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2014-07

山手線1周の運賃

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 先般,山手線1周の運賃についての下のような記事を書いたが,画像の貼りつけてある140円の切符はNGとの記述を見かけたので,再度,山手線1周の運賃について考察しよう。

 (前略)山手線1周は34.5km,山手線用の運賃テーブルに当てはめると480円になる。それではなにも面白くないが,大回り乗車の特例(東京近郊区間の大回り乗車の特例については元の記事参照)を使って,隣の駅までの往復切符,今なら280円で1周できるというのが一般的な説だ。例えば,東京から神田往復の切符を買って,逆方向の有楽町方面の外回り列車に乗り,ぐるりと回った神田で降りる。ここまでが往路で,復路は普通に神田から東京まで1駅乗ればよいというものだ。

 では,2周ではどうだろう。280円の2倍で560円,3周だったら都区内フリーパス750円のほうが安いというオチの記事をよく見かけるがこれは違うと思う。先の東京発の例で,2周目は神田から乗った列車にそのまま乗って,秋葉原まで行く。これで280円だ。そして,秋葉原から東京まで戻る140円を加えて420円が正解だと思う。言うまでもないが,この場合は往復切符ではなく,東京→神田,神田→秋葉原,秋葉原→東京を用意しなければならない。

 だがしかし,もっと安い切符があることに気が付いた。神田か秋葉原と出発駅が限定されるが,この2駅発なら140円で山手線1周に使える切符が買える。神田から秋葉原,お茶の水を回って神田に戻れば2.9kmで1周のルートが成立し,この切符で大回り乗車すれば山手線1周も可能という訳だ。下は話のタネに買った同区間の切符だが,買うのには随分苦労した。最初に行った通勤途上のA駅では,駅員氏はマルスの端末は操作してくれたが,そんな切符は売る必要がないから売れないと体よく断られた。次に行ったこれも出勤途上の東京駅ではまだ若い女性の担当で,端末画面を見ることができたのだが,経路設定エラーになって発券できなかった。3軒目に行った有楽町のびゅうプラザでようやく発券してもらうことができた。後学のために聞いてみたら,「経路補正」という機能を使わないとエラーになってしまうとのことだった。なお,切符には「東北・中央東」と印字されるが,これはこのルートで運賃計算しましたよという意味で印字されているだけで,その経路以外を乗ってはいけないという意味ではない(はずだ)。

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山手線1周ができる切符
(ここまでが前回の内容)

 インターネットのある質問サイトでは上の140円の乗車券での山手線1周はNGとの記述があったので,これについて僕なりの見解を述べておこう。140円大回り乗車は隣の駅で降りるから大回り乗車であって,出発駅に戻ってきてしまったら,一般的な大回り乗車と多少事情が変わってくる。

 まず,大回り乗車中に途中下車したら,どうなるのだろうか。例えば,東京駅からの140円旅行で大回りをしていたが,外房の海を見たら,大回りをやめて海の見える温泉に入りたくなったとしよう。勝浦で旅行をやめた場合,区間変更として扱われ,東京から勝浦までの運賃を払うことになる。この場合でも,大回りで乗ったルートどおりではなく,東京から勝浦の最短の経路(110.1km)での運賃1,940円から原券の140円を差し引いて,精算額は1,800円である(※2)。ここまではJRの旅客営業規則でも想定していて,大回り特例の規定に続く157条3項で規定している。しかしながら,出発駅に戻ってくるケースについては規定はないのだ。記述によっては「そのまま出発駅へ戻ると区間変更として扱われる」(種村 直樹著「鉄道旅行術」自由国民社2014年新訂版44ページ)としているが,これは本規定を準用する考えと思われる。

参考まで,157条2項,3項の条文(なお,157条1項は区間を指定して「選択乗車」を規定したもので,別の規定)
2  大都市近郊区間内相互発着の普通乗車券及び普通回数乗車券(併用となるものを含む。)所持する旅客は,その区間内においては,その乗車券の券面に表示された経路にかかわらず,同区間内の他の経路を選択して乗車することができる。
3  前項の場合,普通乗車券を所持する旅客が,他の経路を乗車中に途中駅において下車したときは,区間変更として取り扱う。

