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2018-07

5月の大井川鉄道に行ってきました

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 (2018年)5月20~21日,日曜月曜ではありましたが,大井川鉄道(正式な社名は大井川鐡道ですが,このブログは常用漢字の使用を旨としているので普通に鉄道と書きます)に行ってきました。3月に高校の鉄道研究会の先輩諸氏と飲んでいるうちに盛上り,昔を思い出して,合宿に行こう!行くなら懐かしい電車やSLの走る大井川,となったものです。

 集合はSL列車に合わせて新金谷駅で11:30頃でしたが,僕は前日に東海道徒歩きで日坂~磐田(見附宿)を歩いて,掛川泊りだったので時間に多少余裕があります。金谷駅に着くと先ずは隣りの大井川鉄道(以下,大鉄)の金谷駅で今日明日に使うフリーパスを買います。フリーパスは千頭までの本線のみが3,440円,井川までの鉄道全線+寸又峡線と閑蔵線のバスにも乗れるものが2日4,400円,3日5,400があります。今日の宿は寸又峡温泉なので迷うことなく2日パスを買います。金谷~千頭の往復だけでも3,620円かかるので,だいぶ割安なようです。

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2078レ @金谷~島田 2018.5.20(以降,特記あるまで同じ)

 集合時間までのアクティビティですが,東海道線で貨物列車の写真,先に大鉄に入りローカル列車の写真,いずれにしようか悩ましかったです。昨日の朝,ちょうどよい時間にEF66牽引の貨物が2本あることが分かったので,こちらにします。撮影地の情報を検索すると,線路の南側の茶畑のほうにそれなりの場所があるようです。今日はJR東海のさわやかウォーキングのイベントがあり,目的の茶畑へ登る道は妙に賑わっています。

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5052レ @金谷~島田

 線路より少々高い位置からの写真ですが,ここに行くには一旦茶畑を100m位登らなければならず,結構アクセスはしんどいです。おまけに途中で道を間違えて,茶畑の上り下りを1回余計にする羽目になりました。列車の時間も迫っていたので,最後は小走りで,着いたら汗だくでした。

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1097レ @島田~金谷

 最初の1枚は列車中心で,次の1枚は八十八夜の刈入れ間際の茶畑の雰囲気を出そうと緑を多くしてみました。また,この場所はが下り列車も撮れるようで,右手の草むらが少々邪魔ですが1097レは下りです。

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758M @金谷~島田

 普通の電車は頻繁に通るので写材には事欠きません。これも茶畑の中を行く普通列車です。

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金谷駅東の茶畑からの景色

 金谷からだいぶ東に歩いてきたので,大鉄の新金谷に出てもそう遠くはありません。今日も良い天気で,汗だくになりながら元きた道を登ります。上の写真はその途中で撮ったもので,東海道線の大井川鉄橋,島田の製紙工場などが見渡せます。上から見ると大鉄の線路は大きくカーブを切りながら高台のJRの金谷から平地の新金屋に向かって下ってゆきます。途中には大代川を渡る短い鉄橋も見え,ここでも写真が撮れそうです。

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元近鉄特急のローカル電車 @金谷~新金谷

 この列車に乗る予定だったのですが,歩いたおかげで写真を撮ることができ,ちょっと得した気分です。さわやかウォーキングのルートとも別れたので,街中といえども殆ど人影もありません。ところが新金谷の駅前はSL列車の発車間際でごった返しています。観光バスや自家用車でここまで乗り付けて,SL列車だけ乗る人がたくさんいるようです。

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SL列車発車20分前の新金谷駅

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プラザロコ内のロコミュージアム

 新金谷駅の向かいにはプラザロコなるショッピングプラザ(?)もあります。車内で食べるお弁当もここで買いますが,僕が行ったときには折り詰め弁当は売切れ,おにぎりセットしか残っていませんでした。また,プラザの中には古い軽便用SLや井川線の客車などを展示するロコミュージアムもあります。時間があればこれらもゆっくり見たいところです。

