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2015-09

東海道徒歩き(かちあるき)(4)小田原宿~三島宿

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 東海道徒歩きは中断していましたが,シルバーウィークのなか日(2015年)9月21日に10か月ぶりに小田原宿から三島宿までの箱根越えの区間を歩いてきました。去年の11月に第3日,藤沢宿~小田原宿を歩いているのですが,まだアップしていません。追い越しですが,記憶が新鮮なうちに第4日分をアップします。東海道53次の小田原~箱根は15.5km,箱根~三島は14.4km,合計で約30kmですが途中には難所の箱根峠があります。当初は箱根で1泊の行程を計画していました。行程上は元箱根か箱根町近辺に止まるのが有利なのですが,この近辺に適切な宿がなく,徒歩きでは贅沢はしないと決めているので,ユースホステルを探すと仙石原で,同じ箱根でもずいぶん遠くになってしまいます。亭主の道楽の無駄遣いに対する風当たりも厳しいので,日帰りの行程にチャレンジすることになりました。尤も,リタイアという事態になっても,箱根町~三島間には結構頻繁にバスが走っているのを知っていたので安心です。

 朝はJR最寄りの磯子駅を5:05の下り2番電車で出発,大船で乗換え,前回のゴールの小田原を目指します。小田原は大きな宿場でどこが本陣跡かよく分からず,とりあえず小田原城大手門前からスタートです。正しい旧街道は1号線の北側,ビーバー登山(ホームセンター)の北側を通るようですが,今回は急に思い立っての徒歩きでサーベイ不足のため,現在の国道1号線を箱根湯本を目指して歩きます。また,旧街道は湯本の手前,三枚橋を左に曲がり1号線から分かれますが,僕は湯本の駅前を回ってしまいました。

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小田原城大手門前の料亭。なんか古くて城下町を感じさせる(6:38)
箱根板橋の先では線路際にお稲荷さんが。街道とは関係なさそうだけど,赤い電車と合ってます(7:11)

 バス「K」系統の走る旧街道を登って行くと暫くは温泉旅館が続きますが,日帰り入浴で有名になった天山湯治郷,「界」という屋号の星野リゾートのホテルが一番奥にあたります。天山は以前は天山露天風呂を名乗っていましたが,今は宿泊施設もできたようで,「界」ともども一度泊まってみたいと思います。暫く歩くと須雲川自然探勝歩道という立派な看板が出てきて,ここからは舗装された県道とも離れ,まさに旧街道の石畳を歩いてゆきます。

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旧街道の須雲川自然探勝歩道の入り口(8:59)
K系統,旧街道経由の路線バス。日中は1時間に1本(畑宿より下に区間便もある)走る(9:03)

 この先には東京電力の水力発電所もあり,須雲川の沢歩きの様相を帯びてきます。渓流に渡された竹を編んだ橋は水かさが増すと流れてしまう(外しておく?)ようで,増水時は通れませんとの注意書きがある。靴を濡らさないように注意して渡河しますが,対岸に渡って気づくと,上流にもう一つ吊り橋があり,無理をしなくてもこちらのルートなら通年通れるようでした。

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須雲川発電所近くの竹橋(9:12)
少し上流の吊り橋(9:15)

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畑宿の「本陣跡」バス停。後ろの家も風情ある構え(9:40)
畑宿の本陣跡の案内板(9:40)

 発電所から暫く行くと畑宿に着きます。ここは間宿(あいのしゅく,宿場間の距離が長い区間でおかれていた休憩所などのある所)が置かれていた所で,今は箱根寄木細工の工房などがあります。道路と旧街道は厳しい上り坂が続き,道路のほうはヘアピンカーブの連続で七曲りと呼ばれた難所です。旧街道のほうはヘアピン部分をショートカットするように階段が設けられていて,道路より厳しい上りになっています。

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畑宿一里塚(9:45)
ヘアピンカーブの道路と階段(戦後に旧街道ウォーキングのために整備されたもの)(9:51)

 暫く上ると見晴らしの良いサミットで,県道のほうにはトライブインもありますが,旧街道からは足場が悪く,眺めるだけでした。腹も減ったので,ここで蕎麦でも食べようと思っていたのですが,残念。勾配も緩やかになった先が甘酒茶屋で,ここには茶屋のほかに無料の休憩所もあります。35年くらい前,高校の研修旅行で甘酒茶屋から畑宿までを歩いたのを思い出しました。

