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2019-06

讃岐うどんと京急電車OBを求めて家族で冬の香川へ・前編

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 春のJRグループ全国ダイヤ改正など早いほうがよい記事を優先したので順序がアトサキですが,今日は2月に家族と行った香川旅行についてをお届けします。そもそもなんで2月に香川に行ったの?から物語は始まります。このブログでも既報のとおり僕の勤続30周年のご褒美の旅行は家族でアメリカ東海岸でした。この時のマイルが有効期限になるので,閑散期のLシーズン,6,000マイルで行ける範囲でどこに行こうか?と聞きました。するとジュニアが,地元の京急電車のOBが走ることでん(高松琴平電鉄)訪問で高松がよいと言います。ことでん訪問は1日と決め,行き先だけが先に決まり,旅行の目的やアクティビティは後から決まる,わが家特有のおかしな旅行になりました。

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羽田空港でのスナップ 2019.2.10(以降,特記あるまで同じ)
関東地方は晴れで富士山も見える
整備エリアの隅にはエンジンを取りおろされたB787が

 出発は(2019年)2月10日(日),自宅を7:30過ぎに出て,羽田空港に向かいます。家族のマイルを共有するファミリーマイルなどの制度を総動員して去年の大晦日に予約した便はANA533便高松ゆきです。ANAの羽田のターミナルは新しいのにもう手狭になって,サテライトからの出発です。サテライトゆきのバスはターミナルの北の端っこからの出発で,そんなことならエプロン直付けのバス便のほうがよほど便利な感じもします。飛行機はB767-300ですが,レジはJA8971とかなり古い機体です。高松までのフライトは飛んでいる時間は1時間ちょっとで,今日の計画を考えているうちに着いてしまいます。

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高松に着いたら先ずはうどんでしょう

 高松からは市内,駅ゆきの空港バスで先ずは市内中心部に出ます。11:30のバスに乗れば,12:15には高松駅前に着きます。今日の昼は讃岐うどんと決めていたので,繁華街にバスで戻り,ガイドブックお薦めの「さか枝うどん」でこの旅行1杯目の讃岐うどんをいただきます。最近は「はなまるうどん」や「丸亀製麺」などのうどん専門店(ちなみに「はなまる」は吉野家グループだが創業は香川,「丸亀」は兵庫の居酒屋チェーンの新業態として展開している)が関東近県にも増えましたが,昔からのセルフうどん形式のお店のようです。間口が広くだだっ広い店内に茹で釜の湯気と出汁の香りが漂うお店で,本場の讃岐うどんで満足です。

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琴電琴平ゆきは元京急700形の1203。左下の瓦町→琴電琴平のきっぷには地紋がない

 1日目午後は金比羅参りです。市内中心部の瓦町駅から琴電琴平まではことでんの電車が30分間隔で走り,所要時間はほぼ1時間です。瓦町13:35の電車は元京急700形の1200形です。京急時代にお世話になりましたが,4つ扉で座席定員が少なく,枕バネが1つのコイルバネ台車のピョンピョン跳ねる走りで,どちらかというと避けていました。電車に乗ると,モケットは緑色のものに張り直されていましたが,内張りや乗務員室の仕切りなどは京急時代そのままの感じです。たまたま先頭に乗ったところ,なんと座席にはことでんのキャラクターの「ことみちゃん」と「ことのちゃん」が座っています。

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「ことみちゃん」と「ことのちゃん」の乗る車内。右は1203の銘板--京急以来の車歴を語る

 後日の写真撮影の参考にかぶりついていると,連休の日曜日なのでレトロ電車の120号が走ってきます。ガラス越しすが,何とか写真に収められました。調べると大正12年製造のことでんオリジナル車両だそうです。これらの車両の維持にはお金もかかり,残念なことにこれらの車両は2021年限りで廃車する計画と5月9日付けでリリースされました。その記事によれば既に3両が公園などで保存されているそうですが,希望者がいればこれらの電車も譲渡に応じるそうです。

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レトロ電車120形

 14:32,琴電琴平着,これから金比羅山のお参りです。ここは一般に「こんぴらさん」と親しまれていますが,正しくは金刀比羅宮という神社です。象頭山という標高524mの山の中腹にあり,奥宮まで行くと1,385の石段があります。前回の金比羅参りは30年以上前ですが,30℃以上ある真夏の日で,神社詣では山を登って汗をかくことによりありがたみを感じるなどと思いました。今日は2月の晴天日,石段を上れば小汗は滲みますが,家族と気持ちのよいハイキングです。

