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2017-04

鉄道のイロハ(2)--列車番号のあれこれ

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2レ「北斗星」 @上野 2015.2.22

 前回のイロハの記事で,列車番号がなければ電車や気動車は列車でなく,ハードウェアとしてのただのハコで,列車ではないと書きました。今回はその列車番号について書いてみたいと思います。
 列車番号は1本1本の列車を識別するとても大事な番号ですが,どのように付番されているのでしょうか。ここでは主にJRの列車番号についてみてみます。列車番号は4桁までの数字と,ものによっては1文字のアルファベットでできています。

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工場公開での1シーン。列車番号表示はお遊びの7777Y @東京総合車両センター 2016.8.27

 まず千位の数字ですが,これは大括りな列車の区分を示します。
  0,1,2,5:とくに大きな意味はなく列車群のような感じで使われる。
        例:1001M~1025M:ひたち1~25号
          1057M~1095M:ときわ57~95号(品川始発の列車)
          2051M~2093M:ときわ51~93号(上野始発の列車)
  3:快速列車に使われることが多い
  4:0,1,2,5と変わらないが分割・併合列車の子側に使われることが多い。
        例:4031M:サンライズ出雲
  6,7:季節列車:予め運転期日の決まった不定期列車。
  8,9:臨時列車:運転を計画するごとにダイヤを設定する不定期列車。

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4031M「サンライズ出雲」@出雲市 2010.7.30

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9086M~9061M「はまかいじ」@横浜 2016.11.23

 6000番台は昔の教科書では予めダイヤ上に設定された臨時列車に使われていましたが,最近はあまり使われなくなっています。JR東日本では毎シーズン運転される「はまかいじ」や「ホリデー山梨」のような列車でも8,9000番台を使います。JR九州に至っては6000番台は定期列車に使い,「ゆふいんの森」のような予定臨に7000番台を使うようです。

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7003D「ゆふいんの森3号」2009.3.1

 次に百位の数字ですが,基本的には線区あるいは区間ごとに決まっています。
 例えば,東海道本線の東京口では下のようになっています。
  1:東海道本線の長距離列車。かつての大阪行き「銀河」が101列車だった。
  3:JR東海への乗入れ列車。321M:東京~沼津など
  5:伊東線への乗入れ列車。520M:伊東~品川(2017.3ダイヤではこの1本だけ)
  7:熱海以東までの列車。721M:品川~熱海など
    (上野東京ライン開業以前は8,9も使っていた)
 もう1例,上野駅に乗入れる列車では下のようになっています。
  3:常磐線の列車:321M:上野~勝田
  5:東北本線の列車:521M:上野~宇都宮
  8:高崎線の列車:821M:上野~高崎
  (上野には乗入れないが関連のある区間)
  6:東北本線小山以北の列車:623M:宇都宮~黒磯
  7:上越線の列車:721M:高崎~水上
  (そういえば昔は...)
  1:東北本線の長距離列車。「八甲田」が101列車だった
  2:常磐線の長距離列車。「十和田1号」が201列車だった

 次に十位以下ですが,次のような使い分けの原則があります。
  00~19:優等列車(特急,かつての急行)
  20~49:普通旅客列車(快速を含む)
  50~99:貨物列車
 前述の東海道線のように列車頻度が高い線区では50以降も旅客列車に使われます。

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3050レ。札幌貨タ~隅田川の高速貨物列車。いかにもえらそうな列車番号です。2016.8.1

 数字の最後は奇数,偶数ですが,原則として下り列車に奇数,上り列車に偶数が使われます。北海道の千歳線は線区としては苗穂が起点で,札幌発苫小牧方面が下りですが,函館本線,室蘭本線などとの整合から,下り列車に偶数を使っています。このような例は全国には多数あります。

