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2015-11

夏休み家族でアメリカ旅行--その2・ワシントンDC

 夏休みのアメリカ旅行,前回はワシントンDC到着までを書きました。今日は,その翌日のワシントンでのアクティビティから書き進めます。僕らはワシントンでは市内中心部から数キロ北西のデュポンサークルに泊まりました。(2015年)8月26日(水)朝は,ホテルから程近い地下鉄のデュポンサークル駅を目指します。ここワシントンはニューヨーク(NY)のゴミゴミした街中と違い,映画で見るような芝生のある家々が建ち,朝の空気は清々しいです。地下鉄の駅は冷戦時代の核シェルターの名残か,武骨なコンクリート造りで,地下も深いです。

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地下鉄デュポンサークル駅

 地下鉄を3駅1駅と細かく乗継ぎ,約15分でArchives駅に到着です。ワシントンでは先ず美術鑑賞で,ナショナルギャラりー(オブアート,NGA)を目指します。途中,国会議事堂を遠望できましたが,あいにく改修工事中で優美なドームは足場に覆われていました。ほぼ,10:00に到着,ここでは約3時間がかりで古今東西の美術品を見ます。NYのメトロポリタン美術館の入館料は$25(recommendedなのでmustではない)を払いましたが,NGAは完全に無料です。ジュニアは中学2年生ですが,美術の教科書で見たことのあるような名作が多かったのが印象的でした。NYのメトロポリタン美術館も同じですが,そういう名画が手の届くようなところに--もちろん触ってはNG--押し合い圧し合いすることもなく見られるのはすごいの一言です。また,フェルメールも4点制覇し,14:00ごろ美術館を後にします。

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NGAの外観

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教科書級の名画--モネ「水蓮」

 この日の午後は,同じナショナルモールにあるスミソニアン航空宇宙博物館を見学します。この博物館はライト兄弟の世界初の動力飛行機からジャンボジェット(一部),アポロ宇宙船までを収蔵する航空宇宙分野ではおそらく世界一の博物館です。僕は東海岸に行くと決めた時から,ここに来るのを楽しみにしていました。スミソニアン航空宇宙博物館は,この本館のほかダレス国際空港の近くにもウドバーハジーセンターという名の別館があります。こちらの本館は比較的古い小ぶりなもの,ライト兄弟の飛行機やゼロ戦,空を飛ぶ仕組みや航法装置などの技術的展示,別館はB29,B707,コンコルド,スペースシャトルなどの実機中心の展示になっています。

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ライト兄弟の飛行機

 さてスミソニアンの本館ですが,2つのフロアに各階14の展示室に分かれて,テーマごとに展示されています。じっくり見れば興味深いものもたくさんあった筈ですが,17:00までという時間の制約もあり,さらりと流す感じで見るだけでした。この博物館の展示は,技術的な価値のあるものであれば国籍を問わずに展示してあり,日本のゼロ戦やドイツの戦闘機メッサーシュミットなどがあるのが好ましいです。

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クラシックジャンボのコックピット。グラスコックピットに慣れた眼には骨董品の趣き

 早いもので旅行も終盤,博物館の最終退場でホテルに帰った後は土産の買い出しです。帰国後に配るお菓子などは空港より市中のほうが安いのと,ホテルにいるうちにスーツケースに入れたほうが荷造りが楽なのです。

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ワシントンDC中心部概念図-乗ってないけどBig Busのガイドから
拡大はこちら

 翌27日(木)午前はワシントンのナショナルモールの観光です。昨日と同じデュポンサークル駅から地下鉄で都心に向かいます。ここは完全にお上りさんモードで,ホワイトハウス~ワシントン記念塔~リンカーン記念堂などを歩いて巡ります。アメリカ合衆国の首都とはいっても,芝生や木々の緑が美しく,NYとは違ったのどかな風が吹いています。ここにオバマさんは住んでいるんだなどとおしゃべりしつつ,アメリカの散歩を楽しみます。

