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2017-12

知って楽しいJRの旅客営業制度6--区間外乗車のいろいろ・その2

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 旅客営業制度の解説6回目は比較的マイナーな区間外乗車のいろいろについて説明を試みます。乗車券の経路は実際の乗車の経路どおりが原則ですが,利用者の便宜とJRの発券の合理化のため,乗車券に表示の区間以外の区間に乗っても構いませんという制度が多数設定されています。これらをまとめて(広義の)区間外乗車と呼ぶことにしましたが,今回は「旅客営業規則(以下,規)」本体ではなく,一つ格下の「旅客営業取扱基準規程(以下,基)」に規定されたものをとりあげます(規則と基準規程の違いについては前回を参照)。

1.特定の分岐区間の区間外乗車(基149条)
 JRの線路の配線の都合上,どうしても直接行けない区間および類似の区間に対して設定されています。最も典型的な例として武蔵白石を例に説明します。鶴見線の大川支線は武蔵白石~大川ですが,武蔵白石駅の大川支線用のホームは急曲線上に設けられていました。1996年にこの区間の電車を20m級の電車に置換た際,この急曲線が通れなくなってしまったので,大川支線の列車は武蔵白石を通過としたのです。このため浜川崎側から大川に行く場合は,武蔵白石~安善間を往復しないと行けなくなってしまったので,区間外乗車を認めるようにしたのです。

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武蔵白石周辺の線路と昔の大川支線の電車

 このような区間は数も限られているので,他の8つの区間も全部をおさらいしておきましょう。この規定は線路の配線が前提なので,対象区間を通る列車全てが対象となります。また,区間外乗車となっている区間では途中下車はできません。最初の(1)は比較的新しい規定で,仙石東北ラインに関するものです。東北本線と仙石線の間に短絡線を設けた際に東北本線側は松島駅のすぐ手前だったので起点を松島駅としましたが,ホームがないので運転上は塩釜駅で別れる形態にして,石巻方面から小牛田方面に行く場合の松島~塩釜間の区間外乗車を認めるものです。

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仙石東北ラインの渡り線部と専用のハイブリッドディーゼルカー @松島駅南方/石巻 2015.7.31

 次の2つは東北本線に日暮里駅のホームがないことに由来するものです。(2)は常磐線と東北本線相互間の乗換えに関するものです。実態として三河島方面と西日暮里,田端方面なら京浜東北線電車を使えば経路どおりに行けます。しかし,日暮里~赤羽間が69条の経路特定区間に指定されていること,新幹線があることから,随分大掛かりに範囲が設定されています。また,(3)は尾久駅だけを対象とした規定で,(2)とは別建てで規定されています。

 (4)は湘南新宿ラインに関する規定です。横浜方面から湘南新宿ラインの電車に乗ると,西大井の先で減速し,蛇窪という信号場で進行方向とは逆の右に曲がって,横須賀線の下をくぐってから大崎に出ます。気持ちとしては,西大井から大崎に直通しているのですが,運賃計算上は蛇窪信号場が品川駅構内の扱いのため(?),一旦品川に出て山手線で大崎に出る計算をします。このため西大井から田町に行くとき,たまたま来た電車が湘南新宿ラインの電車だったので大崎から山手線を使ったようなケースの救済のために,品川~大崎間の区間外乗車を認めています。もし,大崎~西大井間に独立した営業キロが設定されると,東京近郊区間の大回りルートにも影響しそうで夢は広がるのですが。

 (5)も横須賀線関係の規定で,横須賀線が鶴見駅を通過することに由来するものです。横須賀線はもともと品鶴(ひんかく)貨物線と呼ばれていた線路を旅客用に転用したもので,鶴見より南は東海道本線の扱いです。ところが,新川崎方面から来た電車ではいや応なしに横浜まで降りられないので,新子安,東神奈川,それに東神奈川からの横浜線方面に行く場合の区間外乗車を認めるものです。なお,冒頭に書いた武蔵白石はJR東日本のウェブサイトでは(5)と(6)の間に載っています。

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JR東日本管内にある特定の分岐区間。上記(1)~(5)の区間

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鶴見駅に横須賀線ホームはない @鶴見 2017.1.28

 (6)は関西の大阪環状線と関西本線の今宮駅に関するものです。冒頭の鶴見線のように全列車が通過する訳ではありませんが,大阪環状線の今宮駅が新しく(1997年)に設けられたホームで,乗換えが不便なのを嫌って新今宮まで往復する人の便を図っての規定です。