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千歳線の快速列車。@長都 2015.2.21

 次は英字の部分です。かつては以下のように決まっていました。
  英字なし:機関車牽引の客車列車,貨物列車
       英字がつかない列車のとき,便宜的に9521レのように片仮名のレをつけて表記することもあります。
  M:電車で運転する列車
  D:気動車で運転する列車
  A~C,E:新幹線(東海道・山陽・九州,東北・北海道,上越,北陸)
 最近はF,G,K,S,Tなどいろいろな英字のつく列車が増えています。なお,JR東日本のハイブリッド気動車はD,蓄電池電車はMを名乗ります。今はなくなってしまいましたが,客車列車の仲間には荷物列車,(客貨)混合列車というのもあり,どちらも客車の列車番号を名乗っていました。

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山陽本線を行く荷物列車。@戸田? 1980.9

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肥薩線の混合列車。これにDD51を連結して組成する。客車はオハユニ61の半両だけ @人吉 1980.9

 この辺でここまでのおさらいです。3721Mは東海道線の湘南ライナー1号ですが,熱海以東の快速電車と想像がつけばここまでの内容は理解できています。

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1レ「さくら」@浜松町 1978.5頃

 ところで,列車番号に重複はあるのでしょうか。答えは「ある」です。たった4桁で全国の列車を表すので,同じ番号の列車は多数存在します。しかし,運転の整理のための番号なので混乱を生じないよう,同じ駅や同じ線区に同じ番号の列車は走らないようになっています。かなり昔のことですが,名古屋駅には1レ「さくら」,1M「しらさぎ1号」,1D「南紀1号」が乗入れていたので,英字が違えば列車番号は別のものとみるようです。

 ここまでは一般的な列車の列車番号ですが,運転頻度の高い電車区間では別の体系で列車番号を組立てています。4桁の数字の上2桁は始発駅の発時間,下2桁は運行番号を表します。また,英字部分は線区や運用の担当区所を表します。この場合も下りが奇数,上りが偶数ですが,上りは-1した数字になります。また,下2桁は運行番号なので,横浜線の447K~546K~647K...のようにトレースしていくとその日の電車の運用が追うことができます。下がこのような列車番号の例です。
  632B:磯子駅を6時台に出る33運行の根岸線の上り列車。
  4251K:桜木町駅を12時台に出る51運行の横浜線の下り快速列車
     快速なので12に30をかぶせて42xxとしている
 なお,京浜東北・根岸線の列車番号は変わっていて,今は全ての列車が埼玉区の電車で運用されますが,昔,沿線の浦和,下十条,蒲田の電車区で分担していた名残りで,A,B,Cを使い分けています。電車が83本あり,2桁では番号が足りないこともあり,当日のスタートが旧浦和,旧下十条の運用がA,旧蒲田のものがC,大船,磯子,東神奈川などその他のものがBを使うそうです。

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横浜線4251K @横浜 2016.11.23

 下りは奇数,上りは偶数と書きましたが,総武快速~横須賀線は東京駅を境に上り下りが入れ替わります。このため1本の列車が2156F~2157Sのように列車番号を変えながら走ります。また,なぜか千葉以遠からの列車は更に1000,2000,3000をかぶせて3156Fのような列車番号になります。更に付属編成が鹿島線に入るような列車は,ふつうに2545Mを名乗って佐倉以東を走ります。こうしてみると単に列車番号といっても,それぞれに意味があり楽しいものです。

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内房~総武快速~横須賀線3156F~2156F~2157S @千葉 2014.5.5

 最後に新しいところで上野東京ラインと湘南新宿ラインの列車番号を見てみましょう。これらの運転系統では線区にまたがって走る列車が多数走るのでちょっと変わった番号体系になっています。
(千位)
  1:上野東京ラインの普通列車(英字はE)
  2:湘南新宿ラインの普通列車(英字はY)
  3:上野東京ラインの快速列車(英字はE)
  4:湘南新宿ラインの快速列車(英字はY)
  2000をかぶせる快速列車:アクティ,ラビット,アーバン,この他名無しの快速や特別快速があるが,高崎~東海道線系統の湘南新宿ラインの区間内のみの快速は2000番台のまま

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上野東京ラインの快速3620E @東京 2015.7.31

(百位)
  5,6:宇都宮線(横須賀線)系統の列車
  8,9:高崎線系統の列車
  それぞれ500,800台だけでは足りないので,あふれた分が600,900台
(十位以下)
  20~99を使用

