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2022-02

1990年代の欧州鉄道旅行・その1-4--1992年5月のフランス,オランダ,ドイツから帰国まで

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その1-3から

 今日は1992年のゴールデンウィークのヨーロッパ旅行から,その1-3でお届けした氷河特急に乗った次の日から帰国までをお届けします。具体的にはツエルマットを朝出てTGVでパリに上り,ユトレヒトの鉄道博物館を見たあと,旅行出発地のフランクフルトに戻ります。筆を起こす前は消化試合のレポートと思っていましたが,博物館を訪れたり,鉄ちゃん(鉄道写真を撮ること)をしたりと意外と充実した内容でした。

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この日の行程表

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BVZの登山列車 1992.5.1(特記あるまで同じ)

 (1992年)5月1日はスイスのリゾート地ツエルマットから出発です。列車はツエルマット9:10のブリーク-フィスプ-ツエルマット鉄道(BVZ)のブリークゆきです。昨日,氷河特急で登った線路を普通列車で下ってゆきます。一部にラックレールを使って急勾配をしずしずと下る区間があり,45kmに1時間24分もかかります(表定速度32.1km/h)。終点のブリークではシュピーツ方面の列車に乗換えです。

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レッチェベルク線からの車窓

 ブリークからシュピーツまでは線路戸籍上は私鉄のレッチェベルク鉄道(BLS)ですが,ここはアルプスを貫く幹線鉄道で国鉄と遜色ない列車が走っています。ブリークからBVZの列車で先ほど走ってきたローヌ谷の北岸を川に沿って走りますが,ぐんぐん高度を上げ,フィスプの街などが眼下に広がります。ここは今回の旅行でもとくに記憶に残るよい景色でした。

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レッチェベルク線の列車と車窓

 このフィスプからシュピーツはベルンアルプスの峠越え区間で,2007年にレッチェベルクベーストンネルが開通して新線に切り替わっています。当時は1時間以上かかっていましたが,今の時刻表を見るとIC列車で35分で走り切ります。幸いなことに旧線もローカル線として残っているので,いつか訪ねてみたいと思います。

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シュピーツで顔を並べるGBSとBLSの列車。右のBLSは国鉄の列車のよう

 シュピーツからはGBSの列車でツバイジンメンに向かいますが,記録によれば時間潰しにツーンまでを往復したようです。ツバイジンメンゆきの列車はいかにも私鉄らしい顔をした2色塗りの電車です。終点ツバイジンメンではモントルー・オーベルラン・ベルノワ鉄道(MOB)の電車に乗換え,モントルーを目指します。MOBは狭軌の青い電車でベルナーアルプスの西の端を走り,ゴールデン・パスと呼ばれる観光鉄道になっています。下の写真はふつうの電車ですが,小田急のロマンスカーのような展望席を備えた列車も走っています。スイスの観光鉄道も3日目になり,感覚が麻痺してしまって,絶景車窓の印象はありません。その3に書いたような氷河地帯とは違う,緑の牧草地に牛が点々といるようなのどかな車窓だったと思います。

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MOBの電車

 ツバイジンメンからちょっきり2時間でレマン湖のほとりのモントルーに着きます。ブリークからのIC列車なら120km1時間20分の行程ですが,ベルナーアルプスを2回越えて5時間半がかりです。

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レマン湖の景色

 旅行も終盤に差し掛かってきたので,荷物の中から汚れ物の衣料や時刻表など重さの嵩むものをまとめて,駅前の郵便局から自宅に送ります。DHLのような国際小荷物のサービスは当時もあったのでしょうが僕は知らなくて,ふつうに郵便局に行って発送したら自分のほうが先に着いていました。モントルーからは再びスイス国鉄の幹線でローザンヌを目指します。

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スイス国鉄の列車。この頃の欧州ではこんな客車が主流 @モントルー(?)

 約20分の乗車で列車はローザンヌに着きます。ローザンヌからはフランス国鉄の誇る高速列車TGVでパリを目指します。TGV南東線は基本的にはパリ~リヨン間の運転ですが,一部の列車はジュネーブを経てローザンヌまで乗り入れています。欧州では新幹線といっても軌間や架線電圧など主要な規格が共通なので,国境を跨ぐような乗り入れが簡単にできるのは便利です。

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TGVの電車。ホームからはみ出すので写真が撮りづらい @ローザンヌ

 TGVは,ドイツのICEより随分早く,1981から走っているヨーロッパの高速列車の老舗です。雨の降る夕方のローザンヌを出れば,3時間46分でパリ・リヨン駅に着きます。TGVは新幹線をしのぐ世界最速の列車,どんなものだろうと期待して乗りましたが,車体の断面が小さく窮屈だったのが印象です。パリはヨーロッパのターミナルの典型で路線別にターミナルがあり,リヨン駅から北駅までを地下鉄で繋ぎます。初めての海外旅行の大都市の夜なので,物盗りに用心しながらの移動で写真は残っていません。

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パリ~アムステルダムを結ぶ夜行列車 @パリ北駅

 パリ北駅では夜行列車に備え夕食を摂りますが,またまたマクドナルドです。知らない外国人にフランと両替してくれとせがまれますが,僕もパリ滞在は2時間なので最低限しか持ち合わせがなく,面倒なので言葉が分からないフリをして無視します。パリ~アムステルダム間は541km,ゆっくり走る夜行列車でちょうど1晩(8時間55分)の行程ですが,今は高速列車タリスが3時間20分で結んでいて夜行列車はないようです。段々,ヨーロッパの鉄道旅行にも慣れてきて,この晩はクシェットというJRの開放式B寝台のような簡易寝台に泊まります。

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オランダの電気機関車 1992.5.2(特記あるまで同じ)

 翌5月2日は夜行列車の着時刻としては申し分ない8:05にアムステルダム中央駅に着きます。アムステルダムは旅行の最初にも来たので,ドイツ,オーストリア,スイス,フランスとぐるりと一回りしたことになります。前回はゆっくりできなかったので,朝の時間はアムステルダムからデンハーグ,ロッテルダム,ユトレヒトなどオランダの中心部の都市を郊外電車で巡ります。

