旅心をそそる長距離鈍行列車・長時間鈍行列車リスト/2014年3月15日改正ダイヤ
今年もJRグループのダイヤ改正の季節がやってきた。今回は目玉となる路線の開業などもなく,愛好家の間では「あけぼの」がなくなるのがニュースだった感じもする。去年の3月に「旅心をそそる長距離鈍行列車・長時間鈍行列車リスト」をアップしたけど,本改正でどうなったかをお知らせしたい。この手のものは,最初を作るのは大変だが,2回目からは前回との差分のみを注意すればよいので,随分楽な作業ではある。
JRグループもいろいろな面で合理化が進み,こういう長距離鈍行列車も減っているのは確かだ。とくに今回は山陰本線~伯備線~赤穂線を走る824Mがなくなったのは残念だ。元々,性格の異なる列車が,たまたま岡山区の車両運用の都合でくっついただけで,そう長くはないと思っていたが,2年しかもたなかった。呉に住んでいるうちに乗っておきたかったが,西端の出雲市~米子が休日運休なのでとても乗りづらく,実現できなかった。その他でもランキングの表でいえば高山本線に岐阜~猪谷の鈍行があったのだが,これも消えてしまった。普通,列車は往復セットで設定されるものだが,この表では不思議と片道のみ設定のものが多い。2位の根室本線,5位の宗谷本線,10位の飯田線のように列車として位置づけが明確なものはよいが,先の824Mのようにたまたまくっついただけの列車は改正のたびに増えたり減ったりするのだろう。時刻表趣味者としては,ダイヤ改正のたびにそれらの動きに一喜一憂するわけだが,これがまた楽しいのである。
JRの側でも最近は根室本線の2429Dなどは日本一長~い長距離鈍行をアピールしているようで,サボは特製のものだし,終点の釧路駅では完乗証明書を配付しているそうだ。今年の夏休みは去年よりは時間が取れそうなので,この中のどれか1本くらいは乗りに行きたい。
長距離・長時間鈍行ランキング(運転距離200km,運転時間4時間30分以上)2014年3月15日改正ダイヤ

なお,今回も僕がページを繰って見ただけで洗い出したものなので,モレや抜けがあるかもしれない。距離は200km,時間は4時間30分を基準としてそれを超えるものを抽出した。200km4時間30分を超える列車でもより上位の列車に運転区間が含まれてしまうものや運転区間の大部分が重複するものは除外した。そんなわけで独断とちょっと偏見によるリストではある。また,Excelで作った表を無理やり取り込んだので見づらいのも,ご容赦お願いしたい。(2014.3.15記)
最新版はこちらから参照ください。
また,最新版の一番後ろに各年版へのリンクがあります。
JRグループもいろいろな面で合理化が進み,こういう長距離鈍行列車も減っているのは確かだ。とくに今回は山陰本線~伯備線~赤穂線を走る824Mがなくなったのは残念だ。元々,性格の異なる列車が,たまたま岡山区の車両運用の都合でくっついただけで,そう長くはないと思っていたが,2年しかもたなかった。呉に住んでいるうちに乗っておきたかったが,西端の出雲市~米子が休日運休なのでとても乗りづらく,実現できなかった。その他でもランキングの表でいえば高山本線に岐阜~猪谷の鈍行があったのだが,これも消えてしまった。普通,列車は往復セットで設定されるものだが,この表では不思議と片道のみ設定のものが多い。2位の根室本線,5位の宗谷本線,10位の飯田線のように列車として位置づけが明確なものはよいが,先の824Mのようにたまたまくっついただけの列車は改正のたびに増えたり減ったりするのだろう。時刻表趣味者としては,ダイヤ改正のたびにそれらの動きに一喜一憂するわけだが,これがまた楽しいのである。
JRの側でも最近は根室本線の2429Dなどは日本一長~い長距離鈍行をアピールしているようで,サボは特製のものだし,終点の釧路駅では完乗証明書を配付しているそうだ。今年の夏休みは去年よりは時間が取れそうなので,この中のどれか1本くらいは乗りに行きたい。
長距離・長時間鈍行ランキング(運転距離200km,運転時間4時間30分以上)2014年3月15日改正ダイヤ