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大井川鉄道の2日パスとSL急行券

 ごった返す駅のなかで合宿に同行の諸先輩と合流,きっぷをもらいます。SL急行券はネットで予約すると名前が入る由で,写真と学校の名前入りのきっぷはよい記念品になりそうです。また,周遊きっぷ(2日パス)は,地色が黄色は変わっていますが,往年の均一周遊券のようで,これも僕には嬉しい一品です。

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ホームはSL列車のお客さんでごった返している @新金谷

 11:52,汽笛一声と共にSL急行「かわね路」号は出発です。今日の牽引機はC56-44,第2次大戦中に泰緬鉄道に供出され,1979年に帰国した機関車です。大鉄のSL列車事情に詳しい訳ではないのですが,この機関車が登板する機会は少ないので,一同よかったね...と喜びます。客車もぶどう色の雑型客車ばかりで編成され,今日は正統派のSL列車のようです。上の写真の隣には,きかんしゃトーマス仕様で明るい茶色,ほとんど黄土色の客車が見えますが,どうも好きになれません。

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後押しを務める電気機関車 @千頭

 7名のグループで通路を挟んで2ボックスを占拠し,40年の年月などどこかへすっ飛んで昔話をしたかと思えば,最新の鉄道事情などで盛上がります。ところで,大井川本線にはところどころにトンネルがありますが,昔のように窓閉めろ!という騒ぎがありません。トンネルでは--それ以外のところでも?--この列車は専ら後ろの電気機関車に押されるのみで,石炭は焚かないようです。本物の蒸機牽引の列車に乗った世代には物足りないですが,観光用という意味ではいろいろ配慮されています。

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千頭に集うきかんしゃトーマスの仲間たちとローカル用の旧南海ズームカー

 千頭着13:09,1時間16分のSL列車の旅はあっという間です。去年乗った「やまぐち」号は2時間ちょっとでしたが,あまり長いと飽きてしまうので,観光列車はこのくらいの時間がちょうどよいのかもしれません。同行者にはこの間にワンカップを3本空ける強者もいて,酔いの加減も思い思いに到着です。1行は寸又峡温泉泊まりですが,月曜日の会社が休めないかたもいて,上りのSL列車の写真を撮ってから帰京すると言います。僕らはこのかたと行動を共にして,千頭周辺で午後を過ごします。

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JR北海道からやってきた14系客車 @千頭 2018.5.21

 千頭の基地はいろいろな車両がいて眼を楽しませてくれます。僕にとっては懐かしさもあり,最近JR北海道から移ってきた14系客車が気に入りました。この簡易リクライニングシートって最悪だったよな~などと言いながら,まだ整備中の車両を眺めます。SLの折返しの間合いは機関車の転向がアトラクションになっているようで,駅構内に見学場所も用意されています。僕らも時間つぶしにこれを見学します。この転車台は国鉄東赤谷駅にあったものを移設したもので,1897年英国Ransomes & Rapier社製だそうです。軽量のC56でも70t弱はありますが,職員総出?で人力で回転させる様は確かに一つのアトラクションです。

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機械学会の機会遺産にも指定されている転車台

 上りのSL列車は千頭からも近い大井川を渡る(第四)鉄橋で撮ることにします。駅から10数分で行けるので,苦もありません。本命のSL列車の前に露払いの電車があるので,別の場所に行って練習です。

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大井川の鉄橋を行く元南海ズームカー

 露払いの時はピーカンの晴れでしたが,SLのときはちょうど雲がかかってしまい,下の作品になりました。並んで撮っていた先輩は後ろのELが木立ちから出る前に1枚撮っていて,ちょっと後悔です。

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大井川の鉄橋を行くSL列車,かわね路2号。C56-44+雑型客車7両+(EL)101

