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2016-02

20世紀の鉄道写真(2)--1975年~1978年

 20世紀の写真として僕の高校生頃の写真をアップしてから1年経ってしまいました。スキャンした画像も増えてきたので,しばらくの間,アーカイブ画像をお届けしようと思います。なお,僕はいわゆる撮り鉄ではないので,旅行に行った際のスナップが中心です。当時では無価値でも,今となっては貴重なものもありそうですので,当時を懐かしんだり,そんなこともあったのかと興味を持っていただければ幸甚です。

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1.80系と153系の並び。山陽本線徳山駅 1975年夏

 1975年,新幹線の岡山~博多開業の年の夏休み,母の友人の住む徳山へ旅行したときのひとコマです。当時,中学2年生の僕は時刻表を見るのは好きでしたが,とくに鉄道少年という訳でもなく,このとき初めて電車の写真というものを撮ったようです。

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2.国鉄バス白樺高原線。白樺湖駅? 1975年夏

 多分,1975年の夏休みに家族で白樺湖,蓼科高原に行った時の写真です。この頃から僕は国鉄バスが好きだったようです。高速バス似の塗り分けから優等バスと窺い知れますが,窓全開の非冷房車です。

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3.157系特急「あまぎ」。東京駅 1975年秋ごろ

 一番好きな電車は?と聞かれて,僕が答えるのは157系です。普通鋼の車体で下降式の窓がたたって短命だった157系の現役時代の写真です。183系への置換えが取り沙汰されるようになり,慌てて東京駅へ写真を撮りに行きました。

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4.EF60牽引の貨物列車。山陽本線周防富田~戸田 1976年7月

 1976年の夏休み,再度,徳山を訪れました。写真はありませんが,中学生だった僕はこの時初めて大垣夜行の347Mに独りで乗りました。徳山の訪問先は周防富田(現・新南陽)駅の近くに工場を持っていて,小遣い稼ぎのアルバイトの空き時間に工場の近くで撮ったものです。新幹線開業後なので優等列車はありませんが,貨物を中心にいろいろな列車が来て楽しかったです。この貨物列車はとび色の2軸車ですが,当時は貨物といったらこんな列車でした。

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5.クモニ83+80系電車。山陽本線周防富田~戸田 1976年7月

 4.と同じ時に撮った普通列車です。当時,山陽本線の下関口は80系の天下で,オレンジ仮面の153系冷房車の快速列車が羨ましかったです。また,クモニ83連結の電車も走っていたのは,写真を見て思い出しました。

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6.EF58+荷物列車。山陽本線周防富田~戸田 1976年7月

 当時の国鉄には旅客列車,貨物列車のほかに荷物列車というのが走っていました(ダイヤ編成の区分は旅客列車)。マニ36やマニ60などの雑多の形式の荷物車を従えて,一体型の巨大なヒサシ,下枠交差のPS22装備のEF58のゲテモノ機が行きます。

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7. 岩徳線の気動車列車。山陽本線徳山 1976年7月 

 バス窓のキハ25,狭窓が並んでいるのでキロ25格下げのキハ26-400でしょうか,形式も塗色も雑多な気動車で編成された岩徳線の列車です。岩徳線と限らず,非電化のローカル線は全国どこでもこんな感じでした。

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8.東急8500系。東横線渋谷 1977年?

 当時,僕は東横線の学芸大学駅の近くに住んでいました。8500系は当時の新鋭で新玉川線に重点投入され,東横線での活躍は少なかったと思います。8500系は田園都市線の発展に伴い長期間にわたり大量投入されたので,今でもときどき見かけ,当時を懐かしく思います。

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9.新宿で見かけた電機。山手線新宿 1978年春?