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1時間に1本でも歩いていると頻繁にバスに抜かれる。発電所前で(9:33)
同じく甘酒茶屋で。塗替え途上のため,どちらも箱根登山バス(10:36)

 芦ノ湖に向かっての下り坂になって足取りも軽くなり,湖岸に着くと元箱根です。甘酒茶屋でも蕎麦は食べられず,腹ペコなのでさっそく湖畔のドライブインに入り,生ビールとざるそばで昼ご飯です。観光地の飲食店はいちげんさん相手の店が多いので元々期待していませんでしたが,やっぱりの内容でした。店を出て関所のほうに歩き始めると,きそば,手打ちそばの幟のたつ店が何軒もあり,酔ったせいもあり少々後悔です。気を取り直して旧街道歩きに戻りますが,この辺の旧街道は杉並木と共に保存整備され,石畳を歩く観光客も格段に増えます。

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元箱根~関所跡間の杉並木の旧街道(11:36)
箱根町ターミナルで(11:50)

 ここで行程のほぼ真ん中です。12:00までにここまで来れれば,三島への下りも今日行ってしまおうと考えていたので,関所や恩賜庭園などでゆっくりすることもなく先を目指します。芦ノ湖の湖畔から外輪山のサミットの箱根峠まで暫くの間は上りになります。途中には道の駅があり,しばしの休憩です。ここからは遊覧船の行き交う芦ノ湖の向こうに箱根の最高峰の駒ケ岳が一望でき,普段見る東側からの景色とは違った風景がとても新鮮です。

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道の駅・箱根峠からの眺め(12:10)
箱根峠にたつ標識。標高846mとあるが小田原城大手門は8mだったので840mまるまる登った勘定(12:42)

 箱根峠を過ぎるといよいよ静岡県です。どういう財源になっているのか分かりませんが,静岡県の旧街道は,思ったよりよく整備されていて歩きやすく,場所によっては杉並木も残っています。また,急な下り坂だと足への負担も大きくつらいですが,長くゆっくり下るので歩きやすいです。頂上部の一部は国道1号線上を歩きますが,サミットより下の区間では国道上を歩くことも少なく,安心して歩けて,気持ちの良いウォーキングです。

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静岡県側に残る杉並木の旧街道(13:32)
案内板のひとつ(13:20)

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山中城址の近くからの景色。伊豆の付け根の山々,駿河湾が見える(14:15)
愛鷹山を望む。天気がよければ富士山のビューポイントのはず(14:45)

 笠原という集落からは旧国道1号線の県道で,舗装された道になりますが,昭和の街並みが残り,それはそれで風情のある街並みです。三島~箱根間の路線バスもバイパスは通らず,律儀にこの県道でこまめにお客さんを拾いながら走っているようです。

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笠原以西は舗装路になる(14:20)
旧街道の街並みを行く。後ろの商店の佇まいがよい。松雲寺前あたり(14:37)

 三島の市街地に入っても緩い下り坂は続き,かなり疲れていても気持ちよく歩けます。途中,錦田には一里塚が残っていますが,ここは道の両側の一里塚が残っていて,保存状態もよく珍しいそうです。

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錦田一里塚。進行左(海)側(15:18)
一里塚の案内板。国指定の史跡だそうです。

 道路の下を通っているので分かりませんが,新幹線と東海道線を越えると,三島市の中心部になります。現在の国道1号線は南に迂回していますが,その1本北側の道が旧東海道で,今でも市内の目抜き通りの商店街になっています。

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三島宿世古本陣(15:59)
旧街道の商店街。三島広小路駅近く(16:12)

 三島宿世古本陣の跡には小さな泉のモニュメントがあり,今日の行程はここで終了です。近くにマックスバリューがあったので,トイレを借りて,家への土産と帰りの電車で飲むビールなど必要なものを調達済します。伊豆箱根鉄道の三島広小路の駅があるので,たった1駅のチョイ乗りで三島駅に戻ります。
 今日の行程は約9時間半,歩数は約55,000歩でした。懸案の箱根越えも済みましたが,日帰りで行って来れるのはこの辺が限界で,次からは泊まりでの徒歩きになりそうです。次はいつになるか分かりませんが,静岡へ富士山を見ながら清水の次郎長ゆかりの地の旅を楽しみにして,筆をおきます。(2015.9.22記)
 