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金比羅山の門前町で

 金比羅山の門前町は時代がかったお店も点在し,神社の歴史と伝統を感じます。こんぴら船々...の歌にもあるように,この神社は海上交通の神様でもあります。境内には近在の造船所が献納した船のプロペラや国鉄連絡船の絵など,のりもの趣味者にとっては興味深いものが点在します。

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今治造船奉納のプロペラと連絡船石狩丸奉納の絵

 今日は涼しいし時間も早いので,奥宮まで登ることにします。段々に参拝者も減ってきて,門前町は大賑わいでしたが,ここまで来る人は多くありません。展望台からは平地の独立峰の讃岐富士がちょうど目の高さに見え,どちらが高いのか比べたくなります。調べると奥宮421mに対し讃岐富士422mで,道理でほぼ同じに見えるわけです。

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展望台から讃岐富士を望む

 山登りで疲れた身体が糖分を要求し,門前町でアイスクリームを食べながら,ゆっくり駅に戻ります。往きはことでんだったので帰りはJRです。駅への道々で,両社の琴平駅を見ますが,どちらも金比羅山の参拝客を迎える趣のある建物です。

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ことでんの琴電琴平駅とJR四国の琴平駅

 今回の旅行は香川のはずでしたが,明日は徳島県の鳴門に行く予定で,琴平17:24の列車で高松を目指します。JRはスピードは速いものの,多少遠回りをするので,高松までの所要時間は変わらず約1時間です。高松では預けた荷物をピックアップし,列車の旅を続けます。

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琴平~高松間の1246Mは7200系電車。国鉄121系の更新車だが私鉄のような付番だ @琴平

 19:50引田着。高松から乗ってきた列車は,引田止まりです。ここから徳島までは鈍行でも50分かかりませんが,特急チョイ乗りで時間を節約します。四国では50kmまで520円,25kmまで320円とチョイ乗り用の料金設定があるので助かります。ちなみにこの30kmまでの料金は旅客営業規則に規定がなく,JR四国だけのローカルルールのようです。「うずしお27号」に乗って20:27に徳島着です。この「うずしお27号」ですが乗った気動車は2424でした。この2424ですが,N2000系の先行車で130km運転に対応した性能ながら車体の造作は1世代前の2000系と同じという希少車です。実車は2両しかないのにBトレインショーティでしつこく5両も出てきて,僕には妙になじみのある車両なのです。

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Bトレで失礼します。2424

 わが家の家族旅行は朝から晩まで有効に使うのが常ですが,今日もヘトヘト,食事が済めばお休みです。香川旅行2日目の2月11日(月)は,徳島県鳴門市の大塚国際美術館の見学です。朝8:00過ぎ,朝食を済ませ徳島駅に向かいます。駅に着くと県庁所在地駅は朝の賑わいタイムで,高松ゆきの「うずしお6号」と牟岐ゆきの「むろと1号」が並んでいます。

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徳島駅,朝の賑わい。「うずしお」は昨晩乗ってきた例の2424 2019.2.11(以降,特記あるまで同じ)

 隣接する徳島運転所ではキハ47が休んでいます。キハ47など全国どこにでもいて珍しくないと思っていましたが,最近はJR世代の気動車に押され,かなり数が減っているようです。葬式鉄とは言わないまでも,ありがたそうにキハ47の写真を撮っている人をこの旅行中に幾人も見ました。暫くを駅で過ごして,今日のスタートは徳島8:26発の鳴門ゆき普通列車です。約30分の乗車で鳴門着,ここらバスで15分で大塚国際美術館に着きます。

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新旧の気動車が並ぶ @徳島

 さて,このブログで大塚国際美術館をどこまで紹介するかが悩ましいですが,とにかく一見の価値のある美術館です。美術館自体は開館当時は日本一の大きさ(延床面積ベース,今は新国立美術館に次ぎ2位)で,収蔵品は世界25か国,190余の美術館の名画1,000点を大塚(製薬)グループの大塚オーミ陶業が開発した特殊技術で陶板に焼付けた原寸大の複製画です。

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大塚国際美術館の外観。美術館は裏の山のなかに本体部分(B1~B3)があり,上にある建物が1,2階