 今では死語となってしまった感がありますが,1975年~78年当時は国鉄の労使関係が最悪だった時期で,ストで列車が止まることも年中行事となっていました。春闘勝利とか合理化粉砕と大書きされた機関車が懐かしいです。

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10.東海道線の急行電車たち。東京駅 1978年

 またまたオレンジ仮面ですがこれは東京駅です。都落ちして西下せず田町に残った電車は,最後まで急行「伊豆」などの優等列車で活躍しました。出自は修学旅行用ながら,経年が浅いこともあり,一部には朱色と黄色の167系も混じっていました。

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11.横須賀線の113系電車。浜松町? 1978年

 今は東京駅地下ホームに発着する横須賀線電車ですが,当時は地上の東海道線を平塚,小田原方面に行く列車と共用していました。

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12.寝台特急「はやぶさ」。浜松町? 1978年

 新幹線は博多まで開業していましたが,東京~九州間にはたくさんの寝台特急列車が運転されていました。この頃はまだ貫通扉のない500番台です。個人的には,こちらのほうが鼻筋が通ってスタイル良いと思います。(2016.1.31記)
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Bトレインショーティー--157系お召し編成・クモハ157ほかをつくる

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 国鉄に157系という電車がありました。もともとは東武と競っていた日光への行楽列車用に開発された電車ですが,特急並みのアコモデーションを買われて東京~大阪間の人気ビジネス特急の「こだま」の補完として,「ひびき」の名で同区間を走ったりもしました。後年は関東近圏の行楽列車の,伊豆特急「あまぎ」,万座特急「白根」として活躍しました。このほか貴賓用電車クロ157の牽引車,供奉車として編成を組み,お召し列車用の車両としても活躍しました。

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157系で運転されたお召し列車(1978.9筆者撮影)

 僕はこの157系が好きで,数少ないHOゲージとNゲージ模型を持ち,Bトレの製品化リクエストにも1票を投じたくらいです。Bトレでも157系が欲しいが嵩じて,ある日会社の研修の帰り,グリーンマックス系列のNゲージ専門店クロスポイントに寄ったのでした。目的はグリーンマックスがNゲージで157系のキットを発売していたのでこれを買うためですが,この商品は絶版品切れになっていました。代わりにKATO製の完成車バラシのボデー単品販売があったので,これ幸いと買って帰りました。

 2015年の夏休み前半は泊りがけでの旅行ができず,1年半くらいホコリをかぶっていたこのボデーをひっぱり出し,Bトレ製作にチャレンジしました。Bトレ改造といっても,予算がふんだんにある訳ではないので,クモハ157のボデーからクモハ157とモハ156を1両ずつ作るという強引な改造です。後述するように,これが幸いした面もありました。それではその製作の顛末を書きましょう。

 Bトレ車両を改造で作るとき,先ず最初の作業は各車両の全体の設計です。改造タネ車と全長6cmの制約のなかで,目的の車両のイメージにあう窓割りを考えるのがひと苦労です。クモハ157は結局ドア間の客席窓が1こになってしまいましたが,1こは何かさびしく,1こ半にできないか随分迷いました。Bトレでもクハ183やクハネ581は窓1こなので,これでよいことにしました。モハ156は車端にある売店コーナーが特徴ですが,これと扉間の客席窓2こを両立しようとすると普通にやったのでは収まりません。僕の作例ではモハ156のボデーは一切使っていないので,車端部の造作はある意味フリーです。これを活かして,客席窓2つをとった残りは便洗面所+デッキと売店+デッキで適当にデフォルメしてそれらしく配置しました。本来のBトレでは,設計者のこだわりとして戸袋の配置できない窓割りは原則しないそうですが,この形式では敢えて禁を犯すことにしました。また,同じ窓配置でも部品をどうとるかで幾つかのパターンがあり,今回は2パターンでどちらにするか悩みました。1つはクモハは両エンドともプラボデー,モハは両エンドともペーパー製車端ブロック,もう1つはクモハ,モハ共に片エンドはプラボデー,ペーパー製車端ブロック1つずつという構成です。これらは甲乙つけ難く,結局,1セットずつを作ることにしました。なお,プラ製ボデーを使ったモハ156ですが,全体バランスの関係からボデー本来の便洗面所部分の窓を拡大して売店とし,ペーパー製車端を便洗面所にしています。

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車体部品。せっかくの完成ボデーを切ってしまうのは勿体ない。妻は縦配管あり3枚,なし1枚を用意

 全体計画が決まったらさっそく製作にかかり,最初の作業はボデーの切断です。1年半くらい前から模型工作用の精密ノコギリを使うようになり,プラ製ボデーの切断作業は格段に楽になりました。精密なケガキはせず,切断時の塗装面保護を兼ねて切断線に合わせてセロテープを貼り,あとはフリーハンドで切るだけです。写真のように屋根板とボデー本体を切断しました。塗装のマスキングで楽をするため雨樋部分を残したままにしてあり,この部分の剛性で車端をペーパー製としても強度が保てていると思います。