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オランダの郊外電車。ちょっとクハ481-200似

 オランダはこの当時でも比較的電車列車が多い国で,今日のとびらに使ったドッグノーズと呼ばれるタイプの電車が頻繁に走っています。ドッグノーズはやや旧式になっていて,最近は鼻が短くなり客室が長くなったタイプが多くなっているようです。また,ベネルクスとまとめて呼ばれるように隣国ベルギーとの結びつきが強く,IC列車にはベルギー国鉄の車両も混じっています。

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ベルギーから来たIC列車

 オランダでは鉄道博物館に行く計画をたてていて,10時過ぎにユトレヒトに着きます。ユトレヒト駅から鉄道博物館へはバスで移動です。見知らぬ海外の街で,言葉も通じないなかでの市内バスでの移動は骨が折れます。バスに乗れば有名なユトレヒト教会の大聖堂なども見えます。長崎のハウステンボスのドウムはこの教会を模した建物ですが,確かにそっくりです。

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ユトレヒトの大聖堂前を行くバス

 この博物館は鉄道専門で,オランダの鉄道創業時の車両から現代に至るまで,いろいろな車両を展示しています。今ならデジカメでバシャバシャ写真を撮ると思いますが,当時は銀塩フィルムなのでとくに気に入ったものしか写真がありません。

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オランダ鉄道博物館の入口風景

 下は多分,鉄道の草創期の機関車だと思いますが,手入れも行き届いていて気持ちがいいです。

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オランダの鉄道草創期の蒸気機関車

 もう一つは戦前に流行ったドイツのガラス電車のような展望電車です。と思っていたのですが,記事を書くために確認したら,この車両は1954年製,Camel(らくだ)の愛称を持つ鉄道幹部の視察用の車両だそうです。車内にはキッチンと会議室があり,部内の利用のほか,要人の移動にも用いられたそうです。

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NS20 Camel

 博物館で約3時間を過ごし,その後はドイツのケルンまでユーロシティ(EC)列車で移動です。何度も書きますが,この頃のヨーロッパはどこに行っても優等のEC,IC列車は客車が主体で,客車党の僕にはたまりません。下の写真のドイツの103型電気機関車は僕でも知っているドイツの名機ですが,赤色1色の東西ドイツ統一カラーはどうもぞっとしません。

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多分EC147列車。赤色一色塗装の103型牽引

 何時間でも乗っていたいようなECで約2時間でケルンに着きます。ここケルンもまた大聖堂が有名ですが,中央駅のすぐ横に建っています。ふつうの人なら大聖堂を見たり観光をするところですが,15:42にケルン中央駅に着いた後は駅撮りで鉄ちゃんをします。

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大聖堂の脇を行くオリジナル塗色の103型 @ケルン中央駅

 ケルン中央駅は大聖堂のほかライン川を渡る大きな鉄橋の袂にあり,重厚な鉄橋を入れて列車の写真を撮ることができます。ここでは随分粘ってたくさんの写真を撮ります。

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まずはお気に入りのオリジナル塗色の103型の牽くIC列車 @ケルン中央駅

 103型は登場から20年経っても第1線の現役ですが,後継の120型がトラブルに悩まされ,量産,増備が進まなかったことも一因です。なお,120型は開発初期のインバータ制御を採用した客貨に使える汎用機で,その後の鉄道電気技術の基礎をなしたとはWIKIPEDIA日本語版の評です。下はその120型牽引のIC列車です。

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120型の牽くIC列車。横を走るのはSバーン(近郊電車) @ケルン中央駅

 最後はちょっと変な顔をした電車列車です。この列車はルフトハンザ・エアポート・エクスプレスで,鉄道線路上を走りますが,ルフトハンザの航空便の扱いで旅客サービスなどはルフトハンザのCAが担当します。フランクフルト~デュッセルドルフ間は約200kmで空港アクセスを考えれば航空便と遜色ない所要時間で走れ,逼迫していたフランクフルト空港の発着便数の確保にも寄与できる画期的な試みの列車です。

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ルフトハンザ・エアポート・エクスプレスの403型電車 @ケルン中央駅

 橋の袂にはフリードリヒ3世とウィルヘルム2世の騎馬像が対で立っていて,出入りする列車を見守ります。この頃には陽が傾いてきて暗めですが,レタッチソフトで明るさを補正しています。

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少し引いてフリードリヒ3世の騎馬像と共に @ケルン中央駅

 さんざん写真を撮った後はヨーロッパ旅行最後の晩のホテルに落ち着きます。時間的には中央駅の周辺で大聖堂などをちらりと見た後,夕食を食べてホテルに戻ったはずですが,旅行も8日目で疲れてきたのか,まったく記憶がありません。

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120型の牽くIC列車が古城のふもとを行く @ザンクトゴアール 1992.5.3(以下同じ)

 翌5月3日は今回のヨーロッパ旅行の最終日,ケルンからフランクフルトに戻り,20:50のJAL408便で帰途に就きます。ケルンからフランクフルトは約210kmありますが,ドイツの中でも最大級の幹線で頻繁にEC,ICが走るので安心です。しかもこのライン川に沿う区間はその1-1で紹介したトーマスクック時刻表の編集長が選んだ景勝路線になっています。この日はもともと10:00頃に出発のつもりでしたが,前夜が早寝だったせいか早起きし,1時間早くの出発です。

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同じ場所ですがこちらは103型 @ザンクトゴアール

 この場所はこの時もっていったガイドブック--確か「ブルーガイド/ヨーロッパ鉄道の旅(実業之日本社)」だったと思います--の表紙の写真になっていて,ぜひとも行ってみたいと思ったのです。ザンクトゴアール駅に着くと,ガイドブックの写真とはアングルが違いますが,駅撮りでも十分満足なので,ホーム端で何カットか撮ります。この路線はICEの走る高速新線に対して在来線ですが,速度は200km/h近く出ています。日本の新幹線のようなホームの安全柵もないので,多少怖いです。