 館内の展示は古代,中世,ルネッサンス,バロック,近代,現代に区分され,基本的には古いものから順に見られるようになっています。ニューヨークのメトロポリタン美術館なども見学したことがありますが,どんなに一流の美術館でも所蔵する作品は限られており,複製画でもこれだけの作品を一堂に見られるのはすばらしいことです。作品によっては原画が修復作業で随分変わったものもあり,それらのbefore,afterが見られるのも複製画だからこそできることです。また,バチカンのシスティーナ礼拝堂などは,環境展示といって現地の礼拝堂内と同じような環境で鑑賞できるようになっています。

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大塚国際美術館の案内リーフレット(拡大はこちら

 また,複製画を作るのも簡単なことではなく,実際の制作工程のほかに権利者からの許諾から検品までの手続き面もあり,手のかかることです。パンフレットの案内にはピカソのご子息が検品をしている写真が載っていたりします。また,陶板に焼付けることで,2000年位の保存が可能になったことも価値があると思います。

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陶板名画ができるまで。案内パンフレットから抜粋(拡大はこちら

 当初は半日程度の見学を予定したのですが,お昼になっても半分くらいしか見れず,結局,退館したのは15:30過ぎです。見学コースだけでも約4kmあるそうですが,足腰の疲れ以上に,絵画鑑賞--それも一流の画家の一流の作品のオーラ--による感性の疲れでヘトヘトです。美術館を出ると,ちょうど雨が上がったところのようです。今日は元々は鳴門公園に行く計画で,時間が押していますが,気晴らしも兼ねて訪ねることにしました。区切りが少々よくないですが,鳴門公園散策以降は次回お届けします。(後編に続く)(2019.6.8記)
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青春18きっぷでJR東海最長鈍行とおおさか東線,関西本線加太越えの旅・後編

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(前編はこちら
 今年(2019年)の3月に行った,おおさか東線へ横浜発青春18きっぷの旅の後編をお届けします。この旅行は,1.東海道本線静岡~岐阜間の3109Fに乗る,2.おおさか東線に乗る,3.関西本線加太越えに乗るの3つを目的としたものです。今回は3月23日(土)に新大阪から目的2と3を消化しつつ横浜へ帰る旅です。

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おおさか東線開業の案内ちらし(拡大はこちら

 この日は元々は新大阪で3分の乗継ぎで12:11発のおおさか東線2448Sに乗る予定でした。しかし,米原からの新快速が4分遅れてこの列車に乗れなくなり,以降は代案の行程での旅行です。この先に乗るおおさか東線,加茂までの関西本線はどちらも15分ヘッド,加茂から先の加太越え区間と亀山~名古屋は1時間ヘッドの運転です。JRのダイヤも定時隔化が進み,分かり易い,覚え易いダイヤになりました。慌てて行っても加茂から先は同じなので,おおさか東線を楽しんだり,昼食の時間を確保したりで,泳ぎながらゆっくり旅行を続けます。

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新大阪で発車を待つおおさか東線の列車 2019.3.23(以降全て同じ)

 ここでおおさか東線についておさらいをしておきます。おおさか東線は元々あった平野から吹田貨物ターミナルへの城東貨物線を旅客線に転用したもので,営業キロは20.2kmです(鴫野~放出間1.6kmは片町線と二重戸籍)。JR西日本の営業路線ですが,実際は営業だけを行う第2種鉄道事業者で,線路の保有は第三セクター会社の大阪外環状鉄道です。関西本線と接する久宝寺も,今回開業の新大阪も貨物線時代とは逆向きに接続しているところが興味深いです。線路名称(注)上の区分けは関西本線グループに属しているようです。新大阪で東海道本線と接するので東海道線グループであるべきのような気もしますが,城東貨物線が関西線グループの片町線の支線だった経緯を踏襲しているのでしょう。列車番号は新大阪発が上りの偶数を名乗りますが,時刻表などの案内上は新大阪発が下りと案内されます。現在の北端は新大阪ですが,梅田貨物線を経由して延伸の計画があり,再開発が進められている北梅田(仮称)までが2023年に開業の予定です--また行かなければならない!!--。おおさか東線の駅のうち,南吹田(吹田市),高井田中央,JR河内永和,JR俊徳道,JR長瀬,衣摺加美北(いずれも東大阪市)の6駅は大阪市の市域の外ですが,JRの特定市内駅のルール上は大阪市内駅になりました。また,大阪市内発着の乗車券で八尾市にある久宝寺駅を通って,(途中下車せずに)再度,大阪市内駅に戻ることも可能だそうです(JR東西線経由の尼崎と同じ考え)。