 出発駅に戻ってきた場合は,「他の経路を乗車中に途中駅において下車」しているのではなく,環状線1周を構成するので運賃計算はここで打ち切りになる(旅客営業規則68条4項)。そして,環状線1周の運賃計算になるわけだが,駅によって環状線の構成の仕方が変わるので,山手線でもいろいろなパターンができる。神田,秋葉原では上述のとおりだが,東京駅の場合は,総武快速線で錦糸町に出て秋葉原経由で戻る10.2km220円の環状線が構成できる。次に日暮里,西日暮里,田端の場合は,尾久,赤羽を回って1周するルートがちょうど15.0kmで220円だ(※3)。そして,駒込から池袋までの各駅では,赤羽を回って1周するルートが16.8kmで310円になる(田端は尾久回りのほうが安いので除外)。その他の駅でも山手線を1周せずに,中央線でショートカットすればよいので北半分なら23.7km340円,南半分なら26.3km410円が各駅を発駅として環状線を構成する最短距離と運賃だ(※4)。往復切符を用意せずに最初に買った切符1枚で山手線を1周すると,これらの運賃から買った切符の運賃を差し引いた額を区間変更として精算することになる(※5)。机の上での規則ごっこが過ぎたようだ。いろいろ考えても,15kmを超えると1周の片道切符のほうが隣の駅までの往復切符より高くなってしまうので意味がない。

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山手線周辺路線図

 東京駅では,地方から上京してきた人や,海外からの観光客で,山手線1周の切符をくださいというお客さんも多いという。そういう人に東京発錦糸町経由東京行き220円の切符を売らないのはけしからんなどとは言わない。切符に印字したとき,山手線以外の経路で運賃計算しているので,正当に乗車することはできても,「山手線1周の切符」とは言えないかもしれないし,駅によって変わるような面倒なルールを説明するのは出札窓口の実務には適さない。したがって,通説どおり,山手線1周は隣の駅までの往復運賃,すなわち280円が一般的としておこう。これが大人の分別というものだ。

 なお,我が家の近くの大駅のお客様相談窓口で「神田→神田」のきっぷについて確認したら,応対してくれたかたは支社の制度担当にも電話で確認してくれ,「まったく問題ありません」とのことだった。また,本スレッドの「インターネットのある質問サイトでは...」以降の部分は,僕の自説であり,確認はとっていない。念のため。

(注)
※1 本記事の運賃はすべてきっぷの場合の運賃で書いている。
※2 区間変更の場合は「...実際の乗車区間に対する普通旅客運賃とを比較し,不足額は収受し...」(旅客営業規則249条2項)とあるが,「実際の乗車区間」について,大回り乗車に否定的な見方をすると,実際に乗ってきた経路どおりにと解釈される場合がありそうだ。僕は,「実際の乗車区間」は乗った駅から降りた駅で,区間変更の場合でも運賃計算には157条2項が適用されると解釈した。
※3 実態として日暮里から尾久に直接行く列車は1本もなく,日暮里~上野間での区間外乗車特例も使えない(※6)ので,このルートは運賃計算には有効だが,実際に乗車することができないという変なルートである。
※4 もし,140円や220円の切符で出発駅で降りるときは自動改札は通れない。事情を説明して有人通路を通らないと出場できない。
※5 ※2のような事情もあるので精算するのはお薦めしない。もし実行するなら,事前に切符を買っておくことをお薦めする。
※6 JRの「旅客営業取扱基準」で関連しそうな区間外乗車特例は2つある。尾久駅を対象とした149条(2)は尾久発着の乗車券でないと使えない。代々木~新宿など分岐駅通過列車を対象に多数の区間を列挙した151条にも設定がない。なので,緑の区間を券面表示どおりに乗るためには,日暮里~上野間の往復運賃が必要と解釈した。
(2014.7.20記,2014.11.8,2017.7.6追補)

元の記事「大都市近郊区間と山手線1周の運賃」はこちら
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京急ファミリー鉄道フェスタ2014に行ってきました

 (2014年)5月25日(日),去年に続き京急ファミリー鉄道フェスタに行ってきました。この催しは京急ファインテック(株)久里浜事業所の工場公開ですが,京急久里浜工場の公開といったほうがとおりはよく,京急グループを挙げての一大イベントになっています。また,このての鉄道基地公開のイベントとしても老舗で今年で第14回を数えます。僕は京急沿線住まいが長いので,2001年の第1回から,呉に赴任していた時の2回を除いてほぼ毎年出かけています。ジュニアのほうは2001年生まれなので第1回からではありませんが,物心ついたときから出かけていると思います。そんな訳なので,イベントに行ってもとくに目新しいものはなく,じっくり見るのは毎年変わるものだけです。

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探したら出てきました。2003年のときの写真。この頃はまだ人出も少なかったようです

 今年は当日午後に家での用事があり14:00までに帰らなければいけなかったので,朝一番からの見学です。京急久里浜駅からのピストン輸送のバスは毎年,長蛇の列なので,今年はこの列を避けようと北久里浜駅からの徒歩にチャレンジしました。電車に乗っていると,北久里浜を出るとすぐ車庫が現れますが,工場の入り口は久里浜側にあるので,歩いた感じでは久里浜から歩いたのと変わらず20分位かかりました。

 さて今年,最初に行ったのは車両基地公開では一番の人気の車両の撮影ゾーンです。今年は京急イエローハッピートレインといって,1000形の1本が黄色く塗られて走っています。ドアはステンレスの無塗装なので,巷では西武の電車そっくりだと言われています。黄色と青と標準の赤で3色並んでいるのが今年の撮影ゾーンの目玉です。また,その隣には川崎大師の10年に1度の御開帳を記念して走っている,真っ赤な1500系の赤札号も来ていました。

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京急電車の3色並び

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大師線赤札号。奥にはデトも見える。今年はショーティー発売で売出中?

 工場のいろいろな展示やイベントを眺めつつ次に行ったのがバスの展示です。相変わらずジュニアはバス好きで,来ていた3台のバス全てで運転席に座って写真を撮ってきました。今年は臨港バスのエルガ,京急の路線車のエルガハイブリッド,夜行高速バスのセレガの3台でした。国内のバスメーカーは集約の結果2陣営になってしまったので,出てくるバスの種類が減って少々寂しくなりました。

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バスの展示の様子

 最後に行ったのが物販ゾーンです。これがまた毎年出し物(商品)が変わるのでおもしろく,毎年このイベントに行く理由にもなっています。ジュニアは京急バスのバスコレクションを買って帰りました。毎年このイベントに合わせて発売されるもので,今年で4セット目になりますが,3台2,200円です。2,000円を超えたのは初めてで,小遣いにつらいとこぼしていました。僕は,これまたこのイベントに合わせて発売のBトレインショーティーで,京急230系とデト11・12を各1セット買って帰りました。また,物販が充実していて西鉄や在阪の民鉄各社のグッズが買えるのが嬉しいのですが,うっかりすると無駄遣いをしてしまうので,ギューッと財布のヒモを縛っての見物が必要です。

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バスコレクション。京浜急行バスオリジナルバスセットⅣ

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Bトレインショーティー 京急230
余っていた2100の先頭車にパンタを付けた自由形と共に百均商品のケースに入れてみました

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Bトレインショーティー 京急デト11・12。2両2,000円はBトレで最高値?

 主催者側もせっかく来たのだからいろいろ見てもらおうと趣向を凝らすのですが,このイベントでは去年から「お仕事カード」の配布による会場内のラリーが開催されます。本来,カードの配布は小学生以下の子供限定ですが,あまり細かいことは言わず,今年から中学生のジュニアもしっかり1セット集めてきました。去年と今年の違いで気になったのは記念乗車券の値段が2倍の2,000円になったことです。去年は,1,000円の記念乗車券を買って,家族3人で使って,ほとんど財布へのインパクトはありませんでしたが,今年はジュニアでと2人だけで行ったこともあり,2,000円分切符を使うあてはないので買わずに帰ってきました。こんなところにもアベノミクスによる好況の影響が表れているのかもしれません。

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京急お仕事カード(2014年版)

 ところで,この前日の5月24日にはJRの大宮工場の公開があったそうです。会社の知人から様子を聞かせてもらったのですが,こちらはJR貨物も協賛で機関車の展示もあったそうです。京急の催しに特段マイナス点がある訳ではないのですが,来年は大宮に行こうかと考えているところです。(2014.6.22記)

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