東海道徒歩き(かちあるき)(5)三島宿~江尻宿

東海道徒歩き,今回は5月の連休に歩いた三島宿から江尻宿をご報告します。今までは横浜の自宅から日帰りの行程でしたが,段々遠くになってきたので,今回から1泊2日の行程になりました。今回も写真中心のレポートになり,かつ,街道歩きだか鉄ちゃん(僕は狭義には鉄道趣味のなかでも鉄道写真を撮ることに限ってそう呼びます)しに行ったんだか分からない内容ですが,あしからず。

磯子駅で。今朝も早起き
(2016年)4月30日,今年のゴールデンウィークは遠出ができないため,2日のお父さんの休日をもらい,東海道徒歩きに出かけます。徒歩きは陽のある時間しかできないので早起きして,自宅最寄りの磯子駅5:47の根岸線で出発です。

三島広小路駅
前回のゴールの,箱根の山を下った三島が今日のスタートです。電車の後ろで見づらいですが,富士山も顔をのぞかせていて,よい天気になりそうです。

伊豆箱根鉄道駿豆線 7000系@三島広小路
前回は夕方でヘトヘトだったのでゆっくりできませんでしたが,今日は時間に余裕があるので,歩き始める前に三島広小路駅の周辺で鉄ちゃんをします。休日ダイヤでも朝8:00前後なので列車も多く,いろいろな電車の写真が撮れました。

千貫樋。ちょうどバスがさしかかっている所が橋です
なんやかやで8:30頃ようやく徒歩きをスタートし,しばらく歩くと伊豆と駿河の国境の橋を渡ります。橋自体はコンクリート製の短い橋ですが,この橋と並行して千貫樋という水路(樋)が設けられているそうです。こんな旧跡を見ながら歩くのも街道歩きの楽しみです。

常夜灯。1864年の建立だそうです
この辺りは行政でいうと清水町に属します。鉄道駅では三島と沼津の間ですが,清水町という町は知りませんでした。平成の大合併の時代,どんなわけがあって町のまま残っているのか不思議な町です。

沼津を過ぎるとバスは富士急行のエリアに
沼津宿はお城もある大きな街ですが,寄り道せず先を急ぎます。JRになってから駅もできた片浜あたりでは鉄道と旧街道がほぼ平行しているので,ちょっと鉄ちゃんをします。この日はダイヤが乱れていて時刻表どおりに列車がこず苦労しましたが,幸い残り少なくなったEF66牽引の貨物列車を撮ることができました。

EF66の牽くコンテナ列車 @片浜付近
沼津宿の次は原宿です。今日の行程は東海道といっても国道1号線ではなく,格下げになった県道163号線やバイパスの380号線を歩きます。これらの道路は概ね片側1車線で,歩道の幅は狭く,単調で歩きづらいです。

原宿本陣跡。こんなところでも本陣前の一等地は生命保険会社
田子の浦の近くを歩いているのですが,僅かに陸寄りに道路があり,百人一首に詠まれた有名な海と富士山の景色は見ることができません。

単調な県道380号線を歩く
午後の2時半頃には吉原駅の近くまでたどり着きます。本スレッドの口絵写真は吉原駅で撮ったものですが,今日は午後になっても富士山がきれいです。JR全線完乗となった今は地方の民鉄にも興味があり,零細なほど魅力は増します。そんな訳で,今日,明日は岳南電車周辺で多くの時間を使います。旧街道の本来のルートは吉原駅の手前で線路の北側に出ますが,今日はちょっとルートをそれて吉原駅に寄り,その後も数百m西側のルートをとります。吉原とジャトコ前の間に富士山をバックに撮れるお立ち台があるというので,それ期待です。

ジャトコ前付近を行く岳南電車の単行電車
お立ち台の地点はもっと南寄りで今日は撮りのがしましたが,何とか富士山をバックにした岳南の電車を写真におさめることができ,とりあえず満足です。ここは行政では富士市ですが市の中心地は吉原宿のあった岳南電車の吉原本町のあたりのようです。

富士山をバックに身延線の電車。3572M@柚木(ゆのき)
1日でどこまで行けるか分からなかったので今夜の宿は吉原の中心部ですが,まだ陽も高いので,歩を進めます。身延線と交差する柚木は立体化されていますが,高架のホームからの富士山がきれいそうなので,ここでも寄り道です。次の蒲原宿までだと11kmもあり,夜になってしまうのでとりあえず富士川駅のあたりまで行くことにします。

富士川を歩いて渡る
富士川を渡るとちょうど間の宿(あいのしゅく)岩淵宿があり,切れもよいです。富士川駅に出て,電車で吉原に戻り,1日目の行程終了です。

吉原の街中にある東海道の案内板
2日目の5月1日は,吉原宿のあったあたりの吉原本町駅から電車で昨日の終点の岩淵の間の宿を目指します。ところで,岳南電車ですが旅客営業設備の機械化は遅れていて,ICカード対応はおろか,まだ硬券の乗車券が普通に使われています。