なお,今回も僕がページを繰って見ただけで洗い出したものなので,モレや抜けがあるかもしれない。距離は200km,時間は4時間30分を基準としてそれを超えるものを抽出した。200km4時間30分を超える列車でもより上位の列車に運転区間が含まれてしまうものや運転区間の大部分が重複するものは除外した。そんなわけで独断とちょっと偏見によるリストではある。また,Excelで作った表を無理やり取り込んだので見づらいのも,ご容赦お願いしたい。(2014.3.15記)
最新版はこちらから参照ください。
また,最新版の一番後ろに各年版へのリンクがあります。
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「あけぼの」のお名残り乗車に行ってきました
今度(2014.3.15)のJRのダイヤ改正で上野~青森間の寝台特急「あけぼの」が定期運転をやめるという。世には葬式鉄という人達がいて,こういう列車を目の色を変えて追いかけているらしい。僕は決して自分が葬式鉄だとは思っていないが,対北海道特急を除くと最後のブルートレインと聞くとお名残り乗車はしておきたくなる。「あけぼの」には新幹線新青森開業が迫った2011年2月にも家族で「あけぼの」+JRバス十和田北線の旅で乗っているが,再度,お名残り乗車をすることができたので今日はその報告をしよう。
2/7(金)出社時,通り道の新橋駅で,当夜か翌日の「あけぼの」の寝台がないか尋ねたら,翌8日土曜日の上りなら寝台6席,ゴロントシート3席があると言う。これは天佑とばかり3席確保し,早速,家に連絡,翌日から日帰り夜行での旅行となった。寝台券や指定席券は出発の2日前までは払い戻し手数料が310円だが,前日になると30%になる。このため,出発の2日前にキャンセルが出て,翌朝の一番にはこういう余席が取れる可能性が高いのだ。昔から何度もこの手で席を確保してきたのでかなり自信はあったが,6席も空いていて,しかも同一ボックスで3席とれたのはびっくりだった。ただ日程が突然決まるので,一般人の旅行には難しい。僕にしても,切符を買ってから旅行に出るまでの何日間かは旅行の計画をたてて夢を膨らませる楽しい期間であり,それがないのは少々残念ではある。せっかく北東北に行くので五能線にでも乗ろうと計画もしたが,ちょうどよい乗継だと弘前までしか行けず,「あけぼの」の全区間に乗ることはできない。また,ジュニアが模型を買いに大宮のTOMIXワールドに行きたいと言うので,今回は大宮で寄り道をする予定だけは決まった。夕方の「あけぼの」の発車までに青森に着けばよいので大変のんびりした旅程だ。
翌2/8(土),僕の住む横浜は大雪,一面の銀世界だ。そう言えば一昨年,呉から「日本海」に乗りに行った日も温暖な呉で雪が降り,昔から気合を入れて雪を見に行こうとすると東京で雪に降られることは多かった。朝9:00前にぼつぼつ家を出発,磯子駅で乗車券を作ってもらう。横浜市内発東北新幹線,奥羽線,羽越線,信越線,高崎線経由の大宮行きと大宮から磯子の2枚つづりの連続乗車券だ。窓口のご担当は新津も宮内も知らない新入社員のような女性だったが,最近のマルスは賢く,言ったとおりに選択しながらてきぱきと発券してくれた。16,910円と青森への往復運賃の18,340より随分安いのは長距離逓減制の恩恵である。この辺は以前の「日本海」の時に丁寧に書いたので,JRのルールに興味のある方はこちらを参照お願いしたい。

今回の一連の切符
首都圏のJRはあちこちに遅れが出ていたが,何とか横浜から湘南新宿ラインの快速に乗り,あまり苦労もなく大宮着。湘南新宿ラインはこういうときは「いの一番」に計画運休するので,動いていて助かった。大宮のTOMIXワールドでの用事を済ませ,時刻も決まったので新幹線特急券の窓口に行く。こんな天気(大雪)のニ八の週末だから人の動きも少なく,直近の「はやぶさ」が取れるだろうと思っていたのだが,駅の表示では×。仕方がないので立席の特急券を確保したところ,カミさんとジュニアが,エ~ッ,立って行くの~と不満ブーブーの顔をする。急ぐ旅ではないので約1時間おとして,座って行ける「やまびこ61号」,「はやて35号」の乗り継ぎにしたら,「はやぶさ」に乗らないため1,250円戻ってきて,何か得した気になる。1時間の時間ができたので,大宮の駅ビルで昼ご飯にした。