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ホワイトハウス

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国会議事堂。あいにくドームは工事中

 ワシントン記念塔は高さ169mの塔で1884年-日本なら明治17年というから驚きだ-の建設当時は世界一高い建築物だったそうです。塔の麓の案内所で入館券をもらえば上ることもできますが,今日もメニュー盛り沢山なので,一休みするだけで先を急ぎます。第二次世界大戦や朝鮮戦争の記念碑や慰霊碑,リフレクティングプールなどのポイントを巡り,リンカーン記念堂に到着です。ここは巨大な堂宇に高さ5.8mのリンカーンの座像が置かれていて,年間650万人もの観光客が訪れるそうです。日本の奈良や鎌倉の大仏様を思い浮かべますが,国の歴史の浅いアメリカでは宗教よりも功績の大きかった大統領のほうがお参りする価値があるようです。なぜだか僕は昔からワシントン記念塔やリンカーン記念堂に来たいと思っていたので,とても満足の半日観光でした。ここからはデュポンサークルのホテルまで歩いて帰って,なんと今回の訪米で初めてレストランで昼食です。ケチった訳ではないのですが,毎日忙しく動き回っていて,しわ寄せが食事にきた感じです。

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ワシントン記念塔。公園内にはリスもいる

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リンカーン記念堂と中の座像

 午後は空港近傍のHerndonにあるホテルにチェックイン後,空港近く(約10㎞)にあるスミソニアン航空宇宙博物館の別館であるウドバーハジーセンターを見学します。ウドバーへは地下鉄の終点のウィールレストン~ダレス空港間の981系統のバスが日中のみ延長運転(このときは983系統を名乗る)する形で20分間隔で走っています。事前のサーベイではこのバス乗り場がわかりづらいとの情報でしたが,ダレス空港のバスレーン--ホテル送迎バス,レンタカー送迎バス,路線バスが1本のレーンを共用している--から普通に出ていました。また,この地下鉄は空港方面へ延伸工事中で,数年内にこの運行スタイルは変わるものと思います。

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地下鉄Wiehle-Reston East駅-Dulles空港-Udvar-Hazy Air&Space博物館の路線バス(FAIRFAX CONNECTOR 983系統)

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ウドバーの展望台から。LufthansaのB747-8

 ウドバーでは先ず管制塔を模した展望台に上ります。この展望台からは,すぐ近くに広がるダレス国際空港が一望でき,発着する飛行機を管制塔のような視点で見ることができます。最初に来たのがLufthansaのB747-8で,慌てて写真を撮ります。ダッシュ8はB747ファミリーの最新型で,僕の好きな飛行機ですが,双発機主体の日本のエアラインでは旅客型の保有はなく,滅多に見られません。こんな写真が撮れるとよいなと思いつつ40分くらいねばりましたが,来るのはUnitedの中小型機ばかりで,結局最初の1枚が1番良い写真になりました。それでも,後から見る博物館の展示品よりは活き活きしていて,やっぱり飛行機は飛んでいる姿のほうがきれいです。

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F-4ファントムII。空軍,海軍,また自衛隊向けも量産された名機だ

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F-14トムキャット。可変後退翼が特徴の海軍機

 展示館はとにかく広大な建屋に所狭しと飛行機の実機が展示されていて圧巻です。プラモデルで親しんだF-4ファントムIIやF-14トムキャットなど子供時代を懐かしむことができました。エアライナーではB7x7シリーズの祖,B707や超音速機コンコルドなどが好きな展示品です。広島への原爆投下ミッションを敢行したB29エノラゲイも日本人には話題になりますが,ピカピカに磨き上げられていて,大戦中の写真などから思っていたのとはちょっと印象が違いました。

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F-35ライトニング。自衛隊に制式採用され今後量産される

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スペースシャトル・ディスカバリー

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日本初のジェットエンジン-ネ20。ここでは珍しい部品の展示

 ナショナルモールの本館と違い,こちらは実機の展示がメインで,細かい展示や機内の見学は基本的にありません。館内は広いですが,なめるだけなら小1時間で見られると思います。せっかく来たので別棟の宇宙船関係もちょっと覗いて,17:00の閉館にあわせて見学終了です。ウドバーからは往路の逆ルートで,983系統のバス,ホテルの送迎バスを乗り継いで18:00頃にはホテルに帰着です。