>>>東海道徒歩き(かちあるき)(1)日本橋~川崎宿
>>>東海道徒歩き(かちあるき)(2)川崎宿~藤沢宿
>>>東海道徒歩き(かちあるき)(3)藤沢宿~小田原宿
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2015年夏休み青春18きっぷ旅行②--定番の飯田線鈍行紀行

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(豊橋にて。この雰囲気は旧型国電健在の頃と変わらない)

 飯田線は路線の距離は200kmにも満ちませんが,大判の時刻表で1ページぶち抜き,駅の数が94もある偉大なるローカル線です。全通する列車は所要6時間半を超える,ほれぼれする長距離鈍行列車です。また,天竜川に沿った川の景色,南アルプスの山々,最近はやりの秘境駅の続くエリアなど見どころも多く,6時間半の乗車でも飽きることがありません。今年は青春18きっぷを2セット買って余裕があったので,夏休みのある日,1日がかりで訪ねてきました。青春18きっぷで飯田線縦貫の旅は何度も行ったことがあり,家族にはたまには別のところに行ったらと言われますが,朝から深夜まで頑張ってちょうど1日,距離にして700kmの旅行した感,そして飯田線の魅力が僕をリピーターにしています。また,このルートは首都圏発,青春18きっぷを使いたおす鈍行列車の旅のモデルルートにもなりそうです。

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毎度の写真ですが早朝の磯子駅にて(463A)

 (2015年)7月29日,この朝は磯子5:35の根岸線で出発です。大船からは,沼津4分,静岡1分,浜松2分で乗換え,豊橋までひたすら東海道線を西下します。大船から乗った321Mは東京から出る東海道線の始発列車なので,東京圏の他所からでも早起きすれば間に合うと思います。東海道線のうちJR東海の区間は,その昔JR東海が211系を投入した際に短編成トイレなしの列車が多数できて,青春18きっぷ族は難儀しました。最近はJR東海も配慮して,トイレなしの211系+トイレ付きの313系の編成で運用しているようですが,静岡~浜松間の735Mは211系の3両トイレなし編成でした。上にも書いたように,各駅の接続時間がとても短いうえ,飯田線は10:42の519Mをのがすと秘境区間の列車が3時間ないので,本来ならもう少し余裕のある行程にしたいところです。豊橋には10:20着。10:42の519Mまで暫くの時間ができるので,6時間半の道中の飲み物,おやつを買ったり,写真を撮ったりして過ごします。

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東海道区間の電車たち(左上→右上...の順に321M,737M,735M,2311F)

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519M入線。豊橋にて。発車の5分前くらいで意外と慌ただしい

 さて飯田線,豊橋を出て暫くは三河高原の端っこの丘陵地をのんびり走りますが,新城あたりからは豊川の川幅も狭まり,ちょっとした渓谷の趣です。写真を載せた三河槇原は駅近くに岩山も迫り,飯田線=天竜川の印象ですが豊川上流域も見直しました。東栄~出馬のいくつかの短いトンネルで分水嶺を越えると,天竜川沿いのエリアに入ります。

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三河槙原にて

 12:48中部天竜着。ここは行政でいうと3時間前にも通った浜松市で,平成の大合併の悪弊(?)を実感します。佐久間ダムの発電所を過ぎるとダム建設による付替え区間となり,それも過ぎると飯田線の白眉の秘境駅ゾーンに分け入ります。皇太子妃の旧姓と同じ字を書くことで一躍有名になった小和田(こわだ)は愛知,静岡,長野の3県が接する秘境駅です。小和田を出たところで勘定したら,2両の電車にお客さんは16人,全員が鉄道旅行と思われる人達で,地元のお客さんは1人もいませんでした。

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短いトンネルで分水嶺を超える

 列車は秘境モードですが次の中井侍で大異変です。というのも,秘境を訪ねるという多摩地区からのパッケージツアー御一行様40人余りが中井侍~為栗間に乗ってきたのでした。なんでも,1泊2日で秘境の古老の話を聞いて,お神楽を見て,温泉に浸かって,秘境駅から秘境列車に乗るそうです。