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切断後のボデーと屋根板

 次の作業はペーパーで作る車端ブロックの設計です。切断の済んだ車体の実寸を測りながら,現物合わせで車端部を設計してゆきます。実作業は4または5ピクセルを1mmとし,Excelのセルを方眼に見立てて簡易CADとして設計します。試し刷り用紙で現物合わせで寸法を確認し,最後はいさみやロコワークスの車体製作用方眼紙に印刷して,設計+ケガキ完了です。いさみやロコワークスで思い出しましたが,この店では各種の車両のHOゲージサイズの形式図を売っていて,今回は随分参考にさせていただきました。店主いわく,若い時分に寝る時間を削ってトレースしたものだそうで,最近のJR形式が網羅されているかは分かりません。

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いさみや製形式図

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簡易CADでケガキの済んだ車端部

 次の作業は屋根の製作です。クモハの屋根はタネ車の屋根を車体の長さに合わせて切断すればよいですが,問題はモハです。分散クーラーに2こパンタの屋根を探せばよいのですが,数百枚はあるBトレの余剰部品を見てもこれだという物がありません。仕方がないので,モハの屋根はクモハの屋根の残りから切りだすことにしました。Bトレにすると全体バランスが変わるので,クーラーの取付け座やモールド表現のベンチレーターは一旦全部削り取ります。削り取った跡は穴があいてしまうので,これらをパテで埋めて,先ずは何も載っていないのっぺらぼうの屋根板にします。次いでパンタ脇のランボード,クーラーの取付け座をペーパーで自作し取付けます。ランボードは5月に作った旧型国電のキットの余りや,グリーンマックスの既製品なども考えましたが,ペーパーで作るのが一番適切な大きさ,厚さになるようでした。パンタ付き車両では空気配管,電気の引通しなどがありますが,これらは0.3mmのリン青銅線でそれらしく引回してあります。模型は上から見る機会が多いので,ここは念の入れ所とばかりに細かい金物細工をすることになりました。最後にパンタ,避雷器,クーラー,ベンチレータの取付け穴をあけて完成です。

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屋根板製作の様子

 続いては車端ブロックの製作です。いさみやペーパーに印刷したとおりに穴あけ,カットし,Bトレの余剰部品から出してきた妻板に接着し,コの字に組みます。妻板は,車端ダンパの有無などの違いはありますが,113,115系と思われるものを使っています。また,側面は強度の観点から2枚重ね,端部のみ雨樋を表現した3枚重ねとしました。少々厚すぎたようで,タネ車のボデーを活かした中央部よりも車端のほうが若干太くなってしまいました。

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車端ブロック製作の様子

 ここで毎度書く,僕の嫌いな塗装作業になります。塗装ブースを用意したついでに,屋根のグレー,台車の黒,車端ブロックのクリーム色をまとめて吹いてしまいました。これだけならマスキングも不要なので楽なものです。屋根は古い特急形式らしく銀色にしたのですが,クーラー等を取付けると違和感があり,銀色の上にグレーを吹くことになりました。緑色っぽいヘンな色になりましたが,愚息いわくいい色だと言うので満足しています。

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塗装の済んだ各部品

 クリーム色に塗り終わった車端ブロックはこのままボデー本体に取付けます。紙とプラスチックの接着になりますが,僕はこういう接着には木工用の通称白ボンドを使っています。固着するまでに時間がかかるのが難点ですが,瞬間接着剤と違って,合わせの調整をゆっくりできるのがメリットです。車端ブロックがついたら,ボデー本体部と一直線になるように現物合わせでマスキングして,窓回りと裾部の赤を吹きます。KATO製のボデーにGMの調色スプレーで塗装した車端ブロックをつけることになりますが,黄色の強いKATOと肌色に近いGMで接合部がくっきりと残ってしまいました。こんなことなら全体を再塗装してもよかったのですが,クモハの機械室部分の塗り分けやJNRマークも捨てがたく,遠くで見れば分からないと割り切りました。また,このタイミングでマスキングの乱れや,便所から売店に変えるために拡大した窓の肉部分などを筆塗りで補正しました。