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B707。ボーイング発展の礎を築いた名機だ

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コンコルド。マッハ2.2を誇るが,騒音と燃料の大量消費のため20機しか生産されなかった

 ホテルでは,アメリカ最後の晩なのでちょっと奮発したクラブフロアが正解で,夕食も朝食もラウンジの食べ物で済んでしまいました。いわゆる空港ホテルで,とくにすることもないので,土産物を含めた荷物の整理に時間を費やし,早々に就寝です。

 翌28日(金),早いものでもう帰国です。朝10:00のホテルの送迎バスで空港へ。チェックイン手続きでひと悶着です。土産物などをこれでもかとスーツケースに詰め込んだ結果,受託手荷物の1個あたり重量の制限を超えてしまっていたのでした。3人分の枠があるので総重量では問題ないのですが,1個あたりでは50ポンドの制限のところ13ポンドオーバーでした。昨晩せっかく整理した荷物をばらして,やっとのことで13ポンド分を全日空からもらった段ボール箱に移し替えました。帰りのフライトはANA1便(United7941便)ですが,偏西風に対し向かい風になるので,飛行時間は14時間もかかります。ヘトヘトになって成田着,N'EXで横浜の自宅に無事帰着です。

 かみさんと僕はそれぞれ美術と航空宇宙の博物館などを見学し満足の旅行です。ジュニアは言葉が通じない,ゴミゴミしていて臭い(とくにNY),時差がきついで3重苦だったようで,海外旅行は懲り懲りだと言っていて,まったく贅沢な奴です。この次はウィーンにでもと思いを巡らせていますが,パリでのテロもあり,ちょっと欧州旅行は控えておこうかと複雑な今日この頃です。(2015.11.23記)
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夏休み家族でアメリカ旅行--その1・ニューヨーク

 2015年の夏休みの家族旅行は勤め先の会社から勤続30年の旅行券をもらえたこともあり,思い切り遠出でアメリカ東海岸へ行ってきました。本当はアメリカでも南アメリカ大陸のチリ・サンティアゴに行きたかったのですが,諸般の事情でアメリカ東海岸のニューヨーク(NY),ワシントンDC(DC)の2都市周遊になったのです。若干古新聞のきらいはありますが,のりもの大好きの見地からかいつまんでご報告したいと思います。

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勤続30周年の旅行券

 8月23日(日)出発はANA10便John F. Kennedy空港行きです。尤も,僕たちのきっぷはUnited7999便の表示でしたが。同じフライトでも,売れ行きと為替レートの違いからか微妙に(場合によっては大きく)値段が変わるようで,この便はUA枠のほうが安かったため,UAで手配したのでした。

 横浜から成田空港への移動はN'EX往復きっぷです。ジュニアは京急~アクセス線を主張しましたが,海外旅行の大荷物を持って何度も乗換えながらの移動はぞっとしません。準特急みたいな列車にA特急料金を払うのは不本意なので割引きっぷで一矢報いている感じです。

 成田からのフリートはB777-300,レジ(機体の登録番号)はJA792Aです。機内に入ると,リクライニングしても後ろの席の迷惑にならない座席や昔の100系新幹線のような簡易な足掛けなど,初めて見るアコモデーションです。あとで調べて分かったのですが,この飛行機は5月に受領したばかりのANAで一番新しいトリプルセブンでした。機内は快適でもやはり12時間座りっぱなしは辛く,ヘトヘトになりながら現地時間10:45JFK着です。

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JA792A ANAで最新のB777で幸先のよいスタート