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こちらは反対のホーム端 @(多分)ザンクトゴアール

 この辺りはライン川の中流域にあたりますが,滔々と流れていて,ときどき観光船や貨物船が往き来します。巨大な岩が有名で世界遺産にもなっているローレライの岩もこの近くです。列車で1駅下ったオーバーウェセルでも降りて約1時間を過ごしたと記録にはあります。記憶にないのですが,ストリートビューで照合すると下の写真はオーバーウェセル駅の近くで撮ったようです。

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手前に見えるのはオーバーウェセル駅。逆向きですが列車も見えます

 ローレライの岩はザンクトゴアールとオーバーウェセルの間にありますが,残念ながら右に曲がった川の陰で写っていません。代わりに103型の牽くIC列車が糸くずのように写っています。

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ザンクトゴアール~オーバーウェセル間のライン川

 2駅で2時間くらい時間を潰しながらフランクフルトへの歩を進めます。マインツからはEC列車に乗り,空港駅には15:30前に着きます。これからチェックインして出発まで5時間以上もありますが,この頃は海外旅行も珍しく,免税店での土産の買い物にもそれなりに時間がかかるのです。飛行機に乗れば鶴丸のJAL,もう日本に着いたような気になって,寛ぎます。年間最高18回も海外出張に行っていた父がJALで帰るときの蕎麦が楽しみと言っていましたが,よく分かる気がします。

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1992年のヨーロッパ旅行のコース。○数字は泊まった場所,茶色は夜行列車

 最後にこの旅行のまとめです。全行程をまとめて地図に描くと上のようになり,計算していませんが,5,000kmは下らないでしょう。泊まったのはホテルに5泊,夜行列車に3泊です。この間にトーマスクック時刻表の編集長お薦めの景勝路線(多分)5か所を制覇することができました。当時と今では高速新線の開通,TGV,ICE網の整備が進み,夜行列車が減りました。同じ行程はたどれないにしても,景色はそんなには変わらないはずなので,ヨーロッパ鉄道三昧の旅を計画する際のお役に立てればよいと思います。僕は1998年に結婚するまでの間にあと3回ヨーロッパ旅行をしました。この先もときどき暇を見つけて,写真を整理し,旅行記に纏めてアップしたいと思います。(2022.1.4記)

その2-1につづく
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素人が書いた素人のための羽田空港周辺での飛行機撮影ガイド

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 今日はこの半年ぐらいで撮りためた写真を使って,羽田空港周辺での飛行機撮影ガイドをお送りします。僕は元々鉄ちゃんで飛行機の写真については駆け出しですが,2021年は遠出や人と接する所に行けないので羽田空港の周辺に通いました。羽田空港周辺での飛行機の写真について随分勉強もしたので,初めて羽田に写真を撮りに行こうというかたのためにガイドとしてまとめました。

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羽田空港の滑走路

 飛行機の写真の攻略にはまず滑走路の位置関係を押さえる必要があります。羽田空港には4本の滑走路と3つのターミナルビルがあります。主な滑走路は東京湾に沿ったC滑走路とA滑走路で,概ね南北方向を向いています,その間に主にJALグループが使う第1,主にANAグループが使う第2のターミナルビル,更にその間には国道357号線と高速湾岸線の道路が通ります。これらと交差する方向にはB滑走路と海上の人工島に造られたD滑走路があります。滑走路は進入する方位角にしたがい(10度単位に丸める),また平行滑走路には左右でL,Rを付けるルールなので,A滑走路は16R,34L,以降順にBは04,22,Cは16L,34R,Dは05,23と呼ばれます。また,国際線の第3ターミナルビルはA滑走路の西側,B滑走路と挟まれた位置にあります。

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羽田空港の飛行ルート

 また飛行機は原則として風に向かって離着陸するので,風向きにより使う滑走路が決まっています。飛行機は巡航高度に達したら,追い風のジェット気流に乗れば対地速度が上がって早くに目的地に着くことができますが,離着陸するときは揚力を得るため向かい風で滑走やアプローチをします。羽田空港の場合は,基本的には北風運用と南風運用があり,ざっと年間で6:4の割合だそうです。なお,季節風の影響もあり,北風運用は冬に,南風運用は夏に多くなります。また,2020年春からは日中のピーク時の何時間かに限りに都心の上空を飛ぶルートが設定されるようになりました。飛行機の写真を撮る場合,その時の飛行ルートを押さえておかないと,せっかく撮影ポイントへ出向いても飛行機は飛んでこないということになってしまいます。

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羽田空港飛行コースホームページ 2021.8.8閲覧

 2つ上の図が羽田空港の飛行ルートのまとめです。これによれば北風/南風,在来ルート/都心ルート(新ルートと表されています)の別のほか,好天時/好天時以外の別もあり,8つのパターンが示されています。ILS(計器着陸装置)に頼らなくても安全に着陸できる良い天候のときとILS頼りで着陸進入するときでルートが多少異なりますが,空港周辺で写真を撮る分にはあまり変わりありません。また,今どのパターンで運用しているかも開示されていて,羽田空港飛行コースホームページで確認することができます。滑走路ごとに風向きによる使い方を整理したものが下の表です。

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羽田空港の風向別の滑走路使用のまとめ

 滑走路と風向きによる運用を押さえたあとは,主な撮影ポイントの場所です。空港のターミナルビル3棟のほか空港の周辺施設を2か所,空港外の公園等を北の東京都側で3か所,南の多摩川の対岸の川崎側で2か所を押さえてみました。1.から10.までの番号を振ってありますが,おおよその場所は下の地図のとおりです。以降は,順に各場所の様子をまとめます。

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羽田空港周辺の飛行機撮影ポイント

1.第1ターミナルビル
 まず最初は空港の第1ターミナルビルです。ここはJALグループが入居する旅客ターミナルですが,屋上のデッキはガリバーズデッキと名付けられ,とても写真の撮りやすい場所です。第1ターミナルビルはA滑走路の東に位置するため,主に午前中のA滑走路発着便が順光になります。北風運用では朝の着陸便がきれいに撮れますが,多摩川沿いの工場地帯がバックになるので,これが目障りという意見もあります。南風運用では滑走開始点から離陸するところまでを通して見渡すことができますが,離陸は後ろから見送る形になります。飛行機のフォルムは流れるような美しい姿なので,後ろからでも気にしません。なお,参考のために35mm換算のレンズの焦点距離も付けておきます。