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今宮駅のホームは立体交差上にあって,変則的なホーム配置 @今宮 2018.3.15

 (7)は瀬戸大橋線に関するものです。瀬戸大橋線の四国側起点は宇多津ですが,実際の線路は三角線になっていて坂出側にも宇多津側にも行けるようになっています。列車は左の坂出方面に行く列車が多く,右の宇多津駅に入る列車は,松山,高知方面の優等列車が多いです。このため坂出方面の列車に乗って,宇多津~坂出間を往復する場合のの区間外乗車を認めています。

 最後の(8)はJR九州の折尾駅に関するものです。折尾駅は鹿児島本線と筑豊本線が立体交差する駅ですが,黒崎方面から東水巻方面への短絡線が昔からありました。元々この短絡線には折尾駅のホームがありませんでしたが,1988年にホームが設けられました。この結果,折尾駅の構内で乗換えはできるようになったものの,場所が離れていて不便なため,折尾~黒崎間の区間外乗車の規定はそのまま残っています。

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西日本にある特定の分岐区間。上記(6)~(8)

2.分岐駅通過列車の区間外乗車(基151条)
 前の特定の分岐駅が基本的に全列車が対象なのに対し,この規定は分岐駅を通過する列車を利用する場合に限り認められる区間外乗車です。分かり易いのは中央線快速電車の代々木駅です。代々木を通って四ツ谷方面から渋谷方面に行くとき,あか色の中央線の快速電車で新宿乗換えのルートはふつうに利用するルートです。しかし厳密には,代々木~新宿間が往復乗車になっているので快速電車は使えず,黄色の緩行電車で代々木で乗換えなければいけません。これではあまりに不便なので,代々木を通過する快速電車に乗った場合に限り,区間外乗車してもよいですよ,という規定です。

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中央線の代々木駅。あか色の快速電車の線路にホームはありません 2017.10.28

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分岐駅通過列車の区間外乗車が規定されている区間

 また,東京方面から名古屋乗換えで中央西線方面に行くことを考えます。運賃計算上は東海道本線と中央本線は金山乗換えで計算しますが,新幹線から「しなの」に乗継ぐ場合は名古屋乗換えがふつうです。新幹線も「しなの」も金山は止まらないので,乗換えのためであれば金山~名古屋の区間外乗車を認めますという規定です。これは,名古屋乗換えで直通する旅客の便を考えての規定なので,名古屋で途中下車することはできません。もし途中下車する場合は,金山~名古屋間の精算と帰りに使う名古屋~金山の運賃が合算された復路専用乗車券を買うことになります。

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名古屋周辺の路線図と復路専用乗車券

 復路専用乗車券(復専)はこの分岐駅通過の区間外乗車が設定された駅でしか買えないので,乗車券蒐集趣味的には面白いものです。また,新宿駅で代々木~新宿の復専を売らないように,上の一覧の右側の駅ならどこでもある訳でもありません。以前に「分岐駅通過の区間外乗車と復路専用乗車券」という記事を書いたことがあるので,興味のあるかたはこちらを参照ください。

3.特定の列車による折り返し区間外乗車(基152条)
 2.は列車間の乗換えに伴うものですが,列車のなかには主要駅に立ち寄るため,一部の区間を折返し運転する列車があります。この場合の往復となる区間について,直通で乗車する場合は,運賃料金はいただきませんというルールです。なお,規定上は「直通運転する急行列車に乗車する旅客に対しては」とあるので,この区間を往復する普通列車では降りて待ってろ,ということになります。試みに白石,西小倉を見てみましたが,残念ながらそういう運転系統の普通列車は見当たりませんでした。
・札幌~白石(2016年3月改正でホワイトアロー(旭川~札幌~新千歳空港)系統が分断されてしまい定期列車なし)
・宮内~長岡(ほくほく線開業前の「はくたか」や夜行の「能登」のルートだが定期列車なし)
・幡生~下関(今のダイヤではそもそもこの区間に優等列車がない)
・西小倉~小倉(ソニックなど)
 手許の1991年の規定集を見ると,長距離を走る特急が多数走っていたので,五稜郭~函館(北斗星)など,10の区間が指定されていました。昭和56年の石勝線の開業直後ですが,函館~札幌~釧路間の「おおぞら」は千歳空港(現・南千歳)~札幌間44kmを約1時間かけて往復しており,なんとも悠長な時代でした。

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この頃の特急「おおぞら」。キハ183が新鋭だった 撮影場所不詳 1983.3