 空港から市内への移動は,疲れてもいるので,都心直通のバスで予定していたのですが,堅実なカミさんが最近のNYは地下鉄もセキュリティの心配はないと言うので,AirTrain+地下鉄での移動です。JFK空港は海外の大規模空港のご多聞にもれず,7つものターミナルに分かれていますが,それらを繋ぐ連絡シャトル(AirTrain)が近傍の地下鉄ターミナルJamaica駅まで乗入れる運行形態でなかなか合理的です。合理的ではあるのですが,AirTrainのような空港内のターミナル連絡「設備」をAPM(Automated People Mover) と呼んだりしますが,これは単なる設備のようで,のりもの(交通機関)マニアの僕はどうも好きになれません。JamaicaからホテルのあるHerald Squareまでは通常の地下鉄2路線の乗車です。初めて乗るNYの地下鉄ですが下が印象的でした。
・物騒というイメージがあるが,日曜日の真昼でもあり怖い感じはしなかった。尤も,周囲の乗客が避けるような異臭を放つ浮浪者風の人はいましたが。
・同じ線路上を複数の路線の列車が走る。日本では有楽町線と副都心線くらいしかありませんが,NYでは稠密な路線網の都心部でも複雑な渡り線があって,物理的な1複線をいろいろな系統の列車が走ります。乗り換えが楽な反面,よく注意して見ないと間違った列車に乗ってしまう危険があります。
・土被りが浅い。古くに建設されたためでしょう。とても地下の浅いところを走るので,地上からホームへのアクセスがとても楽です。
家族や荷物を放り出して,キョロキョロ歩き回る訳にもゆかず,写真がないのが残念ですがお許しください。

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Gray LineのHop-on/Hop-offバス

 ホテルに着くと未だ1時頃で,部屋には入れませんでしたが荷物は預かってくれることに。さっそく市内観光を始めます。NYの市内観光の足は,いろいろ迷ったのですが,Gray LineのHop-on/Hop-offバスにしました。このシステムは市内の主要観光地をつないだルートに観光バスを走らせ,乗車券を買った利用者は24時間とか48時間の一定時間内に自由に乗り降りできるものです。バスの車両はロンドンの市内バスに似た2階建てバスをオープントップに改造したバスで,イヤホンで聞く英,中,西,仏,独,日などマルチリンガルの観光案内が(この他に英語はナマも)あります。NYの場合はGray LineとBig Busの大手2社のほか,数社が参入しているようです。僕らは横浜での事前サーベイではBig Busを使う計画でしたが,実際にはGray Lineを使いました。Big Busはスマホアプリなどもあり,遠地でのサーベイ,マーケティングに勝りますが,現地に行ってしまえは変わりありません。Gray Lineは全米をネットワークするGreyhoundの傘下企業かと思っていましたが,提携関係だけだそうです(スペルも違う)。僕らがGray Lineにしたのは,ホテルの近くエンパイアステートビル内に案内カウンターがあったのと,街中に立つ外交員のお兄さんが,中学生のジュニアをChild(ここでは3~11歳)でよいとマケてくれたからでした。値切る気はなかったのですが,頑固者のジュニアが予定と違う会社にするのを渋ったため,会話の内容のわからないお兄さんが値引きをオファーしてくれ,得した気分です。僕らの場合は,日本語の案内が欲しい,時間をかけずに主要なスポットは巡りたいというニーズに合ったので採用でしたが,2日間で1人$59は安くはありません。また,後でも触れますが,このバスはとても時間がかかるので,僕らは地下鉄やタクシー併用でスキップした区間も多かったです。

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Gray LineのHop-on/Hop-offバスのルート図(市内の概観用に加工)
拡大はこちら

 Hop-onバスでの観光ですが,この日は午後からなので先ずアッパータウン(北側)の循環バスに乗ります。初めて乗るオープントップの2階建てバスでセントラルパークやハーレムを巡る車窓観光(実際は窓はない!?)は,遠路のフライト後の観光としてはとても良かったです。しかし,このバス,停留所もあるし,ゆっくり走るのでとても遅いです。想定の1.5倍くらいの時間を要してしまい,夕方行こうと思っていた美術館に間に合いませんでした。仕方がないのでセントラルパークの端の動物園でバスを降り,映画「マダガスカル」シリーズの舞台になった動物園のゲート周辺を散策してホテルに戻りました。

