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2022-05

オリンピック休みに少しの鉄分補給に出掛けてきました・その4--敦賀~播州赤穂の最長鈍行(新快速)の旅

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(イメージ)京阪神の新快速電車 @草津 2021.10.23

その3から

 新年明けましておめでとうございます。このところ航空機や船の話題が多くなっていますが,2022年の1本目は初心にかえり,鉄道,それも鈍行列車の話題でお送りします。2021年の夏休みはオリンピックの開会式の休みと絡めて山陰地方に出かけ,帰りには念願叶って,敦賀から播州赤穂への新快速電車に乗ることができました。今日はその新快速の旅のご報告をします。

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北陸新幹線の延伸開業をひかえ工事たけなわの敦賀駅 2021.7.25(以下,同じ)

 毎年のダイヤ改正の度に長距離鈍行/長時間鈍行のランキング(2021年版はこちら)を作るのをライフワークにしていますが,2019年以来,敦賀~播州赤穂間の新快速3327M~3527Mが3連覇を果たしています。この列車は敦賀発17:49,播州赤穂着21:55で,夏場なら初めの3分の1位は陽のある時間帯ですが,基本的には夜の列車で景色は楽しめません。休日ダイヤではもう1本,同じ区間を走る3207M~3407Mがあり,この列車なら朝が早いのが玉にキズですが景色はたっぷり楽しめそうです。そんなわけでこの旅行の帰りには最長鈍行--新快速を鈍行というのは異論もありましょうが--の乗車を組込んだのでした。

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交通の要衝らしくSL 29600の動輪が鎮座する敦賀駅前

 (2021年)7月25日,5時前に目覚ましで起き,敦賀駅へ向かいます。お天気は曇りですが雨の気配はなく,今日も暑くなりそうです。交通の要衝の駅らしく,駅母屋横にはSL 29600の動輪のモニュメントがあります。敦賀駅は新幹線を迎え入れる工事の真っ最中で,既に新しい駅舎を使い始めています。現在は新しい設備と古い設備が混在しており,改札口周辺は仮設のようで曲がり角が多い複雑な動線です。

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敦賀駅の改札口

 5:20過ぎにホームに上れば既に3207M播州赤穂ゆきはホームに据え付けられています。いろいろな記事で紹介されていますが,この敦賀発の編成は姫路どまりで,播州赤穂まで行く編成は米原で連結しますが,行き先表示はしっかり「播州赤穂」ゆきです。米原での連結シーンの写真を期待してきましたが,前面展望かぶりつきの場所は既に占拠されています。同好の士とみて挨拶をして,ガラガラの車内の好きな席に落ち着きます。

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敦賀で発車を待つ3207M

 5:34,時刻表どおり敦賀を発車,4時間8分275.5kmの新快速の旅スタートです。車窓左手は新幹線の高架がしばらく続き,終点では車両基地の工事が行われています。

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工事中の敦賀の新幹線車両基地

 それが途切れると線路は上り勾配になり最初の見どころ(?)の鳩原のループ線になります。列車は夏草の中を快調に走り,眼下には小浜線の線路も見えます。先ほど通ってきた線路の直上を過ぎて,景色は日本のありふれた里山風景になり新疋田に着きます。

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鳩原のループ線からの車窓。下に見えるのは小浜線の線路

 新疋田~近江塩津間で深坂峠を越え滋賀県に入り,5:51に湖西線を分ける近江塩津に着きます。左手には僕の好きな伊吹山が笠雲を載せています。東海道線の関ケ原側から見る伊吹山は存在感があってとてもきれいだと思いますが,背中側は石灰石の切り出し場になっていて,山肌はむき出し,ギザギザに走る道路が見えます。このあたりからは人家も増え,朝の用務客も少しずつ増えてきます。6:13,浅井氏の小谷城,琵琶湖の水運で栄えた長浜に着きます。ここはホームの真ん中に勾配標が建って運転上も要注意駅のようです。先般,信号の記事を載せましたが,いつか標識の記事を書く時のために,念入りに写真に撮っておきます。