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湘南新宿ラインの普通2849Y @高崎 2015.3.14

 下りが奇数で21~99,上りが偶数で20~98,時刻の早い列車から付番してゆくのは一般の線区と同じです。上り下りは東海道線基準で付番し,総武快速~横須賀線のように途中で変わることはありません。したがって,東北本線,高崎線では奇遇逆転になります。東海道線からの上野行き電車の場合,その先の回送先で百位が決まるそうで,芸の細かいことになっています。また,優等列車用の00~19を使わないあたりも,列車番号の原則に意外と忠実です。この2系統の列車番号ですが,千位を見れば上野東京ラインか湘南新宿ラインか識別できるので,英字のE,Yはおまけとなってしまい,いまいち美しい付番体系ではない感じがします。

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京浜東北線1000B @新子安~鶴見 2016.1.17

 列車番号はたった4桁の数字ですが,それぞれ1本1本の列車の個性を表しているので,意外と奥が深いです。付番の仕組みを理解すると,時刻表や電車の表示を見るのも楽しくなると思います。(2016.11.26記)
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知って楽しいJRの旅客営業制度2--きっぷの有効期間と途中下車

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 旅客営業制度の解説2回目は前回少し触れた,乗車券の通則の有効期間と途中下車について書きます。

1.きっぷの有効期間(旅客営業規則(以下「規」)154条)
 長距離のきっぷでは「発行日共3日間有効」などと書かれたきっぷを目にするので,誰でも長距離のきっぷは何日間か使えることはご存知でしょう。しかし,最近は新幹線網が発達し,1枚のきっぷで何日も旅行する機会は少なくなりました。きっぷの有効期間の制度は蒸気機関車+客車列車の頃からある制度で,その頃は1日にそう何百kmも列車で旅行することはできませんでした。このため200km増えるごとに有効期間は1日増えるルールとしたのです。今でも列車に乗ってゆっくり旅をする需要はあるし,JRとしてもそのようなお客さまは歓迎でしょう。このルールを改訂してもJRにもメリットはないので,実態とは少し変わってきましたが,それなりに有用なルールです。

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 詳しくは後で説明しますが乗車券には往復乗車券,連続乗車券という種類があります。これらの有効期間は,それぞれ片道の2倍,各券片の合算の期間になります。そして,大都市近郊区間内でクローズする乗車券はこのルールの例外で,距離が何kmあっても有効期間は1日です。

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古い往復割引きの乗車券。1977。この当時,1000km超の往復割引の乗車券は有効期間が1か月だった

2.途中下車(規156条)
 あまり知られていませんが,乗車券はそもそも途中下車ができるものです。反対に途中下車ができないのは以下の4種類のきっぷです。
 (1)100km以下の乗車券
 (2)大都市近郊区間相互発着の乗車券
 (3)回数券
 (4)特別企画乗車券などで途中下車が禁止されているもの

 ところが,日頃目にするきっぷのほとんどが(1),(2)なので,途中下車はできないという誤解をする人が多いのです。これらのきっぷには「下車前途無効」と書いてありますが,この漢字が6文字も連続する難しいきっぷ用語で敢えて「途中下車はできません」と表示しているのです。僕の勤める会社は東京の本社のほか愛知,兵庫,広島に工場があります。広島までの往復乗車券で途中の愛知や兵庫の工場に寄ることはできるのかと頻繁に訊かれますが,これも全く問題ありません。

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自動印字(品川)と自動押印(相生)の下車印(左),ひし形(広島)は特別下車印といいます(右)

 途中下車をした場合は,そこまでは使用済の証として楕円形に駅名を書いた「途中下車印」(略して下車印)というハンコを捺すことになっています。下車印の押印は省略されることも多いですが,JRとしても有利なことなのでもっと積極的な押印が望まれます。また,たくさんの下車印を集めるのはタダのお土産として旅行に記念にもなると思います。最近の新幹線用の大型の自動改札機では,下車印の代わりに赤く大きく印字されるものもあります。

