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2021-05

旅心をそそる長距離鈍行列車・長時間鈍行列車リスト/2021年3月13日改正ダイヤ

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 今年(2021年)も3月13日にJRグループのダイヤ改正が実施されます。今年も新線の開業はなく,新型コロナウィルス感染対策で深夜を中心に列車を減らす異例の改正です。JR東日本ではGV-E400系の投入が続き,鈍重なキハ40系の置換えに伴うスピードアップも予想され,長距離鈍行にとっては厳しいダイヤ改正を予想していました。フタを開けてみれば,なくなった列車は1か所だけ,むしろ新規に設定された列車が3区間と嬉しい内容のダイヤ改正になりました。

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昔の山陰本線の客車鈍行 @(旧)餘部鉄橋 1985年夏休み

 全般的な動きは少ないので,先ず最初に動きのあったところをご紹介します。このリストとして新規の区間で,12位に山陰本線米子~益田間の列車がランクインしました。山陰本線は,門司港~福知山の最長鈍行824レや寝台車連結で京都~出雲市間の「山陰」などたくさんの長距離鈍行が走っていました。今でも鳥取~出雲市間の「とっとりライナー」や米子~益田間「アクアライナー」など比較的長距離の快速列車も走ります。以前から気になっていた「アクアライナー」と同じ米子~益田間を走る134D(土休日は134K)が今回の改正で所要時間増となり,晴れて4時間半超えの長時間鈍行になりました。

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山陰本線132K(今の134D/Kとほぼ同じ時間を走っていた) @宍道 2017.9.3

 もう一つの新規の区間は2020年改正に続き四国で,阿波池田~阿佐海南間の列車です。以前から徳島線から牟岐線に乗入れる列車はありましたが,今回の改正で5時間近くをかけて両線区を全通する列車が設定されました。起点・終点とも「阿波」がつき,徳島県内でクローズする列車です。

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徳島駅の賑わい 2019.2.11

 このほか四国では,11位の予讃線に括ってしまいましたが,多度津~伊予市間を5時間以上かけて走る列車も設定されました。反対に表から落ちたのは,広島~府中間を三次経由で走っていた列車です。もともと130.3km,県内クローズの列車で,三次での1時間超の長時間停車でランクインしていたものでしたが,芸備線広島口の列車の整理の影響で設定がなくなりました。

 長距離鈍行列車と言えば,千葉の外房線の上総一ノ宮と内房線の木更津の間138.4kmを3時間半で走る列車,西行(上総一ノ宮~木更津)7本,東行(その逆)9本が新たに設定されました。房総半島末端部の輸送力過剰の解消とワンマン運転化のため,E131系電車の投入によるものです。140円旅行でも行けるし,東京湾の内海と太平洋の大海原の2つの海が楽しめ,季節の花もきれいな路線なので,外出の制限が緩んだら乗りに行きたいと思います。残念ながら,距離も時間も下のランキングの表に載るには程遠いです。

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房総半島南部内房線の列車 @館山駅 2019.7.30

 これらを除けば2020年版と変わり映えしませんが,2021年版の長距離鈍行列車・長時間鈍行列車ランキングをお届けします。今年も一部の写真のキャプションは乗車記へのリンクになっています。興味があればこちらもご覧ください。

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拡大はこちら

 今年も1位は関西のアーバンネットワーク,敦賀から米原経由で播州赤穂まで275.5kmを走る3327M~3527Mです。2016年のダイヤ改正で赤穂線に乗入れる新快速が激減し,敦賀発の西行はこの1本だけが残りました。東行は播州赤穂発は長浜ゆきが最長になり,敦賀まで行く列車の西端は姫路,この他に網干~近江塩津間の列車もあります。なお,3327M~3527Mですが敦賀発の車両は姫路どまりで,播州赤穂まで行く車両は米原で連結するので,全区間を走る車両はないそうです。

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敦賀で発車を待つ新快速列車。今のダイヤなら3193Mに相当 2015.7.20

 2位は上野東京ラインの熱海~黒磯間268.1kmを走る1662Eです。この区間を走る列車も平日は北行のみで,南行の黒磯~熱海間の列車は土休日ダイヤにしかありません。平日ダイヤでの東北本線の北限は氏家始発という1日1本しかない列車です。上野東京ラインも北側が東北本線と高崎線系統,南側が伊東線とJR東海沼津まで乗入れとバリエーションがあるのでまとめ方に苦労します。この系統の長距離鈍行は東海道線と東北本線・高崎線のスジを繋ぎ合わせたもので,車両運用の都合から朝と夜の乗りづらい時間に偏っているのも特徴です。また,JR東日本の首都圏エリアのグリーン料金は51km以上青天井なので,これらの列車に乗るときはグリーン車利用がお得です。

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熱海~黒磯間268.1kmを走っていた1586E(2019年ダイヤで消滅)と同区間のグリーン券 @東京 2017.7.31/2015.3.22