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北風運用時の着陸便 2021.10.2(320mm)

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南風運用時の離陸滑走開始点 2021.10.2(400mm)

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南風運用時の離陸便 2021.10.2(345mm)

 また,第1ターミナルビルからは富士山をバックにした写真も撮れます。それが下のA350がタキシングしている写真で,台風一過の夏の日に撮ったものです。更に第1ターミナルの北側からはB滑走路も望むことができますが,相当長いレンズが必要です。僕の400mmのレンズでは望遠が不足なのでご参考ですが,長いレンズで都心方面のビルを背景に撮るのが大都会らしくてよいそうです。

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第1ターミナルからは富士山も見える 2021.10.2(135mm)

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第1ターミナルからのB滑走路着陸便 2010.10.2(400mm)

2.第2ターミナルビル
 続いてはANAグループの入居する第2ターミナルビルです。こちらは目の前にC滑走路が延びますが,ビルが西側に建つため,午後が順光になります。滑走路の向こうは東京湾で,海を背景にすっきりとした写真が撮れます。下の写真は4枚とも南風運用時のものですが,身軽な国内線の便だと目の前で浮き上がりますが,燃料満載の国際線の便では目の前では未だ浮き上がらず,送り出すような形になります。また,滑走開始点の近くでは東京港ゲートブリッジを背景に撮ることもできます。

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南風運用時の離陸便1(国内線北海道便) 2021.7.28(295mm)

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南風運用時の離陸便2(国際線太平洋航路) 2021.7.28(266mm)

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南風運用時の離陸便3(滑走開始点近く) 2021.7.28(290mm)

 到着便の場合は接地点もよく見えますが,エプロンの照明塔が少々邪魔になります。エプロンの照明塔は本当に邪魔で,気をつけないと下のAIR DO機のように串刺しになります。また,第1ターミナルのJAL同様,第2ターミナルでは駐機中やタキシングするANA機は撮り放題です。

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南風運用時の着陸便 2021.7.28(369mm)

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タキシング中のANA機 2021.7.28(70mm)

 次に下の2枚は北風運用時のC滑走路離着陸便です。昼前から午後は順光でよい写真が撮れますが,照明塔のポールが多く,それを避けながら撮るのに苦労します。着陸便の場合は接地点が遠く,長いレンズが必要になります。離陸便は送り出す形の追いかけ写真になりますが,天気が良ければスカイツリーなども写り込んで,東京らしい写真が撮れます。この日の写真は解像度を上げ,トリミング前提で多少引いて撮りました。

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北風運用時の着陸便 2022.3.12(560mm相当)

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北風運用時の離陸便 2022.3.12(243mm相当)

 第2ターミナルビルからはD滑走路も遠望することができ,下のルフトハンザのジャンボジェットのような写真も撮れます。D滑走路は通常は海側の端しか使わないので,1,000mmクラスの大砲レンズでないとまともな写真になりません。ルフトハンザのフランクフルト便は写真の撮りやすい真っ昼間に羽田に来る数少ない海外航空会社便ですが,残念なことにこの秋から機材が-8(ダッシュ8)のジャンボジェットからエアバス機に変わりました。

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D滑走路に降りたルフトハンザのB747-8 2021.7.28(トリミングあり)

3.第3ターミナルビル
 国際線の第3ターミナルビルからはA滑走路が午後順光になります。南風運用時の着陸便が撮りやすいですが,背景に多数の飛行機が入るため散漫な印象です。離陸便もほぼ下の写真のあたりから離陸滑走を始めるので,送り出す形になり,かつ照明塔をかわしながらの写真になります。

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南風運用時の着陸便 2021.7.28(423mm)

 北風運用時もA滑走路の接地点が見通せますが,ポールをかわすのが難しい点と長いレンズが必要な点は第2ターミナルからのC滑走路と同様です。JALのハンガーがあり飛行機の姿が重なってうるさいので,個人的には海がバックになる第2ターミナルのほうが好きです。なお,北風運用時のA滑走路は標準では離陸便はありません。

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北風運用時の着陸便 2022.3.12(496mm相当)

 第3ターミナルビルからは離陸,接地の瞬間を狙うよりは,色とりどりの国際線の機材の写真を撮るのが楽しいです。見本かたがたガルーダのB777とルフトハンザのA340を載せておきます。

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トーイングカーに牽かれ移動中のガルーダのB777 2021.10.2(88mm)

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フランクフルトから着いたところのルフトハンザのA340 2021.10.2(112mm)

 また,第3ターミナルは反対側に第1ターミナルが見渡せるため,羽田空港らしい夜景がきれいです。正面を向いて駐機する飛行機の後ろには第1ターミナルビルや管制塔が並び,「東京国際空港」の文字も見えます。

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第3ターミナルから見た空港夜景 2021.7.28

4.羽田イノベーションシティ
 このあとは空港を離れ,周辺の施設です。先ず羽田イノベーションシティは現在整備中の複合施設で,京急,モノレールの天空橋駅の程近くです。飛行機の写真が撮れるデッキの近くに足湯もあり,施設としては申し分ありません。また,駐車場も30分まで無料で,ちょっとだけの立ち寄りにはお得です。ここで撮れるのはB滑走路使用便だけなので,それを覚悟で行かないと飛行機が来ないでがっかりすることになります。B滑走路の西側から離陸するのは南風の新ルート運用時だけで,午後遅めの時間は太陽の加減もよいですが,短距離の小型機の場合は早くに高度が上がるので真下から見上げるような形になります。

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南風運用時新ルートの離陸便1 2021.7.17(560mm)

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南風運用時新ルートの離陸便2。本当に間近かです 2022.8.3(126mm)

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南風運用時新ルートの離陸便3。小型機はかなり高度が上がっています(ちょっとピンボケです) 2021.7.17(560mm)

 新ルートの時間帯が終わると南風運用時のB滑走路は着陸便専用になり,写真は撮れますが相当長いレンズが必要になります。下のトルコ航空のB787は接地の瞬間から着陸滑走を終えるあたりまでを僕のカメラを最大にズームして追ったものです。背景には葛西臨海公園の観覧車やディズニーランドのビッグサンダーマウンテンなど絵になるものが入いります。

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南風運用時の着陸便1 2021.7.17(560mm)

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南風運用時の着陸便2(上と同じ飛行機) 2021.7.17(560mm)

 なお,ここではA,C滑走路への飛行機も見ることができますが,600mm,1,000mmクラスの大砲レンズが必要になります。下はたまたま平行する滑走路に2機が同時に進入する(パラレルアプローチというらしい)ところを撮ったものですが,思い切りトリミングしているので焦点距離は不詳です。

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南風運用時の着陸便 2021.7.17

5.ソラムナード羽田緑地
 ソラムナード羽田緑地は羽田イノベーションシティの近くから第3ターミナルビルのほうへ多摩川の土手沿いに整備された遊歩道です。ちょうどB滑走路の延長線上にあり離陸する飛行機の写真が撮れ,ちょうどよいポジションには屋根付きの展望台も整備されています。滑走路よりやや南側にあるので,午前から午後の早めの時間が順光ですが,離陸便は15:00以降に運用される新ルートに限られるため,近くの羽田イノベーションシティのほうが有利だと思います。

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ソラムナード羽田緑地 2021.10.2

 B滑走路からの離陸便は時間帯が限られるので適切な作例がないのですが,参考まで昼近くの到着便を載せておきます。着陸滑走を終えて,滑走路を出るために機首を振ったところです。B737なので滑走距離が短く,かなり遠い位置で撮っています。

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B滑走路から着陸便が出るところ 2021.10.2(560mm)

6.若洲海浜公園
 次の6.からの3か所は空港の北側,東京都内の公園で,いずれも海沿いにあります。最初の若洲海浜公園は,江東区新木場の先,新しくできた埋立地にあるゴルフ場やバーベキュー場も備えた大きな公園です。大きな駐車場もありますが,料金が1日単位なので割高です。ここでは南風在来ルート運用時のB滑走路着陸便が左に旋回しながら降りて行くところが撮れます。D滑走路への着陸便も見えますが,遥か彼方で写真になりません。

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南風運用時に東京ゲートブリッジをかすめアプローチする飛行機 2021.7.17

 羽田に向けて東京ゲートブリッジや若洲の風車を見ながら降りて行くのは機上からよく見る景色ですが,下からみるとこんな感じでアプローチして行きます。空港から遠いので見上げる形になるのは仕方ありませんが,邪魔なものがなくすっきり飛行機だけの写真が撮れるのがここの良い所です。

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若洲の上空を行く南風運用時の到着便 2021.7.17(560mm)

7.城南島海浜公園
 若洲から東京ゲートブリッジを渡り,中央防波堤を突っ切り,海底トンネルで大田区側に出たところが城南島です。ここにも海に沿って海浜公園があり,駐車場もあります。目の前の海には誘導灯があり,B滑走路に降りる飛行機が飛んでゆきます。飛行機の迫力は最高だと思うのですが,今の標準運用では南風の在来ルートの時間帯しか飛行機は来ません。飛行コースのやや北側なので逆光になりやすく,夏の日が長いシーズンの夕方が期待できますがこの時間帯は新ルートが多いので,なかなか上手い写真が撮れる時間は少ないです。

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城南島海浜公園の目の前には誘導灯 2021.7.17

 少し前の写真ですが城南島で撮ったものがあったので参考に載せておきます。どちらも逆光気味ですが,僕の好きな斜め前のアングルでも,特別塗装がしっかり見える真横でもバッチリです。これらの飛行機ですが今はSTAR ALLIANCEのB777は退役済,ドラえもんジェットはドリームエクスプレスファンタジア80になっています。なお,今の標準運用ではB滑走路の東(海)側から離陸する飛行コースはありません。

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南風在来ルートの着陸便1 2017.5.6(504mm)

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南風在来ルートの着陸便2 2017.5.6(320mm)
 
8.京浜島つばさ公園
 城南島の隣,更に羽田空港に近い所にあるのが京浜島で,その海沿いにはその名も京浜島つばさ公園があります。ここは飛行機マニアのためにあるような公園です。少しだけ駐車場がありますが,2022年4~8月の公園改修工事中は供用を中止しています。ここは空港の北西にあり,B滑走路に着陸する飛行機(離陸するルートは標準になし)とC滑走路を離着陸する飛行機を午後に順光で撮れます。先ずはB滑走路着陸便ですが,長めのレンズを用意すればアプローチしてくる飛行機をいろいろな角度から撮ることができます。ただし,15:00以降は都心上空からの新ルートに切り替わるので,B滑走路は離陸用になります。このときは離陸滑走開始点で,最後のチェックリストの確認と滑走の準備をする飛行機の姿が撮れます。

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南風運用時のB滑走路着陸便1。少し遠くの飛行機を斜めから 2022.8.3(400mm)

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南風運用時のB滑走路着陸便2。夏で少々靄っていますが管制塔とからめて 2022.8.3(320mm)

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南風運用時のB滑走路着陸便3。接地点近くを真横から 2022.7.24(320mm)

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南風新ルートの離陸便。ここから離陸滑走を開始する 2022.7.24(400mm)

 つづいて,C滑走路から離陸する飛行機ですが午後に順光で撮れます。空港は平らと思いがちですがC滑走路の北側の端部は小高くなっていて,離陸する飛行機は丘の陰からいきなり飛び上がってくるのが難点です。離陸した飛行機は高度を上げ,脚を引き込みながら目の前を飛んでゆきます。

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北風運用時の離陸便1。丘の陰からいきなり上がる 2021.11.3(400mm)

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北風運用時の離陸便2。脚をしまいながら上昇 2021.11.3(400mm)

 C滑走路へ着陸する飛行機も午後順光でですが,飛行機が飛んでくる方向に建物があり,真横に来たあたりからでないと写真になりません。その後は上の離陸便の逆で,丘の陰に隠れるまでを追うことができます。

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南風運用時のC滑走路着陸便 2022.7.24(400mm)

 C滑走路は羽田空港で一番基幹的に運用される滑走路なので,空振りする可能性が低いのが魅力です。南風在来ルートの時は運用されませんが,この時はB滑走路に降りるので,結果的にこの場所では標準的な運用では空振りにはなりません。なお,C滑走路と平行するA滑走路に着陸する飛行機(離陸するルートは標準になし)も見えはしますが,写真は撮りずらいです。本8.項のみ,2022年7月24日に書き直しました。ようやくこの場所からB滑走路着陸便の写真を撮ることができました。

9.浮島町公園
 この後の2つは空港から見て多摩川の対岸,川崎にある撮影ポイントです。浮島町公園は埋め立て地,浮島の東の端にある公園で,多摩川の対岸にはA滑走路の誘導灯や整備地区のハンガーなどが間近に見えます。ここからはA滑走路から離着陸する飛行機を午後に順光で撮ることができます。南風運用時は離陸便,北風運用時は着陸便を捉えることができ,視界がよいので両方向とも前側斜めの位置からの写真が撮れます。また,A滑走路の南側は標準の運用の場合はいつでも運用されるので,空振りの心配がないのもメリットです。なお,近くには時間貸しの駐車場は見当たりませんでしたが,浮島バスセンターが近くにあり,川崎駅からの本数も比較的多いです。

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浮島公園は目の前に空港施設が広がる

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北風運用時の着陸便 2021.10.2(400mm)

 離陸便の場合は,長めのレンズで離陸直後の位置で狙うと羽田らしい空港の建物群や赤い橋を入れて撮ることができます。手前のほうまで引っ張れば,脚が引き込まれた状態のきれいな飛行姿勢の写真が撮れます。

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南風運用時の離陸便1 2021.10.2(260mm)

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南風運用時の離陸便2 2021.10.2(310mm)

 ここからはC滑走路も遠望できますが。1,000mmクラスの超望遠レンズが必要です。滑走路の先は建物で遮られ,その後は急に出てくる感じで,僕のコンデジで撮ったら,下の写真程度です。更に人工島のD滑走路も目の前にありますが,安全柵があったり,着陸時の接地点が遠かったりで,あまりよい写真は撮れません。

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C滑走路からの離陸便 2021.10.2(470mm,560mm)

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D滑走路への着陸便 2021.10.2(400mm)

10.殿町第2公園
 最後は比較的新しく整備された殿町第2公園です。ここも多摩川べりですが,ちょうどソラムナード羽田緑地の対岸あたりです。ここは駐車場も整備された家族連れ向きの公園で,緑が多く居心地のよい所です。殿町と羽田空港の間には多摩川スカイブリッジが整備中で,今年(2022年)3月に供用されると空港からの便が格段に向上します。ここはB滑走路のほぼ延長線上にあり,離陸便のほぼ正面のほか,飛行機を真下から見上げるような写真も撮れます。ただし,空港からの距離が遠いので長めのレンズが必要です。

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殿町第2公園近くの堤防の遊歩道 2021.10.2

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南風新ルート運用時の離陸便1 2021.10.2(560mm)

 B滑走路のこちら(西)側は標準では南風新ルートの離陸便だけしか使わないので,ここに飛行機が来るのは南風の日の午後の3時間程度だけです。ここから空港を狙うと長いレンズが必要になるので,空港の更に奥の東京ゲートブリッジや若洲の風車なども入ります。また,下の2と3は同じ飛行機ですが,真下からのほうが半分の焦点距離で,どれだけ近くを飛んでいくかが分かります。

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南風新ルート運用時の離陸便2 2021.10.2(400mm)

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南風新ルート運用時の離陸便3 2021.10.2(200mm)

おまけ
 ところで,飛行機の写真を撮るときマニアの人達は航空無線を傍受したりしています。これも楽しそうですが,機材が高そうなので僕には縁がありません。一方,浮島や京浜島のような場所で写真を撮るとき,次はどんな飛行機が来るのかや,お目当ての飛行機が今どこにいるのかが分かると大変便利です。インターネットには幾つかオンラインの位置情報サービスがあり,僕はFlightrader24というアプリを使っています。このアプリはPC版,Android版,ios版があり,どれでも飛んでいる飛行機を地図上に表示し,飛行機のアイコンを選択すると便名やレジ,写真を表示してくれます。有償版もありますが,写真を撮る際のフライトの照会程度では無償版で十分用が足ります。

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Flightrader24の画面例

 遠出のできない今日この頃,近場の羽田空港に通って得た情報からちょっとしたガイド風にアレンジしてみました。僕のサイトはタイトルはのりものですが,鉄道についての情報が主なので,航空でヒットすることは少ないと思います。それでも羽田空港周辺の撮影ガイドNo1を目指して書いたつもりですが,実際の評価はどうなることでしょうか。気に入ったかたがいれば,ぜひ拡散をお願いします。(2022.1.2(2022年ブログはじめ)記,2022.3.19当初網羅していなかったパターンの写真追加,2022.7.24 8.京浜島つばさ公園の項書き直し,2022.8.5 数枚の写真を入替え)

オリンピック休みに少しの鉄分補給に出掛けてきました・その5--播州赤穂から横浜への鈍行紀行

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その4から

 2021年のオリンピック休みに出掛けた青春18きっぷ旅行,最後は播州赤穂から横浜への青春18きっぷの旅です。その4で詳述したとおりこの日は早起きして日本最長鈍行の新快速に乗り,播州赤穂に行きました。その後は基本的には横浜・磯子の自宅へ帰る旅で,真昼間の東海道線を東上する旅は大学時代から数知れずです。時刻表を紐解くと,少々着くのが遅いですが,中央線塩尻経由でも磯子まで帰れることが分かりました。消化試合の帰途の旅に少しでも彩を加えるべく,迷わず塩尻経由を採用です。それでは712.9kmの鈍行の旅をお楽しみください。

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今日の行程

 (2021年)7月25日午前10時の赤穂から旅行はスタートです。赤穂は忠臣蔵と赤穂浪士,製塩産業,温泉が名物の城下町です。観光産業が盛んなようで,正倉院の高床式倉庫を思い起こさせる白い大きな駅舎内には観光案内所も入っています。ここを覗くといろいろな塩を置いているので,家への土産に赤穂の天塩となぜかアンデスの岩塩を買います。かなり変わった土産物ではありますが,わが家は甘いお菓子の類は余っているのです。

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発車を待つ948M @播州赤穂 2021.7.25(以下全て同じ)

 本来なら駅を出て城下町のタウンウォーキングをするところですが,既に気温は30度位ありそうで屋外を歩く気になりません。土産物のほかは駅前のコンビニで遅い朝ごパンを買って,そそくさと列車に落ち着きます。電車は先ほど敦賀から乗ってきた最長新快速の折返しですが,昨晩が敦賀滞泊だったので,網干入庫の運用です。10:12,時間になれば列車は発車し,21分で網干に着きます。網干では12分待って始発の長浜ゆき3452Mに乗換えます。本来なら駅舎に上がってスタンプを押したりするところですが,朝から最長新快速で緊張していたので,少々お疲れモードです。

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網干~米原は新快速3452M @網干

 網干からの新快速も223系12両編成で,朝乗った最長新快速とほとんど変わりありません。朝の旅行はまさにマニアのこだわりです。同じ線路を延々3時間戻る訳で,ご苦労なことです。

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瀬戸内海に海王丸がたたずむ。手前のヨットがちょっと邪魔ですが @須磨あたり

 もちろん車窓も同じなので,基本的には省略です。その4に一部使いましたが,往きの列車で思うような写真が撮れなかった箇所の写真を撮りながら,ほとんどの時間は車内でゆっくりします。明石海峡大橋の近くの海沿いでは,帆船・海王丸が見えます。

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JR総研の実験センターが見えれば米原だ

 13:20過ぎ,JR総研の実験センターが見えれば,播州赤穂まで往復460kmの旅も終わり米原です。米原からはJR東海のエリアになり,先ずは13:30の3218Fで大垣を目指します。階段が列車の前寄りにあるので後ろの方が空いているようです。何気なく周囲を見回すと,先ほどまで乗っていたJR西日本の223系とJR東海の313系はどちらも3扉転換クロスシートを備えますが,車内のテイストは随分違います。一方,下り方先頭車の偶数形式のクハにトイレがついているあたりは共通の設計で,妙なところに感心します。従来と同じ国鉄伝来(?)の設計で変える必要もないからなのでしょう。

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米原~大垣の関ケ原越えは3218Fで @米原

 毎度書きますが,この米原~大垣の関ケ原越えの区間は好きな区間で,左側の座席でゆっくり伊吹山を楽しみます。手前には新幹線の線路があり,ここから伊吹山と新幹線の写真が撮れたらとカメラを構えますが,一度としてそんな光景に出会ったことはありません。

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近江長岡~柏原あたりから見る伊吹山

 伊吹山ばかり注視していましたが,大垣に着く前には左側に金生山も見えます。この山は石灰山でその積出しのために美濃赤坂支線も敷かれていますが,元の山容が分からないほど削り取られてしまって痛々しい姿です。まさに身を削りながら地域に貢献する姿になぜか惹かれます。

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荒尾あたりから見る金生山

 35分の乗車で14:05大垣着。接続はよく,14:11に新快速・豊橋ゆきがあります。この列車に乗れば33分で名古屋です。

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大垣〜名古屋は新快速5336Fで @大垣

 このまま東海道線を上れば20:30には横浜に着きますが,時刻表を繰れば中央線回りでも今日中に帰れるので,今日は塩尻回りで帰宅です。中津川~塩尻間の列車が少ない--日中は2,3時間に1本--ので慌てて行っても仕方なく,名古屋できしめんを食べたり,夕食の買い出しをします。

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名古屋の定番,住よしのきしめん

 名古屋駅のきしめんはホームで食べるグルメの定番ですが,場所によってお店が異なり,「住よし」と「かきつばた」があります。今日はホーム東京寄りの住よしにします。ここは注文してから天ぷらを揚げるそうですが,忙しい僕にはそれを待つ時間はなく,ふつうのきしめんです。ところで,本稿を書くためにググったら,名古屋駅には11か所もきしめんスタンドがある(ブランドも他にもある)そうで,店舗間の競争も激しいのでしょう。どちらかというとエキナカのグルメは充実の傾向ですが,ホームの立食いスタンドは減少傾向の印象なので,どのお店にも頑張ってほしいものです。

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中津川ゆきの快速5733M。赤灯は前側4両のみ点灯 @名古屋

 名古屋では40分あるので,改札の外の高島屋に夕食の買い出しにでかけます。既にきしめんを食べるので10分弱を使っているので,結構慌ただしく,あれこれ迷っている時間はありません。適当に気に入ったかに寿司と焼き鯖寿司を買ったら1,700円にもなってしまいました。尤も,さすが高島屋,隣では1本4,000の鯖寿司を売っており,ちょっと驚いて帰ってきました。

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瑞浪から見た行く手の線路

 ホームに戻れば中津川ゆきの快速5733Mは入線しています。一番前の車両に乗れば,奇数向きのクモハ,日曜日の昼下がりの時間帯で車内はガラガラです。この編成ですが名古屋で僕が乗車ったときは4両編成に見えましたが,中津川に着いてみれば8両編成で,あとから後ろに4両増結したようで,トリッキーな運用です。名古屋を出てしばらくは鶴舞,千種,大曾根と地下鉄のターミナルが続きお客さんを拾いながら進みますが,多治見に着けば車内は元通りのガラガラです。


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中津川の駅前風景。幟が裏向きですみません

 瑞浪を過ぎると列車は30分に1本になり,景色も木曽谷の入口らしくなってきます。16:39,列車は時刻表どおり中津川に着きます。中津川からの塩尻ゆきは21分の接続で,少し時間があるので駅前に出てみます。中津川ではアメリカのレスリングの選手が合宿をしているようで,歓迎の幟がオリンピック休みの週末であることを思い出させます。

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2両編成の身軽な1837M @中津川

 塩尻ゆきの1837Mは霜取りパンタ付きのクモハ313を先頭にした身軽な2両編成で,17:00ちょうどに中津川を発車します。Covid-19禍の日曜日でも夕方の人の動く時間帯なので,2両編成の列車は6割がたの入りです。南木曽までに幾度か木曽川を渡りますが,それより北は50km位にわたり川を渡ることはなく,木曽川の南岸を遡ってゆきます。

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木曽川の谷を川と国道19号線と中央本線が並んで走る @南木曽~十二兼

 緑の山谷のなかを走り,少し人家が見えると駅になります。中山道の宿場のあった須原では4分止まって,上りの「しなの」と交換です。「しなの」は2分ほど遅れてやってきましたが,余裕時分が多いのか,程なく遅れは回復します。

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中山道・旧・須原宿のあたり @須原

 木曽川には水力発電所が多く,読書,大桑,須原,桃山,寝覚...とたくさんの発電所が立地します。下の写真の桃山発電所もそうですが,この辺は中部電力のエリアだと思いますが,関西電力の発電所も多いです。倉本と上松の間には「しなの」では車窓案内も入る寝覚ノ床があります。確か小さな赤いほこらがあったと記憶しますが,夏の緑の濃い時期で見逃してしまいました。寝覚ノ床を過ぎると上松で,次の木曽福島は木曽谷のなかでは最も大きな特急の止まる駅です。

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関西電力桃山発電所 @須原~倉本

 漆器工場の多い木曽福島から更に3駅,藪原までが木曽川沿いで,藪原~奈良井間で分水を越え,信濃川水系の奈良井川沿いになります。トンネルもあり,川の流れを見ていれば分水であることは確かですが,どちらも長野県だし深い谷のなかなので,あまり分水らしい感じはしません。奈良井は中山道の宿場の風情が残る町として人気になり,観光客も少し乗ってきます。川は変わっても地域の名前は木曽で木曽平沢は相変わらず木曽を冠した駅です。

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寝覚ノ床 @倉本~上松

 18:30を過ぎ,少々お腹も空いてきます。塩尻からの中央東線はロングシートの可能性もあり,結構混んでいそうなので,車内が空いている今のうちに高島屋で買ったカニ寿司をいただきます。昔,関所のあった贄川を過ぎると信州,洗馬あたりで松本平の端っこに出ます。18:50,時刻表どおり塩尻に着けば中央西線の旅は終了です。何度も通ったことのある路線ですが,今日はゆっくりすべてが山の中の木曽路を楽しむことができました。

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塩尻からは200km超の長距離鈍行446Mで大月へ @下諏訪

 塩尻では9分の接続で大月ゆきの446Mに乗換えです。この446Mはいろいろな変遷を経て,2014年に今の区間に設定された長距離鈍行で,初めて見たときは新鮮な驚きでした。今は逆方向に高尾~長野間の列車が設定されているので,少々,残念な形になっています。高尾に入らないので編成は短い3両,いつ乗ってもほどほどに混んでいます。少々帰りが遅いですが,青春18きっぷでの旅行にも使いでのある列車なので,今日も18きっぱーと思しき大きな荷物のお客さんがたくさん乗っています。美ヶ原・蓼科方面の山々が夕日に染まり,諏訪盆地のあたりで陽は暮れてしまいます。今までにも何度かこの列車は乗ったことがあり,基本的には夜の移動なので詳細は省略です。

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夕暮れの美ヶ原・蓼科方面 @岡谷~下諏訪

 446Mはとくに理由もなく3分くらい遅れて大月着,所定では5分の接続で東京直通の快速列車に乗換えです。乗換え時間は少ないですが,このような接続で無情に行ってしまうわけもなく,全員の乗換えが終わってから少し遅れての発車です。大月~東京間の快速列車ですが,せっかくの中央本線の旅行にオレンジ帯のE233系はぞっとしませんが,最近少し見直しています。10両もつながっているのでいつでも空いているし,使い古した211系に比べればきれいで明るいです。今夜も前のほうの1号車に乗れば,大月発車時点でお客さんは他に1人です。

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大月~八王子間の2280M~2280T @八王子

 周囲に誰もいないので,家で食べようと思っていたもう1つの焼き鯖寿司をいただくことにします。ロングシートのE233系ではちょっとですが,中央線の通勤電車にも2024年頃にはグリーン車が連結されるので,その時にはよくなるでしょう。以前はこの列車は四方津退避でしたが,今日のダイヤでは相模湖退避に変わっています。面倒な高尾乗換えもなく,八王子には時刻表どおり22:20の到着です。

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高尾の天狗を見れば東京に戻ってきた気になる。赤いライティングが少々不気味

 横浜線の列車は22:18に行ったばかりで,22:32の2248Kまで時間があります。冷房の効いた電車で小1時間ゆっくりすれば東神奈川着です。この時間になると列車も少なく,東神奈川でも9分待ちです。23:36の大船ゆきに乗れば,18分で自宅最寄りの磯子駅に帰着です。

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帰りの列車2本まとめて。横浜線2248K @東神奈川(エンドチェンジ中),根岸線2263C @磯子

 〆てみれば今日は青春18きっぷ1日分で18時間19分988.4kmを旅行しました。午前中に乗った新快速が速いので距離を稼げたようです。自分が知る限りでは,大垣夜行,寝台付鈍行「ながさき」が健在の頃に両者を繋いで約1,100km,「ムーンライトながら」が走る晩にジュニアが敢行した姫路往復1,200kmが青春18きっぷ1枚で乗れる限界で,自分の経験としては多分史上2位になると思います。

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今日の行程。その4で書いた3207M~3407Mの分も含む

 3日の旅行では元々の用事のあった益田の用事をこなし,念願だった,日本最長鈍行を含む長距離鈍行2本半に乗れました。ちなみにかかった費用は5万円でお釣りがくる程度で,意外と安かったです。通常の旅行では夕食はホテルの近くの居酒屋でお酒付きでたっぷり食べるのですが,今回はそれを控えたのが費用節約に貢献したようです。Covid-19禍のなか,こんな出歩いていてよいの...と人目をはばかりながらの旅行でしたが,なんとか鉄分の補給になりました。こんな心配をせずに旅行ができるよう,早くの疫魔の終息を祈るばかりです。(2022.1.9記)

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