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2014-10

JRの旅客営業制度~大都市近郊区間(東京近郊区間)の内と外 ほか

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 以前から何度かこのブログで採りあげているけれど,JRの乗車券の取り扱いは大都市近郊区間の内と外では異なる。先日,その典型的な例にあたったので,ご紹介してみたい。わが家は横浜市磯子区,そしてわが家の墓所は甲府駅の東側,甲府の寺町のようなエリアのJR東海・身延線の金手(かねんて)駅の近くにある。例年どおりお彼岸を前に墓参りに行くのだが,JRのE351系も置き換え時期が近づいているので,今回の往路は奮発して「スーパーあずさ」で行くことにした。問題はこの場合の乗車券の買い方だ。

 先ず,普通の乗車券と大都市(東京)近郊区間内相互発着の乗車券の違いをおさらいしておこう。
ポイント普通の乗車券大都市近郊区間
相互発着の乗車券
運賃の計算方法と
大回り(※1)の可否
実際に乗車する経路
大回りはできない 
最短経路
大回りができる
有効期間距離による
100kmまで1日,200kmまで2日,
以降200km増えるごとに1日
距離にかかわらず1日
途中下車(※2)できるできない
(途中下車したら前途無効)
Suicaでの乗車できないできる
目にする頻度長距離の旅行の時ぐらい圧倒的に頻繁

 次に今回の旅程のポイントは墓所の最寄り駅が金手であることだ。金手駅は甲府を出た身延線がまだ中央本線と寄り添って走っている3線区間にある中央本線と一体のような駅だが,JR東海の営業エリアに属し,東京近郊区間には含まれていない。したがって,乗車券を根岸から買う場合,甲府行きとすれば東京近郊区間相互発着で,金手行きとすればそうではない普通の乗車券になるのだ。

 墓参りの実際では,お寺に行くのに①歩く,②市内バス(特定運賃で100円),③市内の商店街循環無料バス(レトボン),④身延線の電車(本数少ない),⑤タクシーといろいろな移動手段があるので,甲府~金手間の乗車券を買うかはどうでもよいのだが,この違いは理解しておくべきと思う。
 金手までとして普通の乗車券とすると,横浜線経由と経路が限定されるが,途中下車ができる。これにより,最近,桜木町にできたCIALに寄ってお弁当を調達したり,甲府で一旦降りて駅前のバスターミナルで帰りのバスを手配したりすることができる。
 反対に甲府までとして東京近郊区間相互発着とすると,途中下車ができない代わりに,新宿回りや南武線回りといった経路を通っても,最短の横浜線回りで運賃計算をする。八王子からだとせっかくの「スーパーあずさ」にたった1駅1時間弱しか乗れない。特急料金は高くなっても新宿から乗るとなったらこの方がお得だ。因みに,根岸から甲府は横浜線経由だと138.2km2,270円だが,新宿経由だと163.5kmあり3,020円かかるところだが最短経路で計算するルールなので2,270円でOKなのだ。
 この辺のきっぷのルールはJRの制度としてはイロハのイなのだが,意外と知られていない。JRのルールを正しく理解して適切な使い分けができるようにしたいものだ。

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 ところで,この話にはおまけが2つある。一つは運賃の切れ目についてだ。僕の家は根岸線の磯子駅が最寄りだが,今回はバスで隣の根岸に出ることにした。図のとおり,根岸~金手は139.5kmでぎりぎり140kmまでの2,270円に収まっているが,磯子からにすると140kmを超えてしまい160kmまでの2,590円になり,320円も跳ね上がるのだ。JRの運賃は11~50kmまでは5km,51~100kmは10km,101~600kmは20km,601km以上は40kmと刻み幅が決まっていて,101km以上の場合はちょっと出っ張っただけなのにど~んと運賃が跳ね上がるので,そんなときはむしろ乗り越して精算したほうが得になる。磯子~金手の場合は,磯子~酒折(2,270円)に酒折~金手(190円)を乗り越して,2,460円となるので,まともに買った2,590円より130円の節約となる。それなら磯子から130円のきっぷを買って,根岸~金手分2,270円を精算すればよいではないかと思うかもしれないが,原券控除といって,もともとの乗車券が100km未満の場合は全区間の運賃(磯子~金手:2,590円)から130円を引いて2,460円を精算するルールだから,手間がかかるばかりで何の得にもならない。キツネにつままれたように思うかたも居るかもしれないが,精算額のブレを少なくする公平性,利用者,駅係員の手間を総合的に考えた結果でそういう制度設計になっているのだ。

 もう一つのおまけは大した話ではない。根岸から甲府に行く運賃についての話だが,今回の旅程では帰りは,この夏から週末のみの定期運行を始めた甲府~横浜のバスに乗ることにしていた。週末に往復するなら「休日お出かけパス」を買って,はみ出る大月~金手往復を買うと4,350円になり190円ばかり安くなる。念のため。(2014.9.28記)

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当日のきっぷ
八王子では駅員氏が手をすべらせて印鑑箱で隣にあった四角いハンコを捺してしまったので,上から本来の楕円形のハンコを捺してある。因みに前者を駅名小印といい,何かの処理をした時の証明をするもの,後者は(途中)下車印といって,その名のとおり途中下車(=その駅まで使用済)を証明するものだ。なお,このきっぷの写真は,金手は無人駅で無効印は期待できないので,甲府駅で途中下車した際に撮影したもの。

※1 大都市(東京)近郊区間と大回り乗車についてはこちらを参照
※2 ここでいう途中下車は,旅行の途中で列車を降りるだけでなく,改札口の外まで出ること
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