 SL列車の写真も撮り,とりあえず満足して,千頭駅に戻ります。あわよくば15:10の寸又峡温泉ゆきのバスに乗ろうと,東京に戻る1名を除いては相当な速歩です。息を切らせて頑張って,15:10のバスに何とか乗ることができました。奥大井は大井川の支流が複雑に入組んでいて,たくさんの峠があり,川の流れる向きが目まぐるしく変わります。約40分の飽きない車窓を楽しみ,16:00前にはホテルに着きます。

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千頭~寸又峡温泉のバスはかなりの高年式車

 幸いまだ陽のある時間に着いたので,バスの写真を撮ったり,終点のバスターミナルを覗いたりして,ゆっくりと夕方を過ごします。鉄道研究会OB会の合宿,若者の集まりなら深夜まで続くのでしょうが,60歳近いおじさんの団体なので22:00前には寝静まり,翌朝に備えます。

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夢の吊り橋 2018.5.21(以降,特記以外同じ)

 寸又峡温泉の先には大間ダムがあり,ダム湖には夢の吊り橋という橋が架かっていて,観光名所になっています。。紅葉や新緑などハイシーズンの週末は散策ルートは一方通行,1時間待ちにもなるそうです。同行者の1人は日曜日に行って70分待ちだったと言っていました。翌21日,月曜日は早起きして,吊り橋の散策からスタートです。朝6時の散策路は清々しく,通り行く人もまばらです。一方通行は秋の紅葉シーズンなどと書いてあるので気にせず進んで歩くこと30分くらいで吊り橋に着きます。

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大間ダムとダム湖。夢の吊り橋から

 橋は定員10人と書いてあるのですが,周囲にいる人を全員集めても10人に足りません。こんな状況なので,往復しても全く問題なく,吊り橋を渡ることができました。ホテルに戻って,朝風呂で汗を流して朝食,8:45のバスで2日目の行程スタートです。

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奥泉駅前。縄文時代の住居のような建物はトイレ

 2日目の午前中は元々は奥大井の電源開発の資材運搬鉄道だった井川線を楽しみます。昨日来た道を30分ほど戻り,奥泉駅前でバスをすて,井川線の列車に乗換えです。奥泉の駅前は写真のとおりですが,竪穴式住居のような建物はトイレで,駅舎は広場の下にあります。奥泉駅は井川線の列車と寸又峡線のバスの結節点なので観光案内や鉄道グッズの売店などが並び,思いのほか大きな駅施設です。

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入場券,観光記念しおりとおまけの乗車証明書

 いろいろ目移りする中,ローカル私鉄探訪のお約束として入場券1枚入鋏入りと記念しおり1枚を買いました。前者は硬券1枚おまけなし150円に対し,後者は乗車証明書のおまけつき100円と,後者のほうがお薦めです。

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奥泉に進入する井川線の列車

 井川線は非電化,ディーゼル機関車を麓側に連結し,下り列車はクハのような客車を先頭にして走ります。低いホームからステップを上って客車に入る様は,ちょっとヨーロッパの登山電車にも似ています。新緑の中を約10分も大井川に沿って上るとアプトいちしろに着きます。

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アプト区間の補機専用の電気機関車ED90 @アプトいちしろ

 ここから長島ダムまでの1駅1.5kmがアプト式で90パーミルの急勾配を登る区間で,列車は4分の停車の間に専用の補機ED90を連結します。4分とはいっても駅施設も車両もこぢんまりしているので,興味のある人は客車から降りて機関車の写真を撮ったりします。アプトいちしろ~長島ダム間はダム下流側の川の流れに沿って登ります。眼前に広がるダムの躯体など見ているうちに,あっという間の7分半の行程です。長島ダムでも4分止まって,補機を開放します。