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途中下車印だらけの北海道ワイド周遊券(今は商品自体がありません)

3.大都市近郊区間相互発着の例外(規156条(2))
 前回も触れたとおり,大都市近郊区間内でクローズする場合は,経路を指定しないので大回りができる,途中下車ができない,有効期間が1日で3点セットのルールが適用されます。旧国鉄の制度担当者はきっと東大法学部卒のエリートでアタマがよい人だったのだろうと思います。反対に大都市近郊区間からはみ出すような長距離のきっぷでは有効期間の許す限り途中下車もできるのは是非憶えておきたいものです。

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一般的に地紋が赤のきっぷは途中下車できません(ずいぶん古いきっぷです)

 ところで,最近はSuicaの利用範囲の拡大により,東京近郊区間がどんどん大きく広がっています。僕の考えでは水戸~松本(356.1km!)のような長距離のきっぷが有効期間1日,途中下車不可というのは納得しがたいです。先般の運賃改正から,IC乗車券運賃,きっぷ運賃の2本立てになったので,この際,紙のきっぷには旧来の制度を適用し,IC乗車券の時だけ拡大した大都市近郊区間を適用すればよいのではないかと思っています。

 身延線や御殿場線などのJR東海の営業エリアや新幹線を使うと大都市近郊区間のきっぷではなくなるため,有効期間は本則どおり,途中下車もできるようになります。実際に使えるケースは限られますが,ちょっと得した気分になります。

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1駅金手へ延長すると有効期間2日,途中下車可になる。甲府で止めれば大回り乗車が可能

4.継続乗車(規155条)
 ところで,あちこち観光をしながらゆっくり旅行していたら有効期限が切れてしまった...こういう時はどうなるのでしょうか。有効期限が切れたら先の分は乗車することができず,きっぷはただの紙切れというのは間違いです。きっぷを買った時点で成立した旅客運送契約はきっぷに示された着駅まで有効なのです。しかし,途中下車しながらゆっくり行くことはできず,最大限急いで行ってくださいというのが,「継続乗車(昔は「継続乗車船」といった)」です。また,残りの区間が長く継続乗車をしている間に終電になってしまった時にもちゃんと取扱いルールがあります。この場合は,乗継ぐ列車を指定したハンコ(「乗継」/乗車日/乗車列車/駅名が書かれている)を押して,一旦,出場させてもらうことになります。残念ながら,この取扱いは規定集で読んだだけなので,実際にどのように運用されているのかは分かりません。

5.着駅の表示と途中下車
 最近のきっぷは印刷発行機が主流になったので,きっぷの着駅はxxゆきと表示されますが,以前は常備券方式だったので,着駅はまとめて表示することが多かったです。例えば,下のきっぷは東京から381~400kmまでの乗車券ですが,尾張一宮で途中下車し,あとから以西の区間に乗れるのでしょうか。きっぷの着駅をまとめて表示しているのはJR(国鉄)の事情なので,旅客運送契約としては岐阜までであり,当然,途中下車はできます。続きを乗車する意思表示をせず,きっぷを差し出してしまったら,前途は無効です。

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東京~岐阜の乗車券。1984

6.乗車券は同じ運賃で最も遠くまで
 上の反対で,きっぷを買う時「尾張一宮」までと言って,「尾張一宮ゆき」と表示されたきっぷを持っていて,気が変わって岐阜まで行こうと思ったらどうなるのでしょう。最初から「岐阜ゆき」にしておけば値段は変りませんが,一般的には乗り越し分の240円を請求されてしまいます。だって東京からの値段は変わらないじゃないかと言ってゴネればまけてもらえる可能性もありそうですが,元のきっぷの着駅と値段を比較して...などという面倒な精算は窓口業務に馴染みません。だから僕は運賃計算をする時間の許す限り,乗車券は同じ値段で行ける最も遠くの駅までを買うよう心がけています。(2017.4.16記)

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無効印などの手間をかけずにきっぷが手許に残るのも収集家には嬉しい

知って楽しいJRの旅客営業制度バックナンバー
1.大都市近郊区間と140円旅行

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