E7系 大宮にて
この日2/8(土)は年末に応募して落選したE7系の試乗会をやっていて,大宮駅はなんとなくお祭りムードだ。せっかくなので早めに食事を済ませ駅に戻ると,ちょうど試乗列車が着いて,招待のお客さんが満足げに降りてくるところだった。急いでホームに上ると,ちょうど隣のホームに真新しい青と金のラインのE7系が止まっていた。何枚か写真を撮るうち,「やまびこ61号」が来たので乗車,一路仙台を目指す。仙台からはE5系の「はやて35号」に乗り換えたが,E5系のトイレの表示がちょっと気になった。個室内の通報装置のSOSボタンをみだりに押すと損害賠償を請求されるというのだ。確かにSOSボタンをみだり押されては困るし,緊急停車などということになったら,多数の列車の運転に影響が出るので損害賠償もしたくなるのは分かるが,それにしてもお客さまが利用する場所の案内表示に「損害賠償」はいかがなものか。これは想像だが,JR東海のN700系などのトイレの非常ボタンは単に通路に大音響のブザーが鳴るだけだ。これに対しE5系のは乗務員と通話できるようだ。これはE5系のSOSボタンは通常の車室内の非常通話装置と引き通し回路を共用しているからではないか。トイレでの非常ならば通常は病気による発作だろうから,医療機関に通報して手当てをする要はあるが,緊急に列車を止める必然性はなく,JR東海のシステムのほうがよいと思う。そうこうするうち,列車は定時で走り16:30に新青森に着いた。東京周辺では大雪が降ると大騒ぎになるが,僕の理解では元来鉄道は雪に強い乗り物なのだ。

E5系のSOSボタンについての表示
新青森駅は北海道への延伸を考え,青森駅とはずいぶん離れた場所にあり,青森までは1駅だが奥羽本線の列車で戻らないといけない。直近の列車は函館行きの「スーパー白鳥27号」だが,この区間は特急料金不要特例があるので,遠慮なくこの列車を使わせてもらう。時間になると青森までのチョイ乗りの客も含め,ほどほどの乗りになった。青森ではたくさんの渡り線を渡りながら,いかにも終着駅という感じにゆっくりゆっくり進入する。現代のスピード時代には少々まどろっこしいが僕はこの青森駅への進入シーンがとても好きなのだ。青森駅では一筆書き切符のはみ出し部分,180円なりを支払って出場する。昔はこういう駅では「復路専用乗車券」といって,往路の精算分と復路の乗車券が1枚になった切符を売っていたが,今ではそういう切符を知らない駅員も多くなったようだ。

新青森~青森までチョイ乗りのスーパー白鳥27号
関東の大雪のせいもありゆっくり来たので青森では1時間半,せっかくだから入線から見たいなどと思うと1時間しかなくなってしまった。横浜を出る時から大間のまぐろと陸奥湾のホタテをたっぷり食べたいと思ってきたのだが,そんな時間はない。それでも,駅前のアウガなる商業ビルの地下1階が市場風になっているのを知っていたので,ここでマグロ尽くし丼とホタテ刺しを食べる。昼にたっぷり食べてしまったので,丼ぶり刺身とも1人前づつで約3500円を家族3人で分けて食べたのだが,お店の人はなんとみみっちい家族と思たことだろう。さすがにこれだけではお腹一杯にはならないので,駅ビルでドーナツやら酒の肴やらを大量に買い込んで,予め確認しておいた入線時刻に駅に行く。雪で単線の奥羽本線のダイヤが乱れているせいでとかで,約20分遅れてDE10に引かれて「あけぼの」の編成が入ってきた。お約束どおり隣のホームから足回りも見える状態での編成写真を撮り,その後,指定の3号車の席に着く。列車の先頭付近は鉄道マニアが鈴なりになっていて,毎度のことだが独特の雰囲気だ。モタモタしているとどけ!とか怒鳴りだす輩もいて,公共輸送機関である鉄道をなんと心得るのであろうか。それでも所定の発車時刻を過ぎると多少は空いてきたので,家族写真を撮ってもらったり,編成を最後尾まで眺めたりしてゆっくりと過ごす。蕎麦屋の出前のようにちょっとずつ遅れ,結局,約40分遅れて19:00過ぎにやっと青森駅を発車した。