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長島ダムの本体 @アプトいちしろ~長島ダム

 長島ダムから先も勾配は和らぎますが線路の付替え区間は続き,ダム湖の景色が続きます。湖面の僅かに上に旧線の線路跡が見えています。

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旧線の線路跡 @ひらんだ~奥大井湖上

 この湖は大井川の蛇行に合わせてぐにゃぐにゃしていて湖岸に線路を敷くのは容易でありません。ダムに水を張る前なら工事も楽なので一気に橋でショートカットしてしまおう,という発想で付替えの線路は敷かれたようです。距離も稼げるし,観光資源にもなるということで,奥大井湖上駅は繁盛しているようです。駅の名前は奥大井湖上ですが,僕の調べた限りでは奥大井湖という湖の名前は存在せず,実際は単に長島ダムのダム湖のようです。

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長島ダム周辺の衛星写真。Google Earthから

 奥大井湖上駅のある所はさながら島のようですが,実際は蛇行して流れる大井川の反対岸の鼻の部分です。駅で降りるとレイクコテージ奥大井という展望施設が気を惹きますが,情報によれば,売店もないただの展望施設だそうです。僕らは鉄ちゃんのためにここで列車をすてますが,乗りつぶし派の先輩はそのまま閑蔵まで行くそうです。残念ながら5月に発生した土砂崩れの影響で閑蔵~井川間が不通となっているので,終点の井川まで行くことはできません。

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奥大井湖上駅で列車をすてる

 奥大井湖上の東側の鉄橋には歩道も設けられていて,大井川の北岸に行けるようになっています。橋を渡ってから県道388号線までのルートは遊歩道として整備されていますが,若干の上り階段があり,今日の陽気では汗ばみます。県道に出る少し手前には井川線の線路が一望できるところがあり,レインボーブリッジ撮影ポイントとして紹介されています。僕らもここで2本を撮ることにします。

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レインボーブリッジ西側を行く井川線列車

 列車はとても小さいですが長島ダムの大パノラマの中を行く風景は苦労して行くだけの価値はあります。帰りは閑蔵線の路線バスで千頭に戻ります。閑蔵~千頭は列車だと約90分,バスだと30分,運賃は列車1,070円,バス840円です。列車はアプト式まで使って川の流れに忠実に沿うのに対し,バスの走る県道は幾本かの長いトンネルで短絡します。列車は観光と,今では少なくなった資材輸送のためのもののようです。ところでこのバスですが,千頭に着くのは12:00過ぎですが,今日の初便です。列車のほうも先ほど写真を撮った千頭12:06着の列車が始発です。一般的にはローカル交通は通学の高校生がお得意様ですが,ここのダイヤには朝便がなく通学の流動は全く考慮されていません。

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こちらは東側を行く列車

 閑蔵まで列車で行った先輩ともバスで合流,千頭で軽く駅そばの昼食後,12:45の列車で帰途につきます。昨日,日曜日のSL急行は観光列車そのものでしたが,今日は月曜日の昼下がり,全くのローカル列車です。電車は元南海のズームカー21000系2両編成です。座席は昭和の時代を感じさせる頑丈そうな転換クロスシートですが,座ってしまえば快適です。

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21000系のローカル列車 @新金谷~金谷 5.20,転換クロスシート 5.21

 今日は朝から飛ばしたので,みんな多少お疲れモードでゆっくりします。駿河徳山でSL急行と交換するので,少し元気を出して,駅撮りですが写真を撮ります。さあポイントを渡って駅に進入という割には煙モクモクで,やっぱりこの煙はサービスのためのもので動力ではないのかと思います。

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SL急行,今日の牽引機はC10-8 @駿河徳山

 ここからは消化試合モードで,金谷乗換え,東海道線を上ります。ところで今日月曜日の帰りの行程ですが,午後から仕事と朝のバスで東京へ戻る人,金谷到着後は掛川に出て新幹線で戻る人,せっかく休みをとったのだからとSL列車の撮影後,千頭にもう1泊する人など様々です。結局,東海道線を鈍行で上るのは僕のほかは1人となりました。昔の113系だったら昼間から一杯いきたいところですが,ロングシートの211系なので大人しくしています。今日も良い天気で熱海~早川の海沿いでは対岸に房総半島が見えていました。ここの海の車窓は幹線の割にはきれいと思っていましたが,こんな角度で房総半島が見えるのは知りませんでした。連れがいれば単調な鈍行も飽きず,あっという間に大船着です。鉄道研究会のOB会でたっぷり鉄分を補給し,諸先輩がたと旧交を温め,楽しい1泊2日の旅でした。(2018.7.15記)
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東海道徒歩き(かちあるき)(7)日坂宿~見附宿