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伊吹山を背中側から見る/長浜駅構内の勾配標

 長浜からは日中30分に1本新快速が走る近郊区間になり,13分走って6:26米原に着きます。米原では誘導運転でしずしずと走って,先にホームで待つ8両編成と連結します。列車としてはこちらが主だと思いますが,先方はこちらの倍の8両編成,増結といったものか微妙です。米原では6:29の発車まで3分停車の間に先頭の1号車に移動します。

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米原では前側に8両の基本編成を増結

 米原からは女性の運転士さんに交代で,時刻表を覗きこめば大阪まで約1時間半の行路です。子供の頃からかぶりつきは大好きですが,複線の本線系統の高速列車で見応えがあります。この223系は一番前の扉横にも補助いすがあり,関東地方のJRでは見られない前面展望です。

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223系はかぶりつきには絶好の車内見付け

 米原から暫くは琵琶湖の東岸,肥沃な田園風景が続き,列車は複線電化の東海道線を快調に飛ばしてゆきます。彦根,能登川,近江八幡,野洲,守山と,久しぶりに乗ったら,随分停車駅が増えたような気がします。

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湖東地方の田んぼの向こうに琵琶湖が見える @米原~彦根

 いろいろな種類の列車と行き交うのも幹線の車窓の楽しみで,近江八幡の近くでは青いEF510牽引の貨物列車とすれ違います。この機関車はもともと北斗星牽引用で田端にいましたが,北海道新幹線開業で仕事がなくなり,JR貨物に転じました。貨物列車用ということもあり車体の汚れは否めませんが,関西~青森間のロングラン仕業で活躍しているのはご同慶です。

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EF510牽引の貨物列車とすれ違い @近江八幡付近?

 7:04,列車は複雑なポイントを渡って草津に着きます。ここからは京阪神アーバンネットワークでも最重要区間で,線路は複々線になります。駅の先には天井川の草津川のトンネルがありますが,今は川は暗渠化され公園になっています。

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複々線になって草津を発車。先に見えるのは天井川の草津川のトンネル

 草津に続き1994年新設の南草津にも止まり,石山,大津と止まります。最近は列車の便がよくなったこともあり,ベッドタウンが広がっており,これらの駅前には大きな高層マンションが建っています。一方,12両対応の長いホームは昔の汽車の風情が残っています。

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高層マンションが建ち並ぶ大津駅の周辺

 新逢坂山トンネル,東山トンネルを抜けて7:30京都に着きます。4時間8分のうちの1時間55分走ったので,行程でいうと半分弱です。京都では2分止まって,息を整えてから愛称・JR京都線に足を踏み入れます。

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京都では2分の小休止

 京都を出ると広い線路敷きの一番左の外側線を快調に飛ばしてゆきます。この区間の最高速度は130km/hだと思いますが,ラッシュ時間帯で余裕があるのか,130km/hの最高速度を出すことはほとんどなくてもダイヤを維持できるようです。東京人の僕は一度も来たことがありませんが,鉄道写真の好撮影地の山崎の大カーブで先行の快速列車を捉えます。右手にはサントリーの工場が見えています。

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山崎の大カーブで先行の快速を捉える

 高槻にに停車,吹田の貨物駅や機関区を見て,新幹線の高架と交わる新大阪に着きます。大阪の都心を見て,淀川にかかる長い鉄橋を渡り,右に大きくカーブすれば大阪です。

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淀川の長い鉄橋を渡れば大阪だ

 関西人好みの巨大な屋根のかかる大阪駅には7:57の到着,ここでも約2分半止まります。大阪駅は最近,再整備され,高い屋根の下にガラスを多用した明るい跨線橋があり,とてもきれいになりました。なお,大阪駅の写真は失敗してしまい,下の写真は帰りに撮ったものです。大阪では運転士さんが交代,この列車3人目の運転士さんは姫路まで1時間ちょっとの行路です。