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おおさか東線(青太線)の走る場所。緑は城東貨物線(Mapionから調製)

 さて今日ですが,12:11の2448Sが行ってしまったばかりなので,新大阪駅で記念になるものの収集や新設ホームの様子を見て過ごします。上に載せたちらしなど数点を収集しましたが,住宅地を走る都市近郊路線なので,比較的地味な開業のようです。ホームに行くと既に12:26の2450Sの列車は入っていて,車両はウグイス色の201系6両編成です。

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新設区間上にある南吹田駅

 12:26になり,久宝寺ゆき2450Sは新大阪を発車します。先頭1両目は初乗りのマニアで混雑していますが,それ以外はほぼ座席が埋まる程度です。土曜日の日中なので,新しい電車ができたので乗りに来たという感じの家族連れも多く,和やかな車内です。新大阪を出てしばらくは東海道線の西側を京都方面に向かって上り,東淀川駅の横を通りますが,こちらの線路にはホームがありません。その先で東海道線をオーバークロスして大きく右にカーブを切って,南吹田駅に着きます。おおさか東線内の1駅か2駅で途中下車をするつもりですが,最初の1駅で降りるのはちょっと度胸が要ります。今日のとびらの1枚は南吹田で撮ったものですが,開業記念ヘッドマーク付きの電車をなかなか良い感じで撮れました。

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南吹田駅の券売機と改札口

 南吹田は東海道線と神崎川に挟まれた場所のうえに,おおさか東線の高架もあって,人の動線が少ないせいか,妙に静かな駅前です。人の流れの切れ目を探せば,上のような誰もいない瞬間もあります。周囲には大阪の中心から郊外へ延びる線が多数あるので,それらを横につなぐ環状線の需要は多くないようです。駅施設は改札機も券売機も3台ずつとこぢんまりとしており,有人通路はなく,他の駅(センター?)からの遠隔監視で駅務が行われています。青春18きっぷで出入場する場合は自動改札機の横に備え付けられたカメラに券面をかざし,リモートで確認のうえゲートを開けてもらいます。これが意外と難物で,出場時はすんなり出られましたが,入場時は「回線が混みあっているのでしばらくお待ちください」になって列車の時間が迫っているのに,なかなか改札ゲートを通ることができませんでした。開業1週間なので慣熟未了のせいと思いますが,改善を期したいところです。

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開業記念ヘッドマーク付きの201系電車。2452S @放出

 ホームに戻り,1本段おちした2452Sでおおさか東線,新規開業区間の続きを乗り進みます。吹田への貨物線を分ける神崎川信号場を過ぎると線路や施設は貨物線時代からのものになり,新線の感じが乏しくなります。阪急電車をオーバークロスし,JR淡路を過ぎ,淀川を大きな鉄橋で渡ります。大阪の東郊の建込んだ住宅地の中を進みますが,車窓の楽しみはあまりありません。ところどころに屋根にブルーシートを張った家があり,去年の台風被害の大きさを感じます。上の地図で初めて知ったのですが,この辺は大阪環状線からも近く,最も近いところでは京橋駅から700m程度しか離れていません。都心に近い割には,ビルが少ない印象です。右から片町線が合流すると鴫野で,ここは路線別のホーム配置です。鴫野から放出までの1.6kmは二重戸籍区間で,この間に片町線の上り線(木津方向)と立体交差します。放出駅は方向別の複々線のホーム配置で,乗換えの便が考慮されているようです。

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JR西日本はスタンプの整備に結構力を入れている。南吹田は今回誂えたもの

 放出から先は2008年の開業後に既に乗っているので初めてではありませんが,住宅地の中を進む景色であまり記憶がありません。高井田中央(地下鉄中央線),JR河内永和(近鉄奈良線),JR俊徳道(近鉄大阪線)と3駅連続で大阪からの放射線と交差します。貨物の物流としては吹田から大阪の都心を避けて関西線,阪和線方面へ直結するのは意義がありましたが,これだけ鉄道網が稠密な地域に環状方向の人の流動は少ないようです。それは88年も前から貨物線は通じていたのに今まで旅客線に転用されなかったことが証明しています。せっかくのインフラだし,貨物列車は減っているので有効活用はよいですが,経営的には楽ではなさそうです。JR西日本としては奈良方面から新大阪駅を直結することがおおさか東線の意義でもあり,平日休日とも1日4本のその名も「直通快速」列車が走ります。