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グランドセントラル駅の構内

 翌24日(月)もNY観光と博物館めぐりです。朝は僕とジュニアの希望をいれてもらい,グランドセントラル駅に行きます。この駅は20世紀初頭の鉄道華やかなりし頃の栄華を今に伝える建物で,その威容から駅自体が一つの名所になっています。ホームは地下で,しかも2層になっており,一体何本あるのか分かりません(Wikiで調べたら44面67線とのこと)。米国では鉄道はもはや旅客輸送の主役ではありませんが,近郊列車はそれなりにあるようで,幾本かの通勤列車の写真を撮ることができました。

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ステンレス製の近郊電車

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デッキ付きの電車。回送か営業列車か分かりません,随分ラフな格好で運転しています

 グランドセントラル駅からはマンハッタン島の南端近くのBowling Green駅まで地下鉄利用でスキップです。この近くには9.11のテロで倒壊したナショナルトレードセンターの跡がグラウンドゼロとして整備されています。深く掘られた四角い泉に滔々と水の流れるさまは訪れる者を厳かな気持ちにさせます。Hop-onバスの2日券には,ハドソン川クルーズ観光船のフリー乗船特典が付くので,自由の女神の対岸のBattery Parkからマンハッタン島東岸のPier11まで40分の船旅です。観光船からはリバティ島や自由の女神像を望むことができ,NYに来た感じを楽しみます。また,この日は天気も良く,川から眺めるマンハッタンの摩天楼がとても美しかったです。

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グラウンドゼロのたたずまい

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観光船から見るマンハッタンの摩天楼

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自由の女神像

 Pier11に再上陸の後は,またHop-onバスで国連本部ビルに向かいます。ガイド上は20分間隔ということになっていますが,客足を見ながら運転調整というと聞こえはよいですが,間引きをしているようで,ここでは30分以上待たされました。ジュニアにNYの名所でどこに行きたいか尋ねたら,国連本部と言うので行ったのですが,時間もおしていたので,ビルの前で写真を撮るだけになりました。できれば,アポなしでも入館できるエリア内の土産物売店までは行きたかったです。

 午後はアメリカ自然史博物館とメトロポリタン美術館の2館をハシゴする予定です。自然史博物館へはHop-onバスでも行けるのですが,2系統を乗継がなければいけないのでタクシーでスキップです。自然史博物館は入口ホールの恐竜の骨格標本に始まり,太古の昔から,地上~海中の様々な動植物を展示しており,上野の国立科学博物館を大きくしたような感じです。


アメリカ自然史博物館の入口ホール

 観覧の途中で遅い昼食を食べ,2時間半くらいかかって一通りの展示を見ました。次はセントラルパークの反対側,メトロポリタン美術館に行く予定でしたが,時差と連日の強行軍でジュニアがダウン,やむなくタクシーでホテルに戻ったのでした。ホテルに着いても未だ4時過ぎ,カミさんとジュニアは爆睡ですが,僕はやることもないので,近くのペンシルバニア駅(ペンステーション)まで散歩してきました。

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Acela Express ペンステーションで

 ペンステーションはNY中心部のほぼ真ん中にあり,上層階はマディソンスクエアガーデンというエンタテイメントの殿堂になっています。いろいろと制約になる家族がいないので,しばし羽根を伸ばして駅の探検や列車の写真撮りを楽しみます。ここはアメリカでも鉄道輸送が一定の地位を確保しているボストン~NY~ワシントンDC~バージニア間の北東回廊のターミナルであり,アメリカの新幹線とも称されるAcela Expressも発着しています。ホテルに戻っても2人はあまり元気がなく,夕食は不本意ながら近くのMacのtakeoutで済ませ,明日に備えます。