EF81+24系 青森にて
「あけぼの」は奥羽本線北部では上りの最終の特急の任も負っているので,途中駅の停車時間は短い。長時間停車で車外に出ることもできないので,青森で買い込んだお酒と食べ物で暇を紛らす。カミさんは青森のミスタードーナツのスピードくじで1等をあて,巨大なスヌーピーのぬいぐるみをもらったので,そんなもので遊んだりする。秋田でお休み放送が入り,次の羽後本荘までがヒルネ区間である。この間に一とおり車内を見回し,客車の車号を控えたりする。下が当夜の「あけぼの」の編成だが,驚いたことに一昨年の「日本海」のお名残乗車のときにも見たオハネフ24-7にまた会うことができた。24系24形の1桁(1974年製)の車両が生き延びていたとは驚きだ。番号が若くても生き残っているのは,状態が良いこともあるが,デジタル列車無線装置などの装備をつける改造を施工した車は廃車しないで最後まで使う方が効率的との説を車掌さんから伺った。羽後本荘を過ぎると車内は減光され,夜行列車モードに入る。新系列客車のデッキの折戸は雪に弱く泣き所だが,今夜の車掌さんはその道何十年のプロで,立てつけの悪い個所の隙間部分に目張りをしていた。新聞紙を幅3cm位に細く折って扉と框の隙間に挟んでゆくのだが,根気のいる作業で,乗客に快適な車内環境維持に気を遣うプロ精神に頭が下がる思いだ。


お土産?のスヌーピー
一夜明け目が覚めるとまだ雪の中だが,見覚えのある秩父鉄道の線路が合流し,熊谷を通過したところだ。秋田のお休み放送の時点で約40分だった遅れは長岡の機関車交換の運転停車などで挽回したのだろうか,約20分に縮まっていた。大宮到着前のおはよう放送が入ったところまではよかったが,その後は首都圏の大雪の影響で大渋滞につかまってしまった。大宮まで満線とのことで上尾で約25分止まり,大宮には約45分遅れで着いた。この先も各駅ごとに止まるかノロノロ運転かと思っていたが,ほぼそのままの遅れで7:40過ぎ,上野駅の地平13番線ホームに到着した。ホームでは大雪にもかかわらず多数のマニアが写真を撮っている。今夜の牽引機は長岡のEF64-1030で,新津の工場で製作された電車を首都圏の配置区に回送するために,自動連結器と密着連結機の両方と連結できる双頭連結器を備えた機関車だ。そんなものの講釈をしつつ僕らも写真を撮って,帰途に就く。

EF64 上野にて

双頭連結器と多数のジャンパ栓受けが並んで賑やかな連結部
大雪の番狂わせもあったが,無事「あけぼの」を通して乗ってお名残り乗車は完了,満足の日帰り夜行の旅だった。約1時間,通勤型の電車に揺られて磯子に着くとバスは運休,やっとのことで家に着くとマンション周辺の雪かきと夜行明けにはつらい東京の記録的な雪が待っていた。(2014.3.1記)
2/7(金)出社時,通り道の新橋駅で,当夜か翌日の「あけぼの」の寝台がないか尋ねたら,翌8日土曜日の上りなら寝台6席,ゴロントシート3席があると言う。これは天佑とばかり3席確保し,早速,家に連絡,翌日から日帰り夜行での旅行となった。寝台券や指定席券は出発の2日前までは払い戻し手数料が310円だが,前日になると30%になる。このため,出発の2日前にキャンセルが出て,翌朝の一番にはこういう余席が取れる可能性が高いのだ。昔から何度もこの手で席を確保してきたのでかなり自信はあったが,6席も空いていて,しかも同一ボックスで3席とれたのはびっくりだった。ただ日程が突然決まるので,一般人の旅行には難しい。僕にしても,切符を買ってから旅行に出るまでの何日間かは旅行の計画をたてて夢を膨らませる楽しい期間であり,それがないのは少々残念ではある。せっかく北東北に行くので五能線にでも乗ろうと計画もしたが,ちょうどよい乗継だと弘前までしか行けず,「あけぼの」の全区間に乗ることはできない。また,ジュニアが模型を買いに大宮のTOMIXワールドに行きたいと言うので,今回は大宮で寄り道をする予定だけは決まった。夕方の「あけぼの」の発車までに青森に着けばよいので大変のんびりした旅程だ。
翌2/8(土),僕の住む横浜は大雪,一面の銀世界だ。そう言えば一昨年,呉から「日本海」に乗りに行った日も温暖な呉で雪が降り,昔から気合を入れて雪を見に行こうとすると東京で雪に降られることは多かった。朝9:00前にぼつぼつ家を出発,磯子駅で乗車券を作ってもらう。横浜市内発東北新幹線,奥羽線,羽越線,信越線,高崎線経由の大宮行きと大宮から磯子の2枚つづりの連続乗車券だ。窓口のご担当は新津も宮内も知らない新入社員のような女性だったが,最近のマルスは賢く,言ったとおりに選択しながらてきぱきと発券してくれた。16,910円と青森への往復運賃の18,340より随分安いのは長距離逓減制の恩恵である。この辺は以前の「日本海」の時に丁寧に書いたので,JRのルールに興味のある方はこちらを参照お願いしたい。