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「時空を越える道との対話」袋井宿で

 今日は久しぶりに東海道徒歩き,第7回目の日坂宿から見附宿をお届けします。連休も終わった5月の週末,大井川鐡道に行く用事があり,その前日(2018年)5月19日(土)に1日だけの徒歩きでした。

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東海道線321M @小田原 2018.5.19(以下全て同じ)

 出発は自宅最寄りの磯子駅を5:35の根岸線で,今日も早起きです。大船からは東海道線321Mで沼津を目指します。321MはJR東海に乗入れる300番台の普通列車の始発であることを示しますが,21という番号の列車に乗ると早起きしたな~と思ってしまいます。

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静岡で。少数派の373系が並ぶ

 沼津では3分の接続でホームライナー静岡31号に乗換えです。この列車は土休日のみ運転という変わったホームライナーです。整理券を買っている時間などないので車内で買いますが,発売される整理券は座席の指定がなく,空いている席を渡り歩くジプシー生活です。373系は,富士川,伊那路などのローカル特急と大垣夜行のために開発された電車ですが,重厚なシートと大きな窓を好もしく思っています。せっかくの機会なので320円の贅沢をしてしまいました。

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最近は減ってきたEF66牽引のフレートライナー 5052レ @掛川

 ホームライナーは静岡で先行の5737Mに追いつき,少々慌ただしいですがこの列車に乗って掛川には9:05に着きます。もともとの予定では9:37着予定でしたが,ライナーの効果で1時間近くの時間ができました。持参のダイヤ――といっても貨物時刻表のおまけの1時間目ダイヤですが――を見ると,上りの貨物列車が2本あるようなので,駅撮りですが鉄ちゃん(鉄道写真を撮ること)することにします。2本とも,最近は桃太郎におされて数を減らしているEF66の牽引で,思わぬ拾いものをしました。

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掛川から日坂への掛川バスサービスのバス

 夕方行こうと思うつま恋リゾートへのアクセスの確認,着替え,荷物の預けなど,諸々の準備をしながらゆっくりします。10:00少し前に駅北口のバスターミナルに行き,日坂ゆきのバスを待ちます。静鉄グループの掛川バスサービスのバスは富士重工製の短尺車で,チョロQみたいなスタイルをしています。この路線は前回の帰りにも乗っていますが,これから歩くコースでもあるので,車窓を見ながら歩くルートなどをサーベイします。

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日坂宿本陣扇屋跡

 約20分の乗車で,日坂着です。バス停は本陣跡のすぐ近くで,ここから徒歩きの行程スタートです。前回もここには来ていますが,ヘトヘトの夕方とさあスタートの午前では景色の見え方も変わります。一片の雲もない青空で今日もお天気は良さそうです。予報では午前は雨だったので,徒歩きには大変助かります。日坂宿は鉄道の駅から離れた所にあるため,旧街道の趣がほうぼうに残っていて街道歩きを楽しむ向きはゆっくりしたいところです。僕は萬屋の縁側を借り,海水浴でもないのに日焼止めをたっぷり塗るだけで,早々に出立です。

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日坂なはこんな建物が多数残る。かえで屋

 日坂からは先ほどバスで上ってきた緩い坂道を下るので,アスファルトの舗装路である点を除けば歩き易いです。この道は現在は県道250号線ですが,以前は国道1号線を名乗っていた道で,日本橋起点のキロポストも残っていて街道歩きの励みになります。

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県道250号線を歩く。旧国道番号の「1」はシールで隠されている