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秘境ゾーンの天竜川の風景。小和田駅ホームの3県県境モニュメント

 14:13天竜川下りの基地,天竜峡着。3分停車の後は飯田線鈍行列車の旅も後半戦です。14:42着の飯田では8分止まるので,午後分のビールとつまみを調達します。飯田を出ると天竜川の流れは穏やかになり,川沿いの景色は河岸段丘の高原になって,秘境の渓谷からのどかな田園風景に変わります。これから先の伊那谷は谷も開けて,住む人も多く,駒ケ根,伊那といった市もあります。伊那市のオリンパスなど精密機械の工場も多く,中央(西)線の通る木曽谷によりもずっと開けています。そんな集落のひとつ一つを丁寧に拾いながら列車は走ります。

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のどかな田園風景の向こうに南アルプスを望む

 遠くの景色に眼をやると,右の車窓に南アルプス,左には中央アルプスと美しい山々の景色が続きます。駒ケ根付近では駒ケ岳がま近かに見えるはずですが,今日は雲の中です。南アルプスのほうは晴れて北岳や仙丈ケ岳などの3000m峰が見えているのだと思いますが,残念ながら地図もなくきれいだな~と眺めるのみです。車内のほうは部活帰りの高校生たちも乗ってきて,活気が出てきました。また,この519Mは妙に交換で待たされることが多く,駅撮りではありますが,上り列車の走る写真をたくさん撮ることができました。

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途中の各駅で撮った上り列車。構図がみな似てますが悪しからず

 17:18辰野着。列車の終点の岡谷まで行きたいところですが,夏の土用の時期でもあるので,鰻を食べに辰野で降りることにします。昔,天竜川に簗場でもあったのでしょうか,岡谷,辰野あたりは美味しい鰻屋が多く,以前に辰野で仕事をしていたときによく行った店を訪ねます。最近のウナギの高騰で値段は随分高くなっていましたが,香ばしく皮の焼けた蒲焼は昔と変わりませんでした。

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辰野町役場前の鰻料理店とうな丼。蒲焼を焼く炉の煙突がいいですね

 辰野からの旅程は基本的に帰宅の旅ですが,幸い2つの楽しみを織込むことができました。中央本線辰野~塩尻間は善知鳥(うとう)峠の峠越えで,みどり湖経由の塩嶺ルートの開業後はローカル然とした区間です。その善知鳥峠から望む松本盆地は,ちょっと先の姨捨には及びませんが,峠の高みから街を望む景色としては屈指のところです。ちょうど18:23の塩尻行きがあり,久しぶりにこの車窓を楽しむことができました。次に塩尻から乗ったのは446M大月行きです。この列車は見た目は何の変哲もない電車ですが,実は長野~大月間200km超えを走る長距離鈍行なのです。長距離鈍行列車のランキングは僕のライフワークになりつつありますが,あまりの平凡さ故見逃してしまった程です。列車への期待とは裏腹に来た電車はロングシートの211系3両編成で,単調な帰宅の旅を憂鬱にします。

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善知鳥越えのチョン行電車167Mと446M

 大月では5分の接続で東京行きに接続です。青春18きっぷでの鈍行列車の旅にロングシートはぞっとしませんが,この中央線高尾口のE233系10両編成は大抵ゆっくり座れるので,最近ちょっと見直しています。今日は飯田線でたっぷり飲んだので夕方からはビールも控えており,トイレなしでも大丈夫です。八王子からは横浜線,京浜東北線を乗継ぎ磯子を目指します。今日は平日,東京近郊ではまだ夜のラッシュ時で,長野,山梨から来た目には,このたくさんの人たちはどこから湧いて出てきたのだろうという感じです。

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大月からの電車たち(2272M~2272T,2204K,2219B)

 通勤電車を乗継いで23:48磯子着。今回の旅行では途中で新幹線を使うこともなく,青春18きっぷで700kmの鈍行列車の旅完遂です。1日18時間の鈍行列車の旅は決して楽ではありませんが,飯田線を全通できて,充実の行程です。青春18きっぷを使いたおしたいというかたは,ぜひお試しください。(2015.9.13記)

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