4.特定の列車によるう回乗車による区間外乗車(基110,154条)
 3.は特定の列車が特定の区間を往復する場合ですが,こちらは運転区間が大きくう回となる場合です。現在,JR東日本のホームページには次の2項目が規定されています。いずれもJRの事情で遠回り(う回)している列車なので,運賃・料金とも順路の運賃・料金で構いませんという規定です。特定の列車での直通が前提の規定なので,途中下車はできません。
・「成田エクスプレス」:列車は東京地下駅から品川を経由しますが,新宿および中央線方面の列車は両国,四ツ谷経由で,赤羽から東北本線方面の列車は実際には田端信号場を経由しますが,前述の中央線と赤羽線の十条経由でよい
・「はまかぜ」:播但線の特急列車ですが尼崎~和田山は福知山線経由でよい

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キハ181系時代の「はまかぜ」 @浜坂 2010.8.1

 またまた手許の1991年の規定集では,タイトルが「特定の列車による...」ですが,条文は区間単位に書いてあり,大宮~秋田(上越・羽越本線経由でも奥羽本線経由で計算),福島~青森(奥羽本線経由でも東北本線経由で計算)や小倉~(西)鹿児島(日豊本線経由でも鹿児島本線経由で計算)など豪快な区間外乗車が認められていました。

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「あけぼの」。この当時は上越,羽越本線,奥羽本線経由だったが東北本線経由の運賃・料金で乗れた @青森 2010.2.13

5.特定区間を再び経由する場合(基109条)
 これまで2回に分けて,いろいろな区間外乗車について説明しましたが,最後におまけです。シリーズ第4回で紹介した「最長片道切符」のような複雑なルートで,規69条(経路特定)や規70条(東京大循環)の区間を何度も通過する場合についての規定が基109条にあります。これらの規定は利用者の便宜を図っての規定であるので,敢えて短いほうのルートを使わず,実際の乗車経路どおりの経路でも運賃を計算することができる,としています。

6.区間外乗車のこれから
 さて,区間外乗車に関するルールのこれからですが,JR線の新たな開業や運転系統の設定で時と共に変わってゆくのでしょう。「旅客営業規則」本体に盛り込まれるルールはJR各社から開示されるのでよいのですが,「旅客営業取扱基準規程」に盛り込まれるルールは現在は条文を参照することができないので大変不便です。制度のこれからとは違いますが,基準規程のほうも参照できるようになるとよいと思います。(2017.10.22記)(2018.3.18今宮駅の写真追加)

知って楽しいJRの旅客営業制度バックナンバー
1.大都市近郊区間と140円旅行
2.きっぷの有効期間と途中下車
3.乗車券の経路と種類
4.運賃計算の基本と割引き,加算
5.区間外乗車のいろいろ・その1
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2017年の鉄道イベント4題

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 年の瀬を迎え,今日はいささか古新聞ですが今年訪問した鉄道イベントをまとめてアップします。今年の記録と来年に向けての案内になればと簡単に書きます。

1.横浜セントラルタウンフェスティバル"Y158"のウォークラリーと記念列車
 横浜セントラルタウンフェスティバルは横浜市中心部の5商店街(馬車道,関内,山下公園通り,横浜中華街,元町・山手)がタイアップして,横浜開港150年の「開国・開港博Y150」後に毎年開催する開港記念イベントです。この地域はいわば横浜の旧市街ですが,横浜駅前やみなとみらいにシフトしつつある賑わいの中心を旧市街に取り戻す起爆剤のイベントと思っています。イベント全体ではスポーツ・音楽・食などいろいろな分野の催しがあるのですが,なぜかこのイベントのウォークラリーがお気に入りで毎年参加しています。また,イベントに協賛して運転される記念列車は毎年,車両,ルートがマニア向けでこれも楽しみの一つです。

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Y158記念列車 @本郷台

 今年の記念列車は豊田の189系を使用し,5月27日土曜日は千葉の黒砂信号場,28日日曜日は東海道線の根府川へ,高島貨物線などの普段は旅客列車が走らない区間を通って行くものでした。初年のY151のときは家族で乗った記憶がありますが,以降は食傷気味で今年も写真を撮るのみでした。

