呉市営カラーでがんばって欲しかったが,94年式のような車も塗り替えられている。

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99647(もとFo943)号車 94年式だが広電カラーで活躍する 2012.5.4(Jr)

 新車の導入。天応川尻線を中心にJ-Busの新車が大量に導入された。正確な台数は知らないが,1つ目の日野ブランド,2つ目のいすゞブランドとりまぜ20台弱がいるようだ。

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96722号車 広電バス呉地区としての新車 2012.4.5(Jr)

 路線図。路線図が白地図上にトレースされたものになり,地図としては正確になったのは良いのだが,路線が色分けはされているが,路線名の記述もなく分かりづらくなった思うのは僕だけか。呉のバスは,同じ路線でも時間帯によって運行経路が違ったり,市内中心部のルートを変えて市役所,文化ホール,商店街,病院などへのニーズに対応しているのだがその辺の案内が少なく,土地不案内なお客さんにはさっぱり分からないものとなっている。そもそもバスという乗り物は地域住民には便利な乗り物だが,遠来の旅行者には分かりづらいもので,呉に限ったことでもないが,改善の余地はありそうだ。この記事を書いていたら,息子がそれだけではないと言う。鍋桟橋に行くというおばあさんが地図を見ても分からないでいたので,おしえてあげたとの由。今度の地図は吹出し記述があちこちにあり,これも路線図を分かりづらくしている一因のようだ。

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呉駅設置の路線図 2012.3.31(ちょっとフライング...)

 Webサイト。これは広電バスカンパニーのサイトの中に組み込まれて,圧倒的に良くなった。というのも呉市交通局時代は路線ごとの主要停留所の時刻しか分からなかったが,バス停ごとの時刻表が整備された。僕としては,都営バスや横浜市営バスのようなバスロケシステムと連動したサイトが欲しいところだが,そこまでの投資は難しいのだろう。また,呉のバスは定時性が高いので,バスロケなどなくても,時刻表のとおりで大きく遅れることもない。

 変わらぬ景色。民営化1ヶ月の様子を書いてみたが,のどかな瀬戸内を行く景色は変わらない。最近の写真を最後に載せて,新生呉の広電バスへのエールとしよう。

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車号不詳(もとHo972) 大入中学校前あたり 2012.4.1

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車号不詳(もとN022) 音戸大橋付近(つばきまつりまであとわずか)2012.5.1

 追:呉のバスの話題をもうひとつ。東京~広島を走る高速バスニューブリーズ号がゴールデンウィーク中,呉まで延長運転。大渋滞でなかなか定時には走れなかったようだが,明るい話題ではあり,ちょっと大げさだが息子は毎朝,毎晩見に行っていた。

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呉発東京行きニューブリーズ号/中国JRバス便 2012.5.5(Jr)

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