 掛川の市街地に入ると旧街道は県道より1本南側の細い道になります。細いといってもこちらの方が由緒正しいので,先ほど乗ったバスもこの道を通るし,郵便局などもこちらの通りにあります。

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旧街道の道路と西山口簡易郵便局

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旧街道をゆく掛川バスサービスのバス。左手には葛川の一里塚跡が見える

 バス通りではありますが交通量は少なく,歩き易い道を進むと掛川市の中心部に来ます。旧街道は市内中心部を何度も曲がりながら通っていて,その跡を正確にトレースするのは難しいです。まあこんなもんだろうという程度にトレースし市内中心部を歩きます。掛川の本陣跡近くは繁華街で本陣通りという飲み屋街もあります。昼になったので,ここで軽くそばの昼食とします。

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掛川の本陣通り。本陣跡とは少し違う場所

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掛川城の大手。時間があればゆっくり見学したいが,今日は素通り

 掛川は高知の殿様の山内一豊が一時を過ごした土地で城下町の整備なども彼の功績が大きいそうです。今の天守閣は平成6年に復元されたものですが,木造だそうです。旧街道はお城のやや南を進むのですが,せっかくなので大手まで行って写真を撮った後,しばらく西で合流することとします。

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天竜浜名湖鉄道西掛川駅

 この旧街道の旅行記は名所旧跡を訪ねたという記述は少なく,専らのりものの写真ですが,天竜浜名湖鉄道クラスになると列車の本数が減って,通りかかったときに列車が来るとは限りません。今日は幸い西掛川駅近くを通った際に列車が来てくれたので,1枚の写真を撮れました。大きな木といかにもローカル線らしいホームの雰囲気と現代のコンビニの対比が面白い駅でした。

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県道253号掛川~袋井線

 掛川宿から次の袋井宿までは旧街道は今の県道253号線のルートになります。県道とはいっても一部区間ではかなり細い道で歩道もありません。しかし,車も少ないので,歩きづらくはありません。掛川~袋井の市境付近には街道の松並木が残っており,そんなに長い区間ではありませんが旧街道の風情が楽しめます。

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市境近くの松並木

 しばらく行くと旧街道は現在の国道1号線と浅い角度で交差し,ちょうどその区間に原野谷川を渡る同心橋という大きな橋がかかっています。また,この川が市境にもなっており,行政は袋井市になります。

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同心橋を渡ると袋井市。安全に国道が渡れるような配慮は嬉しい

 袋井宿は江戸から数えても京から数えても27番目の宿場で,袋井市は東海道のど真ん中を売りにしているようです。旧街道は国道1号線の1本南を進みます。ダイワハウスの大きな工場がありそれを過ぎると富士浅間宮の大鳥居があります。その先には小学校がありますが,門柱には大きく「東海道五十三次ど真ん中東小学校」と書かれています。

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富士浅間宮の大鳥居

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東海道五十三次ど真ん中をアピールする東小学校

 ところで静岡県を歩いていると「夢舞台東海道」の標柱をよく見かけます。県の外郭団体が整備したものと思いますが,統一デザインで,また出てきたぞと思います。この全てをトレースすれば静岡県内の東海道を歩ける訳で,そんなガイドはないのかと思います。

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袋井市内で。あまり変哲のない所ですが「夢街道東海道」の標柱がありました

 暫く行くと「ど真ん中茶屋」という案内が出てきて,数軒の茶屋に行き当たります。僕のような徒歩きの旅行者が1日に何人通るのか分かりませんが,無料でお茶をふるまってくれるので一休みします。

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袋井市内のど真ん中茶屋

 袋井は宿場の中心からそんなに遠くないところに東海道線の駅もありますが,土曜の昼下がりということもあり,人通りが少なく寂れた印象でした。隣の掛川は新幹線駅になり,反対の磐田はスズキやヤマハといった大きな工場立地があり,相対的に地盤沈下しているのかもしれません。反対に東海道ど真ん中にかける意気込みは大きいようです。