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関西線は221系の大和路快速で上る。3384K @久宝寺
(線路を勘違いし慌てて撮ったので,へんな写真ですが悪しからず)

 南吹田の後は,ここだ!という所がなく,結局,久宝寺まで来てしまいました。ここからはひたすら東に向かって帰宅の旅です。まだ,1本しか落としていないので,あと2本分,久宝寺を30分後に出る快速でも加茂からの接続は同じです。なんとなく昼には駅そばが食べたくなり,とりあえず奈良まで行くことにします。

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奈良駅観光案内所。元の駅舎ですが曳き家で18m移動したそうです

 奈良駅は2003(平成15)年に高架駅になり,一時は取り壊しも計画されたそうですが,1934年築の旧駅舎が残っているのでこれを見ます。観光案内所にしては過大なつくりですが,この経緯から世界的観光都市にふさわしい建物と思います。駅前は海外からの観光客も多く,ゆっくり見たいところですが,こちらは乗遅れで捻出した1時間の中を泳いでいる身なので,早々に食事を済ませます。一見したところ駅そばのスタンドが見当たらなかったので,昼はファーストフードのモスバーガーになりました。

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奈良~加茂間のつなぎは3390K @奈良

 奈良では30分を使い,後続の3390Kで加太越えの入口,加茂を目指します。奈良~加茂間は14分,食後のコーヒーを飲んでいる間に着いてしまいます。列車も消化試合モードでガラガラですが,先頭の中吊り広告を見るとJR東日本の新卒採用の募集案内が。昨今の就職活動事情は売り手市場とは聞いていますが,JR東日本がこんなところで採用活動をしているのは驚きです。

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解像度を下げているのでよく見えませんが,中吊りはJR東日本の募集案内 @3390K車内

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陽も出て明るい加茂駅のコンコース。国鉄時代の「わたしの旅」のスタンプ台も

 加茂では8分の接続で,亀山ゆきの240Dに乗換えます。スタンプを押しに駅舎に上がると,とんがり屋根のコンコースは明るく,天気の回復を感じます。240DはNDCというのか,レールバスと本物の気動車の中間のような,ステンレス製でクーラーなどにバス部品も使った軽快気動車の2両編成です。正式な形式はキハ120,製造は平成5年,新潟鐵工です。

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加茂~亀山間の240Dは軽快気動車 @加茂

 加茂までは電化され京阪奈の都市圏ですが,加茂を出ると急に緑が濃くなり,木津川に沿って谷を登ります。沿っている川は木津川で変わりませんが,月ケ瀬口~島ヶ原間で府県境を越えます。ここは奈良の東のイメージですが,電化された木津も含めて加茂,笠置などは京都府内です。関東人の僕は初めて知りましたが,この先は京都府と三重県が直接接する府県境です。

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島ヶ原まで来ると上野盆地の開けた景色になる @島ヶ原

 島ヶ原まで来ると多少開けた景色なり,上野盆地(伊賀盆地とも言いますが上野盆地が正しいようです)が広がります。暫く走って,16:18着の伊賀上野は久しぶりに見る大きな街です。右手に上野市の市街が広がり,大きな城跡も望めます。また,近鉄の伊賀神戸とを結ぶ伊賀鉄道と接続していて,旧東急1000系の200系が見えます。1000系電車は,日比谷線の乗入れ規格が変わったため車齢が浅いのに東急で使えなくなったもので,中古車両としては優良商品です。忍者の姿のラッピングは僕の好みとは違いますが,長く活躍してほしいものです。

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佐那具駅の出口。広い構内とYポイントがローカル然としている

 軽快気動車2両編成の240Dは伊賀盆地の中を軽快にコトコト走ります。各駅の造作は車両とは不釣り合いに広々した幹線の趣で,鉄道黎明期に官営で関ケ原まわりの東海道本線と民営で距離の短い関西鉄道で競った昔が偲ばれます。

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関西本線は上野盆地の中をまっすぐ進む @佐那具~新堂

 列車は盆地の中の比較的平らなところをまっすぐ進みます。府県境を越えた島ケ原からこの先,柘植まで,20km以上にわたり行政上は伊賀市内です。行く手には鈴鹿山脈の南端の山々が見えてきます。15:38,時刻表どおり柘植着,ここで3分止まり,下り列車と交換です。また,15:40には草津からの列車も到着し,各ホームが埋まり,いっときの賑わいになります。

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柘植では下り列車と交換

 柘植を出ると線路は加太越えの区間になり,しばらくは上り勾配です。少し長めのトンネルで木津川水系の柘植川と鈴鹿川水系の加太川の分水嶺を越えると,川の流れの向きが変わり,列車は気持ちよく下り勾配を転がります。少し前に書いたように,府県境は月ケ瀬口~島ケ原だったので,分水嶺と一致しない例になります。

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加太トンネルの入り口。歴史ある路線だけに重厚な造り

 柘植~加太間には中在家というスイッチバックの信号場があり,無煙化まではSL撮影のメッカだったそうです。日中1時間に1本の頻度では信号場は不要で,スイッチバックは廃止,今は棒線で建屋だけが残っています。見た限りでは信号機もなかったので,閉塞区間の境としての機能もなく,信号場としては廃止されたかのようですが,正しいところは分かりません。

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中在家信号場(跡?)

 さらに進むと,おもちゃのプラレールのシーナリーのような,全長20m位の短いトンネルがあります。土かむりが殆どなく,こんな所にわざわざトンネルが要るのかと思います。写真を見ると急カーブを避けるために敢えてトンネルを作ったようで,関西鉄道のスピード競争への執念を感じます。

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柘植~加太間の短小トンネル

 ところでこのキハ120ですが,助士席側は乗務員室がなく最前部に出入り台があるだけです。降り乗りのお客さんの邪魔にさえならなければ,カブリツキ派には最適です。午後の眠気を誘われる時間,座っていると寝てしまいそうなので,加太越えの前面展望をここでたっぷり楽しむことができました。

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関駅。ここも広い線路敷が歴史を物語る

 平地に降りると関で,駅舎は旧家の蔵のような造りです。ここは東海道の宿場町で,江戸後期から明治の街並みが残っているそうです。いずれ東海道徒歩きで訪れることになるのでしょうが,いつのことやらです。

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亀山駅前風景。予算が不足したのか?トイレだけは旧駅舎を使うへんな造りの駅舎

 16:05,時刻表どおり亀山に着きます。加茂~亀山の加太越えの1時間半弱は今回の旅行の目的の3でしたが,お天気にも恵まれ,とても楽しむことができました。京阪奈,名古屋からも遠くはないので,たまにDD51牽引の観光客車列車でも走らせたら,結構売れるのではないでしょうか。

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関西本線亀山~名古屋の5314M @亀山

 今回の旅行の目的3つを消化し満足して,後は横浜への帰宅の旅です。亀山では1時間ヘッドの加太越えの列車から,同じく1時間ヘッドの名古屋ゆき快速列車に程よい時間で接続します。亀山からは名古屋都市圏の電車区間になり,電車も転換クロスの313系です。行楽日和の夕方で,乗りも6~7割くらいはありそうで,同じ関西本線でも随分違います。

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車窓にはなぜかヒコーキが @井田川付近

 亀山を出てしばらく,加太越えの興奮も落ち着いてゆっくりしていると,左手車窓の国道沿いに怪しげな飛行機が見えます。とりあえず写真を撮りましたが,ジュラルミンの輝きは本物の質感です。家に帰って調べると,カナダのCPAirから東亜航空のエアライナーでコンベア240という機体だそうです。旅客機としてのレジ喪失後も,富山や岐阜で店舗や飾りとして使用された後,当地の横山商店という中古トラック販売店で保管されているそうです。整備,保管にも費用がかかりそうで,歴史ある機体が適切に長く保存されることを期します。

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長良川の河口付近では近鉄と並走 @桑名~長島

 列車は快速列車で,四日市を出ると途中は桑名のみの停車です。以前,DD51牽引の客車列車の頃は近鉄との競争は勝負にならなかったと思いますが,電化され列車も増えて今はそれなりに闘えるようになりました。桑名の先,長良川の鉄橋ではちょうど並走し,走りっぷりでは互角,所要時間も2分しか違いません。近鉄の留置線,JRの名古屋車両区が見えると終点名古屋は間近かです。

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名古屋では麺亭「かきつばた」のきしめんをいただく

 途中単線区間で運転停車もあり,先ほど並んだ近鉄電車に遅れること5分,16:33に名古屋に着きます。この先は毎度毎度の東海道を上る鈍行の旅です。多少早めですが,名古屋名物のきしめんで腹ごしらえをします。適当に入った在来線ホームのきしめんスタンドは「かきつばた」というお店,確か12月の来名のときは「住よし」だったので,きしめんスタンドには複数のブランドがあるようです。どっちがよいとは書きませんが,複数の業者が入って競争するのはよいことだと思います。

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名古屋~豊橋間は5348Fで。エンドチェンジ後の撮影ですみません @豊橋

 きしめんで腹ごしらえして東海道線上りホームに行くと,土曜日ではありますが帰宅ラッシュ時間帯で,ホームは混雑しています。何とか列車の後部にもぐり込み,豊橋までの小1時間を過ごします。途中駅混雑の影響もあり,豊橋には2分遅れの18:42に着きます。豊橋ではこの先の晩酌のビールやつまみと,家への土産のお菓子を買います。8分の予定のところ6分で慌ただしく買い物をしましたが,結局は次の980M浜松ゆきも4分遅れでの発車です。この時間になると車内も立っている人はいないので,ロングシートの車内でも軽くビールで晩酌をします。浜松では接続が悪く16分待って,858M静岡ゆきに乗換えです。さてこの858Mですが例によってオール211系5両トイレなし編成です。見ると若い実習中の車掌さんを連れた年配の車掌女史が車室内に添乗しているので,ちょっと意地悪だなと思いつつ,このトイレなし編成はどうにかならんかと聞いてみました。曰く,名古屋地区では改造してトイレをつけたりもしている,313系と211系は運用が分離しているのでトイレなし列車は固定である,遅れなどによる運用変更が頻繁に起きるので時刻表に表示するのは難しいとのことでした。考えてみればトイレ付編成は交番中に抜き取り作業が発生するので,トイレなし編成と混用はできないはずでした。そういえば新幹線も含めJR東海のトイレの手洗いですが,前立腺肥大のおじいさんの小便のようにチョロチョロしか出ないことが多く,他社のようにジャバ~と景気よく水の出る手洗いを見たことがありません。今日の東海道東上の鈍行の旅はおそろしく乗継ぎが悪く,静岡でも19分待って21:14の1464M熱海ゆき(ちなみにこれもトイレなし編成)に乗換えます。

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東海道線の各列車一括です。左上→右上→左下の順に980M @豊橋,858M @浜松,1464M @静岡,730M @熱海

 熱海ではたった6分の乗継ぎですが,改札を出て駅前のファミマに走り,夜食のサラダとワインなどを仕入れます。熱海からの730MはJR東日本のE233系,編成端はクロスシート,トイレ付きの車両です。この列車は品川止まりなので,上野東京ラインのEの付く列車番号は名乗らず,東海道線熱海口の昔からの700番台の列車番号が嬉しいです。熱海から大船も概ね1時間,食事をして,今日の旅行のメモなどまとめていればすぐ着きます。

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今日の〆は根岸線2334B。上野ゆきは1日1本のレアもの @大船

 大船からは2334B,今日の根岸線~京浜東北線北行の上野まで行く最終列車です。本来,青春18きっぷは日付が変わった最初の駅までが有効ですが,幸い根岸線は電車特定区間に入っているので,門限を越えても終電まで有効特例でこのまま乗車できます。新大阪4分延着の影響は大きかったですが,それ以降はほぼ時刻表どおりに旅行ができ,無事24:04,わが家最寄りの磯子駅に戻ってきました。

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今日の行程の軌跡。青春18きっぷ1日分で889.0㎞乗った

 最後におさらいをすると,今回の旅行はJR東海最長鈍行の3109F,JRグループの新規開業のおおさか東線,関西本線加太越えの3つの目標を無事達成できました。前から分かっていたことですが,3109Fはとても地味な列車で,なかなかこの列車を完乗する人もいないと思われます。おおさか東線は国鉄~JR全線完乗タイトルの維持には欠かせないものですが,たまたま降りた南吹田が唯一の新規に建設した区間の駅で良かったです。そして,関西本線加太越えは天気が良かったこともあり,幹線の風格と非電化ローカル線が同時に味わえ,この線の魅力を再発見できました。早朝から夜中までの旅行で身体にはきつかったですが,青春18きっぷを満喫した1日でした。さて,夏シーズンはどこへ行こうかと考えてしまいます。(2019.6.1記)

注:線路名称:JRの営業路線の名前と区間を定めた公告(詳しく知りたいかたはこちらを参照ください)

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