今回の一連の切符
首都圏のJRはあちこちに遅れが出ていたが,何とか横浜から湘南新宿ラインの快速に乗り,あまり苦労もなく大宮着。湘南新宿ラインはこういうときは「いの一番」に計画運休するので,動いていて助かった。大宮のTOMIXワールドでの用事を済ませ,時刻も決まったので新幹線特急券の窓口に行く。こんな天気(大雪)のニ八の週末だから人の動きも少なく,直近の「はやぶさ」が取れるだろうと思っていたのだが,駅の表示では×。仕方がないので立席の特急券を確保したところ,カミさんとジュニアが,エ~ッ,立って行くの~と不満ブーブーの顔をする。急ぐ旅ではないので約1時間おとして,座って行ける「やまびこ61号」,「はやて35号」の乗り継ぎにしたら,「はやぶさ」に乗らないため1,250円戻ってきて,何か得した気になる。1時間の時間ができたので,大宮の駅ビルで昼ご飯にした。

E7系 大宮にて
この日2/8(土)は年末に応募して落選したE7系の試乗会をやっていて,大宮駅はなんとなくお祭りムードだ。せっかくなので早めに食事を済ませ駅に戻ると,ちょうど試乗列車が着いて,招待のお客さんが満足げに降りてくるところだった。急いでホームに上ると,ちょうど隣のホームに真新しい青と金のラインのE7系が止まっていた。何枚か写真を撮るうち,「やまびこ61号」が来たので乗車,一路仙台を目指す。仙台からはE5系の「はやて35号」に乗り換えたが,E5系のトイレの表示がちょっと気になった。個室内の通報装置のSOSボタンをみだりに押すと損害賠償を請求されるというのだ。確かにSOSボタンをみだり押されては困るし,緊急停車などということになったら,多数の列車の運転に影響が出るので損害賠償もしたくなるのは分かるが,それにしてもお客さまが利用する場所の案内表示に「損害賠償」はいかがなものか。これは想像だが,JR東海のN700系などのトイレの非常ボタンは単に通路に大音響のブザーが鳴るだけだ。これに対しE5系のは乗務員と通話できるようだ。これはE5系のSOSボタンは通常の車室内の非常通話装置と引き通し回路を共用しているからではないか。トイレでの非常ならば通常は病気による発作だろうから,医療機関に通報して手当てをする要はあるが,緊急に列車を止める必然性はなく,JR東海のシステムのほうがよいと思う。そうこうするうち,列車は定時で走り16:30に新青森に着いた。東京周辺では大雪が降ると大騒ぎになるが,僕の理解では元来鉄道は雪に強い乗り物なのだ。

E5系のSOSボタンについての表示
新青森駅は北海道への延伸を考え,青森駅とはずいぶん離れた場所にあり,青森までは1駅だが奥羽本線の列車で戻らないといけない。直近の列車は函館行きの「スーパー白鳥27号」だが,この区間は特急料金不要特例があるので,遠慮なくこの列車を使わせてもらう。時間になると青森までのチョイ乗りの客も含め,ほどほどの乗りになった。青森ではたくさんの渡り線を渡りながら,いかにも終着駅という感じにゆっくりゆっくり進入する。現代のスピード時代には少々まどろっこしいが僕はこの青森駅への進入シーンがとても好きなのだ。青森駅では一筆書き切符のはみ出し部分,180円なりを支払って出場する。昔はこういう駅では「復路専用乗車券」といって,往路の精算分と復路の乗車券が1枚になった切符を売っていたが,今ではそういう切符を知らない駅員も多くなったようだ。