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街の中心部で。旧宿場の案内板

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袋井宿本陣跡。頑丈そうな扉だけが残っていました

 さて今日の行程ですが,袋井で15:30です。次の見附宿(磐田市)までは6.5㎞と比較的短めです。ここで引上げればつま恋リゾートの彩の湯が待っているのですが,今回は1日だけなのでもう1駅,見附まで歩くことにします。高札場跡が休憩所として整備されているので,コーヒーを飲んでゆっくりしたりトイレに行ったりこの後の道中に備えます。

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市街地の真ん中でもバスの時刻表は休日の運行がない

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西小学校も東海道ど真ん中をアピール。隣は澤野医院記念館

 袋井からの旧街道は概ね県道413号線に沿ったコースです。6.5㎞は頑張って歩けば1時間ちょっとのはずですが,街道歩きでは写真を撮ったり,道草によるロスタイムが多いので,倍くらいかかることが多いです。おちおちはしていられないので,先を急ぎます。

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木原一里塚。きれいに整備されていますが復元だそうです

 途中,木原では復元の一里塚があり,舗装された県道歩きでも旧街道歩きであること思い出させてくれます。更に進むと道路は県道413号線と国道1号線が絡むジャンクションに至ります。ここは自動車優先で設計された道路で,人通りも少なく,歩行者には不便な箇所です。旧街道は1本南なのですが,その道への入り方が分からず,県道413号線を歩きますが,若干上り坂になっていて疲れた足にはこたえます。

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太田川に架かる橋からの景色。里山の風情

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坂を上りきると遠鉄バスの車庫があります

 遠くから見えるランドマークの磐田グランドホテルの麓には遠鉄バスの車庫があり,久々に路線バスを見ます。磐田の市内では旧街道は県道413号線に沿ってはいますが一筋南または北の道路です。磐田も旧街道を観光資源にしているようで,市街の入口から立派な案内板が立っています。また,ここも本陣跡は扉だけが残っていて,隣りの袋井と似ています。

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旧見附小学校
ちょっと離れたところの公衆便所も似た形

 宿場町の通りを歩いて行くと旧見附小学校の建物の前を通ります。学制発布後まもない明治8年(1875年)に落成した現存する日本最古の洋風木造小学校校舎だそうです。僕の場合は,江戸時代の東海道五十三次に限らず,明治期の東海道にも興味はあるので,こういう建物でも見れば嬉しいです。この校舎は余程,磐田市民になじんでいるらしく,15分くらい離れた所にある公衆便所もこの校舎をかたどっていました。

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見附宿本陣跡。ここも扉だけが残る

 ただ今の時刻は17:20,やはり2時間近くかかってしまいましたが,何とか見附宿まで辿り着きました。今日の徒歩きはここまでとして撤収,駅に向かって歩きます。駅への道も旧街道で京方見附跡などを通ります。今までは基本的には切れ目は本陣跡としていたので,次回どこからスタートするか悩ましくなります。20分も歩くと大きなクスノキが現れ,磐田駅に着きます。

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磐田駅と大クスノキ

 明日は大井川鐡道で会合があるので今夜は掛川泊です。お腹もすいたので食事は磐田で済ませてから,移動することにします。今回は徒歩きの最中には鉄ちゃんをする場面が少なく,さりとて名所旧跡を巡りながらの旧街道歩きという訳ではありません。自分としては気に入った文物で立ち止まって楽しい徒歩きでしたが,読むかたには中途半端な内容だったかもしれません。

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(参考)今回の行程
(2018.6.16記)

>>>東海道徒歩き(かちあるき)(1)日本橋~川崎宿
>>>東海道徒歩き(かちあるき)(2)川崎宿~藤沢宿
>>>東海道徒歩き(かちあるき)(3)藤沢宿~小田原宿
>>>東海道徒歩き(かちあるき)(4)小田原宿~三島宿
>>>東海道徒歩き(かちあるき)(5)三島宿~江尻宿
>>>東海道徒歩き(かちあるき)(6)江尻宿~日坂宿

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