 翌25日(火)はワシントンDCへの移動日ですが,足の手配はしておらず,毎日積残しになっていたアクティビティをこなしてからの移動です。先ずはホテルを8:30頃出て,地下鉄でメトロポリタン美術館の近くにあるフリックコレクションに向かいます。途中,朝食を食べたり,朝のセントラルパークを散策したりで時間を使いながら,9:55,ちょうど開館5分前に着きました。ここはヘンリー・フリック氏の個人的なコレクションを展示する小ぶりな美術館で,開館は1935年だそうです。絵画鑑賞は音痴なので詳しくは述べませんが,規模の割には貴重な収蔵品が多く,メトロポリタン美術館にも近いこともあり,開館時点で30人くらいの来館者が集まっていました。17世紀のオランダにヨハネス・フェルメールという画家がいますが,寡作の画家で,36点くらいしか確認された絵は現存しませんが,そのうちの3点を収蔵しています。フェルメールはなぜか近年,日本で人気があり,カミさんもその全点制覇を目指しています。どちらかというと,カミさんのアクティビティは後回しにされてきたので,これで少し満足です。この美術館は禁撮なので,写真がないのが残念です。

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メトロポリタン美術館の外観。23日のHop-onバスから
 
 1時間ちょっとでフリックコレクションを見終えて,次はメトロポリタン美術館です。こちらはNYの美術の殿堂といった感じで,エジプトのピラミッドの副葬品から現代絵画までありとあらゆる美術品を収蔵していて,1週間あってようやく見切れるかなという量です。もちろん先述のフェルメールの作品も3点くらいあり,ポイントを絞らないと予定の2時間で見切れるものではありません。たまたま音声ガイドのパンフで「The Director's Tour」というのを手にしたところ,地図つきで目玉となる展示品のガイドになっており,ここに掲載の作品を網羅する作戦で臨みました。このパンフに沿って観覧していたら,幾人かの人に「どこで貰いましたか?」と聞かれたので,正解だったと思っています。また,絵画鑑賞という柄ではないジュニアも,作品探しラリーのようなゲーム感覚で見られたのがよかったです。いくつか探しきれなかったものや,現代美術を一部端折ったりして,約3時間で観覧を終えました。

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「The Director's Tour」
拡大はこちら

 メトロポリタン美術館からホテルの途中で,今度は「ちゃんとした」ハンバーガー屋に行き,遅めの昼食です。JTBの「るるぶ」の情報で行ったバーガージョイントというお店は,ホテルのロビーの奥になぜか黒い幕で仕切られた店でしたが,中途半端な時間なのに行列するほどの人気で,味もまずまずでした。この日は昼間にNYからワシントンへ移動の予定でしたが,旅行全体の行程がおしたので,夕方の移動です。ホテルで荷物を回収して,歩いても10分かからないところにあるペンステーションに急ぎます。列車の時刻も調べてあり,前日の散歩で構内もサーベイしてあるのでまごつくことはありません。慣れない英語できっぷを買って列車に駆け込みましたが,駅に着いてから列車に乗るまで15分かかっていません。欧米の切符売り場の窓口の行列を考えると,これは画期的な早さだったと思います。

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AMTRAK Northeast Regionalの客車列車

 写真を撮る間もなく列車に飛び乗り,すぐ発車。乗った列車は16:42発のNortheast Regionalの129列車でした。この区間はAcela Expressも走る区間ですが,元来が新幹線嫌いなので,敢えて客車列車の快速のようなNortheast Regionalにしたのでした。今回の旅行で列車での移動はここだけなので,もっとゆっくりと見聞し,レポートしたいのですが,朝からの美術館巡りで疲れたし,陽も傾いて,お疲れモードです。この列車の18分後にはAcelaが出て,途中で抜かれるダイヤですが,こちらは夕方の帰宅ラッシュ時で10分くらい遅れています。どうなるかと思って見ていたら,ダイヤ上はPhiladelphia駅で接続する予定でしたが,いきなり走りながら抜かれてしまいました。複々線だったのか,欧米では普通にある双単線だったのかは,線路をよく見ていなかったので分かりません。そうこうするうち家族は熟睡,荷物を見ていなければいけないのですが,僕もうつらうつらし,夜9時前ワシントンDCユニオン駅に着いたのでした。(その2に続く)(2015.11.7記)

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