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大きな片側屋根が見えれば大阪駅

 大阪から先も広い複々線の線路敷を東京近郊にはない最高速度130km/hで快調に飛ばします。8:00を過ぎ陽も徐々に高くなってきて,青空も見え始めます。

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複々線の線路を130km/hでとばす

 右手に六甲山がせり出してくれば神戸は近く,阪急電車が隣に見えれば神戸の中心,三宮です。途中,尼崎と芦屋の2駅に止まりながら阪神間を24分で走り切ります。

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阪急電車が見えれば神戸,三宮だ

 8:27発の神戸を過ぎると線路名称では山陽本線になります。和田岬への支線を分ける兵庫を過ぎると線路は緩行線を乗越して山側に移り,路線別の複々線になります。また,左手には穏やかな瀬戸内海が見えてきます。

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兵庫の先からは路線別の複々線。左手には瀬戸内海も見える @塩屋あたり?

 舞子で明石海峡大橋の下をくぐるとその先は朝霧,大蔵海岸の海水浴場,子午線の上の天文科学館が見えれば明石です。海が見えるのはこの辺までで,以降は少し内陸寄りを走るようになります。

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明石海峡大橋は舞子駅のすぐ近く

 明石の次は昔は通過だった西明石にも止まります。西明石を過ぎると複々線区間は終わり,建物の高さが低くなり郊外らしい景色になります。

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明石市立天文科学館は東経135度の子午線上。写真は帰りに撮ったもの

 魚住あたりからは家々の間のところどころに緑の畑が見えるようになります。加古川を過ぎ,9:03,時刻表どおり姫路に着きます。姫路では敦賀始発の付属編成4両を切り離す作業などがあり,少々長めの8分の停車です。また,運転士さんも交代し,終点,播州赤穂までのハンドルを引継ぎます。

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姫路では敦賀始発の付属編成を解放

 9:11発の姫路から先は休日のみ延長運転の区間になりますが,列車はよく整備された線路を快調に走ります。9:21発の網干の先では網干総合車両所が広がり,施設の端の方には今では少なくなった103系が休んでいるのが見えます。播但線用の電車ですが,もう暫くすると103系も絶滅危惧種になって,たくさんの葬式鉄が押し寄せるのでしょう。

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網干総合車両所では残り少なくなった103系を見る

 陽も高くなり,緑の眩しい中を走って,中国地域色の黄色い115系が見えれば相生です。相生は赤穂線を分け,新幹線駅も止まる駅ですが,在来線ホームは2面3線のこぢんまりした駅です。

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敦賀から約4時間,ようやく相生に着いた

 相生からは単線の赤穂線に入り,最長鈍行の旅も最終区間です。山陽本線から左に分かれた線路は小高い山の中へ分け入って行きます。穏やかな入江の奥の西相生から小さな峠をトンネルで越えると坂越です。

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最長鈍行最終行程の赤穂線は単線で田んぼの中を行く

 ラッシュも終わり穏やかな空気が流れるなか列車は9:42,時刻表どおり終点播州赤穂に着きます。赤穂は忠臣蔵の赤穂藩の城下町ですが,製塩産業や温泉など見どころも多いです。会社の上司が赤穂温泉のあるホテルに惚れ込み,何度か泊まったこともありますが,海を望む大浴場は旅の疲れをいやすには最高です。

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9:42,3407Mは終点,播州赤穂に着く

 到着後1分で9:43に上り列車がありますが,最長鈍行の余韻に浸りたいのでこの列車は見捨て,次の10:12の上りで帰ることにします。ちょうど30分あるので駅前をブラブラしたり,観光案内所に寄ったりで過ごします。赤穂からは旅行も終盤,自宅への帰途の旅になりますが,以降はその5でご報告します。

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播州赤穂駅の表側。高床式の正倉院を思い起こさせる意匠だ

 最長鈍行の3207M~3407Mですが,関西圏の大動脈を高速でとばすので,車窓や鈍行の旅を楽しめるだろうかと思っていました。実際に乗ってみると,何度も通ったことがある東海道本線~山陽本線でも意外と新しい発見も多かったです。また途中にも書いたようにこの列車では,かぶりつきの前面展望もたっぷり楽しめ,飽きることがありませんでした。(2021.12.11記)

その5につづく
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