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車端ブロックを接合

 ここから先は車体関係のこまごまとした部品の取付けです。僕の買ったボデーにはガラス部品はセットされていたのですが,うっかり気づかずにいたのですがライトレンズの類がついていませんでした。それに気付くや,ホビーセンターKATOまでわざわざ出かけたのですが,あいにくライトレンズだけの部品は入手できませんでした。幸い帰りに寄った横浜の井門で,タバサホビーハウスのテールライトレンズとクモユニ74用らしい大きな前照灯が入手できて,画龍点睛を欠くという事態は避けることができました。しかし,これらのライトレンズだけで1,000円は高い買い物でした。

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ライトレンズがないとどうも締まらない(左:あり,右:なし)
クモハの妻面を利用したモハには真鍮線で縦配管を取付け

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マスキングして車体の塗装を完成

 もう1つの車体小部品が,窓ガラスです。タネ車の部品が使えるところはそのまま使い,不足する売店,便洗面所,デッキの窓は菓子の容れ物の透明プラ板から自分で切り出しました。やすりでやすってすりガラスにするのは毎度の作業ですが,便所の窓は上1/3を透明なまま内側に曲げて,昭和30,40年代の便所窓を表現してみました。これらの部品も接着は全て白ボンドです。

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切り出した窓ガラス部品とその取付け

 更に屋根上の各部品を取付けます。ペーパーで作った台座にタネ車のAU12形クーラーを,またベンチレータと避雷器はTOMIXの補修用部品を取付けます。パンタグラフはBトレの部品箱から銀色のPS16を4基探してきて取付けました。モハ156は2個パンタのうえに分散クーラーのため,クーラーが2個しかつけられませんでしたが,それでもかなり賑やかです。また,パンタ回りの配管は上に書いたとおりリン青銅線ですが,こうして見るとほぼ満足の出来になりました。

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屋根部品の取付けの様子

 今回の製作記では下回りついて言及していませんでした。157系は台車はDT24を履いていますが,Bトレでいうと153系が同じ台車を履いています。本来であればこのDT24の入手に難儀するところでしたが,去年お召し列車の1号編成用にTR65を作った際,レジンモールド(そのときの記事はこちら)で余計に作っておいたので,台車には困りませんでした。また,シャーシもDT24の型取り用にオークションで調達した153系4両分をそのまま転用しました。下回りではもう1つ,スカートがポイントです。クモハ157のスカートは他に類のない形をしていますが,ライトレンズを買いにホビーセンターKATOに行った際に入手することができ,大変助かりました。Bトレではスカートは普通,車体側に付きますが,適切な支持物がなく,仕方ないのでシャーシ側に付けてあります。そうすると今度は台車があたってしまうので,クモハの前位台車だけスカートに合わせて斜めに切って押込みました。ちょっと強引ではありますが,ボンネットのクハ481もこの様な処理になっていたと思います。

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完成した下回り

 最後は車体内側に床板受け用のアングル-実際はただの3mm角棒-を取付け,車体と下回りを合体して完成です。なお,この接着も白ボンドですが,後日何かの事情で取外すこともあるので,4隅を点でつけてあるのみです。

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完成した2種のクモハ157+モハ156

 これで今回の工作は完成ですが,タイトルに書いたお召し列車を完成させるには貴賓車クロ157が必要です。クロ157は昭和35年,ときの昭和天皇のご静養など近場でのご利用のために作られた車両で,御料車ではなく貴賓車とされています。実車は1両で,牽引車の役は形式の由来となった157系,183系,185系と代々田町の電車が担ってきました。Bトレでは2008年に東京銀座の鉄道模型の老舗の天賞堂ブランドで発売されました。幸い僕はこのクロ157を持っていたので,ちょっとオーバースケールではありますが,御料車用の菊の紋章をつけて整備したのみです。

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157系お召し編成完成

 会社の夏休みと盆休みを中心にのべ9日にもわたる大仕事でしたが,これで念願の157系お召し編成の完成です。あちこち現物合わせを多用して,とても褒められた作り方でもありませんが,諸所にちりばめられた技法がBトレ改造にチャレンジしてみたいかたのご参考になれば幸いです。自分としては,せっかくここまで作ったのだから,サロ,サハを増備して,あまぎ編成も再現してみたいと思います。(2015.8.20記)

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たまたま手許にあった和菓子(大阪駿河屋とある)のケースに入れてみました

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