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現代の横浜風景。ウォークラリーゴール後に @山下公園

 5月下旬は気候も安定し,暑すぎることもなく,ウォークラリーなどのイベントには絶好のシーズンです。よく知った横浜の旧市街を10kmばかり歩き,お昼にはひと汗かいてビールというのが恒例になっています。今年のウォークラリーのコースは昨年より少しコンパクトになり,本郷台で鉄ちゃん~10時にスタート受付~12時にゴールで時間的にもちょうどでした。上の写真はイベントのメイン会場の山下公園で撮ったものですが,今年は全国都市緑化フェアよこはまが開催されていたこともあり,花の飾り付けがきれいでした。

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ウォークラリーのゴールの隣はJR東日本横浜支社のブース @山下公園

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ウォークラリーのコース。携帯GPSの軌跡

 ウォークラリーはとくにのりもの趣味とは関係ないのですが,このイベントにはJR東日本横浜支社も協力していて,並々ならぬ力を入れています。そんな訳で鉄道イベントにカウントしています。

2.京急ファミリー鉄道フェスタ2017
 セントラルタウンフェスティバルの翌日の5月28日(日)はこれもわが家の恒例で,京急ファミリー鉄道フェスタを訪れます。これは京急の久里浜工場,正式には京急ファインテック久里浜事業所の公開です。沿線住民でもあるので,このイベントは呉在勤の2年を除けば,ほとんど毎年行っています。今年は第17回ということで車両基地の公開イベントとしては老舗で,イベントの内容もこなれています。

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「京急ファミリー鉄道フェスタ2017」告知ポスター

 鉄道の車両基地の公開は,沿線の利用者に鉄道事業の現場を知ってもらうふれあいの場として各社で定着しているように思います。男の子のいる家庭では,日ごろ利用する電車を間近に見たり,パンタグラフやクーラーなどの部品を見たり,仕組みを見るのはとても楽しいと思います。また,ママたちにとってはいろいろな物販が楽しいようでもあります。僕らは毎年来ているので,展示車両が毎年変わる撮影会の他はさらりと流して見学する程度です。

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今年も撮影会は3色並び。これで4年目

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反対側は2000形,1500形,新1000形1800番台

 どこの会社でも撮影会は目玉なので,展示車両は工夫を凝らします。3色並びの反対側は,リバイバルの窓回り白塗装になった2000形,まだ3本しかない希少な新1000形1800番台などが登場です。写真はありませんが,工場から久里浜駅への送り電車は,開催時点で最新の1185Fが使われていました。また,京急1000形は昭和34年から53年までの期間に356両が製作された名車ですが,1351+1356の2両が整備され,今年から工場内で静態保存車として展示されています。

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工場内に静態保存されている初代1000形の2両

 京急は2100形からドイツのシーメンスのインバーターを採用,ドレミファインバーターとして話題になりましたが,最近は換装も進みちょっと寂しいですが,取り下ろしたインバータ装置が工場内に積んでありました。こんなものを間近に見られるのも,公開イベントの一つの楽しみです。

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取り下ろされたシーメンスのドレミファインバータ

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イベントの案内地図

3.JR東日本 東京総合車両センター夏休みフェア(今日スレッドのとびらもこの日の写真)
 8月の第4土曜日,26日はこれも恒例のJR東日本の東京総合車両センターの夏休みフェアに出かけました。このイベントも毎年この時期に恒例となっていますが,毎年,暑いのが印象です。夏休みなので,子供たちは見学の成果を宿題にも活用できます。わが家のジュニアは高校生になりましたが,夏休みで時間があることもあり,このイベントには一緒に行きました。ここも撮影会以外はさらりと流しての見学です。このイベントは,工場内の各職場が自分たちの作業を知ってもらおうと工夫を凝らしているところに好感が持てます。電車の仕組みを知りたい向きにはじっくり見たい公開イベントです。また,ここと5月(第4土曜日なので例年,京急の前日)に開催される大宮はさすがにJR東日本のイベントで,とにかく来場者が多いのでそれだけは覚悟して行く要があります。

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牽引車クモヤ143の晴れ舞台(?)

 今年の撮影会は右からクモヤ143,クモハ12,EF81(81号機,お召装備),EF65PFの4両でした。東京総合車両センターで扱うのは主に首都圏の通勤電車なので,毎年,撮影会の出し物には担当のかたは知恵を絞るのでしょう。クモヤ143は地味な車両ですが,高校生のときこの車両をHOゲージでつくるほどのお気に入りです。模型を作ろうにも情報がないので,蒲田の電車区で写真を撮ったものでした。鉄道事業者が車両基地の公開イベントを開くのは,公開日を設けることで不埒なマニアの侵入を減らすのにも貢献していると思います。