朝の吉原本町駅。左上は岳南電車のきっぷ(前日使用のもの)
実際の経緯はわかりませんが,この先の蒲原宿と由比宿はJRの駅と宿場町の場所が大きくずれています。多分,鉄道開業時に,異人の持ち込んだ,煙を吐いて走る汽車を嫌ったのではないかと想像します。おかげで町は寂れた感じがしますが,街道歩き趣味的にいうと古い町並みが残っていて,良い雰囲気の宿場が続きます。

蒲原宿の入口と案内板。細くても道路の感じは旧街道です

蒲原宿の本陣跡。今も総木造の大きな家が建っています

こちらは由比宿本陣跡。公園として整備されています
蒲原の次は由比宿になります。この間は5.4km,せっせと歩けば1時間ちょっとで着きます。由比の本陣は上の写真のとおり本陣公園として整備されていて,廣重美術館も併設されています。また,由比は駿河湾のサクラえびの産地として知られ,今日は短い漁期のなかの休日とあって,行楽の人と車が多いです。

ちょっと寄り道の由比漁港。チャリダーさんも含め,サクラえびの販売所は長蛇の列
由比では時間は早いですがサクラえび丼でも食べようかと漁港の販売所や駅前食堂を覗きますが,どこも大行列なのでパスします。本陣公園から少し行ったところで,東海道線の鉄橋と並行する場所があったので,今日も鉄ちゃんをして道草を喰います。

東海道線5742M@由比付近
由比宿から次の興津宿の間には薩埵(さった)峠があり,海岸沿いの割にはアップダウンの急な道が続きます。ここ薩埵峠は廣重の浮世絵の頃と同じ景色が残っている唯一の場所だそうで,坂はきついですがきれいな景色を楽しみます。

間の宿・西倉沢のようす。
薩埵峠の登り口には西倉沢の間の宿があったのですが,今では店もほとんどなく,静かな田舎のみかん山と集落です。1件だけ旨いサクラえび料理の店があり,そこだけは行楽グルメの車で賑わっていました。

薩埵峠のサミット付近で。眼下に東海道線,1号線,東名高速(場所がないため海の上)がよく見えます
薩埵峠を下った先にある興津川の鉄橋はよい撮影地で,既に先客が一人います。時刻表を調べるとちょうどを特急が来るようなので,ここでも鉄ちゃんで道草です。

4006Mワイドビュー富士川6号@興津川橋梁
興津は昔の清水市内で,蒲原や由比と比べると開けており,旧道上に宿場町が残っています。また,由比でサクラえび料理を食べそこなったうえ,薩埵峠を越えて腹も減ってきました。ちょうど興津駅前にとんかつ屋があり,揚げ物つながりでサクラえびのかき揚げ定食を食べることができ,これが結構おいしく結果オーライでした。

興津駅前のとんかつ屋さんとサクラえびのかき揚げ定食
今日のゴールは江尻(清水)か府中(静岡)かと迷っていたのですが,この間は11.4kmもあるので,江尻までと決め,ゆっくりと歩を進めます。興津宿の出口付近には清見寺という大きな寺があり,その前の踏切でまたもや鉄ちゃんです。

清見寺と興津宿の案内板

東海道線438M@清見寺踏切
興津を出ると,今は静岡市ですが以前の清水市内,あまり見るものもなく西へと進みます。この辺は国道1号線となり片側2車線の大通りです。

いかにも右が旧街道,左が新道ですという感じの辻町交差点
辻町交差点からはまた,いかにも旧道という感じの古い商店街を進んでゆきます。清水の市内で旧街道は何回か折れ曲がっていて中心が分かりづらいですが,今日はここ江尻宿がゴールです。

江尻宿の案内版
まだ陽も高いので,次回に備えて静岡鉄道をサーベイしながら,清水駅に戻ることにします。桜橋から乗った電車は最近はいったばかりのA3000系でちょっと得した気分になりました。

静岡鉄道A3000系@桜橋
清水からは在来線で熱海,大船経由磯子に戻ります。2日間で約50km弱,五十三次の宿場で7この行程でした。段々,横浜から遠くなると往復の交通費がもったいないので,これからは何日か集中して歩くようになると思います。さて次は江尻から2日なら菊川,掛川あたり,3日なら浜松あたりの行程になりそうです。こうしてみると静岡県は中小の私鉄も多く,またまた寄り道が多くなりそうで,次回が楽しみです。(2016.5.21記)
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>>>東海道徒歩き(かちあるき)(1)日本橋~川崎宿
>>>東海道徒歩き(かちあるき)(2)川崎宿~藤沢宿
>>>東海道徒歩き(かちあるき)(3)藤沢宿~小田原宿
>>>東海道徒歩き(かちあるき)(4)小田原宿~三島宿
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Bトレインショーティー--E235系電車をつくる