新青森~青森までチョイ乗りのスーパー白鳥27号
関東の大雪のせいもありゆっくり来たので青森では1時間半,せっかくだから入線から見たいなどと思うと1時間しかなくなってしまった。横浜を出る時から大間のまぐろと陸奥湾のホタテをたっぷり食べたいと思ってきたのだが,そんな時間はない。それでも,駅前のアウガなる商業ビルの地下1階が市場風になっているのを知っていたので,ここでマグロ尽くし丼とホタテ刺しを食べる。昼にたっぷり食べてしまったので,丼ぶり刺身とも1人前づつで約3500円を家族3人で分けて食べたのだが,お店の人はなんとみみっちい家族と思たことだろう。さすがにこれだけではお腹一杯にはならないので,駅ビルでドーナツやら酒の肴やらを大量に買い込んで,予め確認しておいた入線時刻に駅に行く。雪で単線の奥羽本線のダイヤが乱れているせいでとかで,約20分遅れてDE10に引かれて「あけぼの」の編成が入ってきた。お約束どおり隣のホームから足回りも見える状態での編成写真を撮り,その後,指定の3号車の席に着く。列車の先頭付近は鉄道マニアが鈴なりになっていて,毎度のことだが独特の雰囲気だ。モタモタしているとどけ!とか怒鳴りだす輩もいて,公共輸送機関である鉄道をなんと心得るのであろうか。それでも所定の発車時刻を過ぎると多少は空いてきたので,家族写真を撮ってもらったり,編成を最後尾まで眺めたりしてゆっくりと過ごす。蕎麦屋の出前のようにちょっとずつ遅れ,結局,約40分遅れて19:00過ぎにやっと青森駅を発車した。

EF81+24系 青森にて
「あけぼの」は奥羽本線北部では上りの最終の特急の任も負っているので,途中駅の停車時間は短い。長時間停車で車外に出ることもできないので,青森で買い込んだお酒と食べ物で暇を紛らす。カミさんは青森のミスタードーナツのスピードくじで1等をあて,巨大なスヌーピーのぬいぐるみをもらったので,そんなもので遊んだりする。秋田でお休み放送が入り,次の羽後本荘までがヒルネ区間である。この間に一とおり車内を見回し,客車の車号を控えたりする。下が当夜の「あけぼの」の編成だが,驚いたことに一昨年の「日本海」のお名残乗車のときにも見たオハネフ24-7にまた会うことができた。24系24形の1桁(1974年製)の車両が生き延びていたとは驚きだ。番号が若くても生き残っているのは,状態が良いこともあるが,デジタル列車無線装置などの装備をつける改造を施工した車は廃車しないで最後まで使う方が効率的との説を車掌さんから伺った。羽後本荘を過ぎると車内は減光され,夜行列車モードに入る。新系列客車のデッキの折戸は雪に弱く泣き所だが,今夜の車掌さんはその道何十年のプロで,立てつけの悪い個所の隙間部分に目張りをしていた。新聞紙を幅3cm位に細く折って扉と框の隙間に挟んでゆくのだが,根気のいる作業で,乗客に快適な車内環境維持に気を遣うプロ精神に頭が下がる思いだ。


お土産?のスヌーピー
一夜明け目が覚めるとまだ雪の中だが,見覚えのある秩父鉄道の線路が合流し,熊谷を通過したところだ。秋田のお休み放送の時点で約40分だった遅れは長岡の機関車交換の運転停車などで挽回したのだろうか,約20分に縮まっていた。大宮到着前のおはよう放送が入ったところまではよかったが,その後は首都圏の大雪の影響で大渋滞につかまってしまった。大宮まで満線とのことで上尾で約25分止まり,大宮には約45分遅れで着いた。この先も各駅ごとに止まるかノロノロ運転かと思っていたが,ほぼそのままの遅れで7:40過ぎ,上野駅の地平13番線ホームに到着した。ホームでは大雪にもかかわらず多数のマニアが写真を撮っている。今夜の牽引機は長岡のEF64-1030で,新津の工場で製作された電車を首都圏の配置区に回送するために,自動連結器と密着連結機の両方と連結できる双頭連結器を備えた機関車だ。そんなものの講釈をしつつ僕らも写真を撮って,帰途に就く。

EF64 上野にて

双頭連結器と多数のジャンパ栓受けが並んで賑やかな連結部
大雪の番狂わせもあったが,無事「あけぼの」を通して乗ってお名残り乗車は完了,満足の日帰り夜行の旅だった。約1時間,通勤型の電車に揺られて磯子に着くとバスは運休,やっとのことで家に着くとマンション周辺の雪かきと夜行明けにはつらい東京の記録的な雪が待っていた。(2014.3.1記)