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EF81-81号機。お召仕様の装飾をつけての晴れ舞台

 もう1枚はお召仕様のEF81の写真を載せます。この機関車はつくば万博の際に昭和天皇の乗車されるお召列車の牽引機を務め,その後は赤塗装に流れ星マークをつけて北斗星の牽引機として活躍しました。ほぼ毎日750km,高速でのロングランのため,足回り強化の改造も受けたそうです。北斗星時代の僚機は過半が廃車になったので,今後の去就が注目されます。現在はオリジナルのローズピンク塗装に戻されて,田端配置で時々運転される工事臨時列車などに使われているようです。

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イベントの会場案内とお土産のうちわ

 例年,このイベントでは会場入り口でうちわが配布されます。最初にも書いたように,このイベントは暑いなかで見学するのが「ならわし」になっているので,このうちわが重宝するのです。

4.横浜市交通局お客様感謝祭はまりんフェスタ
 最後は10月28日(土)に開催された,横浜市交通局のはまりんフェスタです。このイベントは横浜市交通局のイベントで地下鉄とバスの両方の出展があります。以前は,新羽,上永谷,川和の3つの地下鉄車両基地が持ち回りだったと記憶しますが,今年は去年に引続いての新羽での開催です。また,タイトルにお客様感謝祭と謳いこまれているように,地下鉄の駅長やバスの営業所長が全員集結して,お客さまのためのイベントを作っている意気込みが感じられます。また,主催者が交通局という部局とはいえ市なので,消防本部や環境局など市を挙げてのイベントなっており,展示の種類が多いのも見どころといえます。鉄道趣味誌ではこのてのイベントの記事は4分の1ページ程度の時事ネタですが,今年のこのイベントは鉄道ジャーナル誌で見開き2ページを割いて採りあげていたのも驚きでした。

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地下鉄電車の展示1

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地下鉄電車の展示2

 車両基地公開の目玉は車両の撮影会ですが,屋内での展示なので若干窮屈です。しかし,地下鉄開業時の1000系と今年春のモデルチェンジ車3000V系が並んでいるなど,主催側の気遣いは見て取れます。他のイベント同様,ほかの展示は大体毎年見ているので,さらりと流します。

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屋外ではバスの展示。市バス各営業所からいろいろなタイプが参加

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ちょっと変わったアングルですが,最新のエルガ

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バス関係の展示ではこの死角体験は交通安全教育につながり秀逸な出し物です

 市の他の部局の展示もやはりのりものが主体になりますが,清掃局の清掃トラックや,消防局の消防車などは,馴染みも深いので人気があります。この清掃トラックはハイブリッド仕様だそうです。その他,駅の昇降設備などのメンテ業者である三菱電機ビルテクノサービスや首都高速道路など,市のお声掛りなので多数の展示があります。

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清掃トラックと消防車のあたり

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三菱電機ビルテクノサービスは移動デモンストレーション車を持込み

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交通局の作業用バン。ハイブリッドではなく完全な電気自動車

 このイベントではあまり宣伝されていませんでしたが,カードラリーもありました。会場内の14のポイントでカードをもらい集める企画です。数年前から京急のファミリーフェスタで採り入れられたアトラクションですが,今年はなくなっていました。しかし,不思議と鉄道趣味者は収集癖があるようで,僕は会場内を2時間近く歩きまわって全14種類を集めきりました。

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お仕事カード全14種類

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イベントの会場案内

 今年はこの後も12月9日(土)に東京都交通局の馬込車両検修場で「都営フェスタ2017 in 浅草線」が開催されますが,僕の訪問は未定です。車両基地の公開イベントを通じ,鉄道事業者と沿線の利用者の相互理解が深まるのはよいことだと思います。少々気が早いですが,さて来年はどこを訪問しましょうか。(2017.12.2記)

(12/10追補)
 12月9日(土)の「都営フェスタ2017 in 浅草線」ですが,その晩に都心での用事があったので終わり間際にちょっとだけ覗いてきました。ここは23区内の住宅地のなかの地下鉄車庫とあってとても手狭な車両基地ですが,そのなかでも公開イベントを開催しようという主催者の意気込みを感じるイベントです。当日は絶好の天気に恵まれ,撮影会日和でした。また,今年は浅草線の27年ぶりの新形式の5500形のお披露目もありました。そのときの写真を2枚だけつけておきます。

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浅草線の乗入れ各社の車両勢ぞろい。撮影会締切り後のため通路から

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試験中の新形式5500形を挟んで。5300形2本のスカートの大小が違うのはたまたまか心配りか

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