Bトレインショーティーの組立てかたの4本目はJR東日本の最新の通勤電車E235系でお届けします。実車は先行量産車1編成だけですが,この形式で記事を起こしておけば当分,現役で使えるかもしれない期待含みです。僕の場合はBトレは純粋にBトレとして組立てますが,少々こだわりの組立てかたなので,Bトレ製作初心者のかたの参考になれば幸甚です。
先ずは下回りの組立てです。SGシャーシになって下回りの組立てはとても楽になりました。シャーシ部品をバリのないようにカッターで切り取ってはめ合わせるだけです。最近の輪心部品はランナーから自分ではずさなければなりませんが,大した作業ではありません。もしバリが残るようなら,カッターで切り取りますが,台車のなかで見えないので,相当大きな時以外は気にすることはありません。輪心をシャーシにはめれば下回りは概ね完成です。

下回りの組立て
次は屋根部品の切り出しと加工です。クハはE234とE235でアンテナの付きかたが違うので1枚ずつ,モハE235は3種類が用意されているので,好みのものを使います。屋根部品もバリのないようにカッターで切り出すのはもちろんですが,屋上の配管部を切ってしまわないよう注意します。また,E235系では不要ですが,車種によっては前面の周囲をマジックで黒く塗っておくとよい場合があります。

屋根部品の要注意部分。左:配管を切らないように,真ん中:ここを黒く塗る(E235系では不要)
屋根部品を切り出せたら,今のうちに前面ガラス内に収められたライトと行き先表示器のシールを貼ります。シールを貼る時の位置決めが難しいですが,最初は軽く貼る(置く?)だけにして,前面部品を当て現物合わせで確認します。

ライトと行き先表示器のシール貼り。ライトは前側と後ろ側がある
屋根に取付けるクーラーは最近の製品では屋根板と別物の部品になりました。アンダーゲートというそうですが,うまく切り取れば部品本体にバリ取り跡が残らないようになっているので,塗装を傷つけないよう注意しながら切り取ります。クーラーを取付ける際はファンのある側ない側の向きがありますが,Bトレの場合は屋根への取付けボスが正しい向きでないと合わないので,はまる向きに取付ければおしまいです。また,パンタグラフも取付けますが,シングルアームの場合は取付ける向きに注意します(モハE235の場合,外側がとじる)。

アンダーゲートの切り取りかたとクーラー部品
車体の組立てに入る前に,ブロック部品のボスを受ける部分を薄くそいで,厚みを薄くしておきます。これは前面部品のはまりを確実にすることを狙っての小加工です。

ブロック部品の小加工
車体の組立ては,一旦側板,ガラス部品,妻板を組立てる向きに合わせて並べて,組立て時にまごつかないよう準備します。とくに妻板は銘板や配管の有無で似たようなものがあるので,組立て説明図を見ながら間違わないよう配します。

車体組立て前の部品集結
車体の組立ては,組立て説明では,先にガラス部品で箱に組んで後から側板をつけることになっています。僕の場合は順序が違って,先ず側板にガラス部品を組付けます。この嵌まりが固い場合があり,きっちり嵌めるためには,この状態のほうがやり易いからです。箱に組むやり方は,いろいろありますが,写真のように片方の側板+ガラス部品を屋根板に取付け後,ブロック部品をつけて,最後にもう一方の側板+ガラス部品をつけるのが一番楽にきれいに仕上がると思います。

車体の組立て。後の側板はブロック部品を先に取付ける
車体の最後は妻板と前面の取付けです。妻板は時によって接着剤を使ったりしますが,E235系の場合はしっくり付いたので,接着剤は使っていません。前面は,念のため,はみ出ないよう少量の接着剤で固着し,クランプで押さえます。このクランプ,百均商品ですが,結構重宝するので,Bトレモデラーにはお薦めです。

前面を接着し,クランプで固定
最後に,台車と連結器を取付け,車体に下回りを取付けて完成です。この台車ですが,今回のE235系から濃いグレーの艶を控えたモールドになり,実車の色に近づいたようです。以前は塗装仕上げだったので,バリ部分が目立ったのですが,この台車部品では以前ほど目立たなくなったようです。Bトレは車号から優先席マークまできれいなステッカーが付属していますが,僕の場合は,オーバースケールなのと老眼で見えないため,これらのシールは貼りません。

E235系4両編成完成
今回は2,3蛇足です。このBトレの前面ですが,緑の水玉のグラデーションがとても美しく印刷されています。これを自分でやれと言われても,到底,真似できるものではありません。中国生産のコスト上昇の影響をもろにかぶり,昔は1両400円が今では2.5倍以上ですが,この前面を見ると納得?です。

美しい前面のグラデーション
Bトレの連結ですが,僕は中間は棒連結器のような形のドローバーを使っています。ところが最近のドローバーはなぜか長く,連結面間隔が開いてしまいます。昔ストックしておいたドローバーを使うと,連結面間隔を縮めることができるので,もし手許にあるかたにはお薦めです。

連結面間隔の比較。E235系:SGシャーシ付属のもの,103系:新HGシャーシ付属のもの
最後にマイやまのてヒストリーの写真を載せて本スレッドを終わります。(2016.5.7記)

E235系と73系の一部以外は以前から買い揃えてきたもの
お断り:記事の内容は1160両の実績をもとに書いていますが,この方法によって部品を破損されても補償は致しかねますのでご了承ください。