 3位は北海道,宗谷本線の旭川~稚内間259.4kmを走る321D~4323D~4325Dです。長時間停車のうちに2回列車番号が変わりますが,実態として1本の列車です。新旭川~稚内は長大な盲腸線,一度乗ったら同じ線を戻ってくるという乗りづらさも魅力的です。以前は16位の根室本線のほか,函館本線や石北本線にも長時間鈍行がありましたが,今ではこの列車が北海道を代表する鈍行列車になりました。

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宗谷本線の4323D~4325Dとサボ @幌延 2017.8.3

 4位は中央本線(東線)・篠ノ井線の高尾~長野間245.0kmを走る441Mです。この列車は比較的新しく2017年の設定で,これまた下りのみ片道の運転です。長野がたが夜にかかってしまいますが,関東山地や南北アルプスの山の景色に日本3大車窓の姨捨とたっぷり楽しめ,首都圏発の鈍行列車を楽しむ旅行にはぜひお薦めの列車です。

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中央線441M。東京からの鈍行列車を楽しむにはお薦めの1本 @高尾 2018.3.10

 5位と10位は1,2位のバリエーションといえる列車です。5位は関西のアーバンネットワークの北陸本線~山陽本線の列車ですが,湖西線でショートカットするため,距離的には短くなります。また,10位の湘南新宿ラインは,上野東京ラインより運用範囲が一回り小さいため前橋~小田原間の208.3kmが最長です。

 7位は東海道線の早朝の静岡~岐阜間の列車で,これも下りのみの設定です。浜松と豊橋を突き抜けて走る列車は菊川,掛川~岐阜間の列車が幾本かありますが,静岡からのものはこの1本だけです。変な推測ですが,静岡地区がトイレのない211系ばかりだった昔,酔った客の多い夜遅くの名古屋/浜松方面からの列車にトイレ付きの編成を充当し,その戻りの運用が今も残っているのでしょうか。

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東海道線3109F @静岡 2019.3.23

 鈍行列車そのものと景色を楽しむなら,8位の飯田線を全通する列車がお薦めです。距離では200㎞そこそこですが,運転時間は6~7時間かかり,南アルプス・中央アルプスの山々と天竜川の車窓,人里離れた秘境地帯とたっぷり楽しめます。岡谷から入っても,豊橋から入っても,首都圏から青春18きっぷで回ることができます。

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距離では8位だが時間では1位になった飯田線544M(旅行記は519M) @伊那市(?) 2010.8.15

 18位は第3セクター鉄道の三陸鉄道です。2019年のダイヤ改正時にJR東日本山田線・宮古~釜石間の移管を受け,盛~久慈間を全通する列車が設定されました。このランキングでは民鉄・3セクは見ていなかったのですが,時刻表で本文中に掲載されることでもあり掲載しています。それ以前は民鉄・3セクにそんな長距離・長時間列車はありませんでした。古くを遡ると,東武~野岩鉄道~会津鉄道の浅草~会津田島間に4:30超えの快速列車が走っていたそうです(サイト訪問者の情報による)。この三陸鉄道の列車ですが,運転時間が4:41と4:35でぎりぎりでの基準クリアなので,今後のダイヤ改善で圏外にならないか心配です。

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三陸鉄道5205D~5009D~5111D @盛 2019.7.14

 16位の羽越本線831Dは,新津~酒田の運転時間が4:30を超えたり,切ったりしている列車です。今年も4:32の運転で基準を何とかクリアです。去年のダイヤ改正から車両が電気式ディーゼルのGV-E400系になって大幅スピードアップが図られ陥落を予想していましたが,たった4分しかスピードアップできませんでした。単線・複線の混じる区間の下校時間帯の列車なので,よほどダイヤの調整が難しいのでしょう。

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写真がないので831Dと似た区間を走る9822M「きらきらうえつ」 @羽後本荘 2019.7.15
(臨時列車ですがこの日は秋田~新潟273.0㎞所要4:24の長距離列車でした)

 毎年,時刻表をチェックといえば,15位の根室本線の新得~釧路間列車も2016年ダイヤでは滝川~釧路間の最長鈍行だっただけに気になる存在です。JR北海道は「当社単独では維持することが困難な線区」を公表し,この3月末で日高本線を廃止しますが,根室本線の富良野~新得も該当です。去年版では台風被害の復旧と運転再開を期しますと書きましたが,夢のまた夢のようです。また,このランキングを作るための時刻表のチェックですが,大判の時刻表を一とおり目を通す必要があり,ふつうでは気づかない発見ができるのも,辛くても年中行事にしている理由です。

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根室本線の長距離鈍行と専用サボ(いずれも2429D時代のもの)@落合 2015.5.3

 最後にリストの掲載基準ですが,距離で200km以上,時間で4時間30分以上,掲載順は距離順です。対象は定期列車だけですが,土休日運休の列車は対象,土休日のみ運転の列車は対象外です。また,同一区間を運転する列車が条件を満たせば,反対方向の列車も載せています。僕が時刻表を手繰って確認しただけなのでヌケやモレがあってもご容赦ください。また,後半の内容は毎年同じで申し訳ありません。(2021.3.6記)

2013年版はこちら
2014年版はこちら
2015年版はこちら
2016年版はこちら
2017年版はこちら
2018年版はこちら
2019年版はこちら
2020年版はこちら
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