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2019-07

旅行日和の5月なかばに東武のSL列車「大樹」を訪ねる

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 昨年に続き5月19日(日)~20日(月)は高校時代の鉄道研究会の先輩がたと共に東武鉄道のSL列車,「大樹(たいじゅ)」を訪ねる合宿に行ってきました。いささか古新聞ですが,そのときの様子をご報告します。

 去年も同じ5月の連休後の週末でしたが,大井川鐡道で同じタイトルで合宿をしました(そのときの記事はこちら)。これに味をしめ,今年もやっぱりSLの走る所となり,遠征先は東武になったのでした。5月のこの時期は,気候も安定して暑くもなく,皆な5月の連休でお金を使ったので行楽地も比較的すいていて,旅行日和と思っています。今回も日帰り1名を含む6名で,こじんまりとしたグループ旅行です。

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出発は根岸線764A @磯子 2019.5.19(以下特記あるまで同じ)

 (2019年)5月19日(日)出発は自宅最寄りの磯子駅を7:32の根岸線列車です。集合は下今市発12:50の「大樹3号」なので,早い感じはしますが,いろいろ考えるとこの時間になりました。横浜からは7:53発,上野東京ラインの1540Eに乗れば,栗橋まで乗換えなしです。

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上野東京ライン1540E @横浜

 尾久あたりでふと車窓を見ると,線路端はたくさんの鉄道マニアのカメラの放列です。何か珍しい臨時列車が走るのでしょうか,こちらも興味をそそられます。一体何が来るのかと見ていましたが,大宮で答えが分かりました。EF81+カシオペアのE26系です。

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沿線にはたくさんのマニアが @蕨,皆さんの目当てはカシオペア @大宮

 同行の皆さんは下今市までは大抵,浅草もしくは北千住からリバティで来るようです。僕はリバティは去年の7月に乗ったし,浅草や北千住に出るのも面倒です。特急料金の節約も兼ね,栗橋から鈍行で下ることにします。昔は東武日光線はロマンスカーの系統のほか料金不要の快速列車が浅草から出ていたと記憶しますが,今は南栗橋で運転系統が分断されたようです。南栗橋以北の優等列車は「急行」という種別で,南栗橋発7:02,8:00,9:27,10:47のたった4本になってしまいました。JR経由で新宿乗入れも用意したことだし,経営的には料金収入のある特急へ誘導したいのも分かります。

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東武日光線の急行列車 @新栃木

 東北本線の普通列車は9:26時刻表どおり栗橋着。短めですが4分の接続で,東武日光線の急行に乗換えです。少々遅れてやってきた列車は6050系の4両編成です。6050系は元をただせば1964年から製作されたベージュと小豆色のツートンの2つ扉の快速用6000系です。1985年から車体を載せ替えたものの,足回りは製作から半世紀以上が経っています。載せ替えられた車体も年代は感じますが,きれいに使われていて好印象です。そもそも私鉄で2つ扉,ボックスシートが並ぶ車内,トイレ付きの車両は多くなく,それだけで旅心をそそります。

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昔懐かしい乗務員室背面の見たて @クハ6251

 一歩車内に足を踏み入れれば,そこは昭和の時代の東武の電車です。僕は高校時代は東武東上線で通い,下校時は頻繁に前面かぶりつきをしていました。「乗務員室立入り禁止」の掲示,アルナ工機/昭和60年の銘板など当時と全く変わりありません。車室側に目を移せば扉間に7つ並ぶボックスシートは窓側にもモケット張りのひじ掛けがつき,テーブルは超特大サイズと,国鉄165系をはるかに凌ぐアコモデーションです。

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6050系の車内,ボックスシートの見たて

 栗橋を出ると線路はほぼ直角にカーブを切り,利根川の本流を渡ります。ここの築堤上を走る列車の写真を撮ったら絵になりそうです。この辺りまで来ると東武とはいっても車窓はローカル然としてきて,田んぼが広がります。

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お天気は今一つの車窓に田んぼが広がる @静和あたり

 新栃木を出ると新鹿沼,下今市の順の停車でやや駅間が開き,車掌さんが案内かたがた車室内に出ています,この辺では東武でも無人駅があり,無札のお客さんにきっぷを売っています。記念に1枚所望すると快諾,栃木~新栃木の小児で80円です。ここの車内券は昔懐かしいパンチ式ですが,パンチは使わずにボールペンで該当箇所に○印を書いて売っています。今どきはパンチが入手できないのか尋ねたら,パンチカスが車内に散らかるのを防ぐためだそうです。また,発行箇所を見ると下今市機関区乗務員とあり,今どき珍しい現業職場名で,SL運転に合わせて改称したのでしょうか。

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昔懐かしい東武の車内券 

 日光が近づくと車窓は杉並木が続くようになります。栃木でまとまった降りがあり,車内も空いてのんびりとした日曜の朝の雰囲気です。こちらは,明日の午後は時間があるので鉄ちゃんできる所はないか探しながら,かぶりついたり,車窓を見たりと忙しいです。

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日光杉並木のなかを抜けて走る @明神あたり

 10:35,時刻表どおり下今市着。「大樹2号」の走りの写真を撮ろうと早めに着きましたが,11:21の下今市到着までまだ時間があります。6050系の急行がとても気分良いので降りるのが惜しくなり,終点の東武日光まで行くことにします。と言っても乗車時間は7分,杉並木の最後と日光の市街地のどうということはない車窓です。10:44,東武日光着。4分後の10:48に上り下今市ゆきのチョン行があるので,スタンプだけ押してすぐに折返しです。

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東武日光に並ぶ6050系。左の201は1本しかない会津鉄道の所有車

 東武日光から引返しての下今市着は10:57です。「大樹」の上りを撮ろうと駅の周辺で絵になりそうなポイントを探します。地図を見ると駅を出てすぐの所に大谷川を渡る鉄橋があるので,その近辺で見繕うことにします。ところが,この鉄橋は下路式のプレートガーダーで足回りが全然見えません。こんなことなら鉄橋の取付け部の築堤の方がよさそうですが,列車の時間も迫っており,あとの祭りです。

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SL「大樹」の写真には違いないけど @大谷向~下今市

 下今市は二宮尊徳公の出身地だそうで,報徳二宮神社が駅の近くにあります。1枚写真を撮った帰りはちょっと遠回りをしてこの神社をお詣りします。僕は二宮尊徳という世代ではありませんが,親の小学生時代は校庭の片隅に二宮尊徳の銅像が建っていたと聞かされました。戦前の勤勉の象徴のような話ですが,仕事にブログ書きに精進しなければと頭を下げてきます。

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報徳二宮神社。幟が裏側ですみません...

 今市は日光街道の宿場町で,平成の大合併で日光市に編入されましたが,以前は独立した市でした。報徳二宮神社から駅への道々は昔からの商店街の趣です。今市宿は日光街道だけでなく,日光例幣使街道,日光北街道,会津西街道,壬生通りの宿駅だったそうで交通の要衝でした。その名残か小倉町の交差点は3つの国道が集まる複雑な形です。おまけに信号の現示がただの青と左,まっすぐ,右の矢印が同時に点灯する現示がある変わった交差点です。後ほど弁当やお酒を仕入れに来るので,街の様子をサーベイしながら駅へ急ぎます。

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小倉町の交差点。左,まっすぐ,右の矢印が同時に点灯。この他にただの青もある

 駅に戻ると次はSLの見学です。下今市駅構内はSL展示館,転車台広場などが整備されていますが,旅客が見学するにはきっぷが必要です。入場券を買おうと窓口を覗くと「日光・鬼怒川エリア鉄道乗り放題きっぷ」,500円という商品があるので,これを買います。先ほどの東武日光~下今市間の運賃195円はまるまる損をしてしまいました。

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下今市の駅前風景。「大樹」の運転に合わせて昭和レトロな雰囲気に整備された

 乗り放題きっぷを見せて入場し,跨線橋を渡って駅裏に出ると,そこには「大樹」の運転に合わせて整備されたSL関連の施設があります。跨線橋直結の資料展示施設のSL展示館,転車台,SL格納庫とそれらを結んで広がる見学ゾーンです。神社に寄ったりしたので,機関車は転向作業を既に終え,庫内で休んでいます。僕が着いた時は,補機のDE10が引上げてきて列車の後ろ側に回送するところでした。

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補機のDE10。この機関車もとてもきれいに整備されている

 SL格納庫は,転車台に隣接し扇形をしていますが,現時点でSLとDL各1両しか配置がないので小ぢんまりとしたものです。この建物も昔風の赤レンガ作りですが,脇には排煙設備なども設けられ,環境対策が図られているようです。

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扇形庫とはちょっと言いづらい2線用のSL格納庫

 「大樹3号」の発車の30分前,12:20になると機関車も出てきて発車の準備が始まります。機関車はタンク機C11ですが,車掌車のヨ8709を従えています。C11の狭いキャブ内に大型の機器類を設置することができず一部の信号・保安装置を搭載しているそうです。写真を撮るとき少々邪魔な感じもしますが,機関車の一部と考えることにします。

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転車台で。C11本体と控え車のヨ

 構内の側線でSL C11+14系客車3両+補機のDE10の編成を組み,一旦,新鹿沼方に引上げ,しずしずと4番線ホームに据え付けられます。

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「大樹3号」入線

 列車に乗れば,去年も一緒に旅行に行った高校時代の先輩方と落合い,しばし談笑します。下今市から鬼怒川公園の車窓は鬼怒川の川沿いの景色で大したことはありません。景色を楽しむというよりは,沿線の撮影地を探す感じで眺めます。鬼怒川公園までは36分の乗車ですが,食事に景色に談笑していればあっという間です。

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「大樹3号」乗車記念カードと「日光・鬼怒川エリア鉄道乗り放題きっぷ」
 
 車内では乗車記念カードが配られますが,1号~6号まで異なる図柄で,6種集めると特製のコインがもらえるそうです。36分で指定席券750円でも高いと思っているのに,6枚集めるのは容易ではありません。聞くと,集める人は1日に3往復して6枚集めるそうです。確かに現地に赴くのが大変なので,それが効率的ではあります。

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鬼怒川公園に着きキャブの機関士さんも一息

 鬼怒川公園に着いた後は,ホテルに入るには早いので,下今市に戻るSL列車の写真を撮ったりして過ごします。ここのSL復活運転では鬼怒川公園にも転車台が設けられ,両方向とも前向きで走れるようになっています。また,SLの転向がアトラクションになっていて,駅前広場のすぐ横で転向の作業が行われます。

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鬼怒川公園駅での転向作業。ここは入場券不要

 「大樹」の撮影地を調べると,鬼怒川公園駅を出てすぐの所が小広くなっていて,上り列車に好適とあります。遠くに行く時間もないのと,同行者は朝から乗込んで既に1本撮影済ということで手近な場所で済ませます。撮影場所に着くと,確かに遮るものなく列車が見渡せます。発車の時間になると,すかしっ屁のような汽笛を吹いて列車がやってきます。駅での起動直後の割に煙が少なく,DLに押してもらっているようです。昔,現役のSLを追いかけていた先輩によれば,ロッドは下あるのが良いそうで,下の写真は合格です。

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鬼怒川公園駅を出る「大樹4号」

 ここで「大樹」についてまとめると,車内券で見た「下今市機関区」に始まり,下今市駅の整備,下今市,鬼怒川公園両駅の転車台設備...と東武のSL復活運転にかける意気込みが伝わってきました。単にSL列車を走らせるだけでなく,鉄道システム全体として昭和レトロを楽しめるようにしているようです。残念なのは走行区間と景色なので,年に数回でもよいので下今市以南の景色のよい区間で走ることができるとよいと思います(杉並木を走るので沿線火災の心配がある...?)。

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新緑の湖上を行く野岩線列車 @湯西川温泉

 今夜の宿は野岩線を少し下った湯西川温泉です。今回は車で参着のかたもおり,乗れば40分程度の道のりです。湯西川温泉駅は道の駅併設で,五十里湖を見ながらゆっくりできるのでここで休憩です。時刻表を見るとちょうど上下各1本の列車があるので,ここで写真を撮ります。新緑がきれいですが鉄橋がうるさくてなかなかよい構図になりません。鉄橋の上に回り込むと,お顔だけが見える場所があるので,リバティはここで撮ってみます。

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新緑の湖上を行く「リバティ会津140号」 @湯西川温泉

 温泉に着けば,「大樹」の反省会,最近の鉄道談議,高校時代の昔話に花を咲かせます。今年は車参加の人もいて荷物の制約がなかったこともあり,Nゲージ車両を持ち込み簡易運転会です。TOMIXの組レール1箱ちょっとの小判型エンドレスですが,場の雰囲気で大盛上がりです。写真がないのが残念ですが,キューロク+セム車の行列,C62+10系の寝台列車,EF57+20系の寝台列車と昭和50年代の列車で小1時間楽しみます。

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湯西川に沿って並ぶ古い民家。さすがに茅葺の家はもうない 2019.5.20(以下同じ)

 ここ湯西川は平家の落人伝説の地で,ホテルの周りはちょっとした観光地になっています。翌5月20日(月)は早起きをして朝食前のタウンウォーキングを楽しみます。今朝は天気もよく上野・会津の国境の山々の新緑がきれいです。ところでここ湯西川温泉は元は塩谷郡栗山村でしたが2006年からは日光市の一部です。昨日通った今市,わたらせ渓谷鉄道の上流の足尾など,ほぼ四角い栃木県の北西の角約4分の1は全て日光市で,ちょっと驚きです。

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日光金谷ホテル前を行く東武の路線バス

 ほどほどの時間にホテルをチェックアウト,今日の月曜日は会社はお休みなのでゆっくり帰途に就きます。同行の皆さんと日光まで上り,東照宮を参拝,観光し,昼食後,東照宮の駐車場で散会になります。帰る道々ですが,昨日は新古河~栗橋間の利根川を渡る鉄橋の築堤で写真を撮るつもりでしたが,雲が多くなってきました。一方,日光市内では日光軌道の電車をイメージしたバスが走っていて,これの写真を撮りたくなりました。

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神橋の傍らを行く世界遺産めぐりバス

 調べると,このバスは休日は鬼怒川温泉駅と日光の世界遺産地区を結ぶ路線に入るようですが,平日の今日はどこを走っているのか分かりません。金谷ホテル,神橋の近くで1時間近く粘りましたが,お目当てのバスはやってきません。そうこうするうち雨も降ってきたので,諦めて駅に向かって歩き始めます。鉢石町のバス停あたりまで歩いたところでちょうど日光軌道タイプバスがやってきました。

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東武バス日光,日光軌道タイプバス。右は後ろ側

 このバスですが,ふつうのラッピングバスよりだいぶ手が込んでいて,方向幕は幕の仕様,後ろ側も2位?の運転台のような見付になっています。とりあえず満足して東武日光駅に到着,結局,東照宮から駅まで歩いてしまいました。JRの日光駅は貴賓室などの見どころもあるので両方の駅を見るつもりですが,予定をたてるために,帰りの列車を検索します。ちょうど8分後の14:29に東武の上り列車があり,その後は15:34の区間急行まで1時間以上列車がありません。JR駅はパスすることにして,家への土産とビールを買って,慌てて電車に駆け込みます。

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東武日光駅はスイスのシャレーを大きくしたような三角屋根

 せめて写真だけでも撮ろうとJRの日光駅を見ていると,ホームには四季島が来ていました。後で携帯を見ると,同行者の間でも日光駅に四季島が来ているの情報が飛んでいたようです。

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JRの日光駅。ホームには四季島が見える

 東武の普通列車は新栃木ゆきで,これも6050系です。月曜の昼下がりとあって車内はガラガラ,ボックスシート占拠でビール片手に気ままな一人旅を楽しみます。小1時間かかって15:22,新栃木着,ここでスジが切れていて15分後の南栗橋ゆきに乗換えです。新栃木では隣りのホームに栃木ゆきが待っていて,栃木までのお客さんはこちらに乗換えます。

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東武20000系電車。左は車両の中ほどの様子 @新栃木

 この栃木ゆきですが電車は20000系です。この電車は比較的車齢は若いと思いますが,日比谷線乗入れの規格が変わったため用途を失い,ローカルに転用されたようです。20000系の一部は混雑対策で一時はやった多扉車で,ここでは余計な扉2つが埋められています。車両の更新,合理化といえば聞こえはよいですが,古びた6050系の方が長距離の旅行者には魅力的です。

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15分の接続待ちの間にスペーシアも見送る @新栃木

 スペーシアを見送った後,別の6050系が入ってきて,15:37の南栗橋ゆきになります。東武の列車設定ポリシーは分かりませんが,そんなことなら15分の長時間停車で日光からの電車をそのまま走らせればよいと思います。スペーシアの通過する本線を占領する訳にゆかないので,ホームのやりくりは大変そうですが。
 栗橋には時刻表どおり16:16着。昨日からの東武のローカル列車の旅は楽しく,このまま浅草や業平橋まで乗ってみたくなります。しかし,トイレのない通勤タイプの電車に長時間揺られるのはぞっとしないので,予定どおり栗橋で列車を降ります。ここから東北本線の中距離電車に乗れば,上野東京ライン経由1時間半で横浜に帰着です。

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新栃木からも6050系の快適な旅は続く

 2日目の午後は雨に降られましたが,気候のよい5月中旬,今年も楽しい鉄道研究会OB会の旅でした。さて来年は秩父鉄道か真岡,はたまた王道の高崎のSLか,早くも来年を期待してこの稿を終わります。(2019.6.30記)
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讃岐うどんと京急電車OBを求めて家族で冬の香川へ・後編

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(前編はこちら
 今年(2019年)2月に行った香川への家族旅行の後編をお届けします。旅行2日目,2月11日(月)午前は,香川旅行と言いながら徳島県鳴門市の大塚国際美術館を鑑賞しました。せっかく鳴門まで来たので,鳴門公園の散策を楽しみます。大塚国際美術館を大満足で後にしますが,どうも感性が疲れていて,どこか広々とした所でゆっくりしたい気分なのです。

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大鳴門橋。渦の中に観潮観光船がいます @お茶園展望台 2019.2.11(以降,特記あるまで同じ)

 美術館前の鳴門公園ゆきのバス停を見ると15:43便が行ったばかりのようです。携帯の地図で検索すると歩いてもたいした距離ではないようなので,雨上がりの道を歩きます。途中から上り坂になりますが,大鳴門橋架橋記念館エディが見えるので,とりあえずはそこを目指して行きます。エディからは渦の上まで観潮遊歩道も続いていますが,今日は時間が押しているのでパス,記念館周辺から橋と渦を見るだけとします。橋は鋼構造物・道路でのりものとはちょっと違いますが,公共交通という意味ではとても親しい存在で,幼稚園入園前の絵本「のりもの あいうえお」の「お・音戸大橋」以来興味があるのです。たまたま今日の渦の見ごろは16:30だそうで,ほぼぴったりです。見ていると観潮観光船が橋のたもとの渦の周辺を走っています。

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鳴門線975D。キハ47はJR四国でも数が減っていて,稀少な存在らしい @鳴門

 鳴門公園ではエディのほか橋の北側の千畳敷,南側のお茶園の展望台にも行き,16:35のバスで引上げます。バスはほどほどの時間で折返してしまうので,美術館から歩いたおかげでたっぷり観光できました。鳴門からは列車の旅に戻り,975Dで池谷を目指します。続いて池谷~引田は19.1㎞ですが,特急チョイ乗りで17:54に引田に着きます。引田では和三盆のお店,さぬき和三宝ばいこう堂の本店を訪れます。和三盆とは竹蔗(ちくしゃ)というサトウキビから作られる稀少な砂糖で,香川県,徳島県のごく一部でしか生産されません。これを使った落雁のような干菓子があり,ばいこう堂は「和三宝」という名前で商標登録したようです。わが家はなぜか和三盆が好きで,香川に行くなら是非ばいこう堂となったものです。本当は工場見学に行きたかったのですが,短い旅程からそこまではできず,今日も18:30までの営業時間に滑込みです。横浜からの来訪と告げ,たっぷり試食のお菓子もいただき,満足です。

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さぬき和三宝ばいこう堂本店。季節柄大きな雛段が飾ってあります

 約1時間の引田滞在,18:56の「うずしお26号」も28.8kmの特急チョイ乗りで,次は志度を目指します。この「うずしお26号」ですが,2017年登場の新型2600系での運転です。主機は450PS,最高速度120㎞/h,JR東日本の「あずさ」のE353系のような空気バネ式車体傾斜制御付ですが,急曲線が連続する土讃線ではエア供給が不足するため旧来の制御付振り子制御に戻した2700系に移行した...というのが2600系のトピックです。

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2600系「うずしお」。引田に着いたときに撮った23号

 「うずしお26号」は特急とはいっても10分に満たない間隔で,三本松,讃岐津田,オレンジタウン,志度と止まります。夜になってしまいましたが,ことでん志度線に乗るべく,志度で降ります。地図によれば琴電志度駅は,JRの志度駅から国道を渡ればすぐです。ところが,まだ夜7時過ぎだというのに,あたりは暗く人気(ひとけ)もなく,奥とジュニアはホントに駅なんてあるの?と訝ります。駅に着けば,そこは昭和レトロ漂う,温かみのある駅でした。改札口にはスタンプもあり,インクの状態もよく整備されています。ググると香川在住の鉄道写真家が年に数個づつスタンプを製作して寄贈しているうちの1つで,ありがたいことです。

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琴電志度駅のスタンプ。個人製作の寄贈品のよう

 志度からはガラガラのことでんでゆっくりしながら,高松の中心部を目指します。瓦町到着後は遅い夕食ですが,名物・骨付鳥で香川滞在を楽しみます。

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ことでん・JRぐるりーんきっぷと案内ちらし(拡大はこちら

 翌2月12日は帰りのフライトまでを高松近郊で過ごします。ジュニアは元京急の名車600形,ことでん1070形の写真を撮りに行きたいと言うので,朝はこれに付き合います。場所は一昨日の車窓やwebの情報から,仏生山駅の近くと決めます。1070形は2つ扉のため日中の運用には入らず,平日のラッシュ時のみの運用のため,早起きして7:35の電車で瓦町を出発です。

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京急ラッピングの元京急1000形の1083 @仏生山 2019.2.12(以下同じ)

 仏生山に着くと,これもお目当てだった京急ラッピングの1083がホームに止まっています。ラッキーとばかり写真を撮ります。仏生山からは複線化の意図があったのか広い軌道敷の区間がしばらく続き,足回りまできれいに入りそうです。ここという場所まで着いていませんが踏切が鳴るので構えると,先ほど準備をしていた1083が回送列車で走ってきました。この電車は京急1000形の車体に新1000形の窓回り白のラッピングをしたので,なにか印象が異なります。とくに方向幕の上のライトがヘンです。あまり評判がよくなかったとみえて,赤に白帯の1000形標準色のラッピングも「還暦の赤い電車」として3月6日から運転されています。こちらのラッピングはクラウドファウンディングによるそうで,京急の人気,ネットの時代を感じます。

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元京急600形の1074。遠くに讃岐富士も見えます @仏生山~空港通り

 さて本命の1070形ですが,現在は2本が在籍,一昨日の日曜日に琴平で1本を見,今朝は8:00過ぎに滝宮ゆきで1本が下って行ったので,うまくすれば2本が撮れそうです。期待して待つと,5分位の間にたて続けに1070形を先頭にした列車が上って来ます。今日のとびらの1枚の元京急1000形の1092も来て,上々の成果に満足して引揚げます。

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栗林公園の案内図

 今日もアクティビティは豊富で,僕は奥と栗林公園の散策に行きます。ジュニアは「花より電車」で,元京急の電車を求めて長尾線に行くと言います。長尾線用のことでん1300形は京急の1000形でも1251番以降の空気ばね,集中型クーラー搭載車を種車としており,こちらも乗りたいそうです。一旦,ホテルに戻り,遅い朝食の後の出発,栗林公園に着いたら11:00前になっていました。

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栗林公園内,香川県商工奨励館の周辺

 栗林公園は高松市中心部の紫雲山を借景とした16万平方mの都市公園で,国の特別名勝です。歴史的には1600年代初めの当地の領主だった生駒氏の家臣の作庭まで遡りますが,江戸時代を通じて高松藩松平家が整備し,国もとの下屋敷として使用されました。廃藩置県後は明治政府に官収されましたが,香川県に払下げられ,現在もその管理です。栗林公園はなぜか日本三名園に入りませんが,明治の頃から「木石の庭の美しさは日本三名園より優れる」と言われ,ミシュランガイドでも「わざわざ旅行する価値がある」3つ星(最高位)にランクされています。

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栗林公園内,桶樋滝。実はポンプで汲上げた水を流している

 さてどこから見るかな...と思っていると,観光ボランティアのかたが声をかけてくれます。日頃はこういうサービスはあてにせず自分で歩くのですが,今日は声のかけ方が上手だったのか,誘われるままに1時間コースで案内をお願いします。公園は南庭と北庭からなり,北庭は御殿が建っていた所を大正時代に整備したそうで,江戸時代の大名庭園の趣が残る南庭を中心に案内していただきます。1時間分の案内はここには書ききれないので省略しますが,一言でとてもきれい--庭園としての整備が行き届いている--で,高松に行ったら見学をお薦めします。

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栗林公園内,飛来峰から南湖を望む

 リクエストどおり1時間での見学を終え,ジュニアに連絡をとると,奥が薦めたせいもあり,彼も見学すると言います。僕は例によって園内スタンプラリーで1周し,つごう栗林公園を2時間半がかりで2周見学することになりました。だったら自分も長尾に行っておけばよかったとも思いますが,栗林公園のボランティアガイドの説明も良かったので,後悔はしません。昼も遅くなってから都心に戻り,またしても讃岐うどんの昼ごはんを食べます。

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丸亀城。石垣が見どころだそう

 うどん屋を出れば時刻は14:30前,帰りの飛行機まで4時間半位あります。朝の計画では,瀬戸大橋でも見に行こうと思っていました。時間もないし,朝の栗林公園の案内のかたが丸亀城が良いと言っていたのを思い出し,夕方のアクティビティはこれに決まりです。丸亀での滞在時間は1時間ですが,お城ぐらいは見ることができそうです。高松からJRの近郊電車で28分で丸亀駅です。城まではバス,タクシー,歩き...微妙な距離ですが,15分くらいで着きそうなので歩きます。

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丸亀城から瀬戸大橋を望む

 城址の公園に入り,確かにきれいな石垣を見て,二の丸まで登ります。今日は天気がよく,晴れ渡った空の下,瀬戸大橋が本州まできれいに見えています。2,3枚の写真を撮ったら,もう戻りです。

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丸亀駅構内風景。わたしの旅スタンプ台が残る

 駅に戻ると,2月とはいえ陽射しのなかを歩いて一汗かいたので,奥とジュニアはスイーツを買いに売店に駆込みます。僕はスタンプを押しに行きますが,ここは懐かしい「わたしの旅スタンプ台」が健在です。少々雑然とした印象はありますが,アンパンマンからICカードのチャージ機,ダイヤ改正のポスターなどと共に並んでいて,大切に使われているようです。ホームに上がると1本前の「南風18号」のアンパンマン特急が出てゆくところです。この列車を見送り,16:08のサンポートリレー号に乗れば30分もかからず,高松に着きます。僕はライフワークの旅客営業規則の解説記事の「特定の分岐区間の区間外乗車」用に宇多津の三角線の写真を撮りたくて,左側車窓にかじりつきますが,思うような写真は撮れませんでした。

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JR四国の目物?アンパンマン特急の「南風18号」 @丸亀

 今日は,ことでんのフリーきっぷを持っているので,空港への足はこれを最大限活用します。朝行った仏生山の隣の空港通りまで電車に乗れば,空港バスの空港通り一宮のバス停はすぐです。17:52高松空港着,3日の香川旅行も終わりです。最後に空港内のうどん屋で,旅行3杯目の讃岐うどんを楽しみます。

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高松~羽田のANA540便はSTAR WARS JETのJA604A @羽田空港

 高松発19:10のANA540便に乗れば1時間ちょっとのフライトで羽田着。羽田からも1時間ちょっとで22:00過ぎには自宅に戻ります。高松に行くことから始まった3日間の香川旅行ですが,たっぷりうどんを食べ,香川の観光スポットを堪能しました。会社の香川出身の同僚いわく,うどんを食べて栗林公園を見て,金比羅山に登るくらいしかやることないと言っていたので,大塚国際美術館も含めて多くのプラスのアクティビティをこなしました。僕としては船で小豆島に渡り,瀬戸内海におちる夕日でも眺めてゆっくりしたかったので,また次回にとっておくこととします。(2019.6.15記)

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