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2021-05

HOゲージ/16番--ED75の製作・後編

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前編から

 巣ごもり生活の楽しみの模型製作記,今日は2両目のED75の後編をお届けします。
 ここでED75の実車について少し触れます。交流電気機関車は1955年からの仙山線での試作機による実車テストを経て,1957年の北陸本線敦賀電化でED70が実用化されました。その後,1959年の東北本線白河電化でED71が,1961年の鹿児島本線久留米電化でED72,ED73と短期間の間に多くの形式が開発,制式化されました。これらの形式の実績を踏まえて1963年の常磐線平電化を機に登場したのがED75で,国鉄の交流機の決定版といえる機関車です。東北本線・常磐線で活躍した一般形,1次,2次,3次合わせて160両のほか,九州用60Hz仕様の300番台11両,奥羽・羽越本線用の700番台91両,高速型の1000番台39両,またサイリスタ制御および北海道電化の試作機500番台1両の302両が製作されました。302両という製作数は交流機としては断トツで,直流を含めてもEF65の308両に次ぐ2位です。JR貨物はEH500等の新形式に移行しましたが,JR東日本では5両が秋田と仙台に残り,工臨やイベント等の臨時列車に最後の活躍をしています。

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仙台に残る757号機。塩害対策でスッキリした屋上がサイリスタ制御機のようだが,700番台はED75本来の低圧タップ制御 @会津若松 2020.8.20

 さて模型製作ですが前編に書いたように台車と輪軸の相性が悪く苦労しましたが,何とか幅の狭い枕梁を買って来て,何とか形になりました。実際は,今度は幅が狭すぎて転がりが悪いので,台車枠と枕梁の間に0.5㎜真鍮線で作ったスペーサーを入れて,適度な幅を確保しています。この辺はディスプレイモデルなので多少雑でも問題はありません。台車ができれば,絶縁材やボルスターと共にセンターピンで固定,スカート,スノウプラウと連結器もネジ止めして,下回りは出来上がりです。

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台車枠と輪軸 2020.7.24(以下,年は省略)

 この先は専らボデー側の部品の取付けです。最初に付けたのはワイパーです。ワイパーは太さがオーバースケール,目立ちすぎるので要らないと思っていたのですが,ある時ふらりと寄った模型屋で衝動買いしてしまいました。ワイパーの取付けは本来もっと後の仕上げの工程と思いますが,窓ガラスを取付けた後だとアタリがでそうなので,今のうちに付けてしまいます。既に済んでいる塗装を傷めないように慎重に取付け穴をあけ,接着はここも白ボンドです。穴が若干大きかったようで,多少下に引かれてお辞儀したような向きになってしまいました。

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ワイパーの取付け 9.3

 ワイパーに続き運転台の窓ガラス,機械室の明り窓のガラスを取付けます。このキットはガラス部品はご丁寧に折曲げ済のものがセットされています。しかし,運転台窓のすぐ上にはライトが,下には手すりがありそのままでは取付けられません。当たる部分をカットする必要がありますが,折曲げ済ではこの作業がやりづらく,窓は自分で適切な形に切ったものを折曲げて作りました。機械室の明り窓はキット付属のものを使っていますが,屋根の肩への当たりを避けるため,幅を少し縮めてから白ボンドで接着します。

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運転台窓の製作 9.10

 さてこれからがED75製作の白眉,屋上器具の製作と取付けです。このキットの避雷器は挽き物の部品をピカピカのメッキ仕上げで,こんな色の避雷器は見たことありません。面倒ではありますが,真ん中を白,上下を黒で筆塗りします。また,主ヒューズ用に7段碍子が用意されているので,これもついでに白で筆塗りします。

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避雷器の塗装 9.12

 次に屋上の部品の中で比較的大物を取付けます。先ほど塗装した避雷器のほか空気遮断機,計器用変圧器を取付けます。また,主ヒューズ用の碍子も取付けますが,ここでうっかり先ほど塗装した7段碍子のことをすっかり忘れて,ふつうの6段碍子を取付けてしまいました。

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主ヒューズは家にあった針金から作る 9.13

 ところで,このキットですが主ヒューズは台座はオーバースケールなくらい立派ですが,上物(うわもの)はふつうの高圧配線の一部で特別な部品はありません。これは寂しいのでロストかホワイトメタルの部品を探しますが,主ヒューズというタイトルの部品は現在売られていないようです。もし在庫があれば出向こうと二子玉川のいさみやに照会すると,昔,天賞堂のパーツがあったが,今はどこも用意していないそうです。最近は,完成車で実際に使っているものでも,手間ばかりかかって儲けにならないからか,どこのメーカーも部品の分売には消極的です。仕方がないので主ヒューズは自宅にある針金から自作します。道具箱をあさると1.5㎜位のステンレス線と2㎜位のビニール被覆線が出てきました。悩んだ結果,細い1.5㎜のほうの先端に被覆だけを巻いて,空洞部分をパテで埋めるという,とても手の込んだものになりました。また,トミックスのパンタ用のプラ製碍子が余っていたので,取付け穴を太くしてなかに挿してあります。自分では気に入っていますが,実際のところは相当オーバースケールのようです。

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屋上器具の取付けその1・大物部品 9.12

 ここまで取付けたところで,おかしなことに気が付きました。パンタから断路器までの高圧配線の支持台が妙に少なく,間隔が広いのです。参考書「ED75のメカニズム」を見ると,空気遮断機の横あたりに支持台があるのですが,これがありません。5㎜位の真鍮製の台ですが,ここに至っての不足は困ります。困り果てて屋根の上を見ると,計器用変圧器が妙に高い下駄を履いています。既にこの辺の作業は完了済ですが,この下駄を使うことに決め,半田付けをドライバーでこじってバラします。この下駄に1.5㎜の穴をあけ,空気遮断機脇のそれらしいところに取付けます。本当は1.2㎜のネジを切るのが正ですが,わが家にはタップがないので,ここだけはネジを屋根板まで貫通させナットで止めています。下駄を失った計器用変圧器は,ペーパーで約4㎜角の台座を作って載せてありますが,この方が実際に近い感じがします。

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屋上器具の取付けその2・高圧配線を除く部品。空気遮断機脇の支持台をリカバリ 9.18

 屋上に並ぶ各機器をを取付けたら,最後にパンタグラフを取付けます。このパンタグラフは何度見ても関節の作りが不細工ですが,予算もあるので我慢を決込みます。最後に高圧配線を0.4㎜燐青銅線を折曲げて,配線します。市販の模型は多分0.5㎜を使っていると思いますが,オーバースケールの嫌いがあるので,一回り細いものを使っています。また,交流機の屋上は見どころなので手を抜かず,計器用変圧器から断路器の近くへの配線や空気遮断機と主ヒューズの間の配線も作ってあります。

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屋上器具の取付けその3・高圧配線の取付け 9.19

 ここでも参考書「ED75のメカニズム」は参考になりました。こうして自分で作ってみると,完成品はある程度,作業性を重視していることが分かりました。主ヒューズや空気遮断機などの大物部品を取付け,基幹となる配線は引き回しますが,細かい配線は目をつぶっているようです。このキットにはご丁寧にも折曲げ済の高圧配線がセットされていますが,これも使いませんでした。もったいない事ではあります。

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完成した屋上回り。キット付属の配線は使わず仕舞い 9.19

 一連の屋上機器の完成後は仕上げに入り,車体の小物部品の取付けです。先ずはヘッドライトとテールライトのレンズです。これらもキットの部品をそのまま利用します。テールライトは元々ダミーのレンズだけが付いていましたが,ヘッドライトは点灯する仕様で12V米粒球です。この米粒球が経年劣化で一部が断線しているので,もったいない気はしますが,全て導線を切って球だけの形で取付けます。

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ヘッド&テールライトのレンズ。これらをつけると顔が活き活きして見える 9.21

 次は前面の飾り帯と車号ほかです。これらの部品も車号印刷済の飾り帯のステッカーが同梱されていたのですが,経年でどんな粘着面だか分からない,安っぽいテカテカの印象のため使っていません。飾り帯は台所のアルミフォイルに両面テープを貼付けて,適切な大きさに切って貼付けます。安いことでは負けませんが,本物の金属なので質感はなかなかよいです。なお,アルミフォイルは表を使うか裏を使うか迷いましたが,裏を使っています。

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アルミフォイルから飾り帯を作る 9.21

 ナンバーは市販の金属製インレタです。このトレジャータウンの切抜き文字は1,200円といい値段をしますが,EF58,EF64,EF65,EF71,EF81,DD51などの形式も収録されており,1両だけで使うのはもったいないです。さて,ED75の1次量産型は3号機から49号機まで製作されましたが,何号機にするかです。前回のEF71用に買った「東芝」のメーカーズプレートが余っているのですが,東芝にはこのグループの発注はなかったようです。もったいないですが,新たに「日立」のメーカーズプレートを買い,日立製の機関車を調べると34号機が該当なのでこれにします。3,4と隣り合って転写し易そうなのと,最初の配置が福島だったのが決め手です。買いたてで新鮮なインレタは転写性もよく,気持ちよく作業ができます。おそろしく字の小さい取説によればクリアスプレーでの保護が望ましいようですが,そこまではしません。車号のインレタに続き,メーカーズプレートを貼付ければ,完成まであと一歩です。

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先頭部近影 9.21

 最後に解放てこを取付け,ボデーと下回りをネジ止めすれば完成です。今回は解放てこはボデーとは別に黒く塗ってありますが,この方が締まった感じがします。一方,スカートまわりは手を抜いて,キットオリジナルのジャンパ栓が並ぶだけで少々寂しいです。出来上がった機関車は今度も透明堂のアクリルケースに入れて飾っています。

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ちょっと贅沢ですがオーダーメイドのアクリルケースで保存 9.22

 これでED75は完成ですが,かかった期間は2か月と少し,時間は約38時間,今度も楽しい模型製作でした。前回のEF71,このED75を作って分かったことですが,昔に比べて基本的なパーツの分売が少なくなって,キットを作るよりもパーツ探しに時間がかかるようになりました。今後もゆっくりしたペースでHOゲージの模型製作に取組みたいですが,あらかじめ必要なパーツの揃ったものを選ぶのが確実のようです。それを念頭に,お手頃なキットを探しに今日もネットオークションを覗いています